さて、U-NEXT BOXING 4の観戦記、後半です。
ユーリ阿久井政悟は素晴らしいノックアウトを見せて再起戦に勝利、そしてアンソニー・オラスクアガはスピードスターに対してその強さを存分に見せつけました。
そして続いてはセミファイナル、高見亨介vsレネ・サンティアゴ。そしてメインイベントの堤聖也vsノニト・ドネア。
こちらも好ファイトを期待してみましょう。
↓プレビュー

12/17(水)U-NEXT BOXING
WBA・WBO世界ライトフライ級王座統一戦
高見亨介(帝拳)10勝(8KO)無敗
vs
レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)14勝(9KO)4敗
インでもアウトでも戦えるサンティアゴ、その振り幅は非常に長い。どっちかに振り切る事ができるボクサーですが、その完成度はそこまで高いとは言えない、というのが個人的見解です。但し、その分非常にやりづらい。
対して、戦うたびにその才能を見せつけている高見亨介、ここは期待できます。
ともに初防衛戦で王座統一戦に臨む新米王者同士、ライトフライ級王座統一戦がスタート。
初回のゴング、まずリング中央で並ぶと高見がでかい。パンチが届かないところで静かな立ち上がり、左の差し合いです。高見が若干のプレス、サンティアゴはいつでも動けるようなスタンスながらもカウンター狙い、稀に振ってきますね。サンティアゴは動きが非常にキレています。
どちらもビッグヒットがない中、サンティアゴの方がやや印象が良いか。
2R、サンティアゴは今回大きく足を使うことなく、それでもとにかくリターン狙い。このリターンは非常に鋭く、高見のジャブに対して右クロスをリターン。鋭いスイングのサンティアゴ、近い距離での回転力もあります。
後半に入るとサンティアゴが大きく足を使い始め、高見が近づいた所で激しいリターン。高見はちょっと単発気味か。
終盤、高見が左フックをヒットするもサンティアゴも右をヒットで痛み分け。
3R、サンティアゴの体全体を使ったジャブが良い。サンティアゴが入ってくる時、高見はカウンターを放ちますが、サンティアゴは被弾を気にせずそれに対してリターン。
一発で安心してしまっているような高見亨介、ここもやはり最近の帝拳にありがちな「一発に賭けすぎている」ボクシングに見えます。サンティアゴの方が連打が出ています。
4R、高見が随分とおとなしいように見えます。自分の思い通りのボクシングをさせてもらえていないのでしょう。先に動くのはサンティアゴ、高見はちょっと自分のボクシングができないでいる、みたいなイメージ。
同時に打ち始めてもサンティアゴの回転力が勝ってしまう状況、高見としては遠くからパンチを当てたいところです。
5R、そろそろギアを上げてほしい高見。プレスを強めます。右と右の相打ちのタイミング、これは怖い。
高見の攻撃に対して、サンティアゴのリターンはしつこく、高見はこれを躱しきれないのでちょっとイメージが悪い。これは割とまずい流れなんじゃないでしょうか。
6R、高見がプレス、サンティアゴは足を使ってまわります。互いのパンチは空を切る、という展開ですが、高見がそこまで近くで戦わないというのは、近くではサンティアゴの回転力の方がまさる分、これまでのラウンドよりは良い。
しっかりと距離で外す、ができれば被弾は避けられそうな高見、後半にはサンティアゴに攻め込まれてしまいますが、ここで左のカウンターショット!
7R、ここから上げていってほしい高見!高見はジャブ、この長いジャブは良いですね。サンティアゴはリーチが短い分、この距離からでは一歩入っても高見がバックステップをすれば届きません。
怖いのは近い距離になった時で、ここでの回転力はやはりサンティアゴが良い。
8R、サンティアゴの攻撃に対して右ボディカウンター、そしてダックでサンティアゴのリターンを躱す高見。こういうボクシングができれば良いですが、しかしサンティアゴは打ち出したら止まらない分、ここは躱しきれない場面も。
同時打ちのタイミングで幾度もパンチが交錯する中、後半、高見の左フックがヒットしたか、一瞬動きが止まったようにも見えるサンティアゴ。
しかし終盤はサンティアゴが接近して連打、このサンティアゴのラウンドの中でのペース配分というのはジャッジへの印象として侮れないものです。
9R、高見がプレスをかけていきますが、サンティアゴはカウンターを用意しています。高見はちょっと攻めきれないか、それでも攻めなければまずい状況にあると思います。
中盤、リングの端から端まで追いかけてパンチを放っていく高見、こういう場面がもっと欲しい。打って離れて、で良いと思うのですが、その打っての部分はもっと回転力のあるコンビネーションがほしいところです。
10R、速いやり取りの中で、印象的なのはサンティアゴのジャブ。このジャブで頭を跳ね上げられた高見、クリーンヒットが少ない中で言えばこういうのはもらいたくない。
後半に入ろうかというところで高見は右ボディを起点としてラッシュ、後半にかけても右のボディがよく当たるようになってきました。
こうなると上も当たるか、というところですが、サンティアゴはディフェンスもよく、やはり高見の攻撃に対しては必ずと言って良いほどリターンを返してきますね。
11R、気づけばチャンピオンシップラウンド。ここまではおそらくサンティアゴでしょう。高見はもうちょっと強引に行っても良いと思います。
高見はカウンターも含めてサンティアゴのボディにパンチを集め、これを嫌がっているように見えるサンティアゴ。しかし残りのラウンドは少なく、どこまで効果が出せるか。
と思った中盤、高見がパンチを顔面に返すと、これまでになく当たっているように見えます。さあ、ここはチャンスか、高見亨介!
サンティアゴの大きな右に対して内側から左フック、そしてその後もラッシュ!最後のラウンドに望みを託します!
ラストラウンド、先に出たのはサンティアゴ。ボディジャブから顔面への右、高見も連打を返します。
ここに来てちゃんとパンチが回る高見、序盤からこれを出していればもっと良かったかもしれません。
サンティアゴの回転力のある連打に対してはしっかりとブロッキングの高見、その後はやや強引目なリターン。
先に動くのは高見!そして打っては離れる良いボクシングをして終了。
終了後、両手を上げて勝利をアピールしたのは高見、結果的にはかなり競っているように思いますが、序盤の微妙なラウンド、見た目の問題でおそらくサンティアゴに流れているのではないかと思いますが。。。
判定は、115-113サンティアゴ、116-112高見、そして117-111、レネ・サンティアゴ!!
2-1の判定で、レネ・サンティアゴが勝利!
高見の後半の追い上げを考えれば、どっちが勝ってもおかしくない試合だった、と言えると思います。高見が残念だったのは、やっぱり前半がもったいなかったような気がします。
敗れたとはいえ、今回もリングを楽しそうに舞っていた高見、今後も期待できると思います。
さて、レネ・サンティアゴ。
私は完全にこのボクサーのことを見誤っていたので、驚きです。
曲者と呼ぶにふさわしいこのボクサーは、特に日本の素直なボクサーを相手にその強さを発揮するのではないでしょうか。
いつかこのサンティアゴを倒すボクサーが現れてほしいもの。
勝利者インタビューは無し、サンティアゴが勝つと思っていなくて、通訳を用意していなかったのでしょうか。。。それであれば大変に失礼な事ですね。私も勝つと思ってなかったですけど。
WBA世界バンタム級王座統一戦
堤聖也(角海老宝石)12勝(8KO)無敗3分
vs
ノニト・ドネア(フィリピン)43勝(28KO)8敗
セミファイナルのまさかの結果に、ちょっとテンションが上がりません。
とはいえ、メインは堤vsドネア。
この戦いもアップセットが起こらないとは限りません。とにかく一発に気をつけて、前半、ドネアの一瞬のスピードにポイントを持っていかれたとしても、後半にしっかりと捲ってほしい。
さて、いよいよゴング。
初回、ドネアがなんだかデカく見えるのは気のせいでしょうか。いきなり右を見舞ってきたドネア。
やや大きめに回る堤、細かくジャブを放つ堤に対してドネアは速いジャブ、そして近寄ったところで閃光の左フック。これは距離で当たりませんでしたが、やはり序盤は要注意です。
ドネア、非常に調子が良さそうですね。前戦とは全く違う動きです。
ドネアのジャブに対して左フックで踏み込む堤、底にドネアも左フックをあわせます。落ち着いた雰囲気のドネアに対して動きでかき回す堤、後半に左フックを良い形でヒット。
いやードキドキしますね。
2R、遠い距離で回る堤、時折踏み込んでジャブ。近寄った所ではドネアの左フックをブロッキングして左フックを返す、というのが堤の作戦でしょうか。
徐々に距離が近くなる中で、ドネアの右もいくつか届いています。この右も怖い。後半にも、ドネアは堤の右に左フックを合わせ始めます。
3R、距離は近いまま、堤はいつものボクシングに変えようとしているか。徐々に増える手数、ですがいつものようなガチャガチャした攻めをまだ見せれず、やはりドネアのパワーを感じている用に思います。
チャンスはドネアの打ち終わり、パンチを振り切るタイプであるドネアは、その後に若干の隙ができます。
後半は左フックの打ち合い、躱しあい。すごい戦いです。
4R、ドネアが速いコンビネーション。それを耐えて一気に行く堤!いよいよ肚を括ったか、しつこい連打でドネアをロープまで押し込みます。
しかしこの連打の最中もドネアの左フックは怖い。
後半、堤が逆ワンツーで攻めた所にドネアの左フック!若干足が揃う堤!しかしここで退かない堤!前に出た所でドネアの右を被弾!よろめく堤、しかし底から持ち直して左フックをヒット!しかし最終盤、近づいた所でドネアの右、でしょうか、堤は大きくよろめいて。。。ダウンはしません!なんとかこらえました!!
5R、ドネアは当然チャージ!ここで試合を決めてしまいたいでしょう。堤は明らかにダメージがありそうで、大きく距離をとります。
サークリングしながらジャブ、回復するまでドネアはまってくれるか。
ドネアは強引に攻めることはせず、歩くようなプレス。堤のジャブに対して右をリターンするドネア!堤は大ピンチ!!!
ドネアはコンビネーションも出ていますが、打つたびに堤は反撃!堤はダメージがありながらもそのパンチは生きており、ドネアもまだ迂闊に攻める事はできないか。
ここは耐えてほしい堤、徐々にダメージは回復しているように見えます。
6R、ドネアがプレス。堤はまだ回復途中か、大きくサークリング。ジャブで攻め込むとドネアの右リターン、これは危ない。
ちょっとドネアは空振りが増えてきたようにも思います。そろそろ若干スピードも落ちてきたようにも感じます。
このラウンド後半、堤は頭の位置を替えながらの攻撃!ドネアのスピードが若干落ちてきた事で、ドネアのリターンを上手く外しています。さあ、堤はここからが真骨頂。
7R、堤が前に出始めます。ドネアはステップを踏んでジャブ、このボクシングも巧い。山場がほしい堤、インサイドに入ろうとしたところでドネアのカウンター!しかし堤は全く気にすることなく入ります。結構怖いタイミングでもらっている堤ですが、エンジンがかかったのか、またも後半、堤はラッシュ。
ラウンド後半にはドネアがちょっと落ちる、というのもあるのかもしれません。そして堤は上がっていく、というのもあるのだと思います。ラウンド後半は堤が支配、ドネアにもちょっと焦りが見えてきました。
8R、堤が前へ、ドネアは右に左に細かくステップ。しかし堤は追いかけてドネアをロープ際へ、それでもこの距離でもドネアは狙っているので気が抜けません。
中盤、堤がドネアのパンチを躱して右フックを振り切ると、ドネアは若干たたらを踏みます!動きが落ちたドネア、そこにもう一度同じ右のフック!スイッチしての右フックだったでしょうか、堤はドネアのフックをかわしてその流れでボディへ顔面へパンチを返しています!
おそらく、ここからドネアは落ちる一方、堤は上がる一方。あとは捲れるか。
9R、ジャブの差し合い。はやっぱりドネア。ドネアのジャブは速く、美しい。
このジャブの後に入りたい堤、しかしこのラウンドの前半はドネアのジャブにやられているか。
堤はどこかでいかなければ、このままラウンドを取られてしまいます。
後半に入ったところで強いフックで入り、サウスポーにスイッチしながらの左フック。ドネアのコンビネーションの打ち終わりに堤がフックをヒットどちらも譲りません。
10R、前に前に出る堤。ただ、ラウンドの前半はやっぱり危険です。
とはいえ、ドネアのパンチでも堤は止まらず、中盤には得意の歩きながら打つパンチでドネアをロープまで押し込みます。
ロープを背負うドネア、しかし堤の連打の中に左フックを強振、これは当たりませんが怖いタイミング。
そして後半、堤がスイッチしての左オーバーハンドをヒットしてラッシュ!ここでドネアも左フックカウンターを返します!!What a Fight!!です!
11R、ドネアのジャブに阻まれる堤の前進。しかし堤がインサイドに入ろうとするとドネアはカウンター、しかしこのカウンターで堤が止まらず、そのまま強引に入っていく、という展開。普通は止まるもんだろ、とドネアが言っているように聞こえます。
中盤、堤がジャブから一種の間を負いて右オーバーハンドをヒット!そこから左右のフックをヒット、その後にチャージ!ロープに詰めるもそこからドネアは左フックでエスケープ、中間距離では右カウンター!
互いにものすごいタフネスを披露、しかしこのラウンドも後半、上回るのは堤のしつこいまでの回転力です!
ラストラウンド、インサイドで回転力を発揮したい堤、ドネアはジャブで突き放します。そしてまたも中盤、堤は大きく旋回する左フック!あわやダウンかというぐらい腰を折ったドネアですが、レフェリーからのダウン判定は無し!
バランスを崩しただけなのか、効いたのかは微妙なムーブでしたが、その後のドネアは余り手が出ていません!
最後のチャンスの堤、プレスを欠けて後半にはまたラッシュ!ドネアを追い込み、最後の最後は打ち合ってラウンドが終了!!!
またも大激闘!またも名試合!堤聖也の今年最後の試合も、またも寿命が縮むような一戦でした。
判定は、116-112ドネア、115-113堤、そして。。。117-111堤聖也!!!!
いつもドキドキ、こんなにおもしろい試合をするボクサーはいませんね。
堤聖也は想像通り素晴らしかったですが、ノニト・ドネアは想像以上に素晴らしかった。
それがまた、この試合を名勝負にしたのだと思います。
怖さのあるボクサーだというのは皆の知る所ではありますが、それは序盤を過ぎればきっとどこかで落ちるのではないか、と思っていました。もちろん、ドネアは後半落ちてはいましたが、それでもまだまだ全然世界レベルで戦えるボクサーであったと思います。
互いにリスペクトを持って戦った好試合。この年の瀬に、FOTY候補がまた一つ。
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