信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】中量級の壁を切り裂け。平岡アンディ、ベガスでゲイリー・アントワン・ラッセルに挑むWBA世界スーパーライト級タイトルマッチ!

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さてさて、日本のボクシングファンにとって非常に楽しみな、ゲイリー・アントワン・ラッセルvs平岡アンディまであと1週間。

世界に名を馳せるアントワンに、Bサイドとしてアジア最強の平岡アンディが挑みます。

現代において、ライト級以上の階級で多くの日本人ボクサーが跳ね返されてきた、高く、厚い壁。

その壁を打ち破ってくれる、最後にして最大とも言える「刃」(Blade)こそが我らが平岡アンディです。

よくわからないメインイベントを差し置いて、この興行の(たぶん)セミセミに位置するこのファイトは、楽しみであり不安でもある試合です。

ということで今回のブログは、2/21(日本時間2/22)に行われる、ゲイリー・アントワン・ラッセルvs平岡アンディのプレビュー記事。



 

 

2/21(日本時間2/22)アメリカ・ラスベガス

ゲイリー・アントワン・ラッセル(アメリカ)18勝(17KO)1敗

vs

平岡アンディ(大橋)24勝(19KO)無敗

いよいよあと1週間に迫ったラスベガス興行、メインイベントはマリオ・バリオスvsライアン・ガルシアというビッグネームが名を連ねていますが、正直なところ、多くのファンが「本当にガルシアが万全の状態でリングに現れるのか」という疑念を拭いきれずにいるのではないでしょうか。

直近の言動や過去の経緯を考えれば、興行全体が不安定な空気を孕んでいることは否めません。

しかし、そんな不透明な状況下にあって、極めて高い純度で「ボクシングの真髄」を見せてくれると期待できるのが、このWBA世界スーパーライト級タイトルマッチです。

この対戦は、本来であれば2025年11月14日、マイアミで開催予定だったジャーボンタ・デービスvsジェイク・ポールのアンダーカードとして組み込まれていました。

しかし、デービス側の法的な問題等により興行自体が一度白紙となり、平岡にとっては世界初挑戦という千載一遇のチャンスが宙に浮く形となりました。プロボクサーにとって、一度作り上げたピークをリセットし、再び数ヶ月先に向けた調整を強いられることは、肉体的にも精神的にも想像を絶する負荷がかかります。

しかし、この「空白の3ヶ月」を単なる停滞とするか、それとも王者アントワン・ラッセルを徹底解剖するための準備期間に充てられたか。その答えが、ベガスのリングで明かされることになります。

 

 

 

ゲイリー・アントワン・ラッセル

王者、ゲイリー・アントワン・ラッセル。この名前を聞いて、ボクシングファンが真っ先に思い浮かべるのは、あの「ラッセル一家」の圧倒的なスピードでしょう。元WBC世界フェザー級王者である長兄ゲイリー・ラッセルJrを筆頭に、兄弟全員が「ゲイリー」の名を冠し、父ゲイリー・ラッセル・シニアの指導のもとで磨き上げられたそのスタイルは、アマチュア時代から全米にその名を轟かせてきました。

アントワンは、その兄弟の中でも最もパワーに恵まれた存在と言えます。2017年のプロデビュー以来、積み上げた白星のほとんどがKO。それも序盤で相手をなぎ倒すような破壊的な内容が続きました。彼の武器は、兄譲りの超高速ハンドスピードに、スーパーライト級という階級に見合った強烈なプレスを融合させた点にあります。

しかし、彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、2024年6月に行われたアルベルト・プエジョとのWBC世界スーパーライト級暫定王座決定戦です。それまで17連続KO勝利という完璧なレコードを誇っていたアントワンでしたが、老獪なプエジョのディフェンスとカウンターの前に、自身の強打が空転する場面が目立ちました。結果は12回スプリット・デシジョンでの敗北。無敵と思われた「ラッセル一家の最終兵器」が、初めて挫折を味わった夜でした。

 

 

 

この敗北はおそらく、アントワンに「力押しだけでは通用しない世界がある」ことを突きつけました。しかし、彼はそこから見事に進化を遂げます。2025年3月、ホセ・バレンズエラを相手に挑んだWBA世界王座奪取戦。ここで見せたアントワンは、以前の猪突猛進な姿ではありませんでした。バレンズエラの強打を警戒しつつ、鋭いジャブで距離を支配し、相手の入り際に的確なコンビネーションを合わせる。

序盤こそ戦いづらそうにしていたものの、空振りも有効につかって、多くの手数を出して12ラウンドを完遂。

結果、大差の判定でベルトを奪ったあの試合は、彼が単なるハードパンチャーから、ボクシングIQの高い「完成された王者」へと変貌したことを証明しました。

今の彼は、相手を倒す力だけでなく、12ラウンドを戦い抜くマネジメント能力も備えています。プエジョ戦での敗北を糧に、より隙のないボクサーへと成長した王者は、初防衛戦の相手として選ばれた平岡アンディに対し、どのような戦術を用意してくるのでしょうか。

↓観戦記

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平岡アンディ

挑戦者、平岡アンディ。日本が世界に誇るこの「未完の大器」がついに、世界の頂に手をかける舞台を整えました。大橋ジムというエリート環境に身を置きながら、彼は常に日本国内という枠組みでは収まりきらない異彩を放ってきました。

平岡のキャリアを劇的に変えたのは、2024年9月4日、有明アリーナで行われたイズマイル・バロッソとのWBA世界スーパーライト級挑戦者決定戦でしょう。バロッソといえば、かつて多くの強豪をマットに沈めてきたベテランの強打者です。

そのパワーは健在で、一発でも貰えば試合が終わるという緊張感の中、平岡が見せたパフォーマンスは正に「圧巻」の一言でした。

182cmの長身と188cmという長いリーチを活かし、サウスポースタイルから繰り出される右ジャブ。それは単なる牽制ではなく、相手の出足を止める強力な武器として機能しました。バロッソが強引に踏み込んでくれば、サイドステップでヒラリとかわし、がら空きになった顔面に左ストレートを突き刺す。あの夜の平岡は、まるで水槽の中で自由に泳ぎ回る「怪魚」のごとく、バロッソを翻弄し続けました。そして9回、完全に戦意を喪失させたところでのTKO勝利。

 

 

 

この瞬間、平岡アンディは「世界を狙える日本人」から「世界を獲らねばならない男」へと昇華したのだと思います。

平岡のボクシングを語る上で、父でありトレーナーでもあるジャスティス氏の存在は欠かせません。幼少期から二人三脚で築き上げてきたそのスタイルは、黒人ボクサー特有のしなやかなリズムと、日本ボクシングの精密な技術が高度に融合したものです。

彼にとって、24戦無敗(19KO)という戦績は決して偶然ではありません。一見するとアウトボクシングに徹しているように見えますが、その根底には「相手を破壊する」という冷徹な攻撃本能が隠されています。バロッソ戦で見せた、相手を絶望に追い込むまでのプロセスを、ラスベガスという大舞台でアントワン・ラッセル相手に再現できるか。

当然のことながら、戦ってきた相手、つまりキャリアはおそらくアントワンに劣ります。しかし、ここまで圧倒的な存在感を見せてきた平岡アンディがだめならば、やはりライト級以上での世界は日本人ボクサーにとってあまりにも遠い、と感じてしまいます。

相手は有名で、かつ、強いボクサー。だとしても、この平岡アンディには期待感しかありません。ここはどうにかやっちまってほしい。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

サウスポー同士のジャブと、いかに左を当てられるか

サウスポー同士の一戦。この試合の命運を分けるのは、間違いなく「ジャブの刺し合い」と「距離の支配権」です。

王者のアントワン・ラッセルは、兄のラッセルJrほどではないにせよ、階級屈指のハンドスピードを持っています。

彼が狙うのは、そのスピードを活かして平岡の懐に入り込み、得意のコンビネーションを打ち込んでいく展開でしょう。バレンズエラ戦で見せたような落ち着いたボクシングを基調としつつも、チャンスがあればかつての獰猛さを発揮して平岡を潰しにかかるはずです。

対する平岡としては、アントワン・ラッセルのあの凄まじい踏み込みを、いかに自身の長い右ジャブで遮断し続けられるかが生命線になります。平岡のリーチは188cm、対する王者は175cm程度。この10cm以上の差を、平岡が「安全圏」として維持できるかどうか。もしアントワン・ラッセルの連打を許す距離まで入られてしまえば、一気に苦しい展開になることは避けられません。

 

 

 

しかし、平岡にはバロッソ戦で見せた「相手を無力化する」ディフェンス能力があります。アントワン・ラッセルが強引に詰めてきたところに、平岡の左のアッパーやカウンターが突き刺さる場面が作れれば、王者の焦りを誘うことができるでしょう。

一度は延期となり、舞台がマイアミからラスベガスへと変わったことも、平岡にとってはポジティブに働くかもしれません。ボクシングの聖地、T-Mobileアリーナ。そこで世界タイトルを奪取するということは、そのまま世界のトップ戦線に名を連ねることを意味します。この階級には、現在多くのスター選手がひしめいていますが、平岡アンディというボクサーが持つポテンシャルは、その頂点すら狙える位置にあると私は信じています。

断定的な予想はできません。しかし、平岡が持ち前の冷静さと、長い腕を活かした「狙撃」を貫き通した時、ラスベガスの観衆は新しい東洋の王者の誕生に立ち会うことになるのではないでしょうか。ラッセル一家という高い壁、そしてベガスのアウェー。

オッズは思ったよりは競っており、ラッセル-300、平岡+250ということで当然、ラッセルが優位。Aサイドはラッセルで、だからこそここに勝てばそのインパクトはでかい。

この一戦の勝者は、スーパーライト級という激戦区において、文字通り「主役」の座を射止められるかもしれませn。その歴史的な瞬間まで、あとわずかです。

 

 

 

配信情報

この興行は、DAZN PPVでライブ配信。

DAZNの配信開始時間は、日本時間2/22(猫の日)の7:45からです。

メインイベントはいつも通り昼過ぎくらいになるでしょうね。

メインはヘボいですが、他にもIBF世界スーパーライト級タイトルマッチ、リチャードソン・ヒッチンズvsオスカー・ドゥアルテもありますし、フランク・マーティンvsナヒール・オルブライトもあります。

そう、スーパーライト級祭りであり、そのどれもが興味深い試合です。メイン以外は(2回目)。

PPV料金は3,000円、これは必ず視聴しなければならない興行です。

 

 

 

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