今週末は、多くのボクシング興行があります。
日本での放送がないのは残念ですが、クブラト・プレフvsムラト・ガシエフというベテラン対決もなかなか面白そうですし、ホセ・サラス・レイジェスvsランディ・ギーケは日本のボクシングファンにとって非常に気になるファイト。
そして、バドゥ・ジャックvsノエル・ミカエリヤンというのもありますね。
そんな中で、日本でも問題なく視聴できて、更に注目度の高いファイトといえばマッチルームUSAの興行、ディエゴ・パチェコvsケビン・レレ・サッジョ。
ということで今回のブログは、パチェコvsサッジョのプレビュー。

12/13(日本時間12/14)アメリカ・カリフォルニア
ディエゴ・パチェコ(アメリカ)24勝(18KO)無敗
vs
ケビン・レレ・サッジョ(フランス)26勝(23KO)無敗
ディエゴ・パチェコというボクサーはきっとどかで世界王者になるボクサーです。
身長193cm、リーチ201cmとスーパーミドル級にして破格の体躯を持っているボクサーで、さらにその有利な体格をしっかりと使いこなせています。
リング上でのパフォーマンスは、非常に冷静で、肩をしっかりと入れた長いジャブを武器に、連戦して連勝、負け知らずのキャリアを築いています。
これで弱冠24歳というのは非常に驚きですが、ここ最近はしっかりと「つまらない」ボクサーになってきた感がありますね。
自身としてもおそらく過去最大の試練だった2024年8月のマシエ・スレッキ(ポーランド)戦で、キャリア最大級のパフォーマンスをみせての6RKOを果たしましたが、その後の2戦、スティーブン・ネルソン(アメリカ)戦、トレバー・マッカンビー(アメリカ)戦はその期待ほどのものではありませんでした。
素晴らしいジャブとストラテジー、コンビネーション、カウンターを持つパチェコに期待されるのは、やはりノックアウトでしょう。長いジャブの次に繰り出される長い右の破壊力は圧倒的で、そこから更に返す左のボディショットは驚異的です。
しかしここ最近の2試合は、慎重で冷静な戦いに終止し、出すパンチのほとんどはジャブ。
リーチを最大限に活かした、肩を入れたジャブは強力で、これを打っておけば誰も届かない、というほどのものですが、その反面、今はもう右をつなげるのにはかなり時間がかかる印象です。
だからしっかりとポイントアウトはできるものの、好戦績(ネルソンは当時無敗、マッカンビーは当時1敗)の警戒すべきボクサーに対しては、石橋を叩いてなおも渡らない、ぐらい慎重なボクシングを貫いています。
ボクシングにエキサイティングを求めてしまう私としては、どんどん評価が下がっていますね。(この評価は強さではなくて、その試合を見たいかどうかという評価)
さて、今回の対戦相手はケビン・レレ・サッジョ、名前だけは何度も聞いたことのあるコンテンダーですが、26勝23KO無敗という驚異的な戦績を誇ります。
パチェコとは1まわり近く違う35歳、「パニッシャー」と呼ばれるサッジョは、欧州で猛威を振るうボクサーで、かつ、アフリカ等でも戦っているロード・ウォリアー。
フランスを拠点にしているボクサーだから、日本やアメリカまでその名は轟いてはいませんが、このカメルーン生まれのファイターは173cmとこの階級では小柄で、だからこそ怖さのあるボクサーと言えます。
がっちりとガードを固めて前進する姿はまさに肉弾戦車で、さらに88%ものKO率を誇る、というのは脅威でしかないでしょう。
回転力もあり、自然と下から打ち上げる感じになる強力なパンチのほか、オーバーハンドも得意であり、更に無尽蔵なスタミナすらも有している怖いボクサー。
このサッジョに注目したのは、昨年だったか今年に入ってからだったか、オスレイス・イグレシアス(キューバ)とのIBF世界スーパーミドル級挑戦者決定戦をオーダーされた時でした。しかしこの試合は、サッジョがすでに別の試合が決まっていた(だったと思う)ということで出場事態、サッジョとしてはチャンスを逃した格好となりましたが、今またこうしてチャンスが巡ってきました。
パチェコに勝てば、サッジョの未来は大きく広がります。というか、35歳の彼にとってはもう最初で最後のチャンスかもしれません。モチベーションは相当高いでしょう。
ケビン・レレ・サッジョというベテランは、非常に怖さのあるファイターと言って間違いありません。
しかし、ここで期待するのはやはり若きコンテンダー、ディエゴ・パチェコがノックアウト勝利を見せてくれる事です。
相手が攻めてきてくれる、というのはパチェコにとってやりづらくはないでしょう。自ら攻めなくとも、待っていれば前に出てきてくれるのだから、そこにカウンターを合わせやすい、というのは一つ、良いノックアウト勝ちができるという伏線でもあります。
但し、パチェコは高身長である分、フィジカルはおそらくサッジョに大きく劣るはず。筋骨隆々なサッジョに、インサイドに入られ、押され、ボディを叩かれ、そこにオーバーハンドなんて入ろうものなら、もしかすると立っていられない可能性があります。
当然、ここは知名度の差もあって、オッズとしてはパチェコ-400、サッジョ+350とパチェコが大きく優位。ただ、これは間違いなく簡単な試合ではありませんし、サッジョがパチェコを倒してしまう姿も十分に想像できるものです。
かなりハイリスク、そしてローリターンな試合に挑む、と思われるディエゴ・パチェコ。ここで是非とも覚醒してもらいたいところです。
これは非常に恐ろしいですが、非常に楽しみな一戦です。
ガブリエル・フローレスJr.(アメリカ)27勝(8KO)2敗
vs
ジョー・コルディナ(イギリス)18勝(9KO)1敗
さて、メインは非常に楽しみかつ不安なんですが、アンダーカードにセットされたこの試合も同じくらい、楽しみかつ不安です。
セミファイナルは女子のスカイ・ニコルソンが出場、その前の試合だと思われます。
かなり大きな期待を背負って2017年にプロデビューしたガブリエル・フローレスJr.。2021年までの4年間で20連勝を記録し、その期待に違わずにパフォーマンスを見せてきた、と言えます。
しかし2021年9月、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に敗北。
ロペスはその後Bサイドながらも英国にも呼ばれるようになり、2022年にはジョシュ・ウォーリントン(イギリス)を破って見事IBF世界フェザー級王者となりました。
フローレスは、というと、ロペスから初黒星を喫した後、エイブラハム・モントーヤ(メキシコ)を破って再起。しかし再起2戦目となるジョバンニ・カブレラ(アメリカ)戦でまたも敗北、プロスペクト同士の一戦とはいえどもこの短期間での2敗というのは「プロスペクト」としての地位を大いに脅かすものでもありました。
ここで、道は絶たれたかに見えましたが、その2敗目から現在までは6連勝。
その中では当時無敗のボクサーにも2勝しており、世界ランキングでも上位につけ、調子を取り戻している、と言える状況です。
どちらかというとボクサータイプであるフローレス、非常に残念なことにパワーがない、というのが致命的な欠点でしょう。巧さはあり、メキシカンらしくはない戦い方をするフローレスJr.は、打たれて強くはなく、ルイス・アルベルト・ロペス、ジョバンニ・カブレラといったグイグイと無遠慮に攻撃してくるボクサーを不得意としていると思います。
そう考えると、今回迎える元王者、ジョー・コルディナというボクサーは、フローレスにとってやりづらくはないボクサーだと思います。
ジョー・コルディナ、個人的には大好きなボクサーで、「ウェールズの魔法使い」と呼ばれるカウンターパンチャー。かつて尾川堅一(帝拳)から王座を奪ったあのワンツーは見事なもので、今でも脳裏に焼き付いています。
わずかに1敗は2024年5月、アンソニー・カカス(アイルランド)との一戦で、あれは完全にいわくつきなので個人的には認めていません。
↓観戦記
とはいえ、その1年半前野試合からわずかに1戦、ライト級では2戦目というコルディナには、34歳という年齢、今さらのアメリカデビューということもあって大きな不安がつきまといます。更に、相手は上り調子のガブリエル・フローレスJr.です。
正直、どちらも「パンチャー」とは言えないボクサーですが、両者ともに打たれて強くない、ということもまた事実。
いずれかのカウンターショットが当たれば、ダウンシーンもあるかもしれません。そして、それはよりカウンターの精度が高いコルディナにこそ、チャンスがあるのではなかろうか、と期待も込めて思っています。
とはいえ、このアメリカというのはコルディナにとって完全アウェー。地元の声援を受けて、フローレスがどれぐらい奮起するのか。気負って出てきてくれればコルディナにとってもありがたいかもしれませんが、それはそれでなさそう。
とにかくがんばれコルディナ、こんなところで負けてほしくない。
その他のアンダーカードと配信情報
この興行には、他にはエルネスト・メルカド(アメリカ)も登場です。きっとここでスカッとしたボクシングが見れると思いますね。対戦相手はアントニオ・モラン(メキシコ)、アンディ・クルスや過去にはデビン・ヘイニーとも戦った古豪ですね。メルカドがこのボクサーをどう料理してくれるのか、非常に楽しみです。
配信はDAZN、配信日時はAM7:00からアンダーカードが開始で、メインカードはAM10:00からです。おそらくメルカドvsモランは10:00からで、メインイベントはお昼すぎからですね。
さて、ということで今週末もボクシングを楽しみましょう!
↓DAZNはこちらから
【宣伝】
日本で手に入りにくいボクシング用品のセレクトショップやってます。
ぜひ覗いてみてください。
<NEW ITEM COMING>FLYのニューグローブ、入荷しました!