信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】ジョセフ・パーカーvsファビオ・ウォードリー!パワーvs技巧、勢いvs経験、大注目ヘビー級ファイトにかかるのはウシクへの挑戦権?

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まだまだボクシングスローウィークと言われる今週末、ボクシングファンの視線は英国ロンドンのO2アリーナに注がれることでしょう。今後のヘビー級戦線を占う上で、これは非常に重要で、興味深い一戦が行われます。

O2アリーナで行われるジョセフ・パーカーvsファビオ・ウォードリーは、単なるヘビー級の一戦ではありません。新世代の台頭か、それとも百戦錬磨の元王者の完全復活か、という大きな物語が懸かった試合だと思います。

ジョセフ・パーカーにとっては、デオンテイ・ワイルダー、チャン・ツィーレイといった強豪を立て続けに破った近年の快進撃が本物であり、自身が再び世界の頂点を狙えるトップコンテンダーであることを証明するための重要な戦いです。ここで足踏みするわけにはいきません。

一方のファビオ・ウォードリーにとっては、これまで英国国内でその名をとどろかせてきた無敗の勢いが、世界トップレベルで通用するのかを試される、キャリア最大のテストマッチと言えるでしょう。彼が「本物」なのかどうか、この一戦でその答えが出ると言っても過言ではありません。

そして何より、この試合の勝者には、現統一王者オレクサンドル・ウシクへの挑戦権が大きく近づくことになります。まさにヘビー級の未来に直結する、サバイバルマッチなのです。

ということで今回のブログは、ジョセフ・パーカーvsファビオ・ウォードリーについて。

 

 

 

10/25(日本時間10/26)イギリス・ロンドン

ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)36勝(24KO)3敗

vs

ファビオ・ウォードリー(イギリス)19勝(18KO)無敗1分

英国イプスウィッチ出身、30歳の無敗のホープ、ファビオ・ウォードリー。その戦績は19勝0敗1分、そして特筆すべきは、そのうち18がKO勝ちという驚異的なKO率です。この数字が、彼の最大の武器、つまり一撃で試合を終わらせる破壊的なパワーを雄弁に物語っています。

彼のキャリアを振り返ると、特に近年の戦いは彼の成長と課題の両方を示しているように思います。デビッド・アデレイェに勝利し、そして東京五輪銅メダリストでもあるフレイジャー・クラークとの2度にわたる激闘は記憶に新しいところです。初戦は壮絶なダウンの応酬の末のドロー、そしてダイレクトリマッチでは初回で見事なTKO勝利を収めました。これらの試合は、彼が単なるパワーだけのではなく、タフな試合を乗り越える精神力と打たれ強さも持ち合わせていることを証明したと私は考えています。

 

 

 

しかし、私が彼の真価を語る上で最も重要だと考えているのが、直近のジャスティス・フニ戦です。この試合、ウォードリーは技巧派のフニにポイントで劣勢に立たされ、正直なところ「このまま判定で負けるのでは…」と思わせる展開でした。しかし、終盤の第10ラウンド、一発の右で劇的な大逆転KO勝利。この一戦は、彼の最大の長所である「一発の破壊力」と、同時に「テクニカルなボクサーへの対応」という課題の両方を浮き彫りにした、非常に示唆に富んだ試合でしたね。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

対するは、ニュージーランド出身、33歳の元WBO世界ヘビー級王者、ジョセフ・パーカー。オセアニア初の世界ヘビー級王者という歴史も持つ、おなじみのトップボクサーです。長く活躍していますが、まだ33歳と思った以上に若いですね。

戦績は36勝3敗(24KO)。2018年にアンソニー・ジョシュアに敗れて王座を失い、その後ディリアン・ホワイト、ジョー・ジョイスにも敗れ、一時期はトップ戦線から少し後退したかのように見えました。しかし、ここ最近の充実ぶりは、まさに「第二の黄金期」と言ってもいいほど目を見張るものがあります。

その復活劇の象徴が、ボクシングファンなら誰もが記憶に新しい、デオンテイ・ワイルダー戦でしょう。この試合でワイルダーはその衰えを白日のもとに晒すことになり、パーカーはその技巧を存分に披露、完璧なゲームプランを遂行しました。フットワークとジャブで距離を支配し、ワイルダーに史上最強と言われる右をほとんど打たせることなく、完封と言っていい内容で判定勝利を収めました 12。これは彼のボクシングIQの高さと、精神的な成熟を証明した、キャリア最高のパフォーマンスの一つだったと私は思います。

そして続くチャン・ツィーレイ戦。こちらはワイルダー戦とは全く違う、我慢と根性の戦いでした。パワフルなサウスポーのチャンに2度のダウンを奪われながらも、決して心を折らず、後半に着実にポイントを挽回して判定勝利。この一戦は、彼の驚異的な耐久力と、逆境を乗り越える精神的な強さを見せつけました。ジョー・ジョイス戦での敗戦を糧に、彼は単に全盛期に戻ったのではなく、より賢く、より老獪なファイターへと進化したように私には見えます。

 

 

 

勢いvs経験、もしくはパワーvs技巧

この試合のテーマを端的に表すなら、やはり「勢い vs 経験」でしょう。「ウォードリーの破壊的なパワー」が「パーカーの円熟したボクシング技術」を上回れるか、ウォードリーからすれば一発当てれば勝ち、パーカーとしてはそのタフネスでそのパンチを耐えつつ、12R戦えるか。

ウォードリーが勝つためには、序盤からプレッシャーをかけ、パーカーに考える時間を与えないことが重要だと思います。パーカーをロープ際に追い込み、得意のパワフルな左右のフックを叩き込む展開に持ち込みたいところです。パーカーがワイルダー戦で見せたような、足を使ったアウトボクシングをさせず、近距離での打ち合いに引きずり込めるか。フニ戦のように、劣勢でも一発で試合をひっくり返すパワーがあるウォードリーですが、フニ戦ではスタミナ面の不安も露呈したといえ、このあたり、パーカーはフニ以上に難しい相手でしょう。

スタミナを温存しつつ、マイペースにプレスをかけ、行くべきところで行く。こういう展開ができれば、ウォードリーがパーカーを捕まえられるかもしれません。

一方、パーカーは、ワイルダー戦の再現を目指すのではないでしょうか。徹底したジャブとフットワークで距離をコントロールし、ウォードリーの強打を空転させる。そして、ウォードリーが焦れて前に出てきたところに、カウンターを合わせる。これが彼の描く青写真だと思います。パーカー陣営は、間違いなくフニ戦の映像を徹底的に分析しているはずです。フニがポイントで上回りながらも、最後の一発に沈んだ教訓から、パーカーはさらに高いレベルの集中力とディフェンス技術で12ラウンドを戦い抜こうとするでしょう。

 

 

 

彼にとって最も危険なのは、ウォードリーの土俵である打ち合いに応じてしまうことです。観客の声援に煽られたり、万が一、序盤にポイントを取られたりすれば、試合は一気にウォードリーに傾く可能性があります。冷静さを保ち、12ラウンドを戦い抜く老獪さが求められます。

フニ戦で技術的な課題を見せたウォードリーが、あの試合からどれだけ成長しているのか。そして、酸いも甘いも噛み分けたパーカーが、勢いあるハードパンチャーに対して最後まで冷静なボクシングを貫けるのか。この二つの要素が、試合の行方を大きく左右すると思います。

暫定王者vs暫定王者

ところで、この戦いにタイトルはかかるのでしょうか。ファビオ・ウォードリーはWBAの暫定王者(スーパー王者にオレクサンドル・ウシク、レギュラー王者にクブラト・プレフ)で、パーカーはWBOの暫定王者です。

ヘビー級のタイトルショット、ではなくただのノンタイトル戦だった場合でも、この戦いはPPVファイトです。

 

 

 

そのアンダーカードも世界タイトル戦が組まれているわけでもない(IBOのクルーザー級王座決定戦はある)この興行は、どのようにしてPPVを売るつもりなのでしょうか。

パーカーにしろウォードリーにしろ、この戦いは行き着くべき目標の戦いではありません。あくまでもここに勝って、最強への挑戦権を得るための戦いです。

アメリカでは59.99ドル、イギリスでは24.99ポンド、日本では3,100円。

正直、アメリカではあまり興味を持たれないマッチアップで、主な購入者はイギリス人でしょう。それにしたって、この興行でPPVは無い。

他に注目試合があれば、きっとこの興行を購入する選択にならないと思いますが、タイミングよく、今週末はスロー・ボクシング・ウィークエンド。若干の飢餓状態も手伝い、3,100円という金額を払ってこの1試合のみを観戦する、という贅沢なお金の使い方をしてしまいそうです。

PPVであるならもっと良いカード、注目カードを提供してもらいたいものですが、そのマッチアップがどれぐらい興味深いか、ではなく、この日に他に見る試合がないから、という理由でPPVを購入してしまうのは、本当に悲しい出来事ですね。どうせ買うんだけど。

 

 

 

目指せウシク

色々と申しましたが、やはりメインイベントはウシクへの時期挑戦権をかけた戦い、見逃す手はないでしょう。

無敗のファビオ・ウォードリーが、その勢いのまま新時代の扉をこじ開けるのか。それとも、完全復活を遂げたジョセフ・パーカーが、元王者の意地と円熟の実力で分厚い壁として立ちはだかるのか。

試合内容は、間違いなくスリリングなものになるはずです。私も一人のボクシングファンとして、このハイレベルな攻防を心から楽しみにしています。

そして、これは完全に私個人の願望ですが、そろそろヘビー級も新陳代謝が必要な時期に来ていると私は感じています。ですので、ウォードリーには、この試合に勝利して、ファンに「vs ウシク」を期待させるような、そんな圧巻のパフォーマンスを見せてほしい、と密かに期待しています。もちろん、パーカーが勝てば、それはそれで素晴らしい復活劇の続きが見られるわけですが。

どっちが勝つにせよ、良いパフォーマンスを見せてくれることに期待しましょう。

なお、配信はDAZNのPPV、興行の配信は10/26(日)AM2:30開始、メインイベントのリングウォークはAM6:30頃の予定とのことです。

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