ジャニベック・アリムハヌリの薬物違反、そしてスティーブン・フルトンの体重超過によるスーパーフェザー級の変則タイトルマッチ、かと思いきや何故かライト級の暫定王座決定戦が組まれるというトンデモ裁定がくだされ、この世は大混乱です。
ともかくキワモノ感が際立つWBC、色々なものを疑うほかないようなムーブに、様々な理不尽を許容してきたボクシングファンとしても驚きを隠せません。
一気に興味が失せてしまったという方もいるかもしれません。
まあ、もはやよくわからない迷走を繰り返すWBCと、このままガラパゴス化してしまいそうなPBCが組むAmazon Prime 興行の観戦期、ラモスvsモズリー、ララvsゴンサレスの観戦記。

12/6(日本時間12/7)アメリカ・テキサス
WBC世界ミドル級暫定王座決定戦
ヘスス・ラモスJr.(アメリカ)23勝(19KO)1敗
vs
シェーン・モズリーJr.(アメリカ)22勝(12KO)4敗
序盤こそ、両者ともにキレのある動きを見せて互角の戦いでスタートしましたが、3Rにラモスが右フックのカウンターをヒットし、ギアを上げます。
近い距離の戦いに多くの時間を割くようになると、ややラモスが優勢。ジャブが良いモズリーですが、足を止めての打撃戦といえばラモスに分があるようなイメージで、モズリーとしては打って離れて、とやるべきところですが、自身が攻撃した時にはしっかり足を止めて打ち込みます。
特にラモスの右フック、これはモズリーのジャブのリターンに打つものですが、これが非常に効果的。しかし5R、モズリーも右カウンターをビッグヒット、ラモスを下がらせる場面も作っています。
7Rに入るとラモスが右ガードを落としてカウンター狙いというボクシング。モズリーが勝手に前にでてきてくれるので、この方がラモスにとってはやりやすく、モズリーにとってはよくありません。
その後のラウンドは、互いに力のこもったパンチを打ち合い、良いファイト。完全に振り切るラモスの右フック、左のボディアッパー、モズリーの真っすぐの右ストレート、ややオーバーハンド気味に回す右、それぞれに得意と思われるスタイルを貫く好ファイトです。
10R、モズリーが前に出てラモスがカウンターショット、という展開で、ラモスは非常によくボクシングをしているように見えます。11R、ラモスがショートの左をカウンターでヒット、一瞬ぐらりときたモズリーですが、これも耐え抜いてサバイブ。タフネスがすごいですね。
ラストラウンド、ここも気持ちを見せて前に出るのはシェーン・モズリーJr.。このモズリーの攻撃を、ラモスは右フックカウンターで迎え撃ちます。このラモスの右フックは素晴らしい。大きく外側から回るこの右フックは、非常にスムーズにも出るしパワフルで、ラモスのサンデーパンチなのでしょう。
判定は116-112、117-111×2、3-0のユナニマス判定でラモス。
順当な勝利ではありますが、モズリーJr.もそのタフネス、気持ちの強さを見せましたね。
ラモスは弱冠24歳、若き王者の誕生で、ミドル級は活発化するのでしょうか。
このラモスの次戦としては、まずは正規王者のカルロス・アダメス戦なのか、どうなのか。
WBA世界ミドル級タイトルマッチ
エリスランディ・ララ(アメリカ)31勝(19KO)3敗3分
vs
ヨハン・ゴンサレス(ベネズエラ)36勝(34KO)4敗
ジャニベック・アリムハヌリがPEDの違反により、離脱。本来であれば、このララvsアリムハヌリはミドル級の3団体統一戦と予定されており、このPBCPPVのセミファイナルにセットされていました。
しかしアリムハヌリの離脱により、ヨハン・ゴンサレスが代役挑戦者に選ばれ、セミセミに格下げされています。
「アメリカンドリーム」ララを応援していましたから、ここは引き続き応援です。ただ、このような対戦相手変更の場合は番狂わせが起こりやすいと感じるのもまた事実。どうか無事に終えてほしい。
ちなみに、12月発表のランキングではゴンサレスはWBAランキングに入っていないです。。。前戦では元王者、ジャレット・ハードに勝利していますが、ハードがどこまで力を残しているのかを考えると微妙なところですね。
右手を赤、左手を白のグローブを身につけるララ。ミズノのシューズも右足が赤、左足が白で格好良い。
おそらく準備期間、対策期間は短かったでしょうが、アップセットを狙うゴンサレス。KO率が示す通りそのパンチは非常に鋭い。
ララは硬質なパンチを放っていき、こちらもここのところ4連続KO勝利中と絶好調。
初回の残り1分頃のところでゴンサレスの攻撃を躱してララが左ストレートをヒット!これでバランスを崩したゴンサレスはそのまま押されるような感じでダウン!
ダメージはなさそうですが、これはゴンサレスにとって痛いビハインド。ララとしてもバランスを崩していたようにみえましたが、膂力が強いのでしょうか。
お互いにハードパンチを持つ者同士、中間距離でパンチの交換。互いにブロッキングも駆使していますが、とにかくララの体がほとんどブレません。対してゴンサレスは、上体をやや前に出す分、ちょっとバランス面では良くないというか上体のみのブロッキングになってしまっていそうでです。
3Rはゴンサレスがプレス。ララは絶妙な足の使い方で外し、カウンターのボクシングに変更。4Rに入ると更にギアを上げたヨハン・ゴンサレス。体ごとの突進で強い攻撃、しかしここでもララのブロッキングが活き、カウンターショットがヒット。
5Rも開始早々前に出てきたゴンサレスでしたが、その攻勢のあと、ララもやり返します。ここで強い左ストレート、ゴンサレスはガードしていたように見えましたがダメージを負い、ララにラッシュの機会を与えてしまいます。
6Rは主に足を使い、近い距離でもゴンサレスを空転させるララ。7Rもこの戦いを継続すると、ゴンサレスの攻撃は殆ど無効化されているように見えます。
しかしララ、42歳でこのパフォーマンスはすごい。反応もよく、パワー、スピードも申し分なく、もともと老獪さはあったために衰えを感じさせません。
9R、足を使うララのカウンター、時にストレート系のコンビネーションのララ。安全な戦い方に終始しているララに対して、会場はブーイングが鳴っています。ただ、ここはララのテクニックの部分が多く、これは(私の嫌いな)いわゆるダンスではありません。ブーイングも圧倒しながらも倒しに行かない、ということに対するものなのかもしれませんが。
ゴンサレスは突破口を見いだせず、チャンピオンシップラウンドに突入。
11R、コンビネーションで攻め入るララ、良い攻撃ですが、ゴンサレスもガードが固い。そして気持ちも強い。行くべきはゴンサレスですが、こちらも行ききれませんね。
ラストラウンド、流石にすべてをかけていくヨハン・ゴンサレス。ララはブロッキング、上体の動き、足の動きでエスケープ、そしてこのゴンサレスの攻撃が終わった後にはしっかりとワンツーをリターン。
後半、左のダブルで攻め入ったララ、これがヒットしてゴンサレスが後ろによろよろとよろめくと、さらに左のダブルを見舞ってゴンサレスがダウン!!立ち上がったところでラウンドが終了、最後はかなりダメージがありそうだったので、もう30秒早かったらKOシーンがあったかもしれませんね。
判定は、118-108、119-107、120-106、3-0でエリスランディ・ララ。
安全策をとったララでしたが、ジャニベック・アリムハヌリとの3団体統一戦からタイトルマッチへの変更、そしてサウスポー→オーソドックスへの変更、とアップセットが起こりそうな条件を満たしていましたが、ララには全く関係ありませんでしたね。
まずは一安心、アリムハヌリ次第でしょうが、次戦こそ王座統一戦は叶うでしょうか。
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