ウィークデーから注目のボクシングファイト。
KADOEBI BOXINGと名付けられたこの興行は、その名のとおり角海老ボクシングジムの興行です。
配信は最近多くのライブ配信を行ってくれているBoxingRaise。録画配信とライブ配信では、随分とかかるコストが違う、という記事を大昔に見ましたが、本気度を感じて素晴らしい事ですね。
このような国内のホール興行を発信してくれることは非常に意味のあることで、BoxingRaiseは海外からでも見れるんでしたっけ。良いアピールになれば良いですね。
ということで今回のブログは、2つのアジアタイトル戦を擁したKADOEBI BOXINGの観戦記。

日本ライト級王座決定戦
齊藤陽二(角海老宝石)9勝(9KO)4敗2分
vs
齋藤眞之助(石川ジム立川)16勝(6KO)6敗
とはいえ平日なので、ライブ配信では2試合程を観るのが関の山。
早めに仕事を終わって20:00すぎ、ちょうどセミファイナルが始まる頃です。
齊藤陽二は、前戦で浦川大将と戦い、勝利して日本王座への挑戦権を得ています。それ以上に背負ったものは大きいはずで、ここは並々ならぬ決意があるでしょうし、もともとエキサイティングなボクサーということもあり、多くのボクシングファンが応援する一戦でしょう。
齋藤眞之助とは2年前に戦い、2Rで勝利しています。
二人ともサイトウなので文字として書くのは非常に面倒です。
初回のゴング。
当然のようにプレスをかける齊藤陽二。対して齋藤慎之助は大きくサークリングしてジャブ。
パワーパンチで攻めていく陽二に対して、眞之助はややもらい方が頼りないイメージです。しかし、ジャブはよく出ており、強い右を打って回るムーブも良いですね。
眞之助の方は、クリンチを巧く使えるか、も鍵になりそうです。
2R、無遠慮にグイグイとプレスをかける陽二。動きまわる眞之助に対して、さほど手数は多くはありませんし、パンチもかなり大きい。
細かなジャブを被弾する陽二ですが、一発のインパクトは圧倒的に陽二が上、ですが陽二も危険なタイミングでカウンターをもらっているように見えます。
3Rも変わらず、陽二がプレスをかけて眞之助がサークリングしながらジャブを突き、カウンターを狙う展開。ちょっと眞之助の長い右が当たり始めてきたように見えます。
陽二の方はおそらくポイントなど気にせず、倒しに行こうという状態で、ガチガチに力のは入ったショット。右ボディを多く打った後半、右のオーバーハンドをヒットしています。
とはいえ、眞之助も打たれっぱなしにはならず、強打をリターンして譲りません。
4R、陽二の右ボディの効果なのか、もしかすると若干眞之助は左ガードが下がってきているのかもしれません。陽二のオーバーハンドの右がよく届いています。
ぶん回すような左右でボディにパンチを集めた陽二、後半には眞之助をロープに詰めてパワーパンチ。ここで眞之助も守勢にまわらず、自ら打つ事で窮地を脱しますが、ちょっと攻められている感はありそうです。
5R、手数は圧倒的に眞之助、パワーは圧倒的に陽二。中盤頃、攻め込んだ陽二に眞之助は抜群のタイミングで右アッパーをヒット。陽二は倒れませんでしたが、ダメージは負っているかもしれません。
その後も娘のラウンドは陽二のパワーパンチに眞之助は怯むことなく、陽二の空振りに右ストレート!大きくぐらついた陽二ですが、グローブをマットにつくのはこらえました。
6R、陽二がよりプレスを強めて、左右を強振。決してボクサーとして褒められた、完全無欠のスタイルとは程遠いですが、ボクシングは殴り合い、というその原点を見せてくれているボクシングです。
眞之助もこの猛攻に諦めることなく巧くパンチをつなぎ、狙いすましてカウンターをヒット。
ともに疲れは出てきたか、若干動きは緩慢に。それでも、お互いの一発一発に会場は沸き立っています。
片方が良いパンチを当てれば、もう片方も返す。これはとんでもない試合です!
7R、飽くなき前進の齋藤陽二。眞之助の足は前半ほど動きませんが、当然、陽二の追い足も落ちています。
8Rも同様に、陽二が前進。ここにきて眞之助のジャブが素晴らしく、精度を増しています。
しかし陽二も左のボディから右フックを返して盛り返し、眞之助の反撃を固いブロッキングでその場に踏みとどまってリターン。
9R、ちょっとダメージがありそうな陽二、対して眞之助の足は復活の兆しを見せています。
陽二がフックで攻めると小さなバックステップで躱してカウンター、眞之助は良いボクシングができています。
思いっきりブン回す、しかできなくなってきた陽二、眞之助のジャブをよく浴びています。これはちょっと負けパターンに見えますね。どこかで一発を当ててほしい。
ラストラウンド、俄然元気になった眞之助。陽二のパンチも届きますが、振りが大きく、アクション後の眞之助の立て直しの方が早い。
後半、右の相打ちか、ダメージを受けたのは眞之助の方!ここは大チャンスの陽二ですが、こちらもダメージ、疲労ともに蓄積しています!
時間の経過とともに若干の回復をみた眞之助、そのままゴールテープ。
判定は、96-94×3、齋藤眞之助!
好試合でしたね。齊藤陽二に勝ってほしかったですが、これは致し方ありません。
素晴らしいハートの強さを見せてくれた両雄に大拍手。
淡々と勝利者インタビューに答えていた齋藤眞之助、リングを降りる前にジムの大先輩、リック吉村会長の前で涙。
リックは教えているのでしょうか、そういえば良いジャブでしたね。
WBOアジアパシフィック・ライト級タイトルマッチ
宇津木秀(ワタナベ)17勝(15KO)1敗
vs
アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)19勝(12KO)12敗2分
これは間違いなくエキサイティングな試合となる一戦。
ボクサーとしての完成度は宇津木の方が上だと思います。ただ、アオキのパワーとアグレッシブネスは侮れず、結果的にはバチバチのど付き合いに発展するのだと思いますが、そうなった時には打たれて強い方ではないと思われる宇津木も心配です。
この階級で世界挑戦を目指すならば、ここで苦戦は許されない、宇津木秀。良い勝ち方ができるか。
初回のゴング、頭を低くして潜り込む姿勢のアオキ。宇津木は迎え撃つ形、初っ端から近い距離でのファイトです。
組み付くような距離でも宇津木は巧く左、右のダブルを打ちますね。ただ、おそらくストレートの距離で戦いたい宇津木、相手に付き合ってしまっているようにも見えます。
打撃戦の中、ほとんど前にしか進まないアオキ、再度を使おうとしている宇津木。この距離で差をつけるのはなかなか困難ですね。
2R、ここもまた近い距離。少し下がりながら戦う宇津木、若干距離が開く場面が出てきたか。
密着状態でもやはり巧く戦うのは宇津木、ただ、この距離では被弾も免れません。
しかし配信で、音は小さくしていますが、小口さんの声はものすごくよく通りますね。
的確なパンチを当てているのは宇津木のように見えますが、しかしアオキの勢いと大きなフックも怖い。どちらにしろ、これは最後までいかなそうです。
3R、宇津木が足を使いながらのジャブ。非常に上手い。頭を下げてくるアオキに対してタイミングの良いアッパーもヒット、少し間のある距離でやれば、宇津木が圧倒できそうです。
しかしそれをさせないアオキは振り回しながら追ってきておりこれは頭も含めてちょっとやりづらそうです。
終盤、宇津木は右のボディから右フックをフォロー。一瞬、アオキが止まったようにも見えました。
4R、「クリス」コールでスタート。それを嘲笑うかのように宇津木はエンジンがかかってきており、右に左に動きながらもタイミングの良いボディショット。
ガムシャラなアオキは乱打戦狙いで、その狙いは時折は成功しているものの、回を追う事に距離を取られてきているようにも見えます。
中盤、ボディでちょっと止まったようにみえたアオキ、少し足元がふらついてきたのはダメージでしょう。
ここから宇津木はフィニッシュに持っていけるか、それともアオキがここから巻き返すのか。
5R、開始早々にアオキがチャージ。劣勢を意識してのことでしょうか。
それでも荒々しいアタックは、このまま捌かれるか、と思った所でアオキの左フックがヒット!これで宇津木は一瞬ぐらり!
やはり危険なアオキ・クリスチャーノ、大チャンスに猛ラッシュ!宇津木はここをなんとかやり過ごす中で、ショートのパンチをヒット、そしてボディを連打!!
アオキもかなりダメージを溜め込みながら、それでも歯を食いしばって前進!
両者ともにダメージがあり、スリップダウンを経て、このラウンドは終了!まだ少し、宇津木の足元は怪しい!次のラウンド、両者にとって大きな勝負のラウンドです!
6R、まだダメージがありそうな宇津木は、ジャブ。そしてアオキの入り際に右のボディショット、これはこれまでも非常に効果的なパンチですが、いかんせん足が動いていないから威力は控えめかもしれません。
ただ、やはりこれは時間の経過とともに足運びもスムーズとなってきており、疲労もダメージもありそうなアオキの方が当然のことながらキツそうです。
密着状態の距離で強弱をつける宇津木、一発強打狙いのアオキ!手に汗握る展開です!
7R、もうしっかりと足が動くようになってきた宇津木。それでも当然アオキの一発は怖いままです。頭を低くしてグイグイと入ってくるプレッシャーも、体勢を崩された所で大きな一発をもらいそうで怖い。
しかしあくまでも冷静な宇津木は、長い距離デジャブを突いて右ストレート、そしてボディ。限界が近そうなアオキは自ら空振りしてスリップ、それでもなお、そのパンチはまだ生きています。
8R、宇津木はこれまでよりも大きく足を使い、長い距離でストレートからの左ボディショット。ここは妙に色気を出して倒される、という結末もあり得るところなので、このリスクヘッジは宇津木にとって良い事でしょう。
しかしアオキもタフですね、宇津木のボディは何度も何度も良いタイミングでクリーンヒットしていますが、アオキは倒れません。あくまでも勝利を目指して強いスイングを繰り返しています。
9R、宇津木が良い距離でボディを交えたコンビネーション。打ち終わりにパンチを振ってくるアオキ、素晴らしい根性です。そしてこの打ち終わりこそ、宇津木が隙を見せるところでもあり、このリターンはタイミングが良い。
打撃戦でも飽くなき闘争心を見せるアオキのパンチも当たっています。
ラストラウンド、しっかりと距離を取ろうとする宇津木、かまわず攻め込むアオキ。宇津木ももともと逃げるボクサーではないですから、必然、試合は打撃戦へと発展します。上手さは宇津木にありますが、未だアオキのラッシュ力は危険、この距離は宇津木にとって大きなリスクです。
非常に危険な距離での打ち合い、両者死力を尽くしての打撃戦!!最終盤、アオキの左フックで宇津木の膝が揺れるも、持ちこたえてラウンド終了!!!
セミファイナルに続き、こちらもナイスファイト!とんでもない激闘でした。
判定は、97-93×2、98-92、3-0の判定で宇津木秀!
ポイント差こそ開きましたが、宇津木にとって苦しい苦しい防衛戦だったと思います。
かなり危ない場面も何度もあり、やはりこのアオキ・クリスチャーノ恐るべしですね。
ともあれ、世界上位ランカーとしては力の差を見せつけられなかった、とも言える宇津木。しかし、上位ランカーだからこそ、勝ち続けていればきっとチャンスは来るでしょう。
この階級の世界の壁は高く、厚い。宇津木はその壁を破れるのか、期待して応援したいと思います。
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