ダイナミックグローブがはじまると、日本のボクシング界も平常時運転に戻った、と感じます。
子供の頃、瀬戸内海の島に住んでいた私は、もちろん関東ローカルで放映されるボクシングを見る術はなく、ゴールデンタイム以外でボクシングを見れたのは深夜に放送されていたダイナミックグローブのみでした。
そんなお世話になったダイナミックグローブは、日本テレビからU-NEXTにプラットフォームを移し、今も延々と続けてくれています。
さて、2026年最初のダイナミックグローブは、李健太vs永田大士のWBOアジア・パシフィック王座決定戦。ということで今回のブログは、ダイナミックグローブの観戦記。

1/17(土)ダイナミックグローブ
赤井英五郎(帝拳)vsべー・ドンミン(韓国)
赤井がグイグイとプレスしてスタート。ジャブから右ボディが良いですね。
ロープに詰めると回転力のある赤井、中盤、右フックでダウンを奪取。
その後もボディから顔面への右フックを多用する赤井、この右を幾度か決めるとベー・ドンミンはダウン、レフェリーはストップ。
危ない場面もなく、初回TKO勝利の赤井はこれでA級に昇格ですね。
金子虎旦(帝拳)vsスー・ハンビン(韓国)
初回から金子が速いジャブ。スーはなかなか手が出ません。
2Rにプレスを強めた金子は、飛び込んでの左ボディをヒット、ビシビシとジャブを当てていきます。スーは何をしに日本に来たのか、というぐらい手が出ません。
3Rはスーも若干手を出してきますが、距離を遠く感じているのか、そのほとんどがジャブ。そしてこのジャブの距離で金子に勝てるはずもなく、金子のジャブは相変わらずビシバシと決まっています。
4R、金子は右を狙いはじめ、この右もしっかりとヒット。金子の動きには全くついてこれていないスー。
5R、スーが手数を増やして強引に攻めてきます。これにも全く動じない金子は、ジャブ連打から右アッパー。これは巧い。普通のワンツーかと思いました。
パンチアングルにもパンチングパワーにも優れる金子ですが、しかしこのスーはタフ。
6R、開始前にスー・ハンミン陣営が棄権。ノーマスです。
スーのパンチはほとんど当たっておらず、金子の強烈なパンチをいくつも当たっていました。ほとんど完璧なボクシングだった金子、2026年、タイトル戦線に絡んで来たら楽しみですね。
WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座決定戦
李健太(帝拳)10勝(2KO)無敗1分
vs
永田大士(三迫)21勝(7KO)4敗2分
バランスの優れたサウスポー、李健太。前々戦の渡来美響戦は、2025年のファイト・オブ・ザ・イヤー候補と言える激闘で、結果的には負傷判定ながらもその評価をさらに高めた試合でもありました。
この超エリートと、ゴツゴツと岩石のようなフィジカルとタフネス、そして手数を持つ永田大士がタイトルを掛けて争います。
永田は井上浩樹に2度勝利しており、このエリートサウスポーは得意だということ。
ゴンテ優位、と出るのは仕方のない事ではありますが、ゴンテのスタイルは永田にとって与し易いスタイル。これは非常に興味深いマッチアップです。
初回、当然インサイドに入ろうとする永田。ガードを掲げてグイグイとプレス。ゴンテは下がりながのジャブ、タイミングを見ての左ボディ。永田は前に出ながら手数を増やし、接近戦になることもしばしば。ともに自らのボクシングを遂行しようとする状況、ある種の我慢くらべです。
2R、永田が出てこようとするところにジャブ、そして距離を潰されても先に動くのがゴンテ。接近戦での右フックが非常に良いですね。
ゴンテはよくコンビネーションが出るようになってきています。右フックで永田をぐらつかせるなどして優勢、しかし前半、ゴンテが抜け出すのはおそらく永田にとっても想定の範囲内でしょう。
永田にとっては、多少ポイントを奪われようともいかに削れるか、が重要な気がします。
3R、接近戦でもゴンテは自信をつけたか、ショートの距離でもよくコンビネーションが出ます。ことアッパーや右フックは素晴らしいですね。
常に前進し続ける永田に対してゴンテは距離をコントロールして軽めのコンビネーションで止め、右のボディショット。ちょっと差が出始めているように感じます。
4R、強引に出始めた永田、ゴンテはこれに対してかわすだけでなくカウンターを狙います。
永田は強いプレスと飛び込むような前進、から執拗なボディ攻撃。そして後半に入ると顔面にパンチを返し、アッパーをヒット。
終盤は近接戦闘、ここから永田は乱打戦に巻き込めるかどうかが勝負です。
5R、前ラウンドを続けたい永田、ゴンテはこのラウンド明らかに足をつかって距離をキープしようとします。
しかし後半に入ると足が止まるゴンテ、止まっているのか止めているのか、とにかく押し合いの展開で、この展開を望むのは永田のはずです。しかしゴンテもこの距離でサイドに回って攻撃する等しており、終盤にはラッシュをかけています。
6R、飽くなき前進を続ける永田ですが、ちょっと飛び込むようなステップインはできていません。歩くようなステップではゴンテに追いつくことはできず、ゴンテは前に出てくる永田に対してコンビネーションで先手、その後ステップでポジションを変更。この展開は永田にとってきつい。
7R、このラウンドもゴンテが距離をキープしてスタート。しかし中盤に入る頃にはゴンテの足が若干止まっているか、永田のパンチが届く距離まで前進できています。
後半、今度はゴンテの近い距離でのコンビネーションが良い。さらにステップワークを使って永田の全身を距離で外し、カウンターショット。
8R、このラウンドも中間距離で先手のコンビネーションを放つゴンテ。小気味良くサークリングしながらカウンターもヒットするゴンテ、永田はそれでも心折れずグイグイと攻め立てます。
後半にはゴンテも接近戦を挑み、強烈な右ボディ。この距離ではガツガツと頭も当たっており危ないですが、この近い距離でもゴンテは手数が落ちず、ここでも上回っているように見えます。
9R、おそらくポイントはビハインドの永田、猛烈な攻撃。しかしゴンテは右に左に動きながらカウンター、これに対しても永田は臆さず、ボリュームパンチャーぶりを発揮します。
とにかく諦めない永田、しかしゴンテはこの永田のプレッシャーに削られておらず、動きは全く落ちていません。
終盤も巧くまわりながらジャブ、近い距離でのボディ。
しかしここでバッティング。度重なるバッティングに頭にきているか、ゴンテは最終盤に強いラッシュ。
ラストラウンド、ゴンテも前に出たためか、バッティングでスタート。この永田のカットにより冷静さを取り戻したのか、ゴンテは足を使います。
動きながら打つゴンテ、これに永田はなかなかついていけず。時折石器線となるも、ここでもゴンテは強く、素晴らしい回転力と距離を作ってのカウンターショット。
いかなければならない永田ですが、ゴンテはクリーンヒットを許さず、足を使いながらもジャブ、右アッパー等をヒット。
最終ラウンドの終了ゴング、永田は非常によく頑張りましたが、これはゴンテの完勝、という内容だったと思います。
判定は、99-91×2、100-90、3-0の判定で李健太!
このファイトスタイルの相手への対策として、接近戦でも上回るという作戦を遂行した李健太。ラウンドの中で遠くで戦ったり近くで戦ったりと自由自在でしたね。
アジア王者となった李健太、今年の活躍も非常に楽しみです。
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