延期されていたダイナミックグローブが開催。
帝拳プロモーションは、前回のリング禍を受けて早々に救急搬送体制を確立、この目処がついたからこそのダイナミックグローブ再開に踏み切った、ということなのでしょう。
このスピード感と対応は素晴らしいものではありますが、他の興行では大した対策も講じず、ここまでやってきた、ということになってしまいますね。それはそれで不安なことではありますが、ともあれ、ボクサーたちは文字通り命がけでリングに上がっており、そこにこそ我々ボkスイングファンは感動をおぼえるのでしょう。
とにかくリングに上がるすべてのボクサーが無事にリングを降りられることを祈りつつ、今回のブログはダイナミックグローブの観戦記。

10/4(土)ダイナミックグローブ
岩田翔吉(帝拳)14勝(11KO)2敗
vs
エドウィン・カノ(メキシコ)13勝(4KO)3敗1分
元世界王者、岩田翔吉が半年以上ぶりのリング。相手は世界挑戦経験者、エドウィン・カノです。
前戦の敗北も、ランキング上位に残る岩田は、この試合のあとにまた世界戦のチャンスが巡ってきてもおかしくない位置につけています。カノは世界挑戦できるほどの実力者ではありますが、岩田と比べれば実績に劣る選手でもあり、ここは岩田の快勝に期待したいところです。
初回のゴング、まず岩田がプレスをかける立ち上がり、カノはサークリング。カノは完全に待ってのカウンター狙い、岩田はじっくりとプレス、右のボディストレートがよく伸びています。
2R、初回に続き、岩田の右ボディがヒット。ちょっとカノは岩田のパワーを感じているか。強い踏み込みで攻める場面をつくる岩田、そこにカノも良いスイングをあわせてきます。
しかし自分からは攻めないカノ、岩田はこいこいと煽りますが、当然くることはありません。
後半、岩田の右ボディが刺さり、これはかなり効果的でしょう。
3R、カノもしっかりと迎え撃つ形になりました。足を大きく使わなくなりましたが、岩田のプレスが強いか、ジリジリと下がるイメージ。
カノの良い右を当てますが、岩田のボディはいまだ効果的ですね。
4R、カノのまっすぐの左、若干外側をまわる左、それぞれが岩田に当たるようになってきています。そうすると当然、カノの武器ともいえる右フックも良くなっていきます。
しかし岩田もあくまでも冷静で、熱くなることもなく、じっくりとプレスをかけて飛び込むようなことはありません。
5R、カノが近場で耐えるようになっているから、岩田も力強いパンチをその場で届かせる事ができています。このラウンドはショートの右をヒット、さらにこの右をボディにも持っていきます。
6R、カノもかなり前に出て、手数を出してきます。ポイントの劣勢を意識してのことでしょうか。しかしここで岩田の左ボディが炸裂、カノはグッと腰を折ります。
クリンチに逃げるカノ、追う岩田!完全に身体を折っているカノですが、諦めません。
良い右ボディを決める岩田、その右を上に返します。しかしカノもボディを返すことでサバイブ、なんとかゴングに逃げ込みます。
7R、ボディと見せかけて左アッパーをヒットした岩田。ここは決めきりたい。
クリンチ際、投げ飛ばしてしまった岩田、これは悪手。カノに休む時間を与えてしまい、再開後、カノは大きく距離をとって倒されないことを前提としたスタンスにシフト。
岩田はカノを煽りますが、ここで打ってくることはないでしょう。
明らかにボディが効いているカノですが、軽打を連打して誤魔化しています。
後半、岩田は自ら攻め込み、右のボディアッパーをヒット!これでカノはダウン!!立ち上がりますが、テンカウントでしょうか、レフェリーは試合をストップ!
岩田翔吉、7RKO勝利!
非常に良い勝ち方をした岩田翔吉。やはりこのパワーは魅力ですね。
前戦での敗戦後、おそらく色々な葛藤があったのでしょう。ただ、今回の岩田は前戦よりも成長した、ということは明確になったと思います。
パワーだけではなんとかならない相手にどう対応するのか、そこに向かって一歩一歩前進しているような感じでしょう。まだまだ伸びしろは十分、今後の戦いに期待しましょう。
日本スーパーウェルター級タイトルマッチ
WBOアジアパシフィックスーパーウェルター級王座決定戦
豊嶋亮太(帝拳)21勝(12KO)3敗1分
vs
安達陸虎(大橋)19勝(14KO)4敗1分
佐々木尽に衝撃的な初回TKO負けを喫してからもう2年半。復帰して日本ウェルター級タイトルを獲得した豊嶋、今回の試合は階級をあげて日本スーパーウェルター級を制しての初防衛戦であるとともに、WBOアジアパシフィックタイトルの王座決定戦ともなりました。
一方で初のメジャータイトルショットとなる安達、これまでも全日本新人王戦、ユースタイトルの獲得に2度失敗しており、ここで勝てば一気に2冠というのは本人のモチベーションは過去最高のはずです。
豊嶋としてはここは力の差を見せつけて勝たなければならないところ。11月に行われる帝拳vs大橋の前哨戦にも位置づけられる(?)一戦、注目です。
初回のゴング。
ジリジリとプレスをかけていくのは豊嶋。安達はサークリングからのスタートですが、早々二距離が詰まります。
ちょっと安達は後手か、豊嶋が先に動いています。安達は先に仕掛けたいところ。
距離が詰まったところでの豊嶋の左フックが良いですね。
2R、回転力もある豊嶋、近い距離では安達は苦しい。フィジカルの差もあるか、安達の攻撃にびくともしない豊嶋に対し、安達はかなりブラされています。
苦しい安達、右ボディは良い。しかし後半に入ろうかというところで豊嶋の右がヒット、ぐらりときた安達に対して豊嶋が猛ラッシュ!安達も左フックカウンターをリターン、その後、クリンチでこの攻撃を分断。
頭をつけた距離、これはどちらのパンチも相殺される距離です。その後も豊嶋がプレスをかけたところでラウンドが終了。
3R、ここも近い距離。この距離では、豊嶋のパンチで体制を崩してしまう安達にとっては良い距離ではない気がします。
その後は若干距離を取り始めた安達ですが、豊嶋が詰めるとやすやすと懐に入られてしまいますね。
4R、安達はハラを決めたのか、ぐっと近い距離でのボクシング。豊嶋をおしながら手数を増やしていきますが、どうしても体制を崩されてしまうことはあります。
豊嶋の左ボディ、アッパーがヒットしますが、安達も怯まずにリターン。やはり気合が入っています。ただ、豊嶋の回転力は脅威です。
5R、両者ともにボディはよく入っているように見えますね。ここも近い距離での打撃戦、ここでも押されるのは安達、豊嶋はこの距離で良いアングルのアッパーをヒット、相手を押して距離を作っての右ストレートをヒット。
安達は苦しいか、それでも向かっていくハートの強さは素晴らしいですが、ちょっと突破口が見えないか。
まだまだ力強い豊嶋に対し、安達はちょっと力感が薄れてきたか。
6R、ここもバチバチの打ち合い、やっぱりこの距離では豊嶋の回転力。安達箱の距離でのカウンター狙いか、良いタイミングで左フックを振るっていますが、決定打は生まれず。
中盤、またも豊嶋のアッパーが安達を襲い、これで大きく顔を跳ね上げられた安達は、続いてダブルの右アッパーも食らっています。その後は豊嶋の左アッパーでも顔を跳ね上げられた安達、豊嶋は自分の得意な距離で横綱相撲に近い感じ。
7R、安達はあの豊嶋の右アッパーに左フックをあわせられれば、万に一つの可能性があります。しかし豊嶋のアッパーは非常にコンパクトで、アッパーばかりを狙っているわけでもないのでタイミングも読めないか。
このラウンドは豊嶋のボディが良い。
8R、豊嶋の上下の打ち分けはすごいですね。左のアッパーから左のボディ、これでは近い距離でのカウンターは狙うことができず、偶然タイミングが重なることを願うしかありません。
身体を預けるようにしてくる安達に対して、豊嶋は効果的なショットを狙ってか若干のバックステップを使い始めています。
9R、このラウンドもちょっと豊嶋は距離を取り始めたか。近い距離で安達の左フックに対して豊嶋は右アッパーを返す事が多いので、安達としては左フックをダブルで出せばカウンターになりそうな気がします。
距離があけば豊嶋のジャブがよい。近い距離での豊嶋のパンチには慣れたかもしれない安達ですが、このジャブで幾度か顎を跳ね上げられています。
ラストラウンド、もう安達は近い距離では倒れないと踏んだのか、豊嶋はこのラウンドも距離をとってのジャブ。
グイグイと攻め入るのは安達、豊嶋はロープに詰まるもすっと身体を入れ替え、4パンチコンビネーション!このストレートが安達のガードを割って入りますが、安達も素晴らしいタフさを披露。
安達の気持ちの強さ、この試合にかける覚悟、それは十分に伝わります。しかしそれでもなお、豊嶋亮太の壁は高く、厚い。
最後の最後まで前進して手を出し続けた安達ですが、そのアタックは実らず、ゴング。勝負は判定へ。
判定は98-92✗2、100-90、3-0の判定で豊嶋亮太。
自分の土俵でしっかりと戦い、勝ちきった豊嶋亮太。倒せていてもおかしくない試合展開でしたが、安達陸虎の覚悟はダウンを拒み、ストップを跳ね除けました。
ともかく、強さを見せつけたのは豊嶋亮太。そして気持ちの強さを見せた安達陸虎。好ファイトでしたね。
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