6/10、フェニックスバトルはルーキーズフェスティバル。
藤木勇我のプロデビュー戦をメインイベントに据え、坂井優太、片岡雷斗、叶夢兄弟と大橋ジムのプロスペクトたちが大集合。
大橋ジム外からも、前戦で荒竹一真に勝利した坂田一颯、2025年度の新人王、石井竜虎といった若きボクサーたちが出場します。
チケットの前売りはソールドアウトだとか。
ということで今回のブログは、ボクシングファンの期待を背負って、日本ボクシング界の未来をギュッと詰めたような興行、フェニックスバトルの観戦記です。

6/10(水)フェニックスバトル
片岡叶夢(大橋)vsアタッチャイ・プラソエトリ(タイ)
先にプロデビューを果たした兄、片岡雷斗に続いてのプロデビュー。観客席にはすでにバンテージを巻いた雷斗の姿も。
低い姿勢でプレスをかけていくサウスポー、片岡叶夢。
初回からアタッチャイをロープに詰める場面が目立ち、そこから長い左右を打っては少しずらしてアタッチャイの反撃を躱します。
初回は随分後手にまわっていたアタッチャイですが、2Rにはいると自ら出る場面が出てきます。ただ、片岡はかなり懐が深く、アタッチャイは前に出るに出られません。当たる気がしないのでしょう。
このラウンドも片岡の左ボディストレートが冴えます。突き刺すようなこの左は素晴らしいですね。そこからアタッチャイの反撃は当たらず、それを躱して片岡が攻める、という殺戮ショー。
当たる気はしないけれども前に出なければ話にならないアタッチャイ、被弾覚悟も前進。しかし真ん中を抜かれて左をもらい、打てば片岡のバックステップで当たらず。
このラウンドの後半、またもアタッチャイをロープに詰めた片岡は、左ストレートをヒットしてアタッチャイを下がらせ、ストップをもとめて連打。そしてレフェリーはストップ。
片岡叶夢、3RTKO勝利。
この相手ではまだ何とも言えません。ここ最近の元トップアマたちは、プロになったからといって変な気負いは感じません。時代ですね。
坂田一颯(S&K)vs上田るか(石田)
前戦で大橋ホープ、荒竹一真を破る金星を上げた坂田。これは新人王西軍代表決定戦からの再戦となるんですね。2年半ぶりのようです。
軽やかなステップをみせる坂田、非常にリズムが良い。また、反応も良い。
上田もステップから一気に鋭い踏み込み、上体も柔らかいですね。
両者ともにミニマム級らしいキビキビとした動き。坂田が攻めた時、若干上田のバランスが悪いか。
坂田のジャブ、その後に踏み込んでのワンツーを狙う上田。これはタイミングが良い。ただ、坂田のジャブのタイミングも良いですね。上田が入ってこようとするところでジャブ。
3R、上田の左フックがあってきたか、とおもったら坂田が左ストレートをヒット。上田の右のあとに坂田が左をヒット、このラウンドは後半にも坂田が左のボディから右のフックをヒットしてその後チャージ、大きな見せ場をつくっています。
4R、今度は上田がラッシュ。この上田も非常に回転力があります。このラウンド、意を決したかのように上田は打ってでて、長い距離での右をヒットしています。
前ラウンドのダメージはなさそうです。
坂井もその後左をヒットして盛り返していますね。上田は鼻から出血。
5R、上田は遠い距離から一気にしかけ、近い距離でパンチをまとめます。この戦い方に活路を見出しているか、中間距離では坂田のジャブ、長い左が若干上でしょうか。
6R、中盤に入る頃から接近戦。ちょっと坂田の頭がより揺れている、ようにも思います。体も上田の方が強そうでしょうか。
しかし坂田は単発ながらも的確にパンチを当て、そして近い距離での右フックカウンター!倒れた上田、レフェリーは即刻ストップ!
坂田一颯、6RTKO勝利!
またも衝撃的なノックアウト勝利、坂田一颯。そしてまたも、カウンターです。
かなりのカウンターセンスを感じる坂田、次戦にも期待ですね。
川淵一統(ABC)vsプームリット・チョンランタンドムロンクン(タイ)
川淵は今回、スーパーウェルター級戦。今後はスーパーウェルター級で戦っていくのでしょうか。
初回からプレスをかけて、プームリットを追い詰めていく川淵。サウスポーらしく前手をチョンチョンとつかって、相手が出てきた所にカウンター。
2Rにはいるとプームリットも結構思い切って振ってきます。このボクサーも20勝中18KOとKO率が高く、プロ4戦目の川淵と比べればプロキャリアがかなりあり、なかなか侮れませんね。
プームリットは近い距離だと回転力を増しますが、中間距離では圧倒的に川淵。川淵的には、インサイドに入られなければ怖さはなさそうです。
4Rは左のダブルをヒットして、その後ラッシュにもっていく川淵。5Rもプレスをかけてダメージを与えていきます。
しかしなかなかタフなプームリット、ロープを背にしても諦めることはありませんし、逆転を狙っていますね。これはいわゆるタパレス戦法で、こうなるとなかなかに倒しづらい。
7R、川淵がショートのカウンターを決めても構わず打ってくるプームリット。タフなボクサーで、この戦法というのは非常に相性が良い。
8R、川淵は更にプレスを強めますが、プームリットはまずディフェンス、からのリターン戦法ですから、倒し切る事はできず。
ほぼフルマークの3-0で川淵の勝利、フルラウンド戦えたのは良い経験になったでしょう。
片岡雷斗(大橋)vsスリヤ・プッタルクサ(タイ)
サンダー雷斗、プロ2戦目。
はっきり言えばデビュー戦よりも劣る相手、ここは会心のノックアウト勝利を期待したいところです。
初回、低い姿勢からプレスをかける片岡。ちょっとぬるりとした動きのスルヤ。
若干捉えづらそうな動きをするスルヤに対し、1分が経とうか、というところで片岡は長い右を難なくヒット。
スルヤの攻撃に対してはバックステップ、そしてサイドへのピボットでかわす片岡。ピボットで、かわす、というのはとんでもないことです。
中盤、大きく振ってくるスリヤ。これをしっかりと対処した上で再度プレスをかけた片岡は、上へのワンツーを見せての左ボディ!
これでスリヤは悶絶、ダウン!!
これはたてないですね。。。レフェリーはテンカウントを数え上げ、片岡雷斗1RKO勝利!
とんでもないですね。
石井竜虎(渡嘉敷)vsマーロン・パニアモーガン(フィリピン)
2025年度の全日本新人王、石井。過去、大きなレイオフ期間をつくりましたが、復帰してからは大人になった感じがしますね。
このパニアモーガンは勇敢なボクサー、気負わずにいけるか。
初回のゴング、やや落ち着いた立ち上がりで、サークリングする石井。先に手を出していったのはパニアモーガン、あまりキレがあるとはいえないワンツー、距離が近くなって石井の右フック、これはクリーンヒットではありませんが、パニアモーガンは下がります。
下がると一気に出る石井、しかしそれでも相手をしっかり見つつ、闇雲な連打ではなく力強いパンチをまとめていきます。叩きつけるような左、これでパニアモーガンはダウン!!
立ち上がったパニアモーガンに対して、石井はガードを固めてプッシュ、パニアモーガンが下がるとパンチを出しながら追いかけ、最後は相手の右に対しての右カウンター!!
これはたてません、石井竜虎、初回TKO勝利!
とんでもない、丸太みたいな腕してますね。石井竜虎。
日本のウェルター級はとんでもないパワーファイターばっかりですね。
このあと、中山聖也のプロテスト。アマの試合用のヘッドギア、でのスパーリングって結構珍しいですね。
坂井優太(大橋)vsフローイラン・サルダール(フィリピン)
さて、坂井優太のプロ8戦目。この8戦目にして、元王者、そして過去最強の相手です。
大注目の一戦、ゴング。
初回のゴング、忙しく動くのは坂井。サルダールはゆったりと構え、ベテランらしい雰囲気です。
サルダールはゆったりと構えてはいるものの、動く時は素早く動く、緩急をつけて戦えるいやらしいボクサー。スピードはおそらく坂井の方がありますが、この緩急というのは速く見えるので、厄介ですね。
2R、前半、浅くも長い左をヒットした坂井。中盤にもサルダールの攻撃を外した後でワンツーをヒット。その後、密着状態から左、でしょうか、サルダールがダウン。スリップに見えましたが、パンチがあたっていたようです。
急がない坂井は、ジャブからの左ボディ。そして続けて同じく左ボディを突き刺すと、サルダールはダウン!おっと戦意喪失か?立ち上がったところでゴング。
3R、サルダール、どうやらまだ諦めないようです。坂井は一度大きく回った後で、長い左のボディ。ノックアウトチャンスでも焦る気配はありません。
サルダールもワンツーを打ってがんばりますが、坂井の左が上にくるか下に来るかの判断がつかず、リング中央を陣取りながらもキツい展開。
4R、おそらくサルダールからすれば当たる気が全くしないでしょうから、手数が少なくなるのも致し方ありません。どころか、打てばカウンターが飛んでくるのですから、坂井の打ち終わりを狙うほかありません。
しかし坂井は雑になることがなく、その打ち終わりを狙うタイミングも少ないときています。
5R、このラウンドは腹を括ったのか、サルダールがワンツーで出てきます。しかし坂井はそれをステップでかわすと、右フックでサルダールの顔面を弾き、とにかく隙のないボクシング。
この上体でもしっかりと顔面をカバーし、生真面目なボクシングを披露する坂井。ボクシングというのは性格が出ますね。
6R、サルダールが踏み込んだ時、ツーにあわせる坂井の左ボディアッパーカウンター、これは超怖い。すでに墓dぇいでダウンを奪われているサルダールにとって、一番嫌なパンチなんでしょうが、サルダールはそれでもツーを出してきますね。さすが元王者です。
しかしその元王者の気概を打ち崩す坂井の長いジャブ、そして左のボディショット。このラウンドの終盤は、坂井がチャージして終了。終わりは近いか。
7R、坂井は顔面をしっかりカバーした状態からサルダールを観察、そして鋭いワンツーをヒット。これで下がったサルダールに対して強いプレスをかけてコーナーに追い詰めると、ここでチャージ!
左右のフックをゴツンゴツンと振るい、手が出ずに腰が落ちていくサルダールをみて、レフェリーがストップ!!
坂井優太、7RTKO勝利!
元王者を相手に、完璧な勝利と言えます。坂井優太。
被弾もほとんどなく、その強さをしっかりと見せつけましたね。
日本バンタム級3位、OPBF東陽太平洋バンタム級3位。日本王者は栗原慶太、OPBF王座は空位。
空位?とすると、もしかすると年内決定戦出場あるかもしれませんね。
藤木勇我(大橋)vsウィラ・ミカム(タイ)
諸先輩たちをさしおいて、藤木勇我のプロデビュー戦がメインイベント。
相手は3度目の来日のウィラ・ミカム、地域タイトルへの挑戦経験もあります。負けているとはいえ、21勝(13KO)2敗という戦績は、伊達ではありません。
キャリアがある相手だから、はぐらかされないことを願います。
初回のゴング、すぐにしっかりとプレスをかけていく藤木勇我。打ってはでかいバックステップで距離をとりもらわない距離に移動すると、またすぐに大きく踏み込んでボディショットをヒット。
ウィラも非常に強気に攻めますね。近い距離では左右のボディ、手数を出してきます。
離れ際には藤木の鋭いジャブ。ウィラ・ミカムは上手くは見えないですが、これはこれでやりづらいリズムかもしれません。
後半に入ろうかという所で藤木のジャブカウンターでぐらりときたウィラ。
後半にかけて藤木はしっかりとジャブを突きながら距離を詰め、ウィラの攻撃をブロッキングしたのちに的確にヒットを奪っていきます。もう終わりそう。
2R、ウィラはあまり足元がよくありません。もともとこんなんか?
右のスイングをしたあとに藤木の右リターンを浴び、たたらを踏んだウィラ・ミカム。しかしそれでも左右のボディを連打して攻める姿勢を見せるウィラ、しかしジャブを打てば右クロスを浴び、顔面にガードを持っていけばボディを浴びる展開で、その後の接近戦でも空いたところにパンチをもらい続けています。
後半に入ろうか、というところで藤木の右カウンターがヒット、そこからチャージする藤木、もらいすぎたウィラ・ミカムをレフェリーは救い、試合はストップ!
藤木勇我、2RTKO勝利!
プロ20戦以上の相手に、力の差を感じさせるパフォーマンス。
ここから、どのようなキャリアを見せてくれるのか、非常に楽しみですね。
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