先週、日本では12月17日のダブルタイトル戦、そして12月27日のリヤド興行、The RINGが発表会見。
これにて、今年のビッグマッチは出揃いました。そして、次は2026年のビッグマッチの発表へとそのステージを移します。
ということで今回のブログは、ここ数日で発表、もしくは噂で出ている年明け以降のファイトについてPick Up。

年明けの、とか言いつつ、年内にラモン・カルデナスが復帰
年明けのファイトを書こうと思いましたが、さらにビッグマッチでもないわけですが、ラモン・カルデナス(アメリカ)の復帰戦がニュースに上がっていたのでシェア。
日程は12/18(日本時間12/19)ということなのでウィークデー・ファイト、対戦相手はエリック・ロブレス・アヤラ(メキシコ)です。
ProBoxTVで配信されるこのファイトは、日本でも無料で見られるので注目ですね。
エリック・ロブレスは「テリブレ」のニックネームを持つボクサーで、16勝(10KO)3敗という戦績。ここ3戦は1勝2敗と奮いません。
しかし、過去にはリー・マクレガー(イギリス)を敵地イギリスで降す(マクレガーの初黒星)、というアップセットを演出しており、その差異にはIBOの世界タイトルを獲得した経験もある強敵です。これが2023年7月、そして翌年の3月には再度イギリスに乗り込み、リアム・デイビス(イギリス)に良いところなく2RTKO負けを喫しています。
カルデナスは、敗れはしたものの世界最高峰の選手と戦い、見せ場もつくったのだから、もっと楽な相手でも良かったのでは、と思う私はもう古い人間なのかもしれません。
意外と強敵と思われるロブレスは、まだ25歳、先のあるボクサーです。この相手を復帰戦の相手に選ぶ、というのはやはり完全なガチ路線のProBoxTVならでは。
ともかくカルデナス、頑張ってほしいですね。
ほぼ正式発表、ザンダー・ザヤスvsアバス・バラオウ
初防衛戦での王座統一戦、このことに否定的なファンもいるかもしれません。
一昔前ほどは、私もそうだったように思いますが、統一戦のハードルが低くなった今となってはもう許容せざるをえません。
ボクシングというのは人気商売、人気があれば良いマッチメイクができます。そう、次はマリオ・バリオス戦なんてのたまっているライアン・ガルシアのように。
ともあれ、WBO王者、ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)は、1/31(日本時間2/1)に予定されるトップランク興行で、ヨエニス・テレス(キューバ)を破ってWBA王者となったアバス・バラオウ(ドイツ)との王座統一戦に臨む予定です。
この試合は、11/12(日本時間11/13)に行われる記者会見で正式発表されるとのこと。(正式発表とは。。。??)
この一戦は、無敗王者同士の統一戦であると同時に、両者ともが初防衛戦で激突となります。
しかも、両者ともに王座決定戦での戴冠であり、ここに勝ってこその王者、という不思議な王座統一戦です。
初防衛をクリアすることで2つのベルトを獲得できるという大チャンス、当然、これはザヤス側がリードして起こるものです。場所はザヤスの地元、プエルトリコ、サンファン。
間違いなく、これはザヤスのための試合です。
ただ、テレスを相手に下馬評不利の中、しっかりと勝ちきったバラオウも、負けるためにリングに上がるわけではないでしょう。
本来であればバラオウは暫定王者のジャロン・エニス(アメリカ)と雌雄を決するべきなのですが、正直、エニス戦よりもこのザヤス戦の方が芽があります。バラオウにとっても、このファイトを選んだ理由というのは推して知るべし。
ザヤスの才能は疑いようがないものですが、歴史に名を残せるボクサーであることをアピールするには、この試合でのパフォーマンスが非常に大切です。「王者の証明ができていない王者」に対して苦戦を強いられるようであれば、難しいでしょう。
一方のバラオウは、すでにアップセットを起こせる力を持っていることを証明しており、しかしてそれがどのレベルのボクサーに届くのか、を証明する戦いです。
どちらが「無敗」という幻想を守れるのか、要注目ですね。
期待のモーゼス・イタウマ、タイトルショットはおあずけ
フランク・ウォーレン率いるクイーンズベリープロモーションは、1/24(日本時間1/25)の興行、「マグニフィセント7」を発表。
英国ヘビー級においていまや随一のプロペクトとなった、モーゼス・イタウマ(イギリス)をメインイベントを任せ、対戦相手にはジャーメイン・フランクリンJr.(アメリカ)をセレクトしています。
フランクリンは世界タイトル経験こそないものの、アンソニー・ジョシュアとフルラウンドにわたり戦った経験を持つボクサーで、24勝(15KO)2敗(あと1敗はディリアン・ホワイトで、こちらも判定負け)という戦績を持っています。
タフネスを持つフランクリンを、20歳のパンチャー、イタウマは倒せるか。
イタウマは前戦、ディリアン・ホワイトをまさかの初回KOで降し、タイトル挑戦を大きく期待されていました。強豪とのテストマッチ、という触れ込みが、まさかの初回KOに終わり、驚いたのはファンだけでなく陣営もそうでしょう。
イタウマは倒すのが早すぎる、ということもあり、パワーこそ申し分ないですが試されていない部分が多いのも事実。この状態でタイトル戦に挑む、というのはこれまた非常に興味深い部分もありますが、目指すタイトルがあのオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)であれば、陣営も慎重にならざるを得ません。
イタウマはこれまで最長で6Rの経験しかなく、これはプロデビューから3戦目、4戦目のこと。それ以降(それ以前も)は1〜2Rで試合を決めてしまっており、これまでのプロキャリア13戦のうちの総ラウンド数は26ラウンドにも満たない状態です。
だからこそ、このタフで鳴らしたフランクリンは最高のテストになるのかもしれません。
ジャーメイン・フランクリンJr.をどれぐらい早いラウンドで倒せるのか、もしくは、自身初の12Rを経験することになるのか。どんな結果になろうとも、興味深い一戦です。
オーストラリアは新時代に突入か
オーストラリアのボクシング界に大きなムーブメントをつくったティム・チューは負けが込んできており、ジェイソン・モロニー、アンドリュー・モロニーの兄弟は音沙汰無しの上、年齢が厳しくなってきています。
オーストラリアにビッグマッチを持ってきたジョージ・カンボソスJr.もいよいよメッキが剥がれており、おそらくここからオーストラリアのボクシング界は縮小していく傾向にあるでしょう。
しかし、1/16という日程が出たこのオーストラリア興行は、未来へと続く細い細い糸を掴み取れる興行になり得る興行です。
まずもって、メインイベントはニキータ・チュー(オーストラリア)vsマイケル・ゼラファ(オーストラリア)。チューはティム・チューの弟であり、11勝(9KO)無敗の戦績を持つサウスポー、オーストラリアの次世代のスター候補と言って良いでしょう。
そのチューは、国内のベテラン、2度の世界挑戦経験を持つマイケル・ゼラファとの国内ライバル対決を迎えます。
これはきっとオーストラリア国内で非常に盛り上がるはずで、過去、ゼラファは兄チューと戦いそうで結局戦わなかった、みたいなことがあるから、ある意味因縁の対決とも言えます。
そのアンダーカードに、リアム・パロ(オーストラリア)vsパディ・ドノバン(アイルランド)のIBF世界ウェルター級挑戦者決定戦もセットされるとの報。
前戦でルイス・クロッカー(イギリス)とのアイルランド対決(ややこしいですが、クロッカーは英国というくくりになる北アイルランドの出身)に敗れたクロッカーは、さほどランキングを落とすことなく、挑戦者決定戦に臨めるわけですね。
なんだかなーと思う部分はありますが、重要なのは、パロが地元、オーストラリアにこの相手を迎えることです。
オーストラリアのボクサーが複数階級制覇、というのはあまり覚えのないことです。3階級制覇といえばジェフ・フェネックの名前が浮かびますが、おそらく、オーストラリア人ボクサーの複数階級制覇は多くないでしょう。
元IBF世界スーパーライト級王者であるリアム・パロがここに勝利し、その勢いのままルイス・クロッカーにも勝利する、この事は、十分に想像できることです。そうなれば、オーストラリアのボクシングも非常に盛り上がるのではないでしょうか。
同じオセアニア民として、パロには頑張ってほしいですね。そしてオセアニアにタイトルが来たならば、佐々木尽、田中空、いずれか勝った方に挑戦させてもらいたい。
噂と噂と噂
さて、ここからは眉唾です。
まず、クリスチャン・ムビリ(フランス)vsハイメ・ムンギア(メキシコ)が2026年初頭に計画されている、とのこと。
ステータスは交渉中、なのでどう転ぶかはまだわかりません。
ムビリは前戦、カネロvsクロフォードのアンダーカードに登場し、レスター・マルティネス(アルゼンチン)と3者3様のドロー。これはWBC世界スーパーミドル級の暫定王座戦として開催されたので、当然WBCはダイレクトリマッチをオーダーしています。
しかしムビリはマルティネスと戦いたくない(という見方が一般的になってしまうのも致し方なし)らしく、現在はムンギアと交渉中。
ムンギアはムンギアで前戦、ブルーノ・スラーチェ(フランス)にリベンジを果たすもPED陽性反応、もはやボクサーとしての矜持に欠けるマッチアップとなりそうです。
もう一つ、どうでも良い話は、ジャモール・チャーロ(アメリカ)vsカレブ・プラント(アメリカ)も交渉中とのこと。
今年5月、2人は同じ興行に登場し、両者ともに勝利すればこの試合が組まれるという噂でした。しかしプラントはホセ・アルマンド・レセンディス(メキシコ)にまさかの敗戦、この試合は立ち消えとなったかと思われていました。
しかし結局交渉中のステータスで報じられており、じゃあ最初からやっとけよみたいな感じになっています。
こちらもムビリvsムンギアと同じくスーパーミドル級。統一王者がテレンス・クロフォードということで、カネロと戦うよりもカネにならず、コンテンダーたちはタイトル挑戦よりもライバル対決を精算する流れになるのでしょうか。
最後に最高にどうでも良い話をもう一つ。
オスカル・バルデス(メキシコ)vsミゲル・ベルチェルト(メキシコ)の再戦が計画中!!!。。。。。。。さすがにこれはいらんやろ。
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