さて、連日の「RING Ⅳ」興行のプレビュー記事です。
このペースで出してて間に合うのかしら、とかも思いつつ、ちょっと長くなってしまうので1記事ずつ出してます。24日のプレビューも書きたいんですけどね。
この日のPPVファイトは、サム・ノークスvsアブドゥラ・メイソンがオープニングアクトで、続いてバム・ロドリゲスvsプーマ・マルティネス。
そして今回書くノーマンJr.vsヘイニーはco-main、セミファイナルにあたるファイトです。
これまでの実績としてはヘイニーが大きく上回りますが、実はオッズはかなり競っていて、11/10時点ではなんとノーマンがトップドッグです。とはいえ、ノーマン-120、ヘイニー+110という微差であり、当日までにひっくり返ってもおかしくはないでしょう。
ということで今回のブログは、ブライアン・ノーマンJr.vsデビン・ヘイニーのプレビュー記事。
↓メイソンvsノークスのプレビュー
↓バムvsプーマのプレビュー

11/22(日本時間11/23)サウジアラビア
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
ブライアン・ノーマンJr.(アメリカ)28勝(22KO)無敗
vs
デビン・ヘイニー(アメリカ)32勝(15KO)無敗
ウェルター級というのは我々日本人にとって非常に憧れの階級で、常に人気選手が集う、神の領域に近しい階級です。
しかし、現在のウェルター級は若干盛り上がりに欠けるというのもまた事実。何ならスーパーウェルター級の方が随分とおもしろい。
理由は明白で、WBA王者ロランド・ロメロ(アメリカ)、WBC王者マリオ・バリオス、IBF王者ルイス・クロッカー、いずれの王者たちもローパフォーマンスで、直近の試合でも絶妙にダサい試合を行っているからです。個人的にも彼らの実力はあまり評価できていません。
そんな中で、唯一、ハイパフォーマンスを見せているのがWBO王者のブライアン・ノーマンJr.。
さほど知られるところになかった、現在24歳の若き王者は、2024年5月、ジョバンニ・サンティリャン(アメリカ)を破ってWBO世界ウェルター級暫定王座を獲得。それ以前の試合は、あまり良いパフォーマンスとは言えませんでしたが、この試合で一気に開花したイメージです。
トップランク流に大事に育てられたノーマンは、本来であればハイレベルな試合で実力を発揮するタイプだったのかもしれません。例えば長谷川穂積のように。
いずれにしろ、タイトル獲得後の快進撃は皆の知るところであり、初防衛戦ではデリック・クエバス(プエルトリコ)を、そして2度目の防衛戦では佐々木尽(八王子中屋)を、それぞれわずか3R、5Rでノックアウト。そのノックアウトシーンも非常にセンセーショナルなもので、ここ3戦で強さを見せつけていると言っても過言ではありません。
あっという間にウェルター級のトップボクサーに上り詰めたノーマンJr.ですが、長年悩まされていたという拳にメスを入れ、思い切り打てるようになった、ということもこのパフォーマンスに影響しているのでしょう。
今戦も、是非そのシャープなパンチを叩き込んでほしい。
そして対角線上のコーナーには、デビン・ヘイニーです。
ライト級で世界タイトルをとったのは2019年9月のことで、もう随分と前ですね。WBC世界ライト級暫定王座を、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)と争って獲得しましたが、この世界初戴冠は非常にこっそりとしたものでした。
かつて黄金の中量級の再来、と謳われたボクサーの1人で、現在もまだ26歳と若く、圧倒的に試合がつまらないことでも有名です。
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)、ジョージ・カンボソス(オーストラリア)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を退けてライト級を卒業、レジス・プログレイスに勝利してWBC世界スーパーライト級王座を獲得しています。
リナレス戦では一発で効かされてタコ踊り、ロマチェンコ戦では負けていた、そしてライアン「PED・体重超過」ガルシアには何度もダウンを奪われる、このように見ればアレですが、このボクサーは基本的には不可侵領域を持っているボクサーです。
ウェルター級デビューは前戦、今年の5月のことで、ホセ・カルロス・ラミレス(アメリカ)を相手にボックス、完全にシャットアウトしています。
スーパーライト級ではレジス・プログレイスを相手に完全にシャットアウトしていますから、このヘイニーはおそらく、グイグイと前に出てくるプレッシャーファイターを大得意としています。
ブライアン・ノーマンJr.はそのタイプではありません。そして、打たれ脆さに定評のあるヘイニーにとっては、ウェルター級の中でも強打を持つノーマンは、脅威のはずです。
単なるパワーvsスキルではなく
さて、私はデビン・ヘイニーのボクシングについて非常に否定的なスタンスを持っています。
ただただダンスを踊ってジャブを当て、近づかれたらクリンチ、というのをボクシングと認めてしまうと、一気にボクシングは面白くなくなるからです。私はヘイニーのアレをスキルとは呼びません。あえていうなら、ヘイニーのボクシングは「タッチ&ハグ」という競技です。
ボックスは距離をとって力のないジャブを当てることではないし、クリンチはただのいち技術であって、常態として使うものではないはずです。
なので今回の試合は、「ボクシング」vs「タッチ&ハグ」。
当然、この「タッチ&ハグ」の競技を極めつつあるデビン・ヘイニーという選手に、ノーマンがパンチを当てることは困難を極めるでしょう。
だから相手の土俵に立ってはダメで、ボクシングという競技に引きずり込まなければなりません。
相手がグイグイと前に出てくれば、その対応が得意なヘイニーに「タッチ&ハグ」をやりやすくしてしまいます。かといって、攻めなければお見合い黄体いなり、それはそれでつまらないし、ヘイニーペースになってしまう、とも言えます。
なのでノーマンはあくまでも冷静に、リングをカットしながら徐々に追い詰め、決してアツくならないことが肝要です。
そして、コーナーやロープに詰まりそうになれば、ヘイニーは必ずクリンチに来ます。ここにノーマンがアッパーを合わせられれば、一発で試合が終わる可能性すらあります。
いずれにしろ、サウジアラビアではどんなにクソなパフォーマンスをしたとしても、ブーイングは起きません。これはヘイニーにとってやりやすいことこの上ないでしょう。
とにかくノーマンは焦らずにいってほしい。ヘイニーといえども、ノーマンほどのプレッシャーを受けるのは初めてのはずですから、何処かにほころびが生じる可能性があります。
とにかくがんばれノーマンJr.
さて、私がいかにデビン・ヘイニーというボクサーが嫌いか、というのを書きましたが、現代のボクシングにおいてあの「タッチ&ハグ」でポイントが取れてしまうのは仕方がありません。
ああいうボクサーには、ボクシングを面白くしようというショーマンシップが欠けており、とにかくリング外で人気になった方が手っ取り早い、と考えているタイプなのだと思います。大口を叩くだけで試合のパフォーマンスでは一切魅せない、というのは、日本に10数年前に流行った◯田一家と似てますね。
さて、それに対して「本格派」と呼ぶにふさわしいブライアン・ノーマンJr.は素晴らしいものです。
場所が敵地である日本、ということもあったのでしょうが、明らかに格下と言える佐々木尽の挑戦を受けた際にも、その振る舞いはリスペクトに溢れ、圧倒的な勝ち方をしたその後もその品格は揺らぐこともありませんでした。
きっとあれが素なのでしょうし、今回のヘイニーとの言い合い(の動画)の中でも、対戦相手のことをしっかりと認める発言をしていますし、おそらく良い家庭に育ったのでしょう。これはブライアン・ノーマンSr.、子育てに成功していますね。
ボクサーに人間性なんてものはほとんど関係ありませんが、やはり人の好き嫌いというのは見聞きする範囲での言動というのが大きい。
この試合自体が注目、というよりも、たとえどんな形であれ、ノーマンに勝ってほしい。ヘイニーを黙らせてくれるなら、もうずっとノーマンを応援し続けます。
ということでがんばれ、ブライアン・ノーマンJr.でいきましょう。
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