さて、まだまだ今週末のボクシングが終わりません。
大阪の六島ジム興行、You will be the Championです。
西田凌佑が出場する時のみ、U-NEXTが配信してくれますが、そうでない時は六島ジムが自前のYoutubeチャンネルでライブ配信。
これは大変にありがたいことで、しかも随分長い間続けてくれていることは本当に称賛に値します。
ボクシングは未だ東高西低、どうしても関東のジム、いや、東京近郊のジムが優位になってしまう現状は変えられません。
そこに風穴を空けてくれるであろう関西ジムの雄、六島ジム。
今回のブログは、4/12に大阪で開催されたYou will be tha Champion興行の観戦記。

4/12(日)You will be the Champion
中山慧大(六島)3勝(3KO)無敗
vs
ジェルウィン・アシロ(フィリピン)12勝(5KO)1敗
全日本選手権優勝経験もある元トップアマ、中山慧大。元トップアマといえば、かなりの確率で関東のジムに所属してしまうものですが、六島ジムでの勝負。
しかしこの中山、デビュー以来3連続KO勝利で、しかも前戦は神崎靖浩(倉敷守安)にストップ勝ちしています。
国内の実力はすでに証明済み、そして今回の相手は那須川天心と地域タイトルを争った、ジェルウィン・アシロ。
アシロは那須川戦で初黒星を喫しましたが、柔らかい体、KO率には見合わない鋭いスイングを持ったボクサーで、ポイント上は天心の圧勝でしたが、天心としてもなかなか苦労したボクサー。
天心のスピードにも反応できていたので、かなりのつわものかと思われます。
↓天心vsアシロの観戦記
さて、ゴング。
中山がかなりデカい。アシロはいきなり思いっきり右を振ってくるスタート。
比較的静かな立ち上がりから、中山がまっすぐなジャブを飛ばし、グッとガードを上げてプレス。
アシロはサークリングしながら、一気に踏み込んできますね。中山は距離で外す方がよさそうな体格ですが、がっちりとガードで受け止めています。受け止めてからの右アッパー、しかしやや後手に回る感じもあり、アシロが終盤に左右のフックをスイング。これはガードの上から受けるのでもポイントを持っていかれそう。
2R、中山はこの戦い方で大丈夫なのでしょうか。プレスをかけるもののアシロのパワージャブで若干体を浮かせられます。
しかしなんとなく狙いがわかったのは、近づいてからの力強い左右のボディ。そして奥の手のアッパーカット。この距離で、ボディとアッパーで削っていこうということでしょうか。
執拗にプレスをかけてボディを見舞っていく中山、レバー、みぞおち、それぞれに左ボディをヒットしています。
3R、引き続き中山がプレスし、ボディショット。相当肝が座っています。アシロの攻撃は比較的ワンパターンで読みやすいか、それでも離れ際やアシロが動いた後、若干でもガードがずれるとかなり強烈なパンチが飛んできます。
しかしアシロ、自分が思い切って振れる距離があれば良いスイングをしますが、近い距離は結構得意ではなさそう。遠心力を使ったパンチだからこそ、本当にガッツリ近い距離だと打ちづらく、この近い距離ではコンパクトな、突き刺すような中山のボディがやっぱり良さそうに見えます。
4R、アシロの警戒すべきパンチをしっかり警戒し、近づいて左右のボディを丁寧に叩く中山。これはかなり嫌がっているようにみえるアシロですが、やはり少し距離が空いた時は気をつけなければなりません。
後半、中山のボディが効いたかアシロが腰を折ります。アシロは非常に体の使い方が柔らかく、顔面はなかなか当たりませんから、序盤からのボディ打ちというのは素晴らしい作戦だった、と今になっては思います。
5R、中山が鋭いジャブ、から見事な右アッパーをヒット。そしてワンツからの左ボディ、上に左フックを返すとアシロがぐらり!!
ちょっとボディも顔面も効いてきたかボディを打たれている事でや若さもなくなってきたアシロ、ここで中山はアシロをロープに押し込んだ上、打撃戦!ここで左フックを振り抜くとアシロがダウン!!
立ち上がったアシロに、中山はここから顔面へのコンビネーション、今度は右ストレートでダウンを奪取!!
アシロは立ち上がるも、レフェリーはストップ!!!
中山慧大、5RTKO勝利!!!
これはなんと、素晴らしい勝利です中山。
強敵、ジェルウィン・アシロにKO勝利とは。。。
愚直にコツコツとプランを組み立てる作戦遂行能力、そして長身痩躯といえる肉体から放たれるパワーパンチ。
鋭く、まっすぐで硬そうなジャブと、アングルの変化のあるパンチ。
これは逸材ですね。バンタム級、この関西ジムのボクサーがホールに登場してホールを沸かしてくれる日が待ち遠しいですね。
OPBF東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ
国本陸(六島)15勝(8KO)1敗
vs
ベク・ハソ(モンゴル)4勝(2KO)2敗
さて、メインイベントは世界を伺う国本陸、OPBF王座の防衛戦。
当然、戦績だけを見れば勝って当然、倒せて当然の相手とも言えますが、このベク・ハソの2敗というのは、荒本一成(帝拳)、森脇唯人(ワールドスポーツ)に喫したもので、ともに判定負けであり、さらに内容としても大いに善戦した、といえるものでもありました。
果たして、すでに日本である程度の力を証明しているベクに対し、「倒して勝つ」という結果はなかなかでかいのではないでしょうか。少なくとも、国内のボクシングファンにとっては、その評価を上げられるマッチアップでしょう。
さて、ゴング。
リング中央を陣取るのは国本、ハイガードからプレス。ベクは長いジャブ、軽いコンビネーションで牽制。
このベクのジャブはなかなか厄介ですね。突き放すようなジャブはパワーがあります。
中盤、詰めていく国本に対し、ベクの右がヒット!ちょっとぐらりときたようにみえた国本に、ベクは左右のフックをラッシュ!
残り1分以上、ここは国本は亀になって耐えて仕切り直し。とにかく国本はちょっと手が出ません。ダメージがあるとすれば、休む方が良いのでしょうが、ちょっとベクとしてはかなり戦いやすくなっているようなイメージ。
2R、国本がハイガードでプレス。国本はジャブしか出ませんが、ベクのジャブのタイミング、コンビネーションのタイミングがよく、これは結構パンチを出すタイミングを誘導されているような感じもします。
角度も工夫するベクのパンチ、ポンポンと出る手数、お互いに自分のリズムをキープしていますが、ここで上手く戦えているのはより速いリズムを刻むベク・ハソの方でしょうか。
3R、ジリジリと前にいく国本、ベクは「動かされている」という感じではありません。国本のパンチは単発なので、左ボディを打とうとすればベクは国本の右側に、国本が右を打とうとすれば国本の左側にエスケープ。これではちょっと捕まえられないか。
対してベクは軽いながらもコンビネーションで攻め、コンビネーションで攻める事で国本のガードをずらし、そのうち1発でも当たればヒットはヒット。
もしパンチスタッツが出るとするなら、Thrownの数値は3倍ぐらい違うんじゃないでしょうか。
4R、ベクは今のところリズムをキープし、手数は多いもののかなり軽めに打ってはいるので、後半の失速は期待できません。
こうなるとどこかで国本はパワーパンチをコネクトしなければなりません。ただ、一発でフィニッシュできるのも国本に期待できるところではありますから、ここまでの(おそらく)劣勢にも焦らず狙ってほしいところ。
このラウンドは国本のジャブが要所で当たり、ヒット数でいえば当然ベクではあるのですが、このジャブがベクにダメージを与えている事を願うのみ。
5R、国本はでてもワンツー、その他はほぼ単発。一発で決めようとしすぎなのか、これは果たして大丈夫でしょうか。
ベクは、荒本、森脇とも8Rを戦えるスキルを持っています。
国本のジャブは前ラウンドから当たりはじめてはいるものの、ベクがそれで怯む様子も無し。どちらかというとベクのジャブが国本のガードを縫って入っているように見えるが気になりますね。
国本はもうちょっとペースアップしなければ、ヤバいんじゃないでしょうか。
途中採点は48-47×2でベク・ハソ、49-46、国本。少なくとも映像で見ている限りは、かなり国本寄りの採点に思えます。
6R、開始早々、ベク・ハソのジャブカウンターで国本がダウン!!ちょっと苦笑いしている国本、おそらくダメージはないのでしょう。しかし後半開始早々、とんでもないビハインドを背負ってしまいました。
立ち上がった国本に対してベクはコンビネーションを繋いできます。
回転力のあるベク、右のダブル、トリプル、その中でも距離も意識しています。
国本は返すもやはり単発、当たるパンチもありますがその大きなパンチの打ち終わりを狙われてもいます。
コツコツとヒットを重ねるベク、一発で逆転を狙う国本。
この国本の気迫に、ベクは大きくまわります。前ラウンド前までの足の使い方とは一線を画す、ようやくプレッシャーがかかってきたという感じ。
それでもやはりあまりパンチがつながらない国本、こうなるとベクにとって躱すこともカウンターを取ることも比較的容易。
7R、ちょっとベクのジャブが伸び切っていません。これまでのビシッという感じのジャブから、出すだけのジャブみたいな感じ。疲れがあるのかもしれません。
ベクのパンチにもガードを揺らされなくなったように感じます。さあここは国本がチャンスか、力強く攻め入る国本。
大きくまわって、やや弱気な顔を見せているように見えるベク、と思ったら、ベクのジャブカウンターで国本がまた腰を落とします。
効いていないアピールか、国本が力強く攻め入りますが、そこにベクのカウンター。これも軽めですが、タイミングが良い。
ちょっと元気になったベクは下がりながらのカウンター狙い、ここで国本が振るった左フックに三度ジャブカウンターをあわせると、国本がダウン!!!
立ち上がるも足元がふらつく国本、ここでレフェリーがストップ!!!!
ベク・ハソ、7RTKO勝利!3度目の来日で、日本初勝利!!!
これはショック、国本陸!もしかすると、先を見すぎたかもしれません。。。
ベク・ハソは、日本では重量級トップボクサーとしか戦っていないというとんでもないキャリアの中で1勝をもぎ取り、OPBFタイトルを初戴冠。まあ、モンゴル人ボクサーって怖いですよね。我々世代にはもう脳みそに刻まれています。
ともあれ、ちゃんと通訳の人がいてよかった。こういうアップセットのとき、たまにいないことありますもんね。
いやーとにかく国本は残念。ベクは本当に苦労して苦労して、Bサイドとして呼ばれて見事なアップセット。切ないですが、これがボクシング。
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