スーパーフライ級は、ジェシー「バム」ロドリゲス(アメリカ)の王座返上により大きく動きそうです。
バムは先日、保持する3つの王座すべての返上を発表。そしてこの事はすでに公然の秘密だったらしく、各王座の決定戦の情報は間もなく明るみに出そうですね。
このスーパーフライ級という階級は、バムが王座統一に乗り出していたがために長らく動きがなかった階級で、日本人コンテンダーも詰まってきている状態でしたから、ここから一気に動きます。
そしてもう一つ、4団体統一王座を保持する絶対王者、井上尚弥が統べるスーパーバンタム級もタイトルショットの動きが非常に少ない階級です。
こちらも長く王座に君臨し、さらにこれまではしっかりと指名戦をこなしてきたからこその動きのなさ。
しかしここからは、対戦相手を選び、これまでのようなハイペースでは試合をしないことを明言しています。
ここで井上尚弥が選ぶのは、一部の王座の返上か、転級か、となるわけですが、結局数多のボクサーたちは「井上尚弥の次」を狙って動きが活発化してくるのでしょう。
ということで今回のブログは、今後のスーパーバンタムについて。

ラモン・カルデナスvsサム・グッドマン
今週中に発表された、WBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦、ラモン・カルデナスvsサム・グッドマン。
しかしそこから数日後、早々にこの試合は取り消されたとの報道がありました。
一体何だったのか。。。
ともあれ、この試合の目指すところは明確で、この試合の勝者が暫定王座を手にし、井上尚弥が返上もしくは転級のあとは正規王座に繰り上がる、という寸法のもの。
WBCは現在、1位中谷潤人(M.T)、2位サム・グッドマン(オーストラリア)、3位西田凌佑(六島)、4位ラモン・カルデナス(アメリカ)ですから、まだ納得性のあるマッチアップでしたし、このカルデナスvsグッドマンというのは日本のボクシングファンにとっても見どころの多い試合でしたから大歓迎だったので残念ですね。
片や、グッドマンには西田凌佑も対戦意向を示しており、これはIBFの指名挑戦権を持つ両者(1位西田、2位グッドマン)がIBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦を行う、ということについては、納得性のあるものです。
いずれにしろ、井上尚弥は近く試合の予定もなく、暫定王座設置を求めるのは通常のムーブでしょう。
前戦で挑戦権を獲得した西田陣営は、井上の防衛戦の予定がないことを理由としてグッドマンとの暫定王座決定戦をIBFに要求した、というニュースになっています。
オファーとしてはこちらの方が先でしたが、後で流れたニュースがカルデナスvsグッドマンだったので、そっちに行ってしまったのか、と思いましたが、おそらく日本開催となるこの西田vsグッドマンの方がたぶん報酬が良いので、グッドマンはこちらを選ぶのではないでしょうか。
これはこれで大変に興味深い試合ですが、あのエマニュエル・ロドリゲスに勝利した西田ですから、スキルフルなグッドマン相手にもきっとやってくれるはずです。
となるとWBCは?
と、なると、WBCはどうなるのでしょうか。前述の通りWBCのランキングにも西田もグッドマンも入っていますから、1位の中谷と4位のカルデナスとなるか、というとそうはならないと思われます。
前戦で眼窩底骨折をした中谷は、まだ復帰の目処がついていないですし、カルデナスはこのグッドマン戦が流れたことで8月のProBox興行に出場する(対戦相手未定)ということが報じられています。
ちなみに5位は、井上戦での敗戦からの復帰戦を飾ったばかりのムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、6位はアラン「デビッド」ピカソ(メキシコ)です。
この辺りのボクサーが絡むのは非常に面白いですね。
もしも8月、カルデナスが王座決定戦に出場し、アフマダリエフなりピカソなりと闘うのならば、この戦いも非常に興味深いものになりそうですね。
ちなみにその次、7位には中嶋一輝(大橋)がつけていますが、王座決定戦のチャンスが巡ってくるか、というと通常は難しい。
WBOは1位がカール・ジェームス・マーティン(フィリピン)、過去にWBOグローバルのタイトルを獲得したのが効いているのでしょうか。これは2023年の話ですが、それ以降もコンスタントに試合を行う事でランキングをじわじわと上げてきたのでしょう。
2位中谷、3位グッドマンに続き、4位はジェルウィン・アンカハス(フィリピン)。5位にルイス・ネリ(メキシコ)が入っていますが、前戦で情けない試合をしてしまったのでランキングの大幅ダウンは避けられないでしょう。
なお、6位には我らが小國以載(角海老宝石)、7位には村田昴(帝拳)にアップセット勝利を収めたガブリエル・サンティシマ(フィリピン)がいます。
ここは政治的に強そうなボクサーがいないので、どういう流れになるのかは見ものです。
唯一、暫定王座を設置しているWBA
こっそりと抜け駆けして暫定王座を設置したWBA。しかしその暫定王者がビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)であり、この暫定王座決定戦で降した相手はノエル・レイジェス、かつてザッパトウキョウとしてピューマ渡久地ジムに所属、日本でプロデビューしたボクサーでしたね。
本国(ドミニカ)に戻ってからは連勝していましたが、日本での6戦は3勝3敗。
本国での戦いは、勝ってこそいましたが名のある対戦相手はおらず、当然、世界戦に出るには物足りないレジュメのボクサーでした。
だから当然、このWBA暫定王座というのはほとんど価値がないものであり、もし井上尚弥がWBA王座を返上したとしても、このサンティリャンが繰り上がってレギュラー王者になるとは考えづらいものです。
というか、なってほしくはないですね。
仕切り直しをするとすれば、トップコンテンダーのムハマド・チェーホフ(ロシア)が対象でしょうか。
2位はカルデナス、3位はアフマダリエフ、4位にはゲイリー・アントニオ・ラッセル、5位に中谷と続きます。
井上尚弥に負けようとも、あんまりランキングが落ちない決まりにでもなっているのでしょうか。王座の変動どころか、ランキングの変動すら見られない状態が続いているようです。
ちなみに6位には下町俊貴(グリーンツダ)が入っていますが、こちらは明確にフェザー級に転級を発信しています。
アフマダリエフは一応スーパーバンタムとフェザーを両睨み、みたいなニュースが流れていたと思います。
井上尚弥「後」
そんなわけで、ランキング上位を見渡した所、すでに井上尚弥に敗れたボクサーが大半を締めているこの階級。
果たして、井上尚弥はこのまま4団体を保持し、各団体が忖度して指令を出さないという可能性も大いにありそうです。
もし指令を出したとしても、準備段階から盛り上がるファイトになりそうにはなく、唯一可能性がある中谷潤人ですら、日本のファンはこのリマッチを歓迎する人はそう多くはないでしょう。(ダイレクトリマッチになってしまう可能性があり、たとえ1戦挟んだとしても初戦と2戦目が近すぎるきらいがあるため)
考えれば考えるほど、vs井上尚弥を想定すれば、「ファンが望む試合」はこの階級にはありません。
バムがバルガスを圧倒することを必要条件として、可能性を感じるのみ。やっぱり個人的には、このバム戦で4団体を返上、フェザー級に転級というのが綺麗なのではないかと思います。
そうして4つ空けば、これは俄然アツい。
上位につける中谷、カルデナス、グッドマンは、いったいどのタイトルを狙うのか。
西田凌佑については、IBF一本だと思いますが、そこに中嶋一輝や、ともすれば武居由樹(大橋)はどのように絡んでくるのか。
小國のファイナルチャレンジはどうか。
村田昴の復活はあるのか。
あと、シャバズ・マスードといった英国プロスペクトたちとの対戦はあるのか。
ああ、中谷潤人を大いに苦しめた異常個体、セバスチャン・エルナンデス(メキシコ)の存在も忘れてはいけませんし、日本の地域王者、石井渡士也(RE:BOOT)、池側純(角海老宝石)もここから2-3年は勝負の年でしょう。
すべては我らがP4Pキング、井上尚弥の動向待ち。
ということでスーパーバンタム級が大きな動きを見せるのは来年以降となるのでしょうが、それまでの駆け引き、根回しはそろそろ始まりそう。注目しましょう。
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