信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】4/4デオンテイ・ワイルダーvsチゾラ、4/11タイソン・フューリーvsマフメドフinロンドン。現代ヘビー級の節目はすぐそこに。

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比較的長いように感じられた「今現在」のヘビー級はもうすぐ終わりを迎えます。

それは、オレクサンドル・ウシクがエンタメファイトに臨もうとしていることにより明らかであり、そして、今週末と来週末にデオンテイ・ワイルダーとタイソン・フューリーがそれぞれ登場すること、モーゼス・イタウマのセンセーショナルな台頭、全て含めてそれを加速させているようにも感じます。

時代は移り変わるもので、トップボクサーとして10年君臨することは非常に難しいこと。

若干の寂しさを覚えつつも、今回のブログは週末に控えるワイルダーvsチゾラ、来週末のフューリーvsマフメドフのプレビュー記事です。

 

4/4(日本時間4/5)イギリス・ロンドン

デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)44勝43KO4敗1分

vs

デレク・チゾラ(イギリス)36勝23KO13敗

偶然の一致というのは面白いもので、この試合は両者ともにキャリア50戦目。ワイルダーとチゾラ、まるで示し合わせたようなタイミングで節目の試合が重なりました。

チゾラはこの試合での引退を宣言しています。世界タイトルに2度挑戦し、ビタリ・クリチコ(ウクライナ)、タイソン・フューリーの壁に跳ね返されながらも長くヘビー級の第一線に居続けた男が、地元ロンドン・O2アリーナで最後の試合を迎えることになりました。

チゾラというボクサーについて改めて振り返ると、決して「強いボクサー」という評価ではなかったにもかかわらず、これだけ長くトップどころと戦い続けてきたこと自体がひとつの奇跡のようにも思えます。13敗という数字だけを見れば大きなマイナスに映るかもしれませんが、その13敗の相手がクリチコ、ポベトキン、ウシク、ホワイト、パーカー、フューリーと、まさにヘビー級の歴史に名を刻むような強豪ばかり。負けてもなお呼ばれ続けるということは、それだけ「見ていて面白いボクサー」であることの証明でもあります。

直近3連勝中、42歳のラストファイト。ジョー・ジョイス(イギリス)を倒してオットー・ウォーリン(スウェーデン)にも判定勝ちと、ここにきてしっかり結果を出しているのも印象的です。有終の美を飾ることができるかどうか、というのがこの試合の大きな見どころのひとつでしょう。

 

 

 

一方のワイルダー。かつてフューリー、ジョシュアと並んでヘビー級の「三強」と言われていた頃が嘘のように、近年は苦しい状況が続いています。フューリーとの三部作を終えた後、ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)への判定負け、チャン・ツィーレイ(中国)への衝撃的なKO負けと、かつての絶対的な強さへの疑問符が積み重なっていきました。

思えばワイルダーという選手の本質は、あの右一発にすべてが詰まっていたといっても過言ではないでしょう。スピードが特別に速いわけでも、フットワークが卓越しているわけでもない。ただ、あの右が当たれば誰でも倒れる。そのシンプルかつ絶対的な武器一本で、WBC王座を5年以上守り続けた。そういうボクサーでした。

だからこそ、その右が通じなくなってきた時のもろさも際立ちます。フューリーとの三戦目、パーカー戦、チャン・ツィーレイ戦と、相手に動かれ距離を管理されると途端に手詰まりになるシーンが増えてきました。40歳になったワイルダーが今もあの頃の「ブロンズ・ボマー」であるかどうか、正直なところは分かりません。2025年6月にタイレル・アンソニー・ハーンドン(アメリカ)相手に7回TKO勝ちで再起したとはいえ、相手のレベルを考えるとそこから何かを判断するのも難しいところです。

この試合の見どころはシンプルで、ワイルダーの右が今も機能するかどうか、ただその一点に尽きるかもしれません。チゾラは前に出て打ち合うファイタータイプで、ワイルダーのカウンターが刺さりやすい相手ともいえます。

 

 

 

ガードを上げながら前進し、インサイドに入ってボディを叩く。チゾラのそのスタイルは、カウンターを狙うワイルダーと噛み合う部分もあれば、距離を潰されるという点でワイルダーの苦手なシチュエーションを作り出す部分もあります。

逆にチゾラとしては、ワイルダーの右を恐れず距離を詰め続け、消耗戦に持ち込むことができれば勝機は見えてくるでしょう。ただ、それはあくまで「ワイルダーの右をもらわなければ」という前提が必要で、一発でも綺麗に当たれば試合は終わります。そのリスクを承知で前に出続けられるかどうか、まさにチゾラらしい試合になりそうです。

個人的にはどちらを応援するというわけでもなく、純粋にワイルダーの現在地が気になります。もはやツィーレイ戦で終わったボクサーと見られているワイルダーは、復活できるのか。

そもそもこの試合がイギリスで行われる、ということについて、その線はさほど大きくのないのかもしれません。

 

 

 



4/11(日本時間4/12)イギリス・ロンドン

タイソン・フューリー(イギリス)34勝24KO2敗1分

vs

アルスランベク・マフメドフ(ロシア)21勝19KO2敗

フューリーがまたもや「引退撤回」でリングに戻ってきます。ウシクとの2連敗を経ての引退宣言だっただけに、今度こそ本当に終わりかと思っていたわけですが、どっこい帰ってきた。フューリーの引退宣言と撤回のループは、もはやボクシング界の風物詩ですね。

67,000人収容のトッテナム・ホットスパー・スタジアム、2022年12月のチゾラ戦以来、約3年半ぶりのイギリスでのファイト。地元の大観衆の前での復帰戦というのは、フューリーにとっては最高の舞台でしょう。ちなみにこのチケットは完売、とてつもない人気ですね。

この試合のフューリーのモチベーションとして囁かれているのが、アンソニー・ジョシュア(イギリス)戦への布石、という見方です。長年実現しなかったイギリス人同士の大一番が、今年中に実現するかもしれないという機運が高まっている中、まずマフメドフを倒して存在感を示したい——そういうファイトとして位置づけている節があります。しかしそれはあくまでフューリー側の事情であって、マフメドフにとってはここで勝てばヘビー級の頂点に一気に近づく、キャリア最大のチャンスです。

 

 

 

マフメドフは1989年生まれの36歳、ロシア・北オセチア出身でモントリオール拠点のオーソドックス。身長197cm、リーチ197cmと体格は申し分なく、21勝のうち19がKO、そのうち13が初回KO決着という怪物的なKO率の持ち主です。

アマチュア時代から200戦以上をこなし、WSB(ワールドシリーズ・オブ・ボクシング)でも無敗のまま2014年のファイナルまで勝ち上がったという経歴の持ち主でもあります。プロ転向は28歳と遅かったものの、そこからコツコツと積み上げてきた選手です。

見た目的にもまさにそのとおりなんですが、あのアルツール・ベテルビエフの友達。

もちろんマフメドフにも不安要素はあって、2023年12月のアギト・カバイェル(ドイツ)戦では4回TKO負け、2024年8月のグイド・ヴィアネッロ(イタリア)戦でも8回TKO負けと、連続してストップ負けを喫しています。

特にカバイェル戦では、序盤こそプレッシャーをかけていたものの、カバイェルに距離を管理されはじめてから一方的に攻略されてしまいました。前に出るパワーはあっても、相手に動かれた時の対応力に課題があることは正直なところでしょう。ここがそのままフューリー戦に直結する不安点でもあります。

フューリーほど動けるヘビー級は世界中探してもそうはいません。その動きに対してマフメドフはどのような戦略を持ってリングに上がるのか。

カバイェル戦の失敗を繰り返すようでは、この試合も厳しいものになるかもしれません。

 

 

 

ただ、その後の2025年10月のデビッド・アレン(イギリス)戦では12回の判定勝ちを収め、初めて長距離を戦い抜く経験を積んでいます。アレンはキャリアを通じてダウンがないことで有名なタフネスの持ち主で、そこに完全勝利。スタミナとペース配分という部分で、マフメドフが確かな成長を見せた試合でした。試合後にはアンソニー・ジョシュアへの挑戦を堂々と宣言するなど、その自信の高まりも伝わってきます。

フューリーの強さは言わずもがなで、動き、タイミング、試合巧者ぶりはヘビー級の中でも別格です。ただ、ウシクとの2戦を経たダメージの蓄積と、1年以上のブランクがどう響くか。

1戦目でのKO寸前のシーン、2戦目での明確な敗北を経て、以前のようなアンタッチャブルさには少し影が差している印象があります。

あとはやはり、このメンタルに不安を抱くボクサーの懸念事項はモチベーションもそのパフォーマンスに大きすぎる影響を与えます。

そして何より、これだけ長いブランクを経ての復帰戦というのは、どんな選手にとっても体が思ったように動くまでにラグが生じるもの。

そこにマフメドフの一発が混ざってきたとき、何が起きるか。

190cm超の巨体から繰り出すパンチはフューリーといえど無視できないはずで、フューリーのスロースタートを突いて序盤から圧力をかけ、一発でもクリーンヒットを当てられれば——そういうシナリオを考えると、この試合は単なる「フューリーの復帰興行」以上のものになり得ます。

 

 

 

勝てると思うというよりも、マフメドフがフューリーに対してどこまでやれるのかを見たい、というのが正直なところかもしれませんが、個人的にはマフメドフを推しています。フューリーが試合を支配する展開がおそらく本命でしょうが、マフメドフの初回からの圧力とパワーが、久しぶりにリングに立つフューリーを揺さぶる場面を期待しています。

マフメドフが一発当ててフューリーの顔が歪む瞬間——それが見たくてこの試合を見ようと思います。

配信情報

ワイルダーvsチゾラは日本時間4/5(日)AM3:00より、DAZNにてライブ配信。

そしてフューリーvsマフメドフは4/12(日)AM3:00より、Netflixにてライブ配信です。

いずれもメインイベントは6:00か7:00くらいでしょうか。

DAZNはおいといて、Netflixは初ともいえるまともなボクシングマッチがメインイベント。

ずっと入りっぱなしで抜け出せなかったNetflix、ようやく私のPCで日の目を見る日が来そうです。

 

 

 

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