今週で8月が終わりだなんて信じられませんね。9月に入ったらすぐにカネロvsクロフォードと井上vsアフマダリエフです。
さて、ということで今回はいくつかのニュースをピックアップ。

アンドリュー・モロニーにチャンス到来か?
IBF世界スーパーフライ級の指名挑戦者決定戦を欠場したアンドリュー・モロニー。このことは日付も、場所さえも2転3転したことから、モロニーに十分に同情できる事柄です。
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そしてこの度、このスーパーフライ級に動きがありました。
動きがあったのはWBOのスーパーフライ級ランキングで、これまで長らくトップコンテンダーに君臨していたローマン「チョコラティート」ゴンサレスがランキングから姿を消しました。
チョコラティートは2022年にファン・フランシス・エストラーダに敗れて以降、2024年7月に再起戦に勝利。しかしその後1年以上にわたりリングには上がっていない状況でした。
もしかすると世界戦の交渉等はしていたのかもしれませんが、WBOの王者はジェシー「バム」ロドリゲスであり、レジェンドキラーであるこのボクサーとチョコラティートの試合というのは一部からは期待されていたのかもしれません。
さて、このことが起こってみれば当然にも思いますが、8月発表のランキングでこのチョコラティートが消えたことにより、これまで2位だったアンドリュー・モロニーが1位に浮上。晴れてWBOの指名挑戦者となりました。
無理してメキシコの高地で試合を受けなくてよかったね、という気持ちですね。
しかし、WBOの王者は前述の通り、ジェシー・ロドリゲス。
爆発的な「何か」を持っていないモロニーにとって、バムに勝つチャンスはほぼゼロに近いでしょう。
バムは11月にWBA王者のフェルナンド・マルティネスと3団体王座統一戦を予定。その後、色々が上手くいけば来年の春にはIBF王者との4団体王座統一戦が組まれることになるはずです。
そこまで現在のランキングで粘ることができれば(モロニーが調整試合でヘマをしないこと、そしてWBOが変に指名試合の指令を出さないこと)、モロニーに回ってくるのは王座決定戦のチャンスです。
そして、それはおそらくモロニーにとってラストチャンスとなるでしょう。
そこに関わってくるのは、もしかするとホセリート・ベラスケスかもしれませんし、川浦龍生かもしれませんし、もっと別の誰かかもしれません。
いずれにしろ、トップコンテンダーになったとしてもすぐには挑戦できそうにないアンドリュー・モロニー、ここからの1戦1戦が非常に大事になってきますね。
アバス・バラオウの次戦!
つい先日、素晴らしいパフォーマンスを見せてWBA世界スーパーウェルター級暫定王者に輝いたアバス・バラオウ。キューバのヨエニス・テレスを退けたこのタイトルマッチは、この日最も注目されたパフォーマンスとなりましたし、タイミング的にも彼の人生を非常に良くする出来事だったと思います。
「アップセット」と報じられているこの戦いは、マイナーなコンテンダー同士の戦いではありましたが、いずれにしろレベルは高く、今後のスーパーウェルター級戦線が非常に楽しみになる試合だったと思います。
KO率に比べてパワフルで、何よりもここを絶対に勝利する、という強い気持ちを見せたアバス・バラオウ。きっとこういうボクサーは誰とやっても好ファイトを見せてくれるでしょう。
そしてこのタイミングが非常に良かったのは、やはりWBAの正規王者であるテレンス・クロフォードがようやくその王座を退くタイミングだから、ということに他なりません。
9/13(日本時間9/14)、テレンス・クロフォードは、カネロへの挑戦のためにサウジアラビアのリングに上がった瞬間、このタイトルが空位となります。そして、その空位となったタイトルに昇格するのが暫定王者のバラオウ。
そうして来月には正規王者になるバラオウに立ちはだかるのは、他団体の王者でなく、ジャーメル・チャーロである、というのが既定路線のようです。
WBAのランキングを見てもチャーロの名前はありませんが、実はチャーロはWBAの休養王者らしいです。これはジェイク・ドノバンがそう語っています。このことは、WBAの公式よりもよほど信憑性のある事柄でしょう。
しかしチャーロは2023年9月、カネロと12Rのダンスを踊った以降リングに上がっておらず、この試合を受けるかは不明です。
そうなると次はジャロン・エニスvsウイスマ・リマの勝者と戦う、ということが濃厚であり、いずれにしろバラオウの天下はさほど長くは続かないかもしれません。
いずれにしても、エニスがこのスーパーウェルター級でどれぐらいディスアドバンテージを受けないのか、というのが今後のこの階級を占う重要なファクターになりそうです。エニスがもし、リマ、バラオウを難なくこなしてしまうようでしたら、新たに参入したブーツ・エニスがこの階級最強の称号を手に入れる日も近いかもしれません。
エニスはこの階級でライバルたちに恵まれます。そして今のボクシング界を考えると、それらの戦いが「決まらない」ということはないはずですから、期待して待ちたいと思います。
軽量級のエトセトラ
カネロvsクロフォードが同じリングに上がる日、それぞれの場所での現地時間の違いはあれど、ここ日本では同じ日にミニマム級で雌雄を決する2人の日本人ボクサーがいます。
結果的に「またWBA」みたいな話ですが、もはや今の時代、このWBAの恩恵を受けられる位置にいるのも実力だと思うようにすべきです。
どちらにも王者になってほしい、高田勇仁vs松本流星。
WBAのスーパー王者はオスカー・コラーゾで、今現在、間違いなくミニマム級最強はこのボクサー、と言えます。言えるように、なってしまいました。
かつてコラーゾと同等の評価を得ていた重岡銀次朗はペドロ・タドゥランに2連敗、そして2戦目に救急搬送され開頭手術を受け、引退。悲しい去り方ではありましたが、今はもうとにかく回復を願うばかりです。ここ最近の悲しいニュースの中でも、戦い続ける彼のことは応援しましょう。
そしてその兄、重岡優大も引退。当然まだまだできると思いますが、リングに戻ってきてほしいなどといえる状況ではありません。
その優大を2度にわたって破ったメルビン・ジェルサェムの初防衛戦が近々発表となる、とのことです。
ジェルサェムは統一戦を望んでいましたが、統一戦ではなく防衛戦。この防衛戦はフィリピンのマニラで行われる、とのことなので、ファイトマネーは大きなものではないでしょう。
当然彼が目指していたのはコラーゾとの再戦で、それが叶わなければ元王者のダニエル・バラダレスの挑戦を受けると噂されていました。しかしバラダレスはビザの問題で出場することができなくなり、今回発表されそうな相手はそのどちらでもなく、南アフリカのシャコルワ・クセというボクサーです。
9勝(4KO)2敗1分、22歳、年齢や出自を考えるとなかなか危険なボクサーかもしれませんが、戦績はやや物足りません。
ジェルサェムが再度、コラーゾにたどり着けるか、ミニマム級も要注目ですね。
そしてそのミニマム級で一時代を築き、過去には日本のリングで重岡優大にベルトを預けたパンヤ・プラダブスリが引退を発表。
絶対王者ワンヘン・ミナヨーティンを降して王者になったパンヤは、再戦では差を広げての勝利。これにより、タイ国内では大いにその名を残した、と言えるのでしょう。
思いっきりタイ判定でカルロス・カニサレスに勝利して2階級制覇を果たすも、再戦ではKO負けを喫し、まもなく引退。もしかすると、もうモチベーションは残っていなかったのかもしれません。
カニサレスとのラバーマッチ、という話もありましたが、これは潔い引き際と言えるでしょう。
サム・グッドマンは今年中に復帰したい
8/16、初めてリヤドのリングに上がり、「残念ながら」好試合となってしまったニック・ボールvsサム・グッドマン。
もっと完全に巻き込まれるかと思っていた(というか期待していた)試合は、グッドマンの頑張りにより好試合となることで、ニック・ボールvs井上尚弥というマッチアップに幻想を抱けなくなりました。
↓観戦記
グッドマンはこのあと、ドバイにわたって休暇を楽しんだあと、2025年末までにリングに上がりたい、と語っています。
ということは、です。
トゥルキ・アラルシクは、グッドマンの頑張りに対して、「またリヤドに呼びたい」という事を言っていましたから、11月、もしくは12月のリヤドシーズンに登場する、というのは大いにあり得ること。
そしてさらに、12月であればちょうど日本vs世界という興行となり、ここにサム・グッドマンが登場する、というのは話題的に非常に良いのではないでしょうか。
もはや井上尚弥と戦うというのは難しいでしょうが、スーパーバンタム級でもフェザー級でも日本の良いボクサーたちが揃っています。
例えばラモン・カルデナスが中谷潤人と戦わないのならば(※カルデナスはWBAの暫定王座戦の話もあるようなので)、vs中谷潤人だって良い。村田昴でも下町俊貴でも良いし、フェザーであれば中野幹士とだって面白い。
これはトゥルキならば簡単に考えつきそうな出来事ですから、結構実現可能性は高いのではないかと思いますね。12月のリヤド、期待して発表を待ちましょう。
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