さてさて、やっぱりボクシングはアメリカ、という雰囲気を見せてくれた、先週末のザンダー・ザヤスvsジャロン・エニス。
老舗トップランクが非常にリスキーなマッチアップに了承してくれたことで、素晴らしいファイトを見せてくれた事に感謝です。
そして今週末もトップランク興行。
もちろん、世界中でDAZNで配信されるわけですが、日本ではWOWOWが中継。
ライブ配信をしてくれるのは嬉しいですが、日本版DAZNの配信は無し。
なかなかややこしい契約になっていますね。
私個人は日本語解説が邪魔になるタチなので、DAZNで良かったんですが、WOWOWになくなってもらっても困ります。微妙なところです。
さて、ということで今回のブログは、アブドゥラ・メイソンvsアルバート・ベルをメインに据えた、トップランク興行のプレビュー記事。

7/4(日本時間7/5)アメリカ・オハイオ州
WBO世界ライト級タイトルマッチ
アブドゥラ・メイソン(アメリカ)20勝(17KO)無敗
vs
アルバート・ベル(アメリカ)28勝(9KO)無敗
前戦でWBO世界ライト級王座決定戦に勝利し、WBO王座を獲得したアブドゥラ・メイソン。
弱冠22歳という年齢ながらも、アメリカボクシング界の未来を背負って立つうちの1人、という才能の持ち主です。
才能、とは言ったものの、ボクシング一家に産まれた彼には、才能という簡単な言葉で片付けてはいけないのでしょう。
2021年、トップランクと契約してプロデビューしたメイソンは、これまで20戦して全勝。その強さは誰が見てもわかりますが、時に相手を打ちのめそうと突っ込みすぎて被弾、ダウンを奪われる等も経験しており、脇が甘い部分もあることも確かです。
しかしやはり、倒しにいく姿は非常に面白く、フロイド・メイウェザーが作った「負けないスタイル」のアフロ・アメリカンのボクシングよりももちろんこちらの方が好感が持てます。
4回戦で1度、6回戦で1度の判定勝利を経験する以外、すべてノックアウトで相手を退け、掴んだWBO王座決定戦というチャンス。この王座は、キーショーン・デービスが保持していたもので、体重超過で王座剥奪となった末、無敗プロスペクト同士の王座決定戦としてアブドゥラ・メイソンvsサム・ノークスという垂涎のマッチアップが組まれました。
2025年、11月。この試合はメイソン優位であったものの、これまでのダウン経験なども含めて、ノークスにもチャンスがあった、とされる試合です。
この試合は終始真っ向勝負、素晴らしいファイトでしたね。
↓観戦記
このファイトでアブドゥラ・メイソンが証明したことは非常に多く、まずはこれまでの最長ラウンドが6Rだったわけですが、それが12Rとなったこと。
そして、自分が行き過ぎさえしなければ、ノークス(当時18勝16KO無敗)のパワーにも十分耐えられるタフネスを有していること。
そして前に出ても戦えるし、下がりながらのカウンターも狙える、さらにそれがフルラウンド集中力を持って戦える、ということを示したと思います。
まだ22歳にして、非常に完成されたボクシング。ここからキャリアを重ねれば、より慎重に、より大人な戦いになっていくと思われますから、今こそエキサイティングなアブドゥラ・メイソンの見時だと思われます。
対するアルバート・ベル、こちらも未だ無敗のボクサーです。
最近のアフロ・アメリカンのボクシングそのもので、やや後ろ荷重で戦う、テクニシャンと呼ぶに相応しいボクサーです。
このスキルフルなボクサーを相手に、メイソンはどのような戦いを見せるのか。
このファイトは、もともとメイソンvsジョー・コルディナというファイトでしたが、コルディナが米国に入国できず、ベルが代役出場、という流れ。
ただし、もともとベルも7/18にアンディ・クルスとIBF世界ライト級挑戦者決定戦を予定していたわけですから、挑戦は微調整。このチャンスに、万全に仕上げてくるはずです。
当然、この試合はアブドゥラ・メイソンがAサイド。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることに期待。
WBC世界フェザー級タイトルマッチ
ブルース・カリントン(アメリカ)17勝(10KO)無敗
vs
レネ・パラシオス(メキシコ)19勝(10KO)無敗1分
我々日本のボクシングファンにとっても注目のフェザー級王者、ブルース・カリントン。
現在のフェザー級先生では、このカリントンか同じくトップランク所属のラファエル・エスピノサ、この2人が両巨頭と言えるでしょう。
相手をよく見て、スキルで戦うスタイルのカリントンは、誰にとってもやりづらい存在であることは間違いありません。
前戦でWBC世界フェザー級王座決定戦に出場し、難敵カルロス・カストロを完璧なノックアウトに沈め、世界王座を戴冠しています。
↓観戦記
ちなみにこのカストロ戦の前の試合も、WBC世界フェザー級暫定王座決定戦でしたが、なかったことにされている模様。
ともあれ、このカストロ戦はカリントンにとってベストパフォーマンスでもあり、王者の証明でもあった試合。
途中、ピンチもありながらもノックアウトに切って落としたこのパフォーマンスは、フェザー級においてエスピノサと並び称されるにふさわしいものだったと思います。
そんなアメリカン・エリートであるカリントンにとって、今回の防衛戦は「勝って当然」というファイトであり、彼のプランとしては防衛を重ねながら、さらに可能であれば統一をしつつ、井上尚弥を待つ、ということだと思います。
チャレンジャーはレネ・パラシオス、若き無敗のメキシカンです。
ニックネームは「Zurdo」ですからサウスポーなのでしょう。
前々戦までは強豪との対戦経験はなかったボクサーでしたが、前戦でフェザー級のゲートキーパー、スライマン・セガワに2-1のスプリット判定勝利。
NABFフェザー級タイトルを獲得しています。
メキシカンというのはいつもアップセットを起こせる人種。カリントンには油断せず、しっかりとボックスしてほしいところですね。
唯一の不安は、カリントンが井上の名前を出して挑発している、というところでしょうか。これまでだいたい「Inoue」と名前を出すと負ける、という呪いがありますから、この呪いをカリントンは打ち破れるか。
タイガー・ジョンソン(アメリカ)17勝(8KO)無敗
vs
クリストファー・ゲレロ(カナダ)16勝(9KO)無敗
他にもアンダーカードにも興味深いファイト。
デランテ「タイガー」ジョンソンも登場です。
トップランクの看板ボクサーたち、メイソン、カリントンに続き、タイガー・ジョンソンも無敗の対戦相手とのファイトです。
ザヤスvsエニスもそうでしたが、トップランクはDAZNからの圧力なんでしょうか、結構思い切ったマッチメイクをしてきますね。
無敗というのは何かがあるから無敗なわけで、レジュメはどうあれ「底を見せていない」という対戦相手は、金の卵のように大切にボクサーを育てているトップランクにとっては怖い存在のはずです。
ゲレロ、名前的にヒスパニック系のカナダ人であり、さらにニックネームが「マシンガン」というのは、そのファイトスタイルは明らか。
この場合、あまりの物量に屈してきたエリートたちは数知れず。
ジョンソンにとっても勝負の一戦となりそうですね。
その他のアンダーカードと配信情報
その他のアンダーカードには、11勝(10KO)無敗のライト級トップランク・プロスペクト、デリック・デービス(アメリカ)が登場。これまでヘンリー・レブロン(プエルトリコ)やドミトリー・アサナウ(ベラルーシ)といったプロスペクトたちの相手を担ってきたカルロス・ラモス(スペイン)との一戦。
そして、他にもこの興行にはメインイベントに出場するアブドゥラ・メイソンの兄、アブドゥラクマン・メイソン(アメリカ)、そして弟のイブラヒム・メイソン(アメリカ)も出場。
メイソン一家は5人兄弟、ボクシング界のジャクソン5とも呼ばれているそうですね。
配信は、日本ではWOWOW。
配信開始は、日本時間7/5(日)AM9:00から、とのことなので、デリック・デービスvsカルロス・ラモスからでしょうか。メイソンの兄弟がリングに上がるプレリムスは、当日DAZNのYoutubeで視聴可能だと思います。
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