11月のビッグマッチまであと10日。
ここに来て一気に押し寄せるビッグマッチの数々は、この勢いが年末まで続くのが本当に嬉しい限りです。
11月は、日本では11/22-24という3連休のなかで、数々の注目試合が世界中で行われます。
そのうちの一つは那須川天心vs井上拓真というものですが、サウジアラビアのRING興行も非常にアツい。
このRING興行の中で、個人的に最も注目しているのはアブドゥラ・メイソンvsサム・ノークスなわけですが、その次に注目なのは何といってもジェシー「バム」ロドリゲスvsフェルナンド「プーマ」マルティネスです。
ということで今回のブログはバムvsプーマ、スーパーフライ級王座統一戦のプレビュー。
↓メイソンvsノークスのプレビュー

11/22(日本時間11/23)サウジアラビア
WBA・WBC・WBO世界スーパーフライ級王座統一戦
ジェシー「バム」ロドリゲス(アメリカ)22勝(15KO)無敗
vs
フェルナンド「プーマ」マルティネス(アルゼンチン)18勝(9KO)無敗
この試合が4団体統一戦とならなかったのは、ラッキーともアンラッキーとも言えます。フェルナンド・マルティネスはジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に勝利してIBF王座を獲得、その後、当時のWBA王者だった井岡一翔(志成)と王座統一戦を戦いました。
そしてここに勝利したマルティネスは、WBA・IBFの統一王者となりましたが、その後の井岡とのダイレクトリマッチを選択したため、IBF王座は返上。もし、この時井岡とのダイレクトリマッチを選択しなければ、今でもマルティネスは統一王者だったかも知れません。それは、その後IBF王座を争ったウィリバルド・ガルシアも、レネ・カリストも、おそらくマルティネスよりも一段落ちるボクサーだと思われるからです。
ともあれ、この場合、アンラッキーを被ったのはバムであり、井岡との連戦で巨額のファイトマネーを手に入れたであろうマルティネスはラッキーの部類、そしてそこに2連勝してこのビッグマッチを手繰り寄せたのだから頭が下がります。
そして、もしかするとこの次、バムと寺地拳四朗という戦いを見られるかもしれない、というのは日本のボクシングファンにとってこの上ないラッキーです。
階級最強の呼び声高いジェシー・ロドリゲスは、2022年、カルロス・クアドラス(メキシコ)に勝利してWBC世界スーパーフライ級王座を獲得。その後、シーサケット・ソー・ルンビサイ(タイ)、来日経験もあるイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)を降したあとフライ級に転級、WBOタイトルを獲得したのち、当時のIBF王者サニー・エドワーズ(イギリス)を降して王座を統一。そしてスーパーフライ級に戻ってファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を降して再度WBC世界スーパーフライ級王座を獲得すると、わずか3Rで暫定王者のペドロ・ゲバラ(メキシコ)を撃破して団体内王座統一を果たし、前戦でプメレレ・カフ(南アフリカ)を降して2団体王座統一を果たしています。
書いてみると本当にとんでもないキャリアです。
一時期、世界を席巻した「SUPER FLY」のレジェンドたちをことごとく撃破して明らかなNEW ERAを到来させたロドリゲス、未来のPFP候補という評価に甘んじることなくキャリアを積み重ねてきています。
そのボクシングは、メキシカンとしてのハートを持ち、類稀なコンビネーションパンチャーでもあり、更に回り込むようなサイドステップまでも完備したメキシカン・ハイテクボクシングです。
体が触れ合うほどの距離で見せるサイドステップは、明らかにロマチェンコのエッセンスを取り入れており、あそこで回られると相手からは消えたように見え、実際、これまで奪ってきたノックアウトの多くは、「見えない角度」からの「見えないパンチ」でしょう。
それを可能にするリングIQも特筆すべきものであり、はっきり言って今のバムには死角が見当たらない、というのが現実です。
対してプーマ・マルティネスは、2022年に当時のIBF王者、ジェルウィン・アンカハス戦で世界初挑戦。大したキャリアではなく、さらに年齢もそこそこいっていたという事実から、大きなアンダードッグだったことを記憶しています。
この戦いは、本来井岡vsアンカハスという予定がコロナ襲来で狂った結果、組まれたマッチメイクでもあり、マルティネスの勝利という予想はほとんどなかったはず。この試合に勝ったアンカハスが、折を見て井岡と統一戦をする、というのが既定路線でした。
しかし蓋を開けてみればアグレッシブなマルティネスは予想以上に「アルゼンチン・ファイター」であり、アンカハスに明確な判定勝利で世界初戴冠。このビッグアップセットがフロック出なかったことを証明するかのように、ダイレクトリマッチでは初戦以上に明確な差をみせて勝利しました。ちなみにアルゼンチンのファイターはとにかくフィジカルが強く、しつこいアグレッシブファイターが多いイメージで、ホルヘ・カストロ(懐かしい)やマルコス・マイダナ、ルーカス・マティセなんかの系譜を継ぐボクサーと言えそうです。
そしてその後、フィリピンの無敗プロスペクト、ジェイド・ボルネア(フィリピン)を退けて井岡との2連戦、ここでも勝利して評価を高めています。
一発の破壊力というよりは手数とプレッシャーで勝負するタイプのボクサーですから、バムとはバチバチに噛み合うでしょう。
技術vsプレス
現在、リングマガジンランキングではスーパーフライ級王者がジェシー・ロドリゲス、そして1位がフェルナンド・マルティネス。まごうことなき階級最強決定戦です。
しっかりと考えてボクシングをしているであろうジェシー・ロドリゲスに対し、マルティネスはとにかくフィジカルゴリ押しに見えます。少なくとも、傍から見る限りでは。
もちろんそれだけではないのでしょうが、ボクシングスキル、リングIQについては確実にバムが上回っている、と言えそうです。
しかしプーマのあのフィジカルと思い切りの良さ、手数は、バムに考える時間を与えず、守勢に回らせる場面も作れると思います。
バムの良さが出るのは、基本的には先に動いて攻撃を仕掛ける時で、スタンスについてもパンチについてもアングルを変えながらの波状攻撃、というのがバムの最も厄介な武器だと思います。しかし、プーマにはそれをさせない前進があるはずです。
バムにとってはめちゃくちゃ相性の良い相手、とはいかないものの、やはりバムが上回る可能性が大きい。プーマとしては序盤からゴリゴリ削って、後半にバムが「見たことないほど疲れている」状況を作る事ができれば、チャンスはあるかもしれません。それにはとにかく、バムにマイペースでボクシングをさせないこと、とにかく乱戦に引き込む事だと思います。
プーマがどこまで食い下がるか、により、この試合はFOTY候補となり得るかもしれません。一方で、バムがうまく戦い、マルティネスが空転させられる可能性も否定できないですね。
勝者の今後
さて、この試合の勝者は、スーパーフライ級で3団体統一王者となります。そして十中八九、その統一王者はジェシー「バム」ロドリゲスです。
そうなると、残る王座はたった一つ、4団体制覇は目前です。
残るIBF王座は、ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)が保持しており、ガルシアは12/27にサウジアラビアで寺地拳四朗(BMB)の挑戦を受ける予定。
ここで拳四朗が勝利することができれば、かねてから切望しているジェシー・ロドリゲス戦にたどり着けることになります。
バムもこの階級での4団体制覇を望んでいることから、よほどウェイトに無理がない限りはきっと実現する試合です。帝拳プロモーションが共同プロモートしているロドリゲスは、おそらく来日することにさほどためらいはないはず。
そうなると、今後の戦いにおいてはジェシー・ロドリゲスvs寺地拳四朗というのは非常に決まりやすい試合であり、期待してしまう試合です。
たとえこの試合が決まったとしても、拳四朗が勝てる、と予想することは難しい。
かつてローマン・ゴンサレスに八重樫東が挑んだような心境で見守るファイトにはなると思います。
それでも、拳四朗にはこの試合にたどり着いてもらいたい。
ということで、この試合においてはバムの完璧なパフォーマンスに期待しつつ、12月にまで思いを馳せ、楽しみましょう。
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