信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

井上尚弥、オレクサンドル・ウシク、シャクール・スティーブンソン。P4PのTOP3は、今年後半どう動くのか。

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さて、さる5月5日。リングマガジンのパウンド・フォー・パウンド(P4P)ランキングが更新されました。

1位は井上尚弥、2位はオレクサンドル・ウシク、そして3位にシャクール・スティーブンソン。複数階級制覇、王座統一、様々を為し遂げてきたボクサーたちにランキングをつけるのは、非常に贅沢な事です。

しかしこの3人、そのキャリアは完璧すぎて、それぞれが次戦について「どうすんの?」という状況に陥っているのも事実ではないかと思います。

ということで今回のブログは、P4Pトップ3それぞれが抱える次戦の課題と、その展望について。



 

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井上尚弥の本命は?

5月2日、東京ドームで中谷潤人(M.T)を退けて、誰もが認めるP4Pキングとなった井上尚弥(大橋)。もはやスーパーバンタム級に敵はいません。

そうなると次戦は?という話になるわけですが、4つのタイトルを持っているからこそ選択肢はそこそこあるものの、興味深い相手はほとんどいないという現状です。

まず最有力と見られているのが、ジェシー「バム」ロドリゲス(アメリカ)です。

バムは6月にアントニオ・バルガス(メキシコ)とのWBAバンタム級王座戦を控えていますが、ここで勝てばスーパーフライ級には戻らず、年内にスーパーバンタム級へ上がってくるのではないか、という見方が強まっています。

井上サイドにとって、バム戦は非常に魅力的です。ファイトマネーの条件が良い。そして何より、スーパーバンタム級にはもう井上に挑む資格のある相手がいない。バムが上がってくるなら、それはもう願ったり叶ったりではないでしょうか。

もちろん、これはバムがバルガスに勝つことが前提です。そして、バルガス戦でどういう勝ち方をするか、というのも評価に影響してくるでしょう。圧倒的な内容で勝てば、井上vsバムの実現可能性は一気に高まります。

一方で、中谷潤人との再戦を望む声も、海外では根強く残っています。

ただ、日本国内の反応を見る限り、ファンもプロモーターも、あとついでに私個人としても、このダイレクトリマッチには消極的なんですよね。一度決着がついた、という空気が強い。もちろん、ルディ・エルナンデスのように再戦を強く推す人もいますが、全体としては「もう次に行こうよ」という雰囲気ではないでしょうか。

それから、IBF指名戦の勝者、つまり西田凌佑(帝拳)かグッドマン(イギリス)のどちらかとの対戦も、制度上は考えられます。

ただ、この二人、正直なところ対井上尚弥として世界的な注目を集められるボクサーとは言い難い。

井上尚弥がわざわざこの相手を選ぶのか、というと、かなり疑問です。

もちろん、義務として引き受ける可能性はゼロではありませんが、積極的に選ぶ理由はないでしょう。

そしてもう一つ。フェザー級への転級、という選択肢もあります。

自信が「最終章」と謳うフェザー級へ上げるタイミングは、そう遠くない未来。

ただ、次戦でフェザー級に上がってしまうと、バムとは階級が離れすぎて、対戦の機会はほぼ消えてしまいます。

井上自身、バム戦の魅力は十分理解しているはずですから、この選択は慎重になるのではないでしょうか。

結局、井上尚弥の次戦は、バムがバルガスにどう勝つか、という結果次第で大きく変わりそうです。バムが期待通りの圧勝を見せれば、年末の井上vsバムが現実味を帯びてくる。そんな展開を、個人的には期待しています。

 

 

 

ウシクはもう戦う相手がいない

2位のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)。39歳にしてヘビー級の絶対王者として君臨し続けるこの男ですが、正直なところ、もう戦う相手がいません。

5月23日には、キックボクシングの英雄リコ・ヴァーホーベン(オランダ)との試合がピラミッドを背景に開催されますが、これはもう完全に「バカンス」ですよね。ボーナスマッチと言ってもいい。ウシクのレガシーに何かを加えるものではありません。

このバカンスが許されるのは、ウシクがこれまでファンの望む試合を次々とクリアし、さらにその負けた相手の要望を飲んでリマッチでも片付けてきたから、という結果にほかなりません。

ヘビー級の現状を見渡しても、ウシクが戦うべき相手が見当たらないんです。

アンソニー・ジョシュア(イギリス)は2度倒しました。タイソン・フューリー(イギリス)も2度倒しました。ダニエル・デュボア(イギリス)も2度倒しました。英国ヘビー級のビッグネームは、もう全員制覇済みです。

じゃあ誰と戦うのか、となると、話題性で言えばデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)でしょうか。

ワイルダーはもうとっくに全盛期ではありませんが、それでもこの時代のヘビー級を象徴するボクサーの一人です。

ウシクがワイルダーを倒せば、「この時代を完全に制圧した」という称号を手にすることができる。その意味では、やる価値はあるのかもしれません。

ただ、個人的にはジョセフ・パーカー(ニュージーランド)の方が厄介な相手だと思うんですよね。パーカーのスピードとフットワークは、ウシクにとっても面倒な要素になるはずです。まあ、それでもウシクが勝つんでしょうけど。

それから、若手の超新星モーゼス・イタウマ(イギリス)との対戦を期待する声もあります。

ただ、これは双方が否定的。ウシクは「彼はまだ若すぎる」と言い、イタウマ側も「彼は年を取りすぎている」というスタンスです。そしてファンも、今この対戦を見たいとは思っていない。個人的には、イタウマにはもっと時間が必要だと思っています。

結局、ウシクは「戦う相手がいない」という、ある意味で最も贅沢な悩みを抱えているわけです。誰と戦っても勝ってしまうから、次の相手を見つけるのが難しい。これ、本当に困った状況ですよね。

 

 

 

シャクールに期待

そして3位のシャクール・スティーブンソン(アメリカ)。この男、実は今が正念場です。

井上尚弥もウシクも、相手が見つからないという意味で「不動」です。つまり、トップ2はそれぞれの階級で圧倒的すぎて、誰も挑戦者として名乗りを上げられない。だからこそ、彼らはP4Pの上位に居続けるわけです。

でも、シャクールは違う。彼はまだ「誰かと戦って、さらに評価を上げられる」段階にいます。つまり、動くべきは彼なんです。

1月31日、シャクールはテオフィモ・ロペス(アメリカ)を完封して4階級制覇を達成しました。

技術的には文句なしのパフォーマンスでしたが、問題は「次、誰と戦うの?」という点です。

シャクール本人が望む相手の筆頭は、デビン・ヘイニー(アメリカ)でしょう。ただ、この対戦、ウェイトで折り合いがつかないんですよね。シャクールは144ポンドでやりたい、ヘイニーは147ポンドでやりたい。

さんざん煽ってはいるものの、どちらも自分に有利な条件を引き出そうと譲らない。よくある話で、今すぐに決まるものではないでしょう。

そしてこの試合は、史上最高の「盛り上がっての塩試合」になる可能性があり、これこそがパンチスタッツのワーストを叩き出す可能性があります。それはそれで楽しみか。

それから、ライアン・ガルシア(アメリカ)との対戦も話題には上がりますが、これも階級差がネックです。ガルシアもウェルター級で戦っていますから、シャクールとの接点を見出すのは難しい。

結局、フェザー級から上がってきたシャクールと、PEDでウェルターで戦うガルシアでは、1階級の差は大きいと言えます。

じゃあ誰と戦うのか、となると、ここで面白いギャップが生まれます。

ファンが見たい相手と、シャクール自身が戦いたい相手が、噛み合わない。

たとえばアントワン・ラッセル(アメリカ)。技術的には面白い相手ですが、人気がない。マネーも見込めない。シャクールがアントワンを完封しても、大きく評価を上げる事はない。倒したら別だけれども、シャクールがアントワンを倒すとすると、大きなリスクを背負わなければならないでしょう。

1階級下のレイモンド・ムラタラ(アメリカ)も同様です。実力こそ申し分ないですが、やはりまだ知名度が足りず、アントワンと同様に派手さはないので、いずれにしろシャクールの求めるファイトマネーは期待できません。

アントワン、ムラタラあたりと戦ってくれるなら、シャクールにとっても良いファイトにはなりそうですが、報酬面は折り合わないでしょう。

シャクールは、テオフィモ戦で1800万ドルから2500万ドルのファイトマネーを手にしたと言われています。それだけ稼げるボクサーになった以上、次も同じくらい稼ぎたいと思うのは当然です。

でも、ファンが望む「技術的に面白い対戦」(もしくはシャクールを苦しめられる試合、もしくはワンチャンシャクールが負ける試合)と、シャクールが望む「マネーが見込める対戦」が一致しない。

これはかなり深刻なジレンマではないでしょうか。

シャクールがこのまま動かなければ、停滞します。P4Pランキングも下がっていくかもしれません。次に控えているのは非常にアクティブなジェシー「バム」ロドリゲスです。

逆に、人気ボクサーとの大一番を実現できれば、一気に評価は跳ね上がる。でも、その大一番が見つからない。

結局、シャクールは「動くべきなのに、動けない」という、なんとも歯がゆい状況に置かれているわけです。

 

 

 

それぞれの課題、それぞれの道

井上尚弥、オレクサンドル・ウシク、シャクール・スティーブンソン。P4Pトップ3のボクサーたちが抱える課題は、それぞれ全く異なります。

井上は、選択肢はあるものの、興味深い相手が少ない。ウシクは、もう戦う相手がいないという絶対王者の孤独。シャクールは、動くべきなのに動けないというジレンマ。

ただ、共通しているのは、この3人がそれぞれの階級で「次のステップ」を模索しているという点です。

そして、そのステップがどう転ぶかによって、2026年後半のボクシング界の勢力図は大きく変わるでしょう。

井上がバムと戦うのか。ウシクはどうするのか。シャクールが停滞を打破する相手を見つけられるのか。

どれも、今後数ヶ月の動き次第です。ファンとしては、この3人がそれぞれ上質な戦いを実現してくれることを、ただただ願うばかりですね。

 

 

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