いよいよ本日はPrime Video Boxing 15。
記者会見で気負っているようにも見えた那須川天心は、前日計量では落ち着いていた姿も印象的で、何か吹っ切れたような感じもしたので期待できます。
さて、残念なのは高見亨介が前日計量直前の深夜、体調不良で病院に搬送され、高見vsアヤラが中止に。無事を願うのみですね。
アンヘル・アヤラはわざわざ日本まで来て、さらにすでに1年以上ぶりのリングだっただけに今後が心配になるレベルのブランクをつくってしまいます。これは可哀想。
またどこかでぶつかってほしいと願いますが、如何に。
さて、ということで今回のブログは、Prime Video Boxing 15の観戦記。

4/11(土)東京・両国国技館
久保寺啓太(帝拳)2勝(2KO)無敗
vs
クリサルディ・ベルトラン(フィリピン)5勝(4KO)1敗
久保寺、リーチ190cmはエグいですね。まず早々に長い左ストレートを見舞った久保寺、久保寺が当てて少しのバックステップですでにベルトランの反撃は届かない状態。
ベルトランとしてはリターンでは分が悪い、自ら攻めるか相打ちが勝利の鍵でしょう。
終盤、ベルトランの左フックがヒット。近い距離までいくことに対して、恐れはないようです。
2R、長いジャブがポンポンと出る久保寺。サウスポーの長い右ジャブ、ベルトランにとっては厄介極まりないですね。
久保寺が右でコントロールしつつ左ボディストレートを入れる、という展開で、そこにベルトランはリターンをあわせようとしますが、打ち終わりのケアが良い久保寺。
3R、コンビネーションで攻める窪寺。なかなか手がでないベルトランですが、中盤、ベルトランが相打ちのタイミングで左。時折、危険なパンチが入りますね。
後半に入る頃、ベルトランが強い右、そののち左フック!久保寺の左ストレートにカウンターとなり、これで久保寺がダウン!!
おっっとこれは大波乱、身長が高い分、足も細く、ちょっとタフネスには難がある可能性はあります。
しかしここで一気にはいけないベルトラン、久保寺はサバイブ。
4R、ジャブを連射する久保寺。しかしベルトランも先程のダウンで自信を持ったか、左フックをスイング。これが窪寺の低い右ガードの上から入っていますね。
この左フックはその後もいくつかもらってはいますが、やはり全体的には久保寺のヒット数が明らかに多いという展開。
頭を低くして入ってくることもあるベルトランですが、それでもこの距離を縮めるのは容易ではありません。
5R、久保寺がプレス。ジャブからストレートをまとめて攻め入ります。そこにベルトランはあたっている左フックをフルスイング、これは相変わらず怖いパンチですがさすがに久保寺も気をつけています。
久保寺が攻め込み、ベルトランがロープ際に押し込まれて左フックを浴びると膝をつき、ダウン!立ち上がったベルトランでしたが、レフェリーはテンカウントを数え上げ、試合をストップ。
久保寺啓太、5RKO勝利。
もうちょっとやらせても良かったような気はしますが、レフェリーの目からみて戦意を喪失していたのかもしれません。
カツマ・アキツギ(アメリカ)14勝(4KO)無敗
vs
ホセ・カルデロン(メキシコ)14勝(6KO)3敗
さてさて、カルデロンは超がつくほどの強敵ですが、アキツギには頑張ってもらいたい。ここに勝利して日本のファンへのお披露目と、日本での世界戦の足がかりとしてもらいたいところです。
初回、まずはリング中央、ジャブの差し合いからボディショットで先制したアキツギ。速い左ボディ、ここにカルデロンもリターンを放ちますが、これはバックステップ。ジリジリとプレスをかけるアキツギ、細かいバックステップも含めてやはり巧いアキツギ。
非常に早い展開、アキツギは良いスタートを切れていると思います。但し、カルデロンはどちらかというと前半良いボクサーではないので、まだまだ油断はできません。
2R、カルデロンは2戦連続サウスポー戦、増田戦よりもサウスポーへの慣れがありそうです。中盤、バッティングでカルデロンの右眉付近をカット。
後半、アキツギがやや外側をまわる左ストレートをヒットすると、カルデロンの動きが止まります。ボディストレートを警戒させてからの上へのストレートでしたね。ここからチャージするアキツギですが、カルデロンはさすがのタフネス。
3R、ここも左のボディを中心に攻めるアキツギ。カルデロンも必ず打ち返してきますね。どちらもハートの強さがある、ということはもう知っています。
比較的、アキツギのボディショットが有効に見えますね。
4R、前ラウンドぐらいから、カルデロンがその恐ろしさを発揮してきているように見えます。とにかくスイングする、そこで打たれようとも終わらない、この妙なタイミングのカルデロンの長いパンチは、前戦でも増田陸を大いに苦しめています。
中盤、カルデロンのパンチが終わったと思ってやや気を抜いたか、この連続で出てくるカルデロンのパンチを被弾したアキツギ、ショートでカウンターを返すも、とにかくカルデロンは止まりません。
後半、アキツギがまっすぐの左ストレートをヒット、両者ともにかなりアクションが多いですね。
5R、アキツギがステップワークでカルデロンの攻撃を外す、という展開から、やや近い距離になったところでカルデロンの左アッパーがヒット。アキツギは非常にアグレッシブなボクサーなので、インサイドに入った時、このカルデロンの手数が厄介ですね。決して回転力がある方ではありませんが、とにかく手が止まらない上、このスイングの軌道は非常に読みづらい。
後半、アキツギの右でカルデロンは顔面を跳ね上げられますが、ラウンドを通してややアキツギの手数は減っているイメージでしょうか。
6R、やや揉み合いの展開も出てきたラウンドです。中間距離で互いに旺盛な手数を出しますが、アキツギが足を止めて打ち合いをしている分、カルデロンは空振りが減っています。
互いにパンチを当て合っていますが、カルデロンのスイングはできれば空振りさせたいところではないでしょうか。体の何処かに当たると、次々とパンチが出てきます。
7R、アキツギがプレスをかけ、ジャブからのボディストレート。スウェー、小さいバックステップでカルデロンのパンチを外すのは良い。
ちょっと後半にかけてはカルデロンのパンチをいくつか被弾したアキツギ、やはり後半にかけて上げてくるカルデロン、このあとも怖い。
8R、ここも中間距離での打撃戦、と言える展開です。カルデロンはまたも次々とパンチを投げてきますね。
両者ともにいくつかのクリーンヒットを生みましたが、どちらかといえばやはり手数の差、ということでカルデロンでしょうか。ちょっと流れ的に、カルデロンに行ってしまいそうな感じ。
9R、アキツギはプレスも、先に手を出すのがカルデロン。そしてカルデロンは打つべきところは打ち、足を使うべきところは足を使う、非常にメリハリが効いています。
後半、打ち合いの展開、お互いに様々なアングルのパンチを交換しています。
ラストラウンド、アキツギが左でカルデロンの顔面を跳ね上げてスタート。激しい打ち合い、アキツギがサイドに出て攻撃しようとしたところで、カルデロンは必ず返してきます。
近づいたら止まらないカルデロンのパンチ、アキツギも返していますが、カルデロンのガムシャラさは本当に脅威です。
終盤はカルデロンの右を空振りさせて左をリターンしたアキツギ、ここでラウンド終了のゴング。これは。。。どうか。
判定は、95-95のドロー、96-94×2、2-0の判定で、ホセ・カルデロン!!
いやー、これは。。。ドローでも良いぐらいのファイトだったと思いますが、残念ながら白黒ついてしまいました。
これは残念、アキツギ。しかし負けても潔し、の表情。
ともかくホセ・カルデロン、そのやりづらさをいかんなく発揮していました。前戦でやっぱりあのまま続けていれば、増田も危うかったかもしれませんね。
坪井智也(帝拳)3勝(2KO)0敗
vs
ペドロ・ゲバラ(メキシコ)43勝(22KO)5敗2分
正直に言えば、アキツギが負ける事は予想外でした。カルデロンが、(強いのはわかっていた上で)想像以上に対応力があった、ということになると思います。
さて、この坪井vsゲバラというのは、この日、最も安心して見られる試合、だと思います。
正直、坪井の負けはおろか、苦戦とか苦闘もあまり考えられません。恐るべきことに、元2階級制覇王者を相手に、です。
もし万が一、があるとすれば、後半までゲバラが頑張り、泥臭く行った場合で、さらにそれが通用した場合のみ。
さて、ということでゴング。
まずプレスをかけるのは坪井。リズムをとって速いステップイン、コンビネーション。
相手を引き込んでの左フックカウンター、上下に打ち分けるジャブ、インサイドでもアウトサイドでもとにかく速い。
2R、ゲバラが強く踏み込んだところに、バッティングのようです。ここでゲバラが倒れ込み、休憩時間をつくったものの、回復できず。
そしてこのまま、試合は終了。
。。。これは、もうなんと波乱だらけの興行なんでしょうか。
この試合はドロー、負傷引き分けです。→からの、無効試合に変更とのこと。
WBC世界バンタム級挑戦者決定戦
那須川天心(帝拳)7勝(2KO)1敗
vs
ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)45勝(28KO)4敗
高見vsアヤラの中止、坪井はわずか2Rで負傷ドロー。ここまでで当初組まれていた4試合で、まともに試合が行われたのは2試合のみ、という大波乱の興行です。
さて、メインイベントはいったいどうなるか。
初回のゴング。
互いにまずは様子見、でしょうか。リング中央でサークリング、エストラーダはほとんど手を出さないまま1分ほどが経過します。
天心もいきなりはいかず、時折ワンツー。その後は速いジャブ。
中盤、エストラーダが中途半端な感じで左ボディを打ち、下がったところに天心の左ボディ。これで大きくバランスを崩したエストラーダ。エストラーダはちょっと警戒し過ぎのように見えますね。
思ったほどは天心が出ていきません。この序盤は、天心が上回れる部分だと思いますが、とりあえずおそらくポイントは取れたので良し、ということでしょう。
2R、ジリジリとエストラーダがプレスをかけてきます。エストラーダのいきなりの右は届いています。
しかし天心の左もヒット、やはりこれは後ろ手をいかに当てるか、という戦いになるのでしょう。天心は非常に良い距離をキープしていますね。
ただ、エストラーダのキャリアとしての怖さが出てくるのは、ここからかもしれません。
3R、やや手数を増やしてきたエストラーダ。しかし相変わらず天心の距離感は非常に良く、エストラーダが出てこようとした時のジャブも効果的です。
さらに、エストラーダがワンツーで入ってきた所に左のボディカウンター、これは良い。
今のところ、抜群のボクシングができていると思います。
4R、天心の速いワンツー、のあとにエストラーダの右リターン!エストラーダはちょっと慣れてきてしまったか、天心は左の打ち終わりに気をつけなければなりません。
その後、エストラーダが無遠慮に距離を詰めてくる場面が出てきており、この距離ではエストラーダのコンビネーションが良い。
後半、左の相打ちで大きくバランスを崩したのはエストラーダ、足が引っかかったか?特にエストラーダにダメージはなさそうです。(スロー映像を見ると、天心のパンチはあたっていませんでした)
公開採点は、38-38×2、39-37、天心。
5R、エストラーダがプレス。天心はサークリング、左ボディのタイミングは良い。このボディは効いてくるのではないでしょうか。
プレスをかけるも先手はとれないエストラーダ、天心は先に動く事でスピードで撹乱できる雰囲気になってきている気がします。
先に打って離れる、これが那須川天心のボクシングの最適解でしょう。
後半は近い距離、ここではエストラーダが回転力で上回ります。しかし終盤は天心が前に出てワンツー、エストラーダをロープに押し込んでいます。
6R、エストラーダは落ち着いていますね。距離があるところで我慢し、近づいてから何とかしよう、という感じでしょうか。
中盤、バッティングでエストラーダが転がります。天心の左ボディもあたっており、エストラーダの体はくの字になっているようにも見えますが、スローを見る限り原因は頭っぽいですね。
再開、たぶん、エストラーダはボディは効いているでしょう。プレスは明らかに弱まっています。
これはチャンスの天心、後半にも左ボディを執拗に狙い、エストラーダを下がらせています。
7R、エストラーダのボディへのダメージ、というのは帝拳陣営は織り込み済みのようです。天心はガードを上げて強気にコンビネーション。
エストラーダもワンツーを返しますが、疲れか、ボディへのダメージか、天心へのスピードについていけていないのか。
後半、右アッパーをコネクトした天心、かなり余裕も出てきているように見え、顔面への左ストレートも当たり始めます。終盤には明らかに左ストレートで効かせた天心。
これはストップがあるか。
8R、CM明け、もう10秒が経過していました。これはやってはいけませんよアマプラさん。
エストラーダが前に出ますが、天心もここで迎え撃ちます。ボディを効かせたというアドバンテージを大いに活かし、左ストレートを顔面にヒット。
エストラーダは苦しいか、リターンのあとにもパンチを出してくる天心に対し、そのあとは距離を取るだけで終わってしまっています。
公開採点は、77-757、78-74、79-73、3-0で天心!
9R、この展開はエストラーダにとってかなり苦しいでしょう。通常、ラウンドを重ねれば相手のスピードに慣れるものですが、どんどん反応できなくなっているように見えます。
この状態になっても、天心は集中力をキープしているようにみえ、調子にのるところが全く見えません。
前に出てプレスをかけはじめた天心、エストラーダが下がります。天心の攻撃へのリターンを返すエストラーダですが、右を振って自らバランスを崩す場面も。
10R、が始まらず!!!!エストラーダが「ノー・マス」!!!!
那須川天心、これは素晴らしい勝利です!!おそらく、鍵となったのはボディでしょう。あの左のボディショットが効き、そのために天心の細かなフェイントにひっかかるようになり、結果的に顔面への左ストレートを浴びてしまう。
まさに心が折れた、ということなのでしょう。
もちろん、長くボクシングを見てきたボクシングファンとしては、エストラーダのこの敗戦は寂しいもの。軽量級を主役に持ってきてくれたボクサーの1人、だからこそ、ここはグローブの吊るし時でもあると思います。
パンチを振ってバランスを崩す姿、明らかにボディを気化されて弱気になる姿、そしてやはり、大きな相手に対して自らのボクシングを貫けなかった事。
ともあれ、那須川天心が素晴らしい相手に勝利を得た事は事実。これでまた、バンタム級が盛り上がる要因となりました。
引き上げるエストラーダ、左旨あたりを押さえてますね。肋骨でしょうか。。。
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