80年代の「黄金の中量級」という時代を経て、大人気階級となったウェルター級。
以降、この階級では多くのスーパーファイトが繰り広げられてきましたが、今、この階級は盛り上がっているのでしょうか。
純粋なボクシングで盛り上がっている、というよりも、若干イロモノめいた盛り上がりを感じる伝統のウェルター級。
ということで今回のブログは、このウェルター級の現状を見ていきましょう。
ルイス・クロッカーvsリアム・パロ
IBF世界ウェルター級タイトルマッチとして行われるこの試合は、英国、ベルファストの王者が挑戦者の地元オーストラリアに乗り込んで行われた試合です。
これはかなり珍しいと言える事で、基本的にイギリス人王者たちは、日本の王者たちと同様に英国外に出ることは稀。
しかもそれがオーストラリアというさほどボクシングが盛んではない地域だと考えると、かなりのレアケースです。
それだけ自信があるのか、それともパロ側が大きなファイトマネーを積んだのか。
リアム・パロは素晴らしいボクサーで、以前にはサブリエル・マティアスに勝利してIBF世界スーパーライト級王者になった経験を持っています。
オーストラリアで行われたこの一戦は、日本では見る術なし。地域によってはDAZNでも中継されていたようですが、これは残念。
結果は挑戦者、パロがクロッカーを降して2階級制覇、どうやら素晴らしいクロスファイトだったようですね。
ちなみにWOWOWが7/20(月)に放送してくれるようです。
ともあれ、このテクニカルな試合を制したリアム・パロ。人気王者がひしめくこの階級で、どのようなキャリアを築いていくのかは楽しみにしておきましょう。
大人気のデビン・ヘイニー
さて、この階級の最強の王者と目されているのは、WBO世界ウェルター級王者、デビン・ヘイニーでしょう。
とにかく距離を取るディフェンスで、おどろくほどつまらない試合をする名手。彼のファイト(というにも気が引ける)の経歴の中で、「凡戦」と呼ばれるものはいったいいくつあるのでしょうか。
ともあれ、この攻略しづらく、さらに試合をしてもエキサイティングにならないヘイニーが、なぜだか大人気です。
普通に考えれば、このヘイニーと試合をする、ということは、結局評価を落とす事に直結するのではないかと思っています。
だから、「誰もやりたがらない」が当然のムーブかと思うのですが、SNSでやりあっているからなのか、ともかくヘイニーの対戦相手候補で名前の上がる選手の多い事。
少し前はシャクール・スティーブンソンがヘイニーに仕掛け、そして今度はジャーボンタ・デービスです。
ヘイニーvsシャクールというのはある種興味深い戦いではありますが、はたしてヘイニーvsタンクというのはどれほど関心を引く戦いなのでしょうか。
もしこれがウェルター級で起こるのならば、タンクはあまりにも小さく、さらに、あまりにも大きなブランクを抱え、さらにさらに、モチベーションだって曖昧です。
明らかにヘイニーが優位なファイトであり、そしてタンクは大きく評価を下げる結果となる結末が殆ど見えています。
まあ、タンクはすでに終わったボクサーという評価もあるわけで、もしかすると下げるほどの評価を持っていないかもしれません。
話題にはなる、エンタメファイトに近いもの。
タンクの初黒星を見るのか、それとも打たれて弱い(とはいえ、最近はある一定のタフネスは示しているように見える)ヘイニーに、一発を当てられるのか。
前戦でブライアン・ノーマンJr.をあの形で退けたヘイニーに今のところ死角は見当たらず、さらにここまでヘイニー戦を熱望する大物たちが跋扈するのですから、ヘイニーはこれから大きく稼げるのかもしれませんね。
合意!ロランド・ロメロvsテオフィモ・ロペス!
さて、そんなヘイニーが実質敗北を喫したのはPEDの効果込のライアン・ガルシア。
そしてそのライアン・ガルシアに、まさかの判定勝利を得たのがWBA世界ウェルター級王者、ロランド・ロメロです。
しかしながらこのロメロ、非常に評価が低い。
ガルシア戦では、結果だけを見ればダウンを奪う快勝(笑)を見せているにも関わらず、です。
「メンヘラ」ガルシアは前戦でマリオ・バリオスを破ってWBC世界ウェルター級王者になっており、ここから是非とも会心してほしいところですね。
ともあれ、そのガルシアがロメロを相手にして攻め込めなかったのは、ロメロに思いのほかパワーがあったからだ、と言われています。
おそらく、このロメロのパワーは本物なのでしょう、その試合でおクスリに頼っていなかった(たぶん)ガルシアは、ロメロのパワーにビビってしまったことは考えられる事です。
さて、そんなロメロに、2階級制覇王者テオフィモ・ロペスが挑戦する、という噂。
現在、口頭で合意しており、後は詳細を詰めて正式発表を待つだけのようです。試合日程は8月、これは人気者テオフィモ・ロペスにとって、絶対に負けられない戦いです。
前戦、スーパーライト級でシャクールに刃が立たなかったテオフィモ・ロペス。
スーパーライト級に上がってから一気にKO率が落ちてしまったテオフィモですが、生粋のカウンターパンチャーであり、ロメロとは相性が良いはずです。
加えて、ロメロは暫定も含め、すべてWBAで王座をとった3階級制覇王者ながらも、なんとリングマガジンランキングでは10位にも入っていません。現在の肩書はWBA世界ウェルター級「レギュラー」王者で、直接対決で現WBC王者ライアン・ガルシアを(一応)降したにも関わらず、です。(ちなみにガルシアはリングマガジンランキングでウェルター級の5位にランクイン)
嫌われてんのか。。。。
私は昔、プロスペクト時代のロメロは好きでした。倒し方がワイルドで、良いボクサーだと思ったからです。
その後、気持ちの弱さを見せたり、優遇されている姿を見て「お笑い枠」という認識に変更。決して評価は高くありませんが、もしかするとガルシア戦のように相手を警戒させる何かを持っており、それは、比較的慎重なテオフィモに勝利する、という可能性もなくはないかもしれません。その場合、試合は面白いものにはならないかもしれませんが。
ともあれ、この試合はある種興味深いファイトですね。
ロランド・ロメロにとっても、テオフィモ・ロペスにとっても、真価を問われる試合です。
ということで、今年まだまだエンタメ枠として楽しめそうなウェルター級。
皆さんも楽しんでいきましょう。
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