今週末の海外注目ファイトは2つ。
一つは日本時間1/24(土)に行われるカラム・ウォルシュvsカルロス・オカンポで、これはダナ・ホワイトのズッファボクシングが手掛ける興行、パラマウント+でのボクシング興行初放送となります。
果たして日本でも見れるのか、というのはよくわかりませんが、今後のことを考えると是非見れるようにしてほしいものです。
そしてもう一つは日本時間1/25(日)、レイモンド・ムラタラvsアンディ・クルスのIBF世界ライト級タイトルマッチ、マッチルーム興行です。
アンダーカードにはパリ五輪の銅メダリスト、オマリ・ジョーンズ、クロフォード、オルティスと好勝負を演じたイズライル・マドリモフの復帰戦もセットされた興行は、要注目です。
ということで今回のブログは、ムラタラvsクルス、DAZNで配信されるマッチルーム興行のプレビュー記事。

1/24(日本時間1/25)アメリカ・ラスベガス
IBF世界ライト級タイトルマッチ
レイモンド・ムラタラ(アメリカ)23勝(17KO)無敗
vs
アンディ・クルス(キューバ)6勝(3KO)無敗
「Danger(デンジャー)」の異名を持つレイモンド・ムラタラ。
今をときめくロベルト・ガルシアに師事を乞うレイモンド・ムラタラは、早くからそのポテンシャルを見込まれ、ネクスト王者として名高かった王者です。
昨年5月、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)をほぼ完璧にシャットアウト、IBF世界ライト級暫定王者に輝いています。そして、当時の正規王者、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の引退により、後に正規王者に昇格、今回初防衛戦を迎えます。
アブドゥラエフ戦で彼は、屈強なロシア人を相手に足を使って距離を支配し、冷静沈着にポイントをピックアップして完封してみせました。
「Danger」というニックネームが示す通り、その攻撃力は脅威の一つであり、ファイターのようにプレスをかけることもできれば、アブドゥラエフ戦でそうしたように、アウトボクサーのように捌くこともできる、非常にバランスが取れた万能型のボクサーである、と言えます。
その実、個人的には「コンビネーションパンチャー」として分類されるべきボクサーだと思っており、ムラタラのコンビネーションはスピードがあり、アングルも豊富であり、そのタイミングも素晴らしいものです。
上体の柔らかさもあり、ディフェンスもよく、なかなか弱点が見えないタイプの、いわゆる「総合力」の高いボクサー。果たしてこのムラタラに勝つには、一点突破を目指すか、それとも総合力で更に上回るか、ということになり、このムラタラに対して総合力で上回るという行為はかなり難易度が高いようにも思えるのです。
しかし、今回の相手は、まだ未知数な部分が多いものの、ムラタラに対しても総合力で上回る可能性が高い、そんな相手です。
東京五輪の金メダリスト、2年ごとに開催されていたIBAの世界選手権では2017年、2019年、2021年の3連覇。まさにレジェンド、絶対王者と言うにふさわしいアンディ・クルス。
2023年のプロデビューからわずか2年半、7戦目で世界戦に臨みます。
当然、これまでの6戦のパフォーマンスはほとんど完璧に近く、デビュー戦でIBFインターナショナル・ライト級タイトルを獲得。そのタイトルを4度防衛しランキングお上げ、前戦で三代大訓との挑戦者決定戦を制して指名挑戦権を獲得しています。
三代が全く相手にならなかったあの試合は本当にショッキングでした。
↓観戦記
結局、キューバという国のボクサーは強い。
その土台は、やはりステップワークにあり、ポジショニングにあります。ディフェンスマスターが多いイメージのキューバン・ボクサーですが、総じてパワーもある、というのもおそらく共通認識。リゴンドーなんかもパンチはあった、とのことなので、攻防のバランスを如何にするのか、というのは各個人によるところなのでしょう。
クルスもどちらかというとディフェンスを重視するボクサーに見えますが、三代戦で見せたように、倒しに行ける時には躊躇なくそのパワーを発揮します。
いずれにしろ、このハイレベルなボクシングは、今のところ全く隙を見せず、こればかりはやってみなければわからないところですが、オッズはクルス-220、ムラタラ+220とファンはプロわずか6戦のクルスを指示しています。
まだまだプロでの実績が少ないクルスですが、アマ時代、すでに世界王者となっているキーショーン・デービスを退け続けたその実績は、アメリカでも知られている事なのかもしれません。
スピードやタイミングはクルスが上かもしれません。パワーについてはムラタラが上だと信じたい。そしてリングIQという部分においては、ムラタラがクルスを上回るのは難しいかもしれません。
若干、クルス優位となるのは自然のことのように感じますが、蓋を開けてみれば想像以上に差があった、と感じるのはおそらくクルスが勝利した時です。
指名戦とはいえ、ムラタラはよくこの試合を受けてくれました。
クルスにとっても過去最強の相手となり、結果がいずれに転んでも非常に楽しみな試合です。
アンダーカード!
co-main(セミファイナル)はカリー・コー(アメリカ・10勝8KO1敗1分)vsジェシー・ハート(アメリカ・31勝25KO3敗)のWBC USA ライトヘビー級タイトル戦が設置。王者であるコーに、元世界タイトルチャレンジャー、ハートが挑むというマッチアップです。
もう36歳となったハートですが、過去、スーパーミドル級王者時代の「スルド」ラミレスに2度善戦しており、ライトヘビー級でもジョー・スミスJrと好試合を演じている実力者です。
スミスJrへの敗北が2020年1月、そこから5連勝ですが、前戦からは20ヶ月ぶりのリング。このブランクは気になりますが、大ベテランのハートにとっては大きな事ではないのでしょう。
王者、コーは2024年11月にマヌエル・ガレゴスに敗れるまで無敗で駆け上がってきたボクサーでした。この不覚の「1敗」は、ダイレクトリマッチでリベンジ、それ以前に保持していたWBA USAタイトルを取り戻しています。
元タイトルチャレンジャーへの勝利は、大きなアピールにもなるでしょう。
そしてその他には、イズライル・マドリモフ(ウズベキスタン)の復帰戦です。
前々戦でテレンス・クロフォードに善戦した実績を買われ、その再起戦ではバージル・オルティスJr.に大抜擢。人気ボクサーの対戦相手に選ばれる、というのは、それすなわちファイトマネーを約束される、ということですから、このウズベク人はこの2戦でおそらくそれなりの報酬を手に入れられたはずです。
そうなると若干心配なのはモチベーションです。
対戦相手はルイス・デビッド・サラザール(ドミニカ共和国)、メジャーなボクサーとは言えない相手です。戦績は20勝(7KO)1敗とよく、おそらく故郷での連勝からアメリカに呼ばれ、2021年5月、アメリカの戦いでKO負けを喫してその夢を一度は絶たれた、という流れだと思います。その後もドミニカ共和国で連勝中、今回のチャンスには当然過去最高のモチベーションでリングに上がるはずです。
この高いモチベーションの相手に、おそらく前2戦ほどは高くない報酬を受取るマドリモフは、普段通りの高いパフォーマンスを発揮できるか。そこが今回の試合の見どころと言えそうです。
そしてその他にも、オマリ・ジョーンズ(アメリカ・4勝4KO無敗)をはじめとしたプロスペクトたち。ジョーンズは無敗のジェロム・バクスター(アメリカ)との6回戦ですね。他にもアマユース王者のロニー・アルバレス(キューバ・9勝8KO無敗)といったボクサーたちが登場します。
配信情報
この興行は、DAZNで配信予定。
配信日時は日本時間で1/25(日)、10:00から配信開始。おそらくメインイベントはいつも通り、昼過ぎ頃からになる見込みです。
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