お盆、連休中というのはだいたいいつも忙しい。
今回は(も?)アマチュアボクシングの試合なんかもあり、家庭をほったらかしにしているのでなかなかに、なかなかです。
仕事も溜まっていて「連休中にやらなければいけない」という意味不明の言葉を用いて説明するマストタスクなるものが山積みです。
ということでこの愚痴っぽい前段は置いといて、今回のブログはみんな大好き(?)、現代ボクシング界最大のスターの一人、アンソニー・ジョシュアについて。

Anthony Joshua Could Face Tony Yoka in December Return | BoxingScene
アンソニー・ジョシュア
かつてのライジング・スター、「AJ」アンソニー・ジョシュア。
ロンドン五輪のスーパーヘビー級で金メダルを獲得したあと、並み居るライバルたちをノックアウト、2016年にIBF世界ヘビー級タイトルを獲得。
その後も強敵を相手に防衛、中でもウラディミール・クリチコとの倒し倒されの大激闘は今でもジョシュアのベストバウトの一つと言えるでしょう。
ジョセフ・パーカーを降して3団体王座を統一しますが、2019年にアンディ・ルイスに不覚のTKO負け。クリチコ戦で見せた綻びは、この試合で世に出ましたね。
超合金のようなメタルボディに反して、顎に問題をかかえていたジョシュア。
ハードパンチャーが打たれて脆い、というのはよくある話で、このAJもその理の外にはいませんでした。
しかし卓越した技術を持っているジョシュアは、慎重な戦い方を全うすることでルイスにリベンジ、これにより3つのタイトルを取り戻したジョシュアは、1つ下の階級で4団体統一王者となったオレクサンドル・ウシクを迎えることになります。
2021年9月、スキルも大きな身体もパワーも持っているジョシュアは、当時のウシクを相手に絶対優位。ウシクはせめて王者がジョシュアでなければ、ヘビー級も制することができるはず、という下馬評でした。
しかし蓋を開けてみればウシクはジョシュアを降し、2階級制覇。フィジカルを活かして戦うことができなかったジョシュアは、再戦でもウシクに敗北、2連敗を喫してしまいます。
かつて完璧なボクサーに見えたAJは、「顎」のほかに「メンタル」にも問題を抱えており、そのこともルイス戦で一部が、そしてこのウシクとの連戦で全貌が明らかになりました。
そこから復活したジョシュアでしたが、2024年9月にダニエル・デュボアに5RTKO負け。同じ英国人、自分より若いボクサーに負けた、とあってはもはや世代交代と言わざるを得ないでしょう。
アンソニー・ジョシュア争奪戦
もう十分な実績を残したジョシュアですが、まだ引退するつもりはないようです。
ここ数年はトゥルキ・アラルシクの金魚のフン状態のジョシュアは、ビッグマッチを求めてさまよいます。
まだまだ人気もあるでしょうから、当然まだ稼げるボクサーで、集客力も群を抜いています。
ジョシュアとしてはずっと望まれてきたタイソン・フューリー戦を希望しています。これはジョシュアではなく、トゥルキの希望なのかもしれません。
未だ英国最大のヘビー級タイトルマッチとなるであろうこの戦いの実現可能性は、ジョシュア(というかトゥルキ)がフューリーに莫大なファイトマネーの打診をしたことで一時はフューリーのカムバック、というニュースも流れたほど、確定的なものでした。
フューリーはウシクとの2戦を経験したのち、引退を表明。しかしAJからのオファーによりカムバックを決意したとの続報があり、つい先日、その復帰の噂を完全否定。
フューリーはボクシングに「Never」(二度と復帰することはない)と発言。ボクシングは若者のスポーツで、自分にはもう白髪も増えた、とのこと。ハゲなのに。いや、ヒゲのことらしい。
ともあれ、まだ五分五分というのは彼のこれまでの言動を見ればわかることで、もし開催するとしても来年、2026年の話でしょうから、気長に待ちましょう。
トニー・ヨカ or ジェイク・ポール
では、前戦からすでに1年が経過しようとしているジョシュアの復帰戦の相手は誰になるのでしょうか。すでに35歳となったAJに残された時間はさほど多くなく、この先はビッグマッチ以外はしたくない、が本音でしょう。
トニー・ヨカはジョシュアの次、2016年のリオ五輪の金メダリストで、プロ戦績は14勝(11KO)3敗。2022年から2023年にかけて、マーティン・バコーレ、カルロス・タカム、リヤド・メルヒーに3連敗を喫しており、はっきりいえば世界タイトル戦にはそぐわない実力と言えます。同じ金メダリストでもここまで違いますか。
ちなみにリオ五輪では決勝でジョー・ジョイス、準決勝でフィリップ・フルゴビッチを破っています。大したものです。
ともあれ、例えばジョシュアの世界タイトル戦の相手とすると物足りないヨカですが、復帰戦の相手としてはもってこい、といえるのかもしれません。
しかもこのヨカは、ドン・チャールズ(ダニエル・デュボアのトレーナーでもあります)に指示を受けているらしく、このことはヨカのアップセットも可能にする事柄だけに、盛り上がる可能性がありますね。
ヨカ自身も、12月にアフリカでジョシュアと戦う可能性がある、と発言しており、このアフリカでの試合というのはジョシュアが希望していることだから、十分にありえること。
ビッグマネーを手にすることができるジョシュア・ダービー、ヨカが最も近くにいるボクサーなのかもしれません。
そしてもうひとり、ヨカと同等かもしれないのがジェイク・ポール。エディ・ハーンはこのジェイク・ポールこそがジョシュアの復帰戦のナンバーワン候補だと喧伝しています。
前戦でフリオ・セサール・チャベスJr.に勝利、WBAクルーザー級のランキングに入ってしまったジェイク・ポール。これはWBAが悪いのはもちろんのこと、チャベスJr.にも怒りを禁じえません。
まあともあれ、入ってしまったものは仕方なく、現状は悲しいかな、ヒルベルト「スルド」ラミレスへの挑戦スルことができる状態にあります。
戦ってきた相手はどうあれ、また、世界ランカーとしての実力の有無は置いておいて、いつからか、ちゃんとボクシングはできるようになっています。それでもその才能はセルフプロモーションであり、女子ボクシングのプロモートという部分に発揮されるべきもの。
結局のところもし万が一、ジョシュアが自分の対戦相手としてジェイク・ポールを選ぶ時、「カネのため」以外になく、そしてそれは絶対的な真実です。
だからおそらく、ジョシュアはこの試合を選ばないはずです。
どんなにトラッシュトークをされようとも、どんなにカネを積まれようとも、もし万が一、いや億が一、ジョシュアがこの試合を選んだとするならば、もはや軽蔑に値することで、これまでのジョシュアの輝かしいキャリアを全否定するものにもなりかねません。
現役のボクサーであり、さらに階級も上。危険しかありません。
このことは、互いに名前を出すことでただ単に次の試合を盛り上げよう、本当の相手に対しての交渉を有利に進めよう、という思惑(カネロがクロフォードを相手にやったようなこと)だと思っています。
ラストピース!
この記事を書こうと思ったのは、日本時間8/13のこの記事を目にしたからです。
記事にはこうあります。
「SOG」は現在41歳で、ソーシャルメディアで、元ヘビー級チャンピオンのアンソニー・ジョシュアとの対戦にまだ魅力を感じると語った。
かつてのPFPファイターは狂乱してしまったのか、という悲しい気持ちになりましたが、この記事のことは結果的には実現可能性はほとんどありません。
アンドレ・ウォードはつい最近まで(といっても調べたらもう2年経っていた)ESPNのトップランク興行で解説を務めていたので、そんなに昔のボクサー感はまだありません。それでも引退してからもう8年なんですね。
ともあれ、殆どの期間をスーパーミドル級でキャリアを築き、ライトヘビー級をも制覇したウォードですが、さすがに復帰は無謀で、さらにヘビー級となるともっと無謀です。
どのように夢を見ようとも、非常に堅実で賢明なアンドレ・ウォードが、アンソニー・ジョシュアと戦うためにウェンブリー・スタジアムのリングに上がることはないはずです。
しかしそれでも、アンソニー・ジョシュアというボクサーはこの引退して期間が空いたボクサーに対しても食指を動かせる、不思議な魅力を持っている、と言えるでしょう。
それはジョシュアが持っている人気、そして、ジョシュアと戦うことで得られる莫大なファイトマネーと名声、そしても1つ、どこかに脆さがあり、欠陥があるからこそ、どんなに不利な状況であろうとも「もしかしたら」が起こる可能性がある、ということだと思います。
アンソニー・ジョシュア、それはそれで魅力的なボクサーですが、是非とも安全面に気をつけて残りのキャリアを過ごしてもらいたいものですね。
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