週末は、アメリカでミドル級とスーパーミドル級の世界タイトルマッチ。
その試合の注目度は日本では非常に低く、ほとんど話題にならないファイトでした。
とはいえ、やはりそこそこのボクシングファンであれば「世界タイトル」の行方は気になるところ。
ということで今回のブログは、レスター・マルティネスとイマニュエル・アリームの間で争われた、WBC世界スーパーミドル級暫定王座決定戦の観戦期。

3/21(日本時間3/22)アメリカ・カリフォルニア
WBC世界スーパーミドル級暫定王座決定戦
レスター・マルティネス(グアテマラ)19勝(16KO)無敗1分
vs
イマニュエル・アリーム(アメリカ)22勝(14KO)3敗3分
さて、そもそもこの試合がWBCの暫定王座決定戦になった経緯としては、テレンス・クロフォードがカネロに勝利した、あの伝説の一戦に端を発しています。
カネロに勝利したクロフォードでしたが、WBCには認定料を支払わず、WBCはクロフォードから王座を剥奪。かねてから暫定王者だったクリスチャン・ムビリを、正規王者に昇格させています。
そして空いた暫定王座(笑)の決定戦として、マルティネスとアリームの試合が組まれています。
マルティネスは前戦でクリスチャン・ムビリの持つ暫定王座に挑戦、引き分けで戴冠はならず。対戦相手を変えての2度目の早々のタイトルアタック、というのは、暫定という余分なものこそついていますが大チャンスであり、前戦の強さがフロックでなかったら戴冠の確率は非常に高いもの、と推察されます。
対するアリームは前戦でデモンド・ニコルソンにTKO勝利し、このチャンスを掴んでいます。
クロフォードの引退により、カオスと化したスーパーミドル級。覇権争いは、ここからはじまるといっても過言ではありません。
初回のゴング。
まず積極的に攻めていくのはアリームです。上下にジャブを飛ばし、早くも右を放っていく展開。
マルティネスはややディフェンシブに対応したあと、自ら仕掛ける時間をつくり、随分余裕をもって戦っているように見えます。この余裕が悪い方にでなければ良いですが。
中盤に入るとややプレスをかけはじめたマルティネス、攻撃時にガードが落ちるアリームに大きな左フックをヒット。
インターバル中にはマルティネス出演のコマーシャルが流れます。このレスター・マルティネスの人気はものすごいらしいですね。
2R、マルティネスは、前戦のようなアップセットを起こしてやろうという気概のあるファイトではなく、若干落ち着いた立ち回り。しかしこのリターン、特に右のリターンをコネクトする術に優れ、そこから強打の左フックにつなげています。
この長い距離での左フックを嫌がるアリームは距離を詰めていきますが、ここでもマルティネスの右アッパーが有効です。
インターバルに入るとグアテマラの応援団が大盛り上がり。
3R、アリームの左に対してねじ込むような右クロスを決め、そこから右アッパーのマルティネス。このボクサーはパンチのセレクトが良いですね。アングルをよく考えてトレーニングをしているのでしょう、自然に当たるパンチをセレクトしているように見えます。
体で押していくしかなくなっているアリーム、ガードの時間が増えていますが、そのガードがやや緩く、マルティネスの攻撃を防ぎきれていません。
4R、アリームが若干距離を変えたか、遠くの距離でボックスを試みます。しかしここでもマルティネスが長い右クロスで会場を沸かせています。
離れても近くでも上手くいかないアリーム、しかしタフネスとハートの強さはあり、劣勢に立たされてもリターンは諦めません。
5R、このラウンドは積極的に攻めるアリーム。中盤にはコンビネーションでマルティネスにパンチを浴びせる等しています。
マルティネスも比較的その場にとどまる事が多いですから、思い切って攻め込めば当たるのです。
しかしアリームが打てばすぐに反撃が返ってくるから、連続的な攻撃はアリームにとって難しいのかもしれません。
6R、前ラウンドの続きで、割と押し込んでいくアリーム。こういう攻め続ける姿勢というのは突破口になりそうですが、近づいたところでマルティネスのリターンは的確にアリームを捉えています。
7R、とにかく攻めるアリーム。マルティネスはそこに合わせる形でリターン、これが的確です。
被弾覚悟で攻めるしかないアリームですが、このボクサーは非常にタフですね。そして、やるべきことがわかっている、覚悟を感じます。
それでもなお、マルティネスのガードは頑強で、アリームの打ち終わりにあわせるパンチセレクトが良い。
8Rも展開は変わらず。マルティネスは下がりながら打つのが非常に上手いですね。もともとのポジションはややアップライト気味、そこからスウェーして膝が張ることもありますが、この下がりながら打つ、というテクニックにより、そのウィークポイントを完全に消し去っています。
9R、打たれてもいるし、内容的には随分圧されているはいるものの、エマニュエル・アリームはまだまだ元気です。
ブロッキングに頼っていた中盤よりも随分良い動きで、ジャブを突き、力強いリターンとカウンターを狙っています。
しかしこうして戦略を変えたとしても、上回るのはマルティネス。アリームがカウンターチャンスを待てば、真ん中を通すストレート連打でアリームを下がらせ、アリームが出てくれば前に出て受け止めてパワーパンチを返すか、バックステップで下がりながらのカウンターショット。
10R、アリームは勝利を目指してビッグ・ショットを狙ってきます。当然といえば当然ですが、最後まで諦めない姿勢を持った良いボクサーです。
最近では力の差があれば、フルラウンド戦う事が目的となってしまうボクサーもいますから。残り2ラウンド、アリームの思いは届くか。この頑張りは応援したくなりますね。
11R、ここもアリームはとにかく前進。前進というか、もう飛び込んで打つ、ぐらい。
そして中盤、この勢いが奏功し、アリームの左フックがマルティネスにヒット、マルティネスは一瞬動きが止まったように見えました。
その後も攻めるアリーム、しかしマルティネスもしっかりと受け止め、コンパクトな右アッパーをヒット。マルティネスにもさほど余裕はなさそうで、時折アリームに体を預ける場面も出てきています。
ラストラウンド、マルティネスは比較的安全策、でしょうか。よくジャブを突き、アリームのパンチへのリターン。
と思ったら、中盤には自ら攻め入って被弾も少々しながらも打っていきます。
後半にかけては強いプレスをかけたマルティネス、ロープを背負うアリームは、こここそは出なければなりませんが、サークリングしてしまっています。
飛び込みの左フックにかけていたアリームですが、ここは実らず、12ラウンズにわたる戦いは終了。
判定は、120-108、118-110、119-109、レスター・マルティネス!
会場は大歓声、素晴らしいファイトを見せたレスター・マルティネス。
今後は、クリスチャン・ムビリとの団体内王座統一戦に向かうというのが既定路線です。しかし、この人気であればもしかしたらカネロ戦を引き寄せる可能性も出てきますね。
今回の会場は、レスター・マルティネス人気のおかげでソールドアウトと聞いています。
人気者の次戦は、どうなるか。
個人的にはやはりムビリとの決着戦は必要だと思いますから、その後のキャリアに注目しましょう。
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