いよいよ来週に迫った、RING Ⅵ興行。
RING興行といえば、「Ⅳ」と「Ⅴ」はサウジアラビア、リヤドでの興行でしたから、3大会ぶりのアメリカ開催です。
テオフィモ・ロペスvsシャクール・スティーブンソンという全米が注目するマッチアップをメインカードに、いつも通り素晴らしいマッチアップを組み込んだ豪華興行。
で、結局トゥルキはいつPPVをなくしてくれるの。。。?
というのは置いといて、現在DAZNではこのテオフィモvsシャクールと、バリオスvsガルシア(アンダーカードにアントワンvs平岡)を同時購入すればそれぞれが50%オフ、わずか3,100円で2試合のPPVを購入できます。
1興行あたり1,550円、今買わない手はないでしょう。
ということで今回のブログは、日本時間2/1に開催される、テオフィモ・ロペスvsシャクール・スティーブンソンのWBO世界スーパーライト級タイトルマッチについて。

1/31(日本時間2/1)アメリカ・ニューヨーク
WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ
テオフィモ・ロペス(アメリカ)22勝(13KO)1敗
vs
シャクール・スティーブンソン(アメリカ)24勝(11KO)無敗
「Takeover」テオフィモ・ロペス。なんて格好良いニックネームなんでしょうか。
彼のキャリアはまさにジェットコースターのような軌跡を描いてきました。
若くしてその爆発的なパワーと身体能力で注目を集め、80年代の「4KINGS」になぞらえて「4Prince」と呼ばれたうちの一人。
若さと勢いで臨んだIBF世界ライト級挑戦者決定戦では中谷正義に苦しめられ、評価を落とすもリチャード・コミーを戦慄の2ラウンドTKOで粉砕しIBFライト級王座を獲得したのが2019年。
そして世界を驚愕させたのが、2020年のワシル・ロマチェンコ戦でした。当時「パウンド・フォー・パウンド最強」の呼び声高かったロマチェンコに対し、その体躯を存分に使い、ロマチェンコを入りづらくさせたことで判定勝利。
弱冠23歳で4団体統一(実質的な)王者となり、”The Takeover”を高らかに宣言しました。
しかし、そこからの転落も劇的でした。ジョージ・カンボソスJr.に対し、まさかの判定負け。減量苦、メンタルの不調、そしてリング外の騒音。全てが彼を蝕み、一度は「終わった選手」というレッテルすら貼られかけました。スーパーライト級に転級してからも、サンドール・マーティン戦での苦戦など、精彩を欠くパフォーマンスが続き、ファンの疑念は深まるばかりでした。
その評価を一変させたのが、2023年のジョシュ・テイラー戦です。当時、スーパーライト級の頂点に君臨していたテイラーに対し、ロペスは全盛期を彷彿とさせる、いや、それ以上のパフォーマンスを見せつけました。鋭い踏み込み、予測不能なアングルからのパンチ、そして何より、リング上で躍動する楽しさを取り戻したかのような姿。あの試合でロペスは、再び「スペシャル」な存在であることを証明したのです。
しかし一転、ジャーメイン・オルティス戦では薄氷の勝利、続くスティーブ・クラゲット戦は完勝ではあるものの対戦相手の質からするともっと良い勝ち方ができたはずでした。
直近の試合である2025年5月のアーノルド・バルボサJr.戦でまたもそのパフォーマンスは復活。難敵バルボサに対し、素晴らしいボクシングをしての完勝。
年齢も年齢、そろそろパフォーマンスが安定してきて良い頃ですから、ここからさらに期待できるのではないか、というところを見せてくれています。
彼の最大の武器は、やはりその「爆発力」と「意外性」でしょう。相手が安全圏だと思った距離を一瞬でゼロにする踏み込みのスピード。そして、相打ちを恐れずに放つカウンターの威力。ロペスには、戦術や理屈を超越して、一発で試合をひっくり返す「魔法」があります。メンタル面での不安定さが指摘されがちですが、大一番になればなるほど集中力を高める傾向があることこそがこの一戦を更におもしろくします。
このシャクール戦という最高の舞台装置が、ロペスを過去最強のバージョンへと進化させる可能性は十分にあります。
対するは、「現代最高のマエストロ」シャクール・スティーブンソンです。
2016年リオデジャネイロオリンピック銀メダリストという輝かしい実績を引っ提げプロ入りした彼は、フェザー級、スーパーフェザー級、そしてライト級と、3つの階級を兵役のごとく淡々と、しかし完璧に制圧してきました。
特筆すべきは、その圧倒的なディフェンス能力と距離感の支配です。とにかく「打たせない」ことに徹底したそのボクシングは、危機察知能力に優れ、ほんの少しの危険も侵しません。
スーパーフェザー級時代、格下と見られていたジェレミア・ナカティラに対して、パンチがあると判断すればダウンを奪っても詰めることはせず、オスカー・あるですとの王座統一戦では、バルデスを完全に空転させ、自身の距離で戦い続け、終わってみれば傷一つ負わずに完勝。
もはやわざと倒さないでいたぶっているのか、と思うレベルでした。
この相手の良さを消し去るそのスタイルは、対戦相手にとって「悪夢」以外の何物でもありません。
ライト級に上げてからもその強さは健在でしたが、一方で「退屈」という批判もつきまといました。もはやある種伝説の一戦となったエドウィン・デ・ロス・サントス戦でのウルトラ消極的な試合運びは、ブーイング嵐。しかし、彼はそれを意に介しません。勝利こそが全てであり、リスクを冒さずに勝つことが最大の美学であるかのように。
最新試合はシャクールのベストパフォーマンスとも言える昨年2025年7月のウィリアム・セペダ戦。
無尽蔵のスタミナと手数を誇る「怪物」セペダに対し、シャクールがどう対処するのかが注目されましたが、結果はシャクールのレッスンでした。セペダの突進をフットワークとボディワークで無効化し、精確なジャブとカウンターでポイントをピックアップし続ける展開。あの試合で彼は、自身のスタイルが「物理的な圧力」をも無効化できることを証明し、かつ、あの日のシャクールはこれまでと違い積極性もありました。
もちろんこれはトゥルキ・アラルシクからの圧力もあり、さらにセペダがボリュームパンチャーではあるけれどハードパンチャーではない、ということもこのスタイルに大いに関わっていそうです。
今回、スーパーライト級(140ポンド)への転級初戦がいきなり王座挑戦となります。体格面での不利を懸念する声もありますが、シャクールのフレームと技術があれば、4階級制覇も通過点に過ぎないのかもしれません。彼のボクシングは、相手の長所を分析し、リアルタイムでハッキングしていくような作業です。ロペスの爆発力をどう封じ込めるか、その「解」を既にシャクールは持っているのかもしれません。
ファンにとって退屈になるかも知れない技術戦
さて、ロペスはハードパンチャーではあるがカウンターパンチャーで、シャクールはもともと「見る」ボクサーです。
この試合で多くの時間が流れるのは、もしかするとフェイント合戦、もしくは睨み合い、ジャブの小突き合い、そういった類のものかもしれません。
シャクールがダブルジャブなりワンツーなりを放って攻め込む姿、これはあまり想像ができません。とにかくロペスをコントロールするために、安全圏をキープしつつ、フェイントをかけて相手を出させる戦法に終止するのだと思います。
こうなると、良い試合になるための必須条件は、やはりテオフィモ・ロペスがどれくらい自らアクションできるか、というところになるのではないかと思います。
シャクールのペースで戦われれば、いかにロペスといえどもポイントをピックアップしていくのは厳しい。この「お見合い」状態は、シャクールの得意分野ですから、ロペスとしては混沌を求めていつもの何倍も攻撃的に行きたいところです。
おそらくセペダ戦とは違い、退屈さをキープしようとするシャクールに、ガンガン攻めろとは言わないまでも、それに近く、次々と追っていく事がロペスにできるか。ロペスの理想としては、煽って煽って煽って煽って、シャクールを詰めながら、苦し紛れにパンチを出してきたところに合わせる、という所ではないかと思います。
だから必然的に追いかけていくという形がロペスの勝利に必要なことではないでしょうか。
もちろん、この戦い方がロペスの得意分野なわけはありません。彼は天性のカウンターパンチャーです。
だからどうしてもシャクール優位というのは揺るがないのですが、ロペスがこの試合に勝つために、自らのスタイルを捨てでも勝ちに行く、そんなメンタルを作れているかどうか。
これからパフォーマンスが安定してきそうなロペス、シャクールに勝つためには何をするのか、その一点に集中してトレーニングすれば、彼の才能を持ってすれば勝てる可能性があるのではないか。個人的には、その一筋の光明に期待したい。
配信情報
この興行は、DAZNのPPVでライブ配信。
DAZNの放映開始は日本時間2/1(日)AM8:00から。
豪華興行だけあって、長時間興行ですね。メインイベントはいつも通り、お昼すぎ頃になる見込みです。
現在DAZNではこのテオフィモvsシャクールと、バリオスvsガルシア(アンダーカードにアントワンvs平岡)を同時購入すればそれぞれが50%オフ、わずか3,100円で2試合のPPVを購入できます。この機会を逃す手はありませんね。
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