さて、12月に入って一発目のビッグファイトは、PBCが仕掛けるボクシング興行。
アメリカではAmazon Prime VideoのPPV、日本ではWOWOWが中継してくれる一戦です。
メインイベントはPPVとしてはやや弱いのでは、と思われるファイトですが、脇を固めるアンダーカードも興味深く、日本のファンはWOWOWで見られるのが非常にありがたいという戦いです。北米でのPPVはそんなに売れないのでしょうけど。
ということで今回のブログは、PBCのPPVファイトから、イサック・クルスvsレイモント・ローチ、そしてエリスランディ・ララvsジャニベック・アリムハヌリのプレビュー記事。

12/6(日本時間12/7)アメリカ・テキサス
WBC世界スーパーライト級暫定タイトルマッチ
イサック・クルス(メキシコ)28勝(18KO)3敗1分
vs
レイモント・ローチ(アメリカ)25勝(10KO)1敗2分
まずはWBC世界スーパーライト級暫定タイトルマッチから。
「ピットブル」の異名を持つ人気者、イサック・クルスが、スーパーフェザー級からの刺客、レイモント・ローチを迎え撃ちます。
イサック・クルスについてはもはや説明不要のファイターでしょう。
小柄な体躯を目一杯に使った突進力、そしてガードの上からでも相手をなぎ倒そうかというフックの連打は、現代ボクシングにおいて稀有なほどの「野生」を感じさせます。ジャーボンタ「タンク」デービスを苦しめて名をあげたあの日から、いや、その少し前から、我々のようなオールドファンはあの全弾フルスイングのボクシングに夢と希望とロマンを乗せて見続けているのではないか、と思います。
多少の被弾はお構いなしに、頭を振りながら懐に入り込む姿は、対戦相手にとっては恐怖そのものでしょう。
対するローチは、本来スーパーフェザー級を主戦場とするテクニシャンです。ジャメル・ヘリングに敗れて以降は安定したボクシングを見せており、基本に忠実な「ザ・ボクサー」という印象。前戦ではジャーボンタ・デービスと引き分けた事で名を上げた、と言えますが、今回はそこからさらに階級を飛び越え、スーパーライト級に殴り込みです。
だからこそ、今回の懸念材料はどう考えても「階級」と「パワー」でしょう。スーパーフェザー級(130ポンド)から一気にスーパーライト級(140ポンド)への転向、しかも相手がフィジカルモンスターのクルスというのは、いささか無謀な挑戦にも思えます。
11/30時点のオッズは、ローチ-225、クルス+187とローチが優位。
普通に考えれば、現スーパーフェザー級の王者が暫定とはいえスーパーライト級の王者を相手にトップドッグなどと考えられませんが、それはやはり、タンクと引き分けたという実績がそうさせているのかもしれません。
試合の展開としては両陣営ともに明確で、クルスが猛牛で、ローチが闘牛士。
クルスの突進に対して、ローチがどのように対処し、ヒットを奪えるか、という内容になるのだと思います。
おそらくクルスはゴングと同時にプレスをかけ、距離を潰しにかかるでしょう。対するローチは、足を使い、ジャブで突き放し、クルスの入り際にカウンターを合わせる、という作業を12ラウンド続ける必要があります。
ローチの勝機があるとすれば、クルスの「粗さ」をつくこと。クルスが大きく振ってきたところにコンパクトなパンチを合わせ、ポイントをピックアップしていくしかありません。しかし、クルスの突進は止まることを知りませんし、ボディワークも巧みです。ローチがロープやコーナーに詰められた時、スーパーフェザー級の耐久力でクルスのボディブローに耐えられるのか。ローチはクリンチが多くなることも予想され、このクリンチに対してクルスがどのようにそれをはがせるのか、それとも剥がせないのか、によっても勝負の行方は変わるのかもしれません。
当然、ここはクルスの勝利を願い、それもまたどこかでしっかりと倒しきってほしいと思います。個人的には大したマッチアップには思えませんが、アメリカ国内では盛り上がっているのでしょうか?
それよりローチ、スーパーフェザー級に戻る気はないでしょうから、さっさと返上してほしい。今月中というか12/27までに。
WBA・IBF・WBO世界ミドル級王座統一戦
エリスランディ・ララ(アメリカ)31勝(19KO)3敗3分
vs
ジャニベック・アリムハヌリ(カザフスタン)17勝(12KO)無敗
統一戦が進もうがイマイチ盛り上がりに欠ける、オリジナル8階級のうち、最も古い階級であるミドル級。
WBA王者であるキューバ出身の古豪、エリスランディ・ララは、まるでワインのように熟成されています。
かつての「ランニング」と揶揄された足を使うスタイルから、近年はどっしりと構えて一撃で仕留めるスタイルへと変貌。42歳となった今、なんと4連続KO勝利中であり、自身のニックネームである「アメリカン・ドリーム」を叶えたボクサーは、まるで年齢は飾りであるかのようなファイトで良いパフォーマンスを継続しています。
さほどアクティブにリングに上がるボクサーではないため、1年3ヶ月というブランクもさほどものともしないでしょう。
年齢的な衰えは隠せないはずですが、あの左ストレートのタイミングと精度だけは、魔法のように錆びついていません。ダニー・ガルシア戦で見せたような、一瞬の隙を突く老獪さは健在です。
「カザフ・スタイル」を標榜する現役最強と目されるミドル級王者。
強烈な左ストレートと、カザフスタン勢特有のフィジカルの強さを持っています。対戦相手が見つからず、不遇の時期を過ごしてきましたが、ようやくビッグネームとの統一戦に辿り着きました。王座としては3団体目ですが、初の王座統一戦となったヴィンセンツォ・グアルティエリ戦はさほど注目を浴びませんでしたが、ここはPPVファイトということもあり注目される試合となるはずです。
オッズはアリムハヌリ-450、ララ+375とアリムハヌリが絶対優位。年齢のこともあるでしょうし、なんだかんだと倒し続けているアリムハヌリにオッズが傾くことは至極当然のことです。
ただ、時折見せる集中力の欠如や、警戒心が強く、思い切っていけないというタイミングがあることも事実。
ララはマスタークラスのボクサーなので、ここでアリムハヌリが意外な弱点を見せてくれることに期待しています。アリムハヌリはこれまでの相手を圧倒してきていますが、エリスランディ・ララほどの技術、フィジカルを経験していないはずです。
バチバチの打ち合いになる、エキサイティングなファイトになる、ということは想像できないですが、個人的にはララにもチャンスがあるのではないかと思います。
キューバ人ボクサーというのは、多くのボクシングファンにとって「敵」としてリングに上がる場面が多いと思います。今回はララを絶対応援、願わくばこの先に4団体を統一し、さらなるアメリカンドリームを叶えてくれることを期待します。
放送・配信
先にも記載しましたが、この興行は北米ではAmazon Prime Videoでライブ配信されるPPVファイトです。
日本ではWOWOWが配信、月額2,500円ぐらいでライブ配信もアーカイブ配信も見れます。
ここのところ、WOWOWから離れていた方も、今年は総集編(12/22)もあるそうなので、再加入を是非。
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