信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】3.15、トリプルタイトル戦!ノックアウトvs岩田翔吉、オラスクアガvs飯村樹輝弥、松本流星vs高田勇仁!U-NEXT 超豪華興行を徹底解説!

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あと一週間に迫った、U-NEXT BOXING 5。

5/2に東京ドームでの「THE DAY」を控え、ここから更に盛り上がっていくボクシング界、2026年の序章。

そういえば「THE DAY」で、武居由樹の調整試合とも言える一戦ががセミファイナルに入っていることであれこれ言っている人がいますが、その場合、このU-NEXT BOXING 5のメインイベントが挑戦者決定戦であることにも文句を言うのでしょうか。

もはや試合の順番はさほど拘る必要はない、という時代に来ているとも思いますが。

ともあれ、今回のブログは、U-NEXT BOXING 5のトリプル世界タイトルマッチについてのプレビュー。

▼メインイベントのプレビューはこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

 

3/15(日)U-NEXT BOXING 5

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ

ノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)29勝(11KO)1敗

vs

岩田翔吉(帝拳)15勝(12KO)2敗

タイのボクシング界が生んだ「不落の要塞」、ノックアウト・CPフレッシュマート。ミニマム級で暫定時代を含めると16度の防衛を積み重ねた実績は、もはや殿堂入りレベルの金字塔です。

リングネームこそ「ノックアウト」と、荒々しいKOを予感させるものですが、その中身は極めて冷徹な「リスク管理の権化」であることは、ファンなら誰もが知るところ。

一度はオスカー・コラーゾという新時代の波に飲み込まれ、無敵を誇ったミニマム級の王座を失いましたが、復帰してアジア王座を獲ると、前戦でWBC世界ライトフライ級王座を奪取、2階級制覇に成功しています。

35歳という年齢、そして前戦は決して世界トップレベルでの相手ではなかった、という事実はあるものの、あの鋼のガードと、相手の打ち終わりに必ずと言って良いほどパンチを差し込んでくる嫌らしさ、そして近距離でのクリンチワークを含めた老獪さは未だトップレベルに留まっているように思います。

対戦相手からすれば、まるで解けないパズルと戦っているような、あるいは出口の見えない迷路に引きずり込まれるような感覚に陥るのではないでしょうか。

そこに挑むのが、帝拳ジムの岩田翔吉です。岩田にとって、一度ベルトを手放したあとの「返り咲き」を狙う大きな勝負。

かつてジョナサン・ゴンサレスの「逃げるボクシング」に煮え湯を飲まされ、さらに昨年のレネ・サンティアゴ戦での同じようなの敗北。岩田のボクシング人生は、才能に恵まれながらも、あと一歩のところで世界の「壁」に跳ね返されてきた、苦闘の歴史でもあります。

 

 

 

しかし、今回の岩田には、これまでとは明らかに違う「進化の兆し」を感じるのです。特筆すべきは、名伯楽・田中繊大トレーナーとのタッグ。3月に行われた公開練習で岩田が見せた動きは、これまでの「一発でなぎ倒す」破壊力に依存したスタイルから、より柔軟で、機動力に富んだ「打たせずに打つ」ボクシングへと、重心がシフトしているように見受けられました。

本人曰く「中学、高校時代の、動けるスタイルに戻した」というその言葉。これは、動かない要塞であるノックアウトを崩すために、極めて論理的で、かつ必然的な選択であるように思うのです。

この試合の鍵は、ノックアウトの「老獪な仕事」が始まる前に、岩田がいかに主導権を奪い、そして維持できるかにかかっている、そう分析します。

ノックアウトというボクサーは、相手が自分の距離に入ってくるのをじっと待ち、ガードを固めながら圧力をかけ、相手が疲弊した瞬間に確実にポイントを拾いに来る。

岩田がかつてのように、力んで強打を振り回せば、ノックアウトの思う壺でしょう。しかし、今の岩田が、繊大トレーナーの指導のもと、冷静にジャブを突き、サイドステップを駆使して「ノックアウトに狙いを定めさせない」ボクシングを貫くことができれば。

ノックアウトは、相手に空振りをさせられ続けると、稀に強引な入りを見せ、そこで姿勢が乱れる瞬間があります。岩田としては、あえてその懐に入り、ガードの上からでもその頑強な体を揺さぶるような連打を見せ、すぐに離れる。あるいは、田中トレーナーと磨き上げた「冷静に頭を使う」ボクシングで、12ラウンドという長い時間をマネジメントする。

 

 

 

岩田の強打は、既に世界レベルであることは疑いようがありません。前戦の再起戦で見せたあの殺傷能力。そこに「機動力」と「冷静さ」が加わったとき、岩田翔吉は真の意味で「完成形」へと近づくような気がします。

一方のノックアウトにとっても、この初来日となる一戦は大きな意味を持ちます。敵地で、しかも勢いに乗る日本の挑戦者を退けることができれば、2026年の軽量級戦線における彼の地位は不動のものとなるでしょう。

彼は、相手が強ければ強いほど、その良さを消すことに喜びを感じるような、ある種の「職人」です。岩田の進化を、タイのレジェンドがどう受け流し、あるいはどう潰しにかかるのか。

私は、この試合に「判定」という言葉はあまり似合わないと思っています。

それはすなわち、岩田翔吉が、自ら「完成形」と称したボクシングを展開し、必ず倒しきってくれると期待しているからです。

ここは岩田の返り咲きを期待しましょう。

 

 

 

WBO世界フライ級タイトルマッチ

アンソニー・オラスクアガ(アメリカ)11勝(8KO)1敗

vs

飯村樹輝弥(角海老宝石)9勝(2KO)1敗

まず語らなければならないのは、王者アンソニー・オラスクアガという存在の「異常性」です。「プリンセサ」という、リング上の姿からは想像もつかない可憐な愛称を持つこの男ですが、その実態はフライ級という枠組みを完全に破壊しかねない暴力的なパワーの塊です。

日本での知名度を一気に高めたのは、2023年の寺地拳四朗戦でした。急遽の代役出場、しかも相手は当時パウンド・フォー・パウンドにも名を連ねようかという最強の王者。

当時からオラスクアガは危険な存在と認知はされていたものの、キャリアが浅いこともあり、「この危険な才能を、寺地拳四朗がどのように退けて、我々を驚かせるのか」ということは一つの焦点だったと思います。

しかし、彼は寺地をあわやという場面まで追い詰め、世界中にその名を知らしめました。敗れはしたものの、あの試合で見せた「どこからでも飛んでくる強振」と、打たれてもなお前進を止めないタフネスは、今のフライ級戦線において最も恐ろしい武器となっています。

その後、加納陸、桑原拓といった日本の実力者を次々とパワーでねじ伏せ、既に4度の防衛を記録。今回がV5戦となります。特筆すべきは、その「回転力」です。オラスクアガのパンチは一発一発が重いだけでなく、接近戦でのショートパンチが次から次へと飛んでくる。桑原拓戦で見せたあの怒涛のラッシュ。一度捕まれば最後、逃げることすら許されないあの圧力こそが、王者の真骨頂と言えるでしょう。

対する挑戦者、飯村樹輝弥。角海老宝石ジムが誇るこの技巧派ボクサーは、まさにオラスクアガとは対極の地点に立っています。

 

 

 

アマチュアエリートとしての確かな実績、そしてプロ転向後も、唯一の敗北(エスネス・ドミンゴ戦)を再戦で完璧に雪辱するという、非常に高いボクシングIQと修正能力を見せてきました。

飯村のボクシングは、非常にキレイです。無駄のないステップワーク、針の穴を通すような正確なジャブ、そして相手の打ち終わりを狙う冷静なカウンター。

これらは、力任せに振ってくるオラスクアガのようなタイプに対して、最も有効な対抗手段となり得るはずです。

しかし、問題は「オラスクアガの圧力を12ラウンドの間、いなし続けることができるか」という点に集約されます。

ここで、一つ重要なリファレンスとなる試合があります。

それは2025年3月に行われた「京口紘人vsオラスクアガ」の一戦です。あの試合、京口は元2階級制覇王者の意地を見せ、オラスクアガの猛攻を紙一重のディフェンスで見切り、何度も彼を空振りさせていました。

オラスクアガというボクサーは、当たれば景色を変える力を持っていますが、空振りをさせられ続けると、当然ながらもやりづらい。

しかし、強引に振ってなんとかなる相手であればそのまま押しつぶしてしまうオラスクアガは、そうでなければ戦略を変更する、という器用さ、そして戦術の幅をこの試合で見せました。

 

 

 

飯村に期待したいのは、その「京口が見せた勝ち筋」をさらに高い純度で遂行することです。京口が惜しくも最後の一押しを許してしまった後半戦、そこへの対策。

おそらく、今回もオラスクアガは序盤、振ってくるでしょう。そこに飯村はまずは空振りさせること、その中で内側からのパンチでポイントをピックアップすること。決して、真正面からは打ち合ってはいけません。

その上で、どこかでオラスクアガがBプランを行使してくる場面で、それに正しく対応すること。京口戦と同じくボックス寄りかもしれませんし、そうでないかもしれません。いずれにしても飯村は、多くの対応策を持っていなければならないでしょうし、そして、一度は延期になったこの試合、その期間も諦める事なく考え続けていたとすれば、飯村のオラスクアガ対策はこれまでの対戦相手に比べてより深い可能性もあります。

ともかく、鍵となるのは、飯村の「ジャブ」でしょう。オラスクアガが踏み込んでくる瞬間に、正確なジャブでその出鼻を挫き、サイドステップで正面から消える。これを徹底できるか。

もし飯村が足を使って逃げるだけのボクシングになれば、オラスクアガの土俵である「消耗戦」に引きずり込まれる可能性が高い。しかし、勇気を持って一歩踏み込み、オラスクアガの強振をいなしてカウンターを合わせることができれば、王者の心に「当たらない」という焦りを植え付けることができるはずです。

また、飯村が所属する角海老宝石ジムには、かつて小堀佑介や小國以載、そして最近でも堤聖也といった、下馬評を覆して世界を獲ってきた番狂わせのDNAが流れています。飯村自身も「下馬評は関係ない、勝つための準備はできている」と語る通り、その表情からは、強大な王者に対する臆病風は微塵も感じられません。

まずは飯村としては、序盤に空転させられるか。そこで最低限のポイントを獲ってからが本当の勝負。これはヒリヒリとした試合になりそうです。

 

 

 

WBA世界ミニマム級タイトルマッチ

松本流星(帝拳)7勝(4KO)無敗

vs

高田勇仁(ライオンズ)16勝(6KO)9敗3分

まず、我々はこの「ダイレクトリマッチ」が成立した背景を、今一度整理しておく必要があります。

2025年9月14日に行われた、WBA世界ミニマム級王座決定戦。アマ4冠の看板を背負い、プロわずか7戦目で世界の頂を狙う松本流星と、日本王者として防衛を重ね、9つの敗北という茨の道を乗り越えてきた高田勇仁。エリートvs雑草という、あまりにも対照的な二人の激突は、序盤から手に汗握る技術戦となりました。

サウスポーの松本が、その長いリーチと正確無比なジャブで距離を支配し、高田の入り際に鋭い左ストレートを突き刺す。ジャッジのスコアも、4ラウンド終了時点でフルマークの松本支持。まさに、帝拳ジムの申し子らしい「打たせずに打つ」ボクシングが完成しつつあった、その矢先でした。

5ラウンド1分26秒。接近戦での攻防の中で、松本の頭が高田の右眉付近を突き上げる。偶然のバッティング。しかし、そのダメージは深刻でした。高田は昏倒し、傷口からは鮮血が噴き出す。担架で搬送される高田。静まり返る場内。負傷判定の結果、松本の手が挙げられましたが、新王者となった松本の顔に笑顔はありませんでした。

「申し訳ない」。リング上で絞り出したその言葉こそが、この一戦のすべてを物語っていたように思います。

あれから半年。松本流星は「王者」として、高田勇仁は「挑戦者」として、場所を名古屋から横浜に変え、再び激突します。

 

 

 

王者・松本流星。彼はこの半年間、ただベルトを磨いていたわけではありません。岩田翔吉らと共に150ラウンドを超えるスパーリングを消化し、あの「未完の続き」を終わらせるための準備を進めてきました。

公開練習での松本は、驚くほど冷静でした。「隠すものなど何もない。こっちの想定以上のものをやってこないと残念」とまで言い放つその自信。それは、前戦の4ラウンドまでで掴んだ「圧倒的な実力差」に対する、彼なりの自負なのでしょう。

松本のボクシングは、とにかく美しい。無駄な動きが一切なく、相手を自分の支配下に置く力がずば抜けています。今回の再戦に向けて、彼は「すべての面で上回っていることを証明する」と宣言しています。序盤からさらにピッチを上げ、高田に「何もさせない」完勝を狙ってくるはずです。それは、バッティングという不慮の事故で汚された自分のボクシングを、再び純化させるための作業のようにも見えます。

対する高田勇仁。彼にとって、この試合は単なるリベンジではありません。「人生の分岐点」です。

前回の敗北後、高田は「バッティングでも倒れたら負け」という陣営の厳しい言葉を胸に、死に物狂いで練習を重ねてきました。

高田の強みは、その「折れない心」と、幾多の負けから学んできた「泥臭い修正能力」にあります。

前回の試合、5ラウンド目にバッティングが起こる直前、高田はわずかに距離を詰め、自分の土俵である消耗戦に引きずり込もうとする気配を見せていました。本人も「もっと早くペースを握れた。仕掛けるのが少し遅かった」と振り返っています。

今回の高田は、おそらく序盤から「捨て身」に近いプレスをかけてくるでしょう。松本に考える時間を与えず、あの綺麗なジャブを打たれる前に懐に入り、肉体と精神を削り取る。高田が勝つためには、松本のボクシングを「壊す」必要があります。それは、技術の応酬を拒否し、泥仕合へと引きずり込む覚悟が必要とされる、過酷な作業です。

 

 

 

おそらく、前戦についても今戦についても、「6ラウンド以降」にこそ、真のドラマが隠されていた、と思うのです。

前回見ることができなかった、後半戦。松本のスタミナが削られたとき、それでも彼はあの美しさを維持できるのか。あるいは、高田の執念が、松本のテクニカルな壁を突き破る瞬間が訪れるのか。松本は「完全決着」を誓い、高田は「今度は何があっても倒れない」と咆哮しています。

正直に申し上げれば、前戦を見る限り、技術の純度では松本が数段上でしょう。

しかし、ボクシングは技術だけで決まるものではありません。高田のような「失うもののない強さ」を持つファイターは、時に理屈を超えた奇跡を起こします。

松本がその「自信」の通りに、高田を完璧に捌き切って、世界の頂にふさわしい輝きを放つのか。あるいは、高田が横浜の地で、9敗のキャリアすべてをぶつけた「雑草の意地」を見せるのか。

この試合の結末を、我々は静かに、しかし最高潮の期待を持って見届けるべきでしょう。そこには、綺麗事だけではない、ボクシングという競技が持つ「残酷なまでの真実」が描き出されるはずです。

 

 

 

配信情報

この興行は、U-NEXTでライブ配信。

配信日時は、3/15(日)15:30とのこと。メインイベントは19:00頃でしょうか。

3月、U-NEXTは超がつくほど充実しており、先日行われた3/7(土)にダイナミックグローブ、今週のウィークデー3/12(木)にTREASURE BOXINGが放映されます。しかも、今加入すれば、4/3(金)に行われるTREASURE BOXING(レネ・サンティアゴvs谷口将隆、小國以載vsマーロン・タパレス)までたった2500円ぐらいで視聴することができます。

ちょっと今入る人、恵まれすぎというくらいのベストタイミング。

U-NEXTに加入して、ここから一ヶ月のボクシングを大いに楽しみましょう!

 

 

 

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