サウジアラビア興行と、何も同じ日にしなくても良いのに、というのは、会場の空き状況もあることなので致し方のないことなのかもしれません。
せめて、あえてぶつけたということでないことを祈ります。
この日はサウジアラビアでRING興行、どうしても一般の目は井上尚弥、中谷潤人、寺地拳四朗が登場するサウジアラビア興行に目が向き、たとえどんな結果になろうとも矢吹正道がスポーツ新聞の一面を飾ることはありません。
当然、ボクシングファンの間では大きな話題にはなるのでしょうが、明らかに分散してしまうことから、これはプロモーションとしては下策、非常にもったいないことです。
ともかくこの戦いは、矢吹にとっては強敵アルバラードを迎える大一番。
充実の矢吹正道に死角無し、と思うので、この試合が決定するまでのゴタゴタも忘れてしまうほど、しっかりとKOで勝ちきってほしいところ。
ということで今回のブログは、12/27(土)に行われるSAIKOU×LUSH興行のプレビュー。

12/27(土)SAIKOU×LUSH
IBF世界フライ級タイトルマッチ
矢吹正道(緑)18勝(17KO)4敗
vs
フェリックス・アルバラード(ニカラグア)42勝(35KO)4敗
このメインイベントが開始されるのは18:30、とのことです。
多少のズレはあるのでしょうが、こうして開始時間を告知してくれるのは非常にありがたいことですね。
とかくABEMAで放映される興行(というかSAIKOU×LUSHBOMU)については無駄な時間が多すぎます。
さて、王者矢吹正道の初防衛戦は、いきなりIBFの指名挑戦者で元王者、フェリックス・アルバラードという強敵です。
矢吹は2021年、予想絶対不利の中、当時の絶対王者寺地拳四朗(BMB)に挑み、そのタイトルを奪取。これは初防衛戦でリベンジを許してしまいますが、その後の再起ロードも本当に侠気あふれるものであり、再起戦が現在のIBF世界ライトフライ級王者、タノンサック・シムシー(タイ)で、これを7RTKOで撃破。
このシムシーは、今回のアルバラード戦に向けてのスパーリングパートナーを務めていたようですね。これはお金の取れるスパー、どころかもはや世界タイトルマッチのようなものです。
その後ロナルド・チャコン(ベネズエラ)をノックアウトして再起2戦目を飾り、いよいよ返り咲きへの道が整ったか、というところでまさかのアキレス腱断裂の大怪我。
これにより1年2ヶ月のブランクののち、怪我からの復帰戦でも変わらずノックアウト、その後、シベナチ・ノンシンガ(南アフリカ)を降してIBF世界ライトフライ級王座を獲得、見事2タイム世界チャンピオンになりました。
前々から減量苦のあった矢吹は、その後フライ級へ転級。当時のIBF世界フライ級王者、アンヘル・アヤラに挑戦、前戦に続いて王者を圧倒した上での12RTKO勝利で2階級制覇。
ここのところの安定感たるや素晴らしく、また、結局しっかりと倒し切るという充実ぶりを見せています。
矢吹正道といえばそのKO率からもわかるような強打、そして拳四朗戦でも見せたハートの強さ、というところが大きな特徴ではありますが、何といってもここ数戦で相手を完全に圧倒しているのは、そのジャブの強さとその精度です。
大きく足を使うことなくジャブをヒットする、完全にノーモーションでタイミングが全くわからないこのジャブこそが矢吹の強さであり、矢吹はジャブをヒットしてリズムに乗り、対戦相手はジャブをヒットされてリズムを崩される、一挙両得のジャブ。
そしてこのジャブがダメージを与えられるほど強く、もはや左一本で勝ってしまうのでは、というところからラッシングスキルまで有しています。
唯一の不安要素としては、おそらく矢吹が打たれて強い方ではない、ということです。
それは、過去にもユーリ阿久井、寺地拳四朗との戦いの中で序盤にノックアウトされていることから明白です。
これこそが、スラッシャーであるフェリックス・アルバラードが付け入る隙でもあり、我々ファンとしては非常に怖い部分でもあります。
ただ、現在の経験を積んだ矢吹は、おそらくこのことを現実的に認識しており、特に序盤、気を付けて戦う事ができるはず。昔のように熱くならず、冷静に戦えることも矢吹の強みであり、今戦は前半はジャブを突いてエスケープすることに徹しても良いのではないかと思えます。
そうすると、ジャブでもアルバラードは削られ、後半にはチャンスが訪れそうな気がします。
矢吹が冷静に戦えば今回も防衛は固い、と見ますが、それを折り込み済みでアルバラードが序盤から特攻をかけてくれば怖いですね。
ちなみにアルバラードはもう36歳になりますが、全くもって衰えを見せないボクサーです。
IBF世界ライトフライ級王座を奪取し、フライ級の王座挑戦は2度目ですが、最初にフライ級王座に挑戦した2022年、当時の絶対王者、サニー・エドワーズ(イギリス)を大いに苦しめています。
そしてIBF世界挑戦者決定戦で戦ったアンヘル・アヤラとの一戦はほとんど互角の戦いであり、どっちが勝ってもおかしくない一戦でしたが、3者ともに1ポイント差というユナニマス判定で敗北。
こういう場合、年齢的なこともありモチベーションが続かず、調子を崩してしまうことも多いですが、アルバラードはここからまた再起、IBF世界フライ級挑戦者決定戦に再び出場すると、当時無敗のトビアス・レイジェス(アルゼンチン)を撃破、挑戦権を獲得しています。これは天晴な勝利です。
とはいえ、海外オッズは矢吹-350、アルバラード+275とここはやはり矢吹が優位。
序盤の被弾に気をつけて、快勝を期待します。
OPBF東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ
ケネス・ラバー(フィリピン)16勝(11KO)無敗
vs
アヤティ・サイリケ(中国)12勝(5KO)9敗3分
セミファイナルにセットされたのは、ケネス・ラバーのOPBFタイトル防衛戦。
無理やりとってつけた感が否めませんが、ラバーにとってはこのようにアクティブにリングに上がれることは嬉しい限りでしょう。ケネス・ラバーの2025年は、3月に栗原慶太に1RTKOで勝利して依頼、8月と10月にKO勝利を決めており、約2ヶ月のスパンで今年4戦目。
休む暇が無い、というのはおそらくダレる傾向のあるフィリピン人ボクサーにとっては良いことだと思います。
しかしこの対戦相手、アヤティ・サイリケというボクサーについてはその挑戦資格自体に疑問符がつくボクサーであり、特に先月試合をしたわけではないのに12/3のランキングでランクイン。15位、というのはまあ無難なのかもしれませんが、タイトルマッチが決まったからランクインされた感が満載のボクサーです。
戦績も奮わず12勝9敗3分、ですが、プロデビューから7戦目で初勝利という非常に気骨のあるボクサーに見えますね。
ちなみに6戦目は2019年、英洸貴(カシミ)と中国で戦い、ドロー。これのみが唯一我々にも理解できる戦績ですね。
弱いボクサーではないのでしょうが、そうはいってもラバーにとっては警戒すべき相手ではありません。
しかしだからこそ、ラバーもそこそこの調整しかせず、リングに上がってくるのではないかと心配してしまいます。
ライジング・スターとなり得るこのラバーには、もっとしっかりとしたマッチメイクを組んでほしいところです。
配信情報
この興行は、アンダーカードに日本vsキルギスが組まれており、セミセミには溝越斗夢vsジョンリエル・カシメロが組まれています。もはや商品価値としてゼロに近いカシメロですが、SAIKOU×LUSHと契約したというのもあるので、ある一定の試合数はマッチメイクしないといけないのでしょう。
この興行は12/27(土)13:00の興行開始、メインイベントは18:30とのこと。
なので7時間弱の興行ですね。
さすがSAIKOU×LUSH×ABEMA、いつもの長時間拘束興行です。
メインの時間を明確にしてくれていることが非常に嬉しいこの興行、リヤド興行のオープニングとは若干被る感じですね。
配信はABEMA。
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