信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】セバスチャン・フンドラvsキース・サーマン!巨体に挑む「ワンタイム」サーマン、現在の実力は如何ほどか。

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さてさて、今週末のボクシングは、なんといってもWBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチ、セバスチャン・フンドラvsキース・サーマンです。

この大激戦区、スーパーウェルター級では、ザンダー・ザヤスvsジャロン・エニスという超注目のマッチアップが囁かれる中ではやや薄いマッチアップ、と言わざるを得ませんし、現在陸の孤島となっているPBCにおいてはこの試合の「先」が気になるところです。

さらに、このPPVの価格が74.99ドルということで「高すぎる」という声も上がっているのはチラチラと目に入っていますが、そんなことはおかまいなしに日本ではWOWOWで見られるのは本当にありがたいことです。

ということで今回のブログは、フンドラvsサーマンのプレビュー記事。

 

 

 

3/29(日本時間3/29)アメリカ・ラスベガス

WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチ

セバスチャン・フンドラ(アメリカ)23勝(15KO)1敗1分

vs

キース・サーマン(アメリカ)31勝(23KO)1敗

身長197cm、リーチ203cm。スーパーウェルター級どころか、ヘビー級でも長身と言える規格外のフィジカルを持ちながら、この154ポンドの世界で戦っているのがセバスチャン・フンドラです。

2016年に初回KOでプロデビューしたフンドラは、その体格の異様さから早々に注目を集めていましたが、長い間「イロモノ」というレッテルを貼られてもいました。たしかにあの長い手足で攻撃をくり出してくる様子は、最初に見た時には少し笑えるような、不思議な光景です。

しかし実力については本物でした。ナサニエル・ガリモア、ホルヘ・コタ、セルヒオ・ガルシアといったボクサーを退け、2022年にはエリクソン・ルビンとの激闘を制してWBC暫定王座を獲得。このルビン戦は互いに倒し倒されるファイト・オブ・ザ・イヤー候補の大激闘で、フンドラが単なる「面白いだけのボクサー」ではないことを証明した一戦でした。

ところがその翌年、初防衛戦をクリアしてさあここからというところで、ブライアン・メンドサにまさかのノックアウト負けを喫します。それまで試合を支配していたフンドラが、オーバーハンドの一発でゆっくりと崩れ落ちるシーンは、あれは何年経っても忘れられないですね。この敗北は、フンドラが抱える「打たれ脆さ」という課題を改めて世界中に突きつけるものでした。

しかしフンドラはそこから再起し、2024年3月のティム・チュー戦で劇的な世界王者返り咲きを果たします。双方が大流血する激闘の末にスプリット判定で勝利し、WBC・WBO統一王者に。そしてこの試合を通じて、フンドラに新しい一面が見えてきました。

 

 

 

従来の接近戦主体のスタイルではなく、丁寧にジャブを突いて距離を管理する、よりスマートなボクシングができるようになってきた。これはフンドラの進化を示す、重要なシグナルだったと思います。

2025年は3月にブッカーを4RでTKO、7月にはチューとの再戦でも7Rに圧倒的なTKO勝ちを収め、フンドラがスーパーウェルター級の「解けないパズル」になりつつあることを証明しました。ハンドスピードが際立つわけでも、スーパーパワーがあるわけでもない。それでも長すぎるリーチと高すぎる位置から繰り出されるパンチは、相手にとっては本当に厄介なのでしょう。

ただし、課題が消えたわけではありません。ガードを下げる癖は今もあり、距離管理が甘くなる瞬間がある。チュー再戦でも、サイズ差があるチューに強打を当てられる場面がありました。本当に力のある相手がそこを突いてきた時、フンドラがどうするのか。今回の試合はそのテストにもなります。

「ワン・タイム」というリングネームを持つキース・サーマンは、全盛期は本当に素晴らしいボクサーでした。スピードとパワーを兼ね備えたウェルター級の王者として、デビン・ヘイニーやエロール・スペンスJr.が台頭する前の時代には、この階級のトップにいたボクサーです。

2016年にショーン・ポーターとの接戦を制してWBA王座を獲得、2017年にはダニー・ガルシアとのスプリット判定でWBC王座も奪取し、統一王者に。このガルシア戦はサーマンの巧みな試合運びが光る好試合で、「この時期のサーマンは本当に強かったな」と今でも思います。

 

 

 

しかし2019年のマニー・パッキャオとの一戦で、スプリット判定負けを喫して以来、サーマンのキャリアは急速に靄がかかっていきます。怪我が続き、リングから長期離脱。2022年のマリオ・バリオス戦で復帰しましたが、その後また3年近くのブランクが生まれました。

2025年3月、ようやくブロック・ジャービスとの試合でリングに戻ってきたサーマン。TKO勝利という結果は残しましたが、序盤はジャービスのパンチをまともにもらって動きが安定せず、まだエンジンがかかっていないような印象でした。長いブランクの影響は明らかで、これが現在のサーマンの正直なところだと思います。

それでも、その後半に見せたタイミングと精度の良い右ストレートはさすがで、「ああ、全盛期のサーマンはこういうボクサーだったな」と思い出させてくれる場面もありました。37歳。全盛期と比べれば当然、動きは落ちています。問題は、どれだけ落ちているのか、ということです。

 

 

 

結末はサーマン次第か?

この試合のポイントを一言で言えば、「全盛期のサーマンがどれだけ残っているか」に尽きます。

サーマンのボクシングスタイルは、実はフンドラを攻略するのに理に適っています。距離を取って相手の動きを待ち、タイミングの良いカウンターを合わせる。フンドラの距離管理が甘くなる瞬間を狙い、高い位置からかぶさってくるパンチをかいくぐって右を当てるというゲームプランは、理屈の上では成立します。

実際、フンドラには「体の割に顔の位置が低い」という弱点があって、左フックやオーバーハンドライトが刺さりやすいとも思います。

思えばブライアン・メンドーサ戦でまさかのノックアウト負けを喫した時もオーバーハンドで倒れましたし、チュー再戦での被弾シーンを振り返ると、フンドラがインサイドに踏み込んだ時にバランスを崩し、頭が下がるという癖が見えます。そこを突いていったチューのパワーパンチがフンドラに当たっていた。サーマンはチューより技術があるので、同じことがよりうまくできるはずです。

しかし問題は、その「理屈」を実行するには今のサーマンの脚が10年前の仕事をこなさなければならない、ということです。

 

 

 

フンドラのプレッシャーを受けながら、距離を保ち続け、タイミングを計り続けるのは非常にきつい作業です。ジャービス戦の前半を思い返すと、サーマンはその作業をやり切れなかった。相手が攻撃的に来た時に、狙ったカウンターではなくただもらってしまうシーンがありました。

フンドラが中盤以降にフィジカルの差を活かしてプレッシャーをかけ続けた場合、サーマンの37歳の脚はそれに耐え続けることができるか。それが最大の疑問です。

フンドラがブッカー戦やチュー再戦のように、ジャブを有効に使って距離を管理した場合、サーマンが攻略する手段はほぼなくなります。このリーチ差の前では、近づけなければ何もできない。フンドラが自分のゲームプランを遂行できれば、判定にせよKOにせよ、フンドラが勝つ可能性が高いでしょう。

逆にサーマンに勝機があるとすれば、序盤にフンドラの動きを見極め、フンドラが距離感を誤った瞬間に強打をクリーンヒットさせること。一発のKOパワーという点では、実はフンドラよりサーマンの方が怖いかもしれない。2017年のダニー・ガルシア戦でも、終盤にダウンを奪ったサーマンの右の破壊力は本物でした。

 

 

 

やはりフンドラが優位

正直に予想すると、フンドラの優勢は揺らがないと思っています。フンドラは直近3試合で確実に成長していますし、今が「最強のフンドラ」であることはほぼ間違いない。一方のサーマンは、ジャービス戦から見ても全盛期とのギャップが明らかで、フンドラの高速・高回転のジャブを前に、序盤からペースを握られる可能性は十分にあります。

ただ、「サーマンにはまだ何かある」という期待感も個人的には消えません。ジャービス戦後半に見せたあの右ストレートが、フンドラへのカウンターとして炸裂する瞬間が訪れるかもしれない。

このベテランは、ジャービス戦を経てカンを取り戻しているかもしれません。

フンドラの中盤以降のTKO勝ちが最も可能性の高い結末だと思いますが、「もしかしたら」という場面をサーマンが一度は作るのではないか。そう期待しながら、この試合を見たいと思います。

 

 

 

アンダーカード!

ミドル級ではヨエンリ・エルナンデス(9勝8KO無敗)vsテレル・ガウシャ(24勝12KO5敗1分)、スーパーミドル級ではイライジャ・ガルシア(17勝13KO1敗)vsケビン・ニューマンII(18勝11KO3敗1分)と、PBCの次世代を担う若手が並ぶ興行となっています。メインだけでなくアンダーカードも面白そうで、全体として見応えのある興行になるのではないかと思います。

配信情報

北米ではAmazon Prime VideoのPPVで配信(価格74.99ドル)。日本ではWOWOWでの視聴が可能です。

メインカードの開始は日本時間3月29日(日)午前9時、メインイベントは日本時間の午後あたりになるでしょうか。

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