12月に入って最初の国内「超注目」興行は、U-NEXT BOXING。
メインイベントは堤聖也vsノニト・ドネア、セミファイナルに高見亨介vsレネ・サンティアゴ、そしてセミセミにアンソニー・オラスクアガvs桑原拓がセット。
ど平日のトリプルタイトルマッチは、おそらくディレイ視聴になるのでもはや次の日が心配になります。
両国国技館のサイトを見ると、その週の土日(12/20-21)は一般向けのイベント開催は無し。アナウンスされていないだけで何かしらは入っているのでしょうか。
プロモーターとしては是非ともハコを先に抑えてもらいたいものですが、やっぱり難しいのでしょうかね。
ともあれ、大注目のU-NEXT BOXING、今回は堤vsドネアのプレビュー記事。

12/27(水)U-NEXT BOXING
WBA世界バンタム級王座統一戦
堤聖也(角海老宝石)12勝(8KO)無敗3分
vs
ノニト・ドネア(フィリピン)43勝(28KO)8敗
激アツ階級、バンタム級。その中で最も迷走しているWBAですが、本来の王者が戻ってきました。
昨年10月、予想不利の中で当時のWBA王者、井上拓真を降して王座初戴冠を成し遂げた堤聖也。2019年から2020年にかけて行われたGOD`S LEFTバンタム級トーナメントで準優勝。ただ、これは黒星がつかないドローで、優勢点での判断による準優勝でした。ちょうどこの頃、世界戦線ではWBSSバンタム級トーナメントが開催され、井上尚弥がノニト・ドネアを破って優勝を成し遂げたところでした。
その後元王者比嘉大吾とのドロー、そこから2年近くのブランクを経ての日本王座挑戦。ここまでは対戦相手に恵まれず、試合が決まっては流れるを繰り返し、本当に運のないボクサーだと思っていました。
しかしこの「呪い」と言い換えても良い不運を自らの道で切り拓いた堤は、2022年6月、初のタイトル戦で日本王座を獲得。その後の防衛戦では大嶋剣心、南出仁を撃破。この2人もいわゆる「95年組」のボクサーたちですね。
王座を保持したまま、2023年に行われたバンタム級モンスタートーナメントに参戦、増田陸、穴口一輝といった若きプロスペクトたちを退けてこのトーナメントを制しています。
このトーナメントの決勝では穴口一輝が、堤との激闘の末命を落とすというリング禍が発生するという事故が起こりましたが、堤は今もそのロゴをトランクスに刻み、共に戦っています。
そして、このトーナメントの優勝者には「世界挑戦の舞台を整える」と公言していた大橋会長は、まさに有言実行、一つの調整試合を挟み、WBA王者井上拓真への挑戦という副賞を堤に与えました。
この用意された舞台に立った堤は、黄金世代である「95年組」のトップ、井上拓真を攻略。気迫あふれる見事なボクシングは観客を魅了し、ベルト獲得の瞬間、ベルトを天に掲げて「穴口」と叫んだ姿は多くのファンの感動を呼びました。
ドラマにでも出来そうなキャリアを歩む堤、初防衛戦の相手はかつて引き分けた友人、比嘉大吾。この戦いは前半比嘉にリードを許し、さらに倒されたところから倒し返し、後半に追い上げていく、そんなファイトでまたもファンの心を打ちました。
結果は3者ともに114-114というドロー、堤は王座を死守、ドラマはまだまだ続きます。
この試合のあと、かねてから悪かったという目を手術した堤は大きなブランクをつくり、その際、休養王者に格下げ。その当時、謎の試合で暫定王座決定戦なるものが行われ、アントニオ・バルガスが正規王者に昇格する、ということが起こっていました。
村田諒太は何年も試合せずにWBA王座を保持していたわけですが、堤は一発アウト。このあたりが、WBAという団体をファンが毛嫌うところですね。
ただ、そんなWBAの恩恵を受けたのが比嘉大吾で、なんと3戦連続で世界タイトルマッチのチャンスを手に入れます。しかしこの試合もドローで戴冠ならず、結果、堤はバルガスとの団体内王座統一戦に臨むことになりました。
堤のファイトスタイル、言動、どれも非常に大好きです。日本王者時代、その前は観戦に行く機会こそありませんでしたが、過去にはTシャツ(一番最初のやつ)を買ったこともあります。
しかし、井上拓真戦も比嘉大吾戦も心から応援できなかったことは事実。
しかし、今回ばかりは(もちろんドネアも大好きなボクサーではありますが)心置きなく堤を応援することができます。そのことが、私にとって非常に嬉しい。平日じゃなければ見に行けたんですが。。。
さて、今回の相手はレジェンド、ノニト・ドネア。
はるか雲の上の存在だったあの頃から比べると「降りてきた」感じは否めませんが、その試合のほとんど、それは敗北した試合も含めてのことですが、どこかで「必ず」一発を当てる事ができるボクサーです。
全盛期ほどの反射神経はない、というのはすでに周知の事実ではありますが、それでもダルチニアン戦、モンティエル戦、そして何より西岡利晃戦というのは我々ファンの脳裏に刻まれています。
そして6年前、井上尚弥の前に立ちはだかり、フルラウンドを戦い抜いたドネア。その後のノルディーヌ・ウバーリ戦、レイマート・ガバリョ戦も見事なもので、不惑の年を迎えようかというところでも円熟味のあるファイトを披露していました。
井上尚弥との再戦では2RTKO負け、しかしそれでも一発は当てています。
その後、ゴタゴタもあってパフォーマンスを落としたように見えるドネアは、復帰戦となるアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)戦で敗北、その再起戦となる前戦でアンドレス・カンボス(チリ)に負傷判定で勝利してWBA世界バンタム級暫定王者に返り咲きを果たしています。
ここ2戦のパフォーマンスは、過去のドネアを知っているからこそ「優れている」とは言い難い。
しかしそれでも、少なくとも40歳までは世界のトップどころを次々と沈めて好調だっただけに、43歳となった今でももちろん光る物は持っているでしょう。
おそらく、私が思うに今のドネアにとって最も厄介なのはスピードで、こと年齢を重ねると速く動かれることに対して反応が遅れてしまうきらいがある、と思っているからです。
そう考えれば堤はスピードで売るタイプのボクサーではなく、おそらく近い距離での戦いになる可能性が大きいことから、ドネアにとって大きなチャンスがある戦い、とも言えます。堤にとって悪い意味で噛み合うのではないか、と思うのです。
堤としては、もらっても退かないボクサーで、打たれ強くもあると思いますが、その意識を断ち切られない、とも限りません。相手はあのノニト・ドネアです。
堤としては、前半しっかりと強打を警戒してなるべく外し、そして後半まくるという戦いが想定されます。ドネアは年齢からくるもののため、スタミナは万全ではない可能性があるからです。ただ、前半、ドネアのペースで進むとドネアを疲れさせられませんから、結局、大きく動かなければならない、相手を削っていかなければならないのは堤の方です。
年齢は、スピードや反射を衰えさせますが、パワーはさほど衰えない、というのが私の持論。だからこそ、この怖さのあるドネアを、堤がしっかりと倒し切る事ができれば、堤の評価は更に上がるのではないでしょうか。
「ロートル」とは呼べません。
しかし、堤にとっては「負けてはいけない相手」であることも事実。堤はあの井上拓真に勝利し、つまりは現在隆盛を極める95年組の頂点にたっているボクサーです。
堤聖也の素晴らしいパフォーマンスと、歓喜の結果に期待しましょう。
放送・配信
配信は、U-NEXT。
配信開始は12/17(水)17:15からで、メインイベントのリングウォークはBoxliveによると21:00頃。たぶん全然正確じゃないですが、おそらくそれぐらいにはなりそうですね。
セミファイナルには高見亨介vsレネ・サンティアゴのライトフライ級王座統一戦、そしてセミセミにアンソニー・オラスクアガvs桑原拓のWBO世界フライ級タイトルマッチ、というトリプルタイトル戦。
仕事をちょっとでも速く終わって、できれば日が変わる前に見終わりたい。
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