8/12、ダイヤモンドグローブ。
日本人同士のタイトルマッチというのは、日本タイトルマッチでもアジアタイトルマッチでも好試合、つまりは激闘になりやすいというのは共通認識でしょう。
だからこそ、リング禍も起こりやすく感じます。
先日のダイナミックグローブの結果を受けて、ダイヤモンドグローブで行われるWBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチも10回戦に変更、果たして効果があるかは疑問ですが、このタイミングで何もやらない、よりはマシなのでしょう。
ということで今回のブログは、FODで放映されたダイヤモンドグローブの観戦記。

8/12(火)ダイヤモンドグローブ
日本フライ級タイトルマッチ
永田丈晶(協栄)8勝2敗
vs
野上翔(RK蒲田)5勝(3KO)無敗
信じられないほどの運動量と手数を持つ永田、小気味良いテンポで常に攻撃をしかけるボクサーは、2度にわたり日本王座を獲得したボクサー。
世界タイトル挑戦経験のある山内涼太(角海老宝石)を2度にわたり退け、名門協栄ジムの看板を一人で背負っています。
対する野上は24歳の新鋭で、わずか6戦目でのタイトルチャレンジ。プロ3戦目で富岡浩介(RE:BOOT)を破った事以外は未知な部分もありますが、ニュースター誕生なるか。
初回、まずリング中央に駆け寄った両者、野上が鋭いジャブ。永田はフェイントをかけつつ様子見、しながらインサイドに入る機を伺います。
野上が非常に攻撃的、パンチのつなぎが素晴らしい。野上は再度に動きながら距離をキープ、非常にうまく戦っているように見えます。永田は前半、どこまで削れるか。
2R、頭を振ってプレスをかける永田。野上は強いジャブで永田を阻みます。強いプレスの永田は徐々に調子が出てきたか、手数が随分と出てきました。そしていくつかのパンチをヒット、後半には右で野上の顔を跳ね上げています。
3R、展開は変わらず、ですがやはり永田はラウンドが進むに連れペースアップ。野上にはかなりプレッシャーがかかっていると思います。
永田は細かなバックステップも出はじめ、プレスをかけては打っては小さなステップ、そしてプレス。野上も後半、強いコンビネーションをリターンし、良い攻撃を見せています。
4R、若干前手を出した構えにする野上、これまでの強いジャブから差し込むようなジャブに変えているように見えます。そのジャブで照準を定めて左のストレート、これは見事。
永田もしつこいプレスで距離を詰めると、野上をブロッキングポジションに追いやり、そのブロックの間隙を縫ったアッパーをヒット。お互いに持ち味を発揮しています。
5R、野上の強い左からスタート。下がりながらもこのラウンド前半は野上が良い距離をキープ、そして中盤に入ったところで強打のコンビネーションをヒット。
距離が詰まった後半は野上のジャブにあわせた永田の左カウンター、近い距離では野上もショートの右フックをヒットして譲らず。
途中採点は、48-47、49-46、50-45で野上。フルマークのジャッジもいるんですね。各ラウンドは微妙な差でしょうが、この接戦でポイント差が開くのはラウンドマストシステムが故。
6R、こうなると永田は厳しい、しかし後半というのは永田の持ち味が発揮できる場面。永田は激しく前に出て距離を詰め、やや強引にも手を出していきます。
野上は心理的優位にたつも、ここで安心しては巻き込まれてしまいます。
野上は集中力をキープも、これまで以上の強いプレッシャーをかける永田を若干持て余し気味に見えます。
7R、素早いサイドステップの野上。とにかく野上は距離を詰められたくないですが、それでもこの永田を相手に逃げのステップを使うと飲み込まれてしまいます。
永田はやることが明確な分、強い気持ちを持ってプレス。良い左をもらってもかまわず前進、後半には左フックをヒット!これでガクンと腰を落とした野上、ロープがなければダウンだったのでは!?
ここをなんとかディフェンスに徹してエスケープする野上!
8R、ここは野上にとっては正念場。更に勢いに乗る永田、ここにきて力強さを増します。野上は若干動きが鈍ったようにも見えますが、気持ちは切れません。野上にとっては厳しい展開ですが、まだ若干ポイントはリードしているはずです。
9R、野上は随分と永田の左をもらうようになっています。相変わらずジャブは良いですが、このジャブの打ち終わりにもらってしまうのは気になります。
後半、若干の疲れを見せはじめたように感じる野上ですが、良いカウンターも打てています。永田は相変わらず素晴らしい安定感。
ラストラウンド、もうこのラウンド勝負なのかもしれません。勢いは永田にあります。
やはり野上のジャブのあとに左をヒットする永田、野上も遠い距離だけでなく永田の距離でも強いコンビネーションをリターン。素晴らしい意地と意地のぶつかり合い、ともに被弾がある分、ここ最近の試合を見るとやはり少し怖くなってきます。が、当然、ストップするようなタイミングはありません。
そして終了のゴング、永田がマクった風に見えますが。。。?
判定は、95-95、96-94、98-92、野上翔!
おお、なんと野上の勝利。もしかするとリングサイドで見ると野上のパンチは映像で見るよりももっと当たっており、映像でみた感じは野上のもらい方が悪いように感じましたが、永田のパンチの勢いはころされていたのかもしれません。
ともかくこのタフファイトを制した野上、フライ級という世界も近い階級で大いに期待ができますね。今後のファイトも楽しみです。
WBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ
川浦龍生(三迫)13勝(9KO)2敗
vs
白石聖(志成)12勝(6KO)1敗1分
いっとき、日本王座の挑戦者決定戦に負け、王座決定戦が決まるの2度も流れ、いよいよたどり着いたタイトルマッチで敗北を喫した川浦龍生。それでもそこから這い上がり、ちょうど1年前にWBOアジアパシフィック王座をTKO勝利で獲得すると、初防衛戦もTKO勝利。
絶好調とも言える川浦は、現在3つの団体で世界ランク一桁となっており、来年には勝負の一戦が望める王者です。
白石は2度目となるWBOアジアパシフィックタイトルチャレンジ、ここを取れば彼のキャリアにとって一発逆転、これは気合いが入るでしょう。
白石のタトゥーは全然消えきってないですが、もはやこのタトゥーを消す、ということについて意味のある、明確な答えを言える人はいないんじゃないでしょうか。至極どうでも良いことなので、このルールはさっさと消えてほしいですね。
ともあれ、ゴング。
白石が長いジャブ。川浦はどっしりと構えてまずは見る雰囲気。白石のジャブの打ち終わりに長いジャブをヒット。先に仕掛けるのは白石、中盤に入ると川浦も攻め入る姿勢を見せます。
後半は川浦がジャブから左ボディストレート、顔面へのワンツーを使い分け、ギアを挙げています。
2R、川浦の、前手で白石の左をパリーしてのジャブ、これはタイミングが良いですね。若干落ち着いた展開、お互いに相手に合わせる心づもりか。
先に動くのは白石ですが、これは先に動いて当てよう、というよりも、先に動くことで相手を動かしカウンターを狙っているのでしょう。それに川浦がのらないので、ヒットは生まれません。
逆に後半、川浦は自ら動いてワンツーをヒット、こちらはちゃんと当てるパンチを放っています。
3R、このラウンドも中間距離の駆け引きでスタート。しかしやはりこの駆け引きの部分では川浦が上回ります。白石の攻撃に対しては対処してからしっかりとリターン、自ら攻めてもワンツーをヒットしています。
4R、ジリジリとプレスの川浦。それに合わせてジリジリと下がる白石。
よく伸びる川浦の右左、白石のパンチをブロッキングなり外してのこの伸びるリターンは、よく白石を捉えています。
白石も後半強い攻めを見せて頑張りますが、終盤は川浦がチャージして終了。
5R、そろそろ巻き返さなければまずい白石、ジャブからボディストレートという良い攻撃を見せます。しっかりと踏み込んで打つパンチはちゃんと届いています。
川浦はじっくりと構えてリターン、白石が攻めてくるのであれば川浦としては得意のパターンになっていくのでしょう。そう考えると白石のできることはなかなかに少ない。
6R、リズムにのる川浦、カウンターを準備し、相手がこなければワンツー。中間距離でできることが少ない白石ですが、このラウンドは後半、ぐっと距離を詰めて接近戦。この距離は白石にとっても自分の距離ではないかもしれませんが、この方が良いかもしれません。
7R、ここでも白石は接近戦を挑みます。前ラウンドの後半の戦い方に手応えを感じたようです。
しかしこの近い距離でも川浦のカウンター、しかしこれをもらったとしても行かなければなりません。
一転、足を使いはじめた川浦、自ら距離を作ってからの踏み込んでの長いワンツーはお見事です。
8R、中間距離をキープする川浦、動いてはカウンター、カウンターをヒットしては動きます。中盤、ようやく強いプレスをかけた白石は接近戦でチャージを試みますが、さほど長くは続かず。
中間距離から白石が踏み込むと、川浦の左カウンターで顔を跳ね上げられます。かなり大勢は決している状態で、残り2ラウンド、どのように戦うのか。
これは白石陣営からすると結構絶望的です。
9R、リズムを刻んで待ち、かと思いきや自ら動く川浦。ジャブから左ボディストレート、そして顔面へのワンツー。中盤はこのワンツーで白石の動きは一瞬止まり、ここまでのかなりの被弾があるのでこれまた結構危ないのではないか、と思ってしまいます。
川浦はこのラウンドにきて更に速いリズムを刻んでおり、リングを縦横無尽に動いています。
ラストラウンド、白石が前に出るスタート。ただ、白石の踏み込みは届かず、川浦のワンツーは届きます。なんとも無情、しかしこれこそが技術の差、というものなのでしょう。
一発をもらわないよう、丁寧に戦う川浦、一発逆転を狙ってフルチャージの白石!これに呼応するように最後は打ち合う川浦、最後まで諦めず手を出し続けた白石、どちらもあっぱれ。
判定は、97-93、98-92✗2、川浦。
ほとんどの時間を優位に進め、完勝だった、と言って良いでしょう、川浦龍生。見事なボクシングを見せました。
この階級は統一路線、まだもう少し、我慢が必要です。しかしそのうち、来年の後半ぐらいにはチャンスが訪れるはずです。それまでにしっかりとランキングを上げ、上位に居続けることができれば決定戦出場のチャンスがくるかもしれませんね。今後に期待しましょう。
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