結局土曜日は仕事をしているし、教え子の試合が近いこともあり今は観戦にいけないのですが、今日の名古屋の興行とホールの興行、どちらかに行けるとするならばやっぱりこちらを選びます。
ダイナミックグローブは、というか、基本的にはホールの興行はテンポがよく、3150と名のつくものは非常にテンポが悪い。私は、ボクシングだけ見せてくれれば良いので別に煽り映像もいらない。
日本のボクシングは煽りVを丁寧に作ってくれているイメージですが、はっきりいって演出はあったとしてもco-mainとmainぐらいでよく、他のカードには必要ないと思います。それがたとえ、元王者であったとしても。
日本のボクシング興行に足りないのは、華美な演出やストーリーではなく、「メリハリ」だと思います。
そうすることで、co-mainやmainの格も上がるのではないでしょうか。
と、話が逸れましたが、今回のブログは6/6(土)に行われたダイナミックグローブの観戦記。

6/6(土)東京・後楽園ホール
ユーリ阿久井政悟vsローリンツ・ビアソン
初回からいつも通りじわじわとプレスをかけるユーリ阿久井。ビアソンはしっかりとまとまったボクサーで、ちゃんとディフェンスの意識もあるし大きく振ってくるようなタイプではないようです。
それでもこのラウンドの中盤から後半にかけて、徐々にユーリ阿久井の右ストレートがヒットし始めています。対策はしてきたのでしょうが、結局は防げない、というのが「必殺技」というものです。
2Rもユーリ阿久井がプレス、ビアソンも非常に勇敢ですね。しかしビアソンの反撃はユーリ阿久井の固いブロッキングに阻まれ、何度も右を浴びて後退。
3Rにはビアソンが良いアッパーを当てる場面もありましたが、やはり全体的にはユーリのストレート、返しの左フックで下がらされています。このビアソン、タフですね。
5R、開始早々に右クロスを決めたユーリ阿久井、そこから一気にチャージ!この連打の的中率は相当なもので、そのままビアソンはダウン!
立ち上がったビアソンに対して更に詰め寄るユーリ阿久井、ここでビアソンも打ち返す気概を見せますが、やはりこの最中のユーリ阿久井の的中率がすごい。レフェリーは試合をストップ。
いやーやっぱりこの詰める時の迫力はすごいですね。その中でもしっかりと見えているのでしょう、このラッシュの最中のヒット率たるや。
ユーリ阿久井、見事な勝利。もちろん実力差はありましたが、ビアソンも気持ちの強い非常に良いボクサーでしたね。
日本バンタム級タイトルマッチ
梅津奨利(三谷大和)13勝(9KO)1敗3分
vs
栗原慶太(KOD LAB)20勝(17KO)9敗1分
さて、KO決着濃厚のパンチャー対決。当てたもん勝ち、勝つのは新鋭か、それとも古豪か。
これは本当に面白いマッチアップです。
個人的にはKODラボ所属の栗原慶太を応援です。
栗原がガッツリツーブロックで本当に栗みたいな髪型になっています。
さて、ゴング。
まずダブルジャブで攻め込んだのは梅津。栗原は強引にいかず、ジャブをついて、バックステップもしています。
お互いに早々に右の大砲を使っていく展開、ですが今日の栗原はジャブが非常によく出ています。
中盤、右のアッパーをヒットしてから攻め込む栗原、左ボディも良いですね。近い距離での打撃戦、栗原は右アッパーと左のボディを多用。梅津も回転力があり、左右のボディをよく打っています。いきなりバチバチです。
2R、やっぱり今日の栗原はジャブが本当に良く出ています。しかしこのジャブにアッパーを合わされる場面も。
このラウンドも早々に近い距離となり、栗原の左ボディが良い。からの右アッパー、これで一瞬梅津の動きは止まったように見えました。
もうコンビネーションではなく、一発一発を強振する打撃戦。お互いに一歩も退かない打撃戦は、押す力こそ梅津の方が強いように見えますが、強力なパンチをより入れているのは栗原に見えます。
3R、まだ3R目なのか、という見応えがある試合、というのは栗原慶太の真骨頂です。全体重を載せて体ごとぶつけるような右の打ち下ろしも恐ろしいですが、今日、冴えているのは右のアッパーカットです。
4R、距離が空いた状態でもジャブが良い栗原。近い距離ではアッパーです。
梅津も左右のフックには回転力があり、背の高い栗原に対しては狙いやすいのでしょう、左右のボディはよくヒットしています。
5R、体を預けながら攻める梅津。しかし頭が前にいくと、今日絶好調の栗原の右アッパーの餌食!この右アッパーからの左フックをヒットした栗原は、梅津のダメージを感じたか、更に力を入れた強振のパンチで追撃!
梅津はかなりのダメージを被ったように見えますが、それでもパンチを振るって応戦!しかしそこに栗原の右アッパーが刺さります!
栗原はチャンスですが、このチャンスがピンチになり得るのがパンチャー同士の対戦です。
ここからはほぼ相打ちのタイミングでパンチを放ち、どちらもかなり危険な展開!後半は梅津の左フックがよく履いているイメージ、しかし互いにリング中央から全く退く気配はありません!
6R、ここも接近戦スタート。お互いにダメージがありそうで、どちらもKO決着を狙っているのでしょう。
序盤に右アッパーをヒットしたのは梅津、しかしまた相打ちのタイミングでのパンチの交換となり、ここで栗原の左フックがヒット!これはとんでもないタイミング、梅津はこのあと若干手がでなくなります!
攻める栗原、最後も相打ちのタイミングで左フックをヒットした所でレフェリーが試合をストップ!!!
ダウンシーンはありませんでしたが、かなりの打撃戦、お互いにダメージを溜めていた事を考えるとストップは妥当だったのかもしれません。
栗原慶太、日本タイトル奪取!そしてKODラボ、初タイトルを奪取!ジム開設から早すぎますね。そういえば内山高志会長は日本タイトル獲ってなかったと思いますし、内山さんとしても嬉しいでしょうね。
これは本当に素晴らしい試合。真っ向勝負、力と力のぶつかりあい。
やっぱりこういう試合は感動しますね。
WBOアジア太平洋スーパーライト級タイトルマッチ
李健太(帝拳)11勝(2KO)1分
vs
富岡樹(角海老宝石)14勝(5KO)6敗2分
さて、メインイベント。富岡樹、都合4度目のタイトルショット。
それにしたって挑む王者は強い。
注目のメインイベント、ゴングです。
まずリング中央を陣取るのはゴンテ。プレスをかけて、鋭い踏み込みからのジャブ。富岡はカウンター狙い。
ゴンテは鋭い左ストレートを顔面、ボディへと散らし、これが非常に速い。
2R、中間距離の駆け引きの中で、先手を取るのはゴンテです。その打ち終わりに攻め込む富岡ですが、ちょっと現状は何もできていないか。
と思ったら後半、富岡がジャブからの逆ワンツーをゴンテにヒット。これを何度も当てさせてくれるゴンテではないでしょうが、サウスポーのゴンテに対してはやはり右がキーパンチとなりそうです。
3R、ゴンテはプレスをかけてロミオかをロープ際まで追い込んでいきます。そこから富岡が反撃しても、大きくバックステップするスペースがある分、富岡の仕掛けるタイミングがよろしくないように感じます。
そして、(予想できたことではありますが)ヒット数こそ少ないもののゴンテの左が幾度か富岡を捉えており、この流れの中で富岡がポイントを掴むのは非常に難しい。
4R、ゴンテはこのラウンドもプレスをかけ、序盤には左からコンビネーション。このプレスをかけて、自らがバックステップするスペースを確保しておく、という戦い方は、ゴンテにとって非常に良いのではないでしょうか。相手が下がってくれさえすれば、という注釈はつきますが、ゴンテのボクシング的に、ここまで非常に見栄えが良い。
このあまり良くない流れに対して、富岡が後半にチャージ。接近戦をしかけてゴンテを下がらせます。しかしさほど長くは続かず、終盤にかけてはまたゴンテがプレス。
5R、展開は変わらないものの、富岡のパンチのつなぎがよくなってきています。一瞬の交錯の際、ゴンテに負けないほどのスピードで打ち返しています。
6R、大きくサークリングする富岡。ゴンテは変わらずプレス。
中盤、ワンツーをヒットしたゴンテは、続けて右フックもヒット。ちょっと富岡は手が出ません。今日のゴンテは非常に力強く感じます。
7R、富岡も少し手数を増やしてきました。自分から攻める、ということはできています。ただもう後半、ちょっとここまで待ちすぎた感はありますね。
後半はゴンテの左カウンターがヒット。
8R、抜群の距離感を保ってプレスをかけるゴンテ、このラウンドは1分すぎに踏み込んでのワンツーをヒット。これで富岡は一瞬ぐらり、このチャンスにゴンテはチャージ!
しかしここで富岡も連打で押し返します。富岡としてもリスクはありますが、ここから勝利をたぐり寄せるなら攻めるしかありません。
9R、倒すしかない富岡が攻めます。しかし相変わらず後方のスペースに余裕をもって戦っているゴンテはまっすぐのバックステップでそれをいなし、左ストレートをヒット。
富岡としてはカウンター狙いも上手くいかず、自ら攻めても上手くいかず、かなり厳しい展開です。
それでもいかなければいけない富岡はプレス、ゴンテは大きくサークリング。
後半、富岡の右がヒットしてゴンテが顔を跳ねられる場面もありましたが、その後は続かず。
ラストラウンド、ガンガン攻める富岡。
しかしこの攻撃も実らず、中盤に入る前にゴンテにプレスをかけられてしまいます。
ゴンテはがっつり打ち合う事はせず、これは富岡からするとやりようがないかもしれません。富岡は続いて後半にはチャージも、接近戦でもゴンテは上手く、結局捉えきれないまま規定の10Rが終了。
ちょっと富岡、何も出来なかったに等しいか。
判定は、97-93×2、98-92、3-0のユナニマス判定で李健太。
力強さを見せた李健太でしたが、後半にはちょっと反撃を許したというイメージで、倒しに行くのか行かないのか、ちょっと中途半端な感じになってしまいましたかね。
ともあれ、完勝と呼ぶに相応しい内容だったと思います。
敗れた富岡、思ったより行けなかったかもしれません。それもまた、李健太の巧さなのでしょう。
今後も期待ですね。
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