アブドゥラ・メイソンの勝利に安心し、バム・ロドリゲスのパフォーマンスに驚き。
すでに2つのビッグファイトを観戦させてもらいましたが、このサウジアラビア興行はまだ終わりません。
クアドラプル・タイトル戦というのは本当に見るだけで疲れます。ただでさえプライベートの時間がないのに。。。。
それでも見ないわけにはいかないのは、残りの2試合に対しても期待しているからです。
ということで今回のブログは、ブライアン・ノーマンJr.vsデビン・ヘイニー、そしてデビッド・ベナビデスvsアンソニー・ヤーデの観戦記。
↓プレビュー

11/22(日本時間11/23)サウジアラビア
WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
ブライアン・ノーマンJr.(アメリカ)28勝(22KO)無敗
vs
デビン・ヘイニー(アメリカ)32勝(15KO)無敗
始まる直前まで、オッズは競っているはずです。(私はディレイなので確認はできませんが。)とにかくがんばれ、ノーマン。
初回のゴング、リング中央に躍り出た両者、まずはジャブとフェイントで互いに警戒。ライト級からステップアップしてきたヘイニーですが、元々肩幅が広く、今は体の分厚さも増し、ノーマンの体つきに全く引けを取っていませんね。
なかなかノーマンが手を出せない、近づけばクリンチされてしまう、というのはヘイニーのペースであるとも言えますが、プレスをかけ、終盤にはヘイニーをロープへと詰められた、ということはノーマンとしても悪くない出だしではないでしょうか。
2R、ジリジリとプレスをかけるノーマン。若干、固いかもしれません。飛び込みの左フックでステップインしますが、右を放つ時にヘイニーの左カウンター、これはタイイング的に危ない。
決して自ら攻めはしないヘイニー、ノーマンは攻めていかなければなりませんが、これもヘイニーの思う壺でもあります。
中盤、またも左フックでステップインしたノーマンに対し、ヘイニーは左フックカウンター!これで動きがとまったノーマンにヘイニーは左フックから右ストレートをフォロー、これでなんとノーマンがダウン!!!
おお、なんということでしょうか。。。ダメージのあるノーマン、ヘイニーはここでチャージ!ブロッキングで防ぐノーマン、足元はまだおぼつきません!
ヘイニーのチャージは長くは続かなかったため、命拾いしたノーマンですが、インターバル中もまだ焦点があってない気がします。引き続き、大ピンチ。
3R、一見回復したように見えるノーマンですが、まだ固かった時にもらったパンチ、ダメージはあるでしょう。それを隠すようにプレスをかけて攻め入るノーマンですが、ヘイニーの鋭いジャブを被弾しています。
この序盤でのビハインドはかなりきつい。ヘイニーはあとはジャブ、バックステップ、クリンチで残りのラウンドを戦っていきそう、というか、踊っていればOKみたいな状態になってしまいました。
4R、両者ともに素晴らしいスピードを誇っていますが、距離感においてヘイニーが1枚も2枚も上手。ノーマンが攻めてもバックステップで外され、ロープに詰めてもクリンチ。そして、ふとした時にジャブを浴びる。
結局、ヘイニーを熱くさせて出させなければ、このヘイニーを攻略するのは難しいかもしれません。届かない速いジャブを打つノーマン、強いステップインもやすやすとかわされてしまい、残りのラウンドもこの再現かと思うと切なくなります。
5R、とにかくノーマンがやるべきことは、強いパンチではなくて細かいパンチで攻め入り、少なくとも手数でポイント奪取を狙うこと。そして可能であれば、ヘイニーのジャブをもらわないこと。そうすれば、奇跡的にノーマンにポイントが流れる可能性があります。
しかしこのラウンドもヘイニーのジャブは当たり、ワンツーまでもらってしまうノーマン。
6R、開始ゴングのあと、ヘイニーは1分30秒にわたり、1発もパンチを出しませんでした。1分30秒ぐらいに出した最初のパンチは、密着した状態の右ボディであり、この間、我々はにらめっこを見せられた形になります。
こんなんで良いのか、ボクシングは。
その後、2分が経とうかというところでヘイニーはジャブを一発。もう展開がつまらなくなりすぎて、こういうことを数えてしまうのだからこのボクサーが勝つところを見るのはたまりません。ノーマンになんとかしてほしいですが、この展開では非常に難しいですね。
7R、このラウンドはヘイニーが攻める姿勢を見せています。そのパンチは単発ですが、ジャブだけでなく左フックを打ち、ワンツーを打っています。
ヘイニーが攻めてくればノーマンにもチャンスが出てきます。ヘイニーが出てきたところにノーマンは鋭いジャブをリターン、これはヘイニーの顔を跳ね上げています。
8R、攻めるのは失策、とすぐに軌道修正したヘイニーは、やはり待ちのボクシング。出すのはジャブだけで、こうなってしまうとノーマンへの期待はしぼんでしまいます。
このジャブはタイミングがよく、数こそ多くありませんがノーマンによくヒットしています。
9Rは継続的に攻めるノーマン、距離が詰まります。ここでヘイニーお得意のクリンチ、抱きついた状態で互いにパンチを振るいます。ここでの立ち回りはもちろん重要ですが、相手を倒せるパンチを打つことはできません。
10R、ここもほぼ変わらず、とにかくクリンチでの中断が多い。見ている方の集中力はどんどん切れていきます。お互いにウェルター級としては破格のスピードがあるためまだ見ていられますが、結局ヘイニーのペースで進む試合というのは恐ろしくつまらない。これこそが「Boxing is DEAD」というものです。
これはもちろん、ヘイニーだけが悪いとは言い切れませんが、ボクシングをつまらないものにしている責任の一角はこのボクサーにあると考えてしまいます。パンチを外す、ジャブを当てる技術を有するボクサーが、このボクシングに徹し、それが「是」とされる状況は何とかしてほしいものです。
ジェシー・ロドリゲスや井上尚弥が評価される背景には、このボクシングもできるが相手を打倒しに行く、というボクシングという競技の根本を体現しているからでしょう。モンスターがMJをアウトボックスした際も、ジャブしか打たなかったわけではないですから。
別に火の出る打ち合いを見たいというわけではない。ただただダンスを踊るのを見たくない、少なくとも、様々なスキルを見たいだけです。ボクシングは足でするスポーツ、とはいうものの、ポイントをダッシュするのは両の拳であるわけで、相手を打ち倒すためにパンチを当てるスキルを見たい。
こういうのを「玄人好み」なんていうのであれば、私はもちろん素人で良い。いや、素人が良い。
ノーマンはその後も距離を詰めようと懸命に頑張りましたが、ヘイニーのフィジカルは強く、クリンチでの立ち回りはうまく、当然距離のとり方やジャブの当て方もうまく、届かず。
判定は114-113、117-110、116-112、3-0でヘイニー。
1ポイント差のジャッジもいたんですね。アンチヘイニー?
WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ
デビッド・ベナビデス(アメリカ)30勝(24KO)無敗
vs
アンソニー・ヤーデ(イギリス)27勝(24KO)3敗
さて、セミファイナルを見て気持ちが盛り下がってしまったので、ここはビシっとシメてほしいですね。
初回、まずはジャブの差し合い。互いに届く距離ではありませんが、若干プレスをかけていくのはやはりベナビデスです。
ハードパンチャー同士の戦いは、このやり取りも非常にヒリヒリするものですね。
ヤーデはフェイントをかけつつボディジャブ、ベナビデスも後ろ荷重で警戒しつつのプレス。
2R、ヤーデは多くのアクションでフェイント。ただ、ベナビデスのプレスに押されて下がってしまうので、ロープに詰まります。サイドに回る術を持たないヤーデは、ここでブロッキングによるディフェンスですが、ベナビデスのパワーに対してこれは悪手と言えるでしょう。
ベナビデスはいつもの軟体スウェー、いつもよりスリックに動いているように見えるのはヤーデのスピードにつられているのでしょうか。
中間距離で多彩なパンチを放つヤーデ、力を込めていませんがベナビデスを近づけさせないことに成功しています。しかしジリジリ下がってしまうことはままあるので、ロープに詰められた時は怖い。
3R、ベナビデスがプレスを強めたか、ディフェンスをブロッキングにして無遠慮に距離を詰め始めます。ここまではベナビデスがプレスをかけながらも自ら距離を遠くする場面もありましたが、このラウンドからはそうではない分、ヤーデがロープを背にすることが増えてきたイメージ。
ブロッキング後の強打のリターンを放ち始めるメキシカンモンスター、そのリターンの回転力がものすごい。
4R、ベナビデスはパワージャブでヤーデを押していきます。ヤーデは振り払うようなジャブ、ベナビデスがせめてきたら右カウンター!しかしベナビデスは気にすることなく届くと見れば連打を振るっていきます。
ベナビデスのパンチは浅くも当たっているように見えます。
そして終盤、右でヤーデを抑えて左パンチを乱れ打ち。これは反則じゃないでしょうか。しかしレフェリーは無視ですね。
5R、ヤーデはジャブを増やし、とにかく右のカウンターを狙う素振り。しかしこのヤーデのカウンターを恐れることなく、ベナビデスは距離が詰まれば強い左右をリターンしています。
後半、ロープを背にしたヤーデはちょっと反応が落ちて来たように見えます。ノーモーションのベナビデスの右ストレートがヒット、危機を脱しようと反撃しますがそのリターンを喰らっています。
ヤーデはやはり右カウンターに一縷の望みを持っていますが、ちょっと単発ではベナビデスを止められません。
6R、ヤーデは勝負をかけなければならないと感じたのか、序盤から積極的に攻め入り、ベナビデスをロープに追いやります。
その後、ベナビデスの反撃により下がったヤーデですが、このラウンドはコンビネーションも巧みに使い、良いボクシングを展開。
しかし後半に入ろうかというころ、ベナビデスがチャージ。ヤーデをロープに詰めると、ここでヤーデは単発気味にもどってしまい、ベナビデスの猛攻にさらされます。
懸命に手を出すヤーデですが、もらっても全然気にしないベナビデスの攻撃は激しく、鼻から出血。デビッド・ベナビデス、狂気ですね。
7R、開始のゴングが鳴るとレフェリーがヤーデをチェック。出血はカットだったのでしょうか。とりあえず再開。
ともかく、レフェリーのチェック入るということはヤーデにとっては黄信号、踏ん張りどころです。
しかし相変わらずに無遠慮に距離を詰めるベナビデス、ヤーデをロープにつめて猛然とラッシュ!ヤーデはダウン!!が、あれ?ベナビデスが2ポイントの減点、だそうです。
レフェリーはカウントを数えていたのでダウンはダウンだと思いますが、ダウン後の加撃でもあったのでしょうか。
再開後、当然攻めるベナビデス。ヤーデも反撃。
一発当たった後の回転力が半端ないベナビデス、徐々に手が出なくなるヤーデ、ここでベナビデスの左がヒットしてヤーデの顔面が歪むと、ここでレフェリーはストップ!
デビッド・ベナビデス、7RTKO勝利!
ここで重要なことは、アルツール・ベテルビエフよりも1R早いラウンドで、アンソニー・ヤーデをストップしたことかもしれません。
おそらく実況もその事を言っていると思います。しらんけど。
ということで強さを見せつけてビシッとこの興行を締めてくれたデビッド・ベナビデス。ビボル戦は手繰り寄せられるのか。やっぱりボクシングといえば、最強を証明した後は次の世代にバトンを渡してもらいたい。つまりはビボルvsベナビデス、待った無しです。
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