信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】2022東日本新人王決勝戦、vol.2。フェザー〜ミドルまでの大激闘の記録。

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11/3(木)、東日本新人王決勝です。

本当は見に行くつもりだったんですけど、11/1に埼玉に行って、3日にホール、というのもそういうわけにはいかず。

ということで日テレG+を視聴です。

私は新人王トーナメントを注視していないので、実質この東日本新人王決勝と、11/6(日)に行われる西軍代表決定戦が初見。

そんなこんなで、今回のブログでは東日本新人王決勝の観戦記、vol.2(フェザー級〜ミドル級)です。

 

フェザー級5回戦

柿元蓮(ワタナベ)vs廣瀬祐也(協栄)

初回、静かな立ち上がり、オーソドックスの柿元、サウスポーの廣瀬、ともに前手を触覚のようにつかい距離を測ります。

さほど動きがない中で、廣瀬の方がやや積極的にワンツーを放っているか。

2R、同様に遠目の距離からのボクシング。やはり廣瀬は力強いワンツーで攻め込んでいきますが、柿元は後手。廣瀬が攻め込んできた時にこそリターンを返しますが、ちょっとこれではポイントは廣瀬に流れるでしょう。

3R、序盤、柿元が踏み込んでワンツー。こうして先に攻める事が柿元にとって肝要です。

それでもやはりリズムが良いのは廣瀬、ステップワーク、前手でのパリングからワンツーとテンポの良いボクシングを展開します。

 

後半にも左ストレート、左ボディも含めて廣瀬が抜け出した印象。

4R、柿元がプレスをかけていきます。廣瀬はサークリングしながらこのプレスをかわしてワンツー、ちょっと柿元はプレスをかけきれず、またなかなか手を出す事もできません。

廣瀬は上手く話を支配しており、タイミングも良い左をヒットしていますが、致命的なダメージを与える事はできません。

ラストラウンド、行くしかない柿元、まずはワンツーで攻め込みます。これは期待を抱かせるパンチでしたが、その後は柿元が入ろうとしたところで廣瀬の左ストレート。これがあるから柿元は入れません。

その後も柿元はプレスをかけ続けるも、廣瀬はサークリングしながら冷静に対処、柿元の入り際や打ち終わりに左をヒット。

 

判定は48-47、49-46、50-45、勝者は廣瀬。

上手かったですね、廣瀬。この廣瀬の距離を埋められるボクサーは、なかなかいないかもしれません。スーパーバンタム級がバチバチの大激戦だっただけに、この試合は非常に静かでした。

スーパーフェザー級4回戦

岩本星弥(JBスポーツ)vs池上いつ己(八王子中屋)

初回。岩本は大きく見えますね。岩本の方がやや力強く見え、プレスをかけていくのも岩本。下がりながらの対応の池上、アッパーを巧打。

しかし後半、岩本が力強いパンチで攻め入り、左フックをヒットすると、池上は少しダメージを負ったか、足元がバタつく場面も。全体的に岩本の方がしっかりとしたボクシングを展開しているように見えます。

2R、岩本は鋭いワンツーからストレート気味に打った左で池上を後退させると、そこから打撃戦!池上も押し返して岩本似ダメージを与え、打って打たれての大激戦となります。

 

ちょっとパンチが大きい岩本、細かなコンビネーションで攻める池上。

岩本が力強いパンチで攻め入ると池上は後退、ちょっと耐久力にも差がありそうで、岩本のパンチで幾度となく池上の顔は後方に押されます。

終盤はロープ際、岩本が池上を押し込みますが、池上も押し返してラウンドが終了。身体の強さでも岩本が優位、池上は苦しい。

3R、開始30秒のところから打撃戦!最初に当てたのは岩本ですが、岩本が攻め込んだところに池上がコンビネーションをリターン!これで岩本がダメージを被ったように見えますが、身体の強さで押し切った岩本は池上をロープに詰めます!

ともすれば試合が終わるか、というところで池上も右をヒットして岩本をのけぞらせると、リング中央に戦いの場を戻します。

 

その後も打撃戦、両者手を出し続ける展開の中で岩本のカウンター気味の左フックがヒット、池上はダウン!

立ち上がっった池上を攻め立てる岩本、池上も打ち返していますが、岩本の右ストレートから左フックを喰らい、ダウン!立ち上がってラウンド終了。

ラストラウンド、池上にはダメージが残るでしょうが、岩本もダメージはあるでしょう。岩本は少し倒そうと躍起になっており、ちょっとパンチがでかい。池上はコンパクトなパンチを打ち返すも、岩本が飛び込んで左をヒットするとその顔が後ろへ弾け、ここでレフェリーがストップ。

3R終了の時点で止めても良かったと思いますが、岩本星弥、4RTKO勝利。

ものすごい打撃戦でしたね、岩本。やっぱりこのフィジカルの強さは、JBスポーツジムという「本気じゃない人は来ないでください」と最近では珍しいボクシングジムの由来によるものでしょう。

岩本は非常にバランスもよく、ガードもブレないので、今後も強くなりそうなボクサーですね。

 

ライト級4回戦

長沼蒼大(大橋)vs川口高良(協栄)

初回のゴング、すぐに川口がガンガンと攻め入ります。サウスポーの長沼に対して、オーソドックスの川口、顎をしっかりと引いて右ストレートを中心に鋭い踏み込みを見せていきます。

長沼はちょっと面食らったか、後手に回ります。

中盤頃には落ち着いた長沼ですが、川口の踏み込みは非常に強引で、且つ鋭く、ちょっと距離を詰められているように見えます。しかし後半はリズムをとり、ジャブをつき、右フックを振って回れるようになってきましたね。

2Rも開始早々の右で攻め入る川口。その後も強引に前進、川口の左フックで長沼はダウン!

立ち上がった長沼に対してガードを固めて前進する川口、強いプレスに対して長沼は左右に動きながらジャブ、ストレート。

 

川口は踏み込みが鋭く、長沼の逃げる方の行き先を塞ぐようなフックを打てていることもあり、非常に良いですね。終盤にも鋭い右ストレートをヒット。

3R、ビハインドの長沼は、このラウンドからは踏み込んでの戦い。見事なアッパーで川口の顔を跳ね上げ、左ストレートをヒット。

ここもグイグイと攻める川口、足を止めて迎え撃つ長沼!長沼は接近戦もショートのアングルを変えて上手いですが、川口はフィジカルの強さもあり、非常にパワフルです。

ラストラウンド、川口は顎を引いてグイグイとプレス。このプレスを持て余す長沼、サークリングしつつも狙います。

しかし中盤、川口のボディが効いたかコーナーにつまる長沼、そこに攻め入る川口。

そこから脱した長沼は多角的に動いて川口を攻め立て、川口は疲労もあるか、少々動きが落ちているようにも見えます。

互いに押し合い、アッパーを巧打する長沼、パワーで押し切ろうとする川口。

最後の最後までお互いが意地を見せた4Rが終了。

 

38-37、39-36×2、勝者は川口高良。

勝ったのはどファイター、川口。長沼は非常に上手いサウスポーでしたが、4回戦ではファイタータイプのほうが優位、ということもあるでしょう。

ともあれ、しっかりと対策をした、というかいつもどおりかもしれませんが、非常に強い踏み込みを持つ川口、エネルギッシュなボクサーですね。

スーパーライト級4回戦

スコーピオン金太郎(三谷大和)vs石井竜虎(渡嘉敷)

初回、サウスポー同士。スコーピオンが鋭いジャブを飛ばし、石井は右へ右へとサークリング、様子を見ています。

中盤から左オーバーハンド、強い右フックを放つようになった石井、やはりこのボクサーは非常にパワフルです。今度はスコーピオンがまわるという展開になります。

 

後半、左のショートフックを叩きつけた石井はダウンを奪取。その後、決めに行く石井は思ったより落ち着いています。

スコーピオンにダメージはあまり感じられず、こちらも左で応戦。

2R、まわりながら左を狙っている風にみえる石井。そこにスコーピオンはコンビネーションで攻め込み、遠目の距離からワンツーで攻めます。そのワンツーの打ち終わりに左を返す石井、近い距離ではパワーのある石井に分がありそうです。

2分頃、中間距離でスコーピオンのワンツーが石井にクリーンヒット!今度は石井がダウン!

かなりダメージを感じさせる足取りの石井、再開後に詰め寄るスコーピオン。

中間距離からワンツーをヒット、そこからコンビネーションで攻めたスコーピオンは、石井をよく見て冷静に詰めます。

3R、ちょっと足取りを見る感じダメージがありそうな石井。スコーピオンは距離を把握したか、自分のストレートが活きる距離をキープ。

 

何とか近寄りたい石井ですが、スコーピオンはヒット&アウェイ、石井が近づけばクリンチ。

中盤、石井のオーバーハンドがヒットするも、スコーピオンもワンツーをヒット、互いに気が抜けない展開です!中間距離でしっかりとジャブを突くスコーピオン、ビッグパンチに頼りがちな石井、好対照の両者の打撃戦から、後半、スコーピオンが下がりながらジャブを打つとこれがクリーンヒット、石井はこの試合2度目のダウン!

このダウンから石井は立ち上がるも、レフェリーはテンカウントを数え上げました。

スコーピオン金太郎、3RKO勝利で東日本新人王に。

石井竜虎、残念でしたね。非常にパワフルで、才能はあるのでしょうが、技術的には少し不足している感じもします。スコーピオンはしっかりとしたジャブからまっすぐの左ストレート、コンビネーションで「ボクシング」で勝ちきった印象。

 

ウェルター級4回戦

磯谷大心(輪島スポーツ)vs松野晃汰(神奈川渥美)

初回、いきなり右で攻め込んだのは磯谷。少し大きめの構えからタイミングを見計らって踏み込む松野、そこに堰を切ったようなコンビネーションをリターンする磯谷。

ジャブの差し合い、一発当たればそこから一気に攻めようという気概が両者ともにすごいですね。終盤、磯谷は右ストレートをヒット。最終盤には松野も左フックをヒットして譲りません。

2R、ここも遠い距離から互いにジャブをつき、攻め込むタイミングを測ります。

松野は大きい構えからのジャブが非常にスムーズで、フェイントも使って磯谷を牽制。磯谷は少し攻め手に欠く印象で、リング中央を松野に陣取られています。

 

松野は非常に余裕が出てきた用な感じで、頭を振って磯谷のジャブを外し、磯谷が右を打てばすぐさまリターン、終盤にもフックをヒットして磯谷はぐるりと一回転スルほどバランスを崩します。ダメージはなさそうですが、ちょっと印象は良くありません。

3R、磯谷のパンチがしっかり見えているということからだと思いますが、プレスを強めた松野。距離を詰めて左右のフック。時に磯谷のリターンをもらい、危険な距離ではありますが、松野は非常に強気で、かつ回転力もあって押し負けません。

危険なタイミングで右と右が交錯、それでもなお、余裕のあるのは松野に見え、松野のリードに磯谷は対応出来ていないように見えます。

終始プレスをかけ、よくジャブを当ててそこからコンビネーションにつなげる松野、磯谷はやや後手に回りながらも強い左フックを振り、まだまだ怖さがあります。これは非常に緊迫した接近戦です。

ラストラウンド、ここでも松野がプレス。ちょっとバッティングがあったのか、磯谷が右目付近を気にする場面。

再開後、左フックの相打ち、ここで攻め込まなければ後がないであろう磯谷はそのままパンチを振るいます。ここで磯谷が右を出そうと大きな振りかぶりをしたところで、松野のコンパクトな右をヒット!ぐるりと一回転するほどのダメージを受けた磯谷は倒れ、レフェリーはこの試合を即刻ストップ!!

 

松野が見事な4RTKO勝利で東日本新人王に!

その出自、そしてダイヤモンドグローブでその新人らしからぬ強さを目の当たりにしていたがために、期待していた磯谷大心。磯谷は素晴らしいボクサーでしたが、それを上回った松野、非常にあっぱれでした。

距離の把握に優れ、遠くでも近くでも戦えるボクサー、これは強いですね。ウェルター級までいくと、割とずんぐり体型のボクサーが出てくる事も多いですが、松野にしても磯谷にしてもしっかりとボクサー体型、今後の重量級を盛り上げてもらいたいですね。

ミドル級4回戦

時吉樹(横浜光)vs左右田泰臣(EBISU)

初回、まずプレスをかけていくのは長身の時吉。左右田はバックステップを使いつつ、右オーバーハンド。ただ、先に攻める時吉に対して少々後手に回っている印象もありますね。

 

左右田は時折鋭い踏み込みをみせるものの、ボディムーブがなく、なかなかインサイドに入れません。時吉は良いワンツーを打ちますね。これは幾度かのヒットを奪っており、終盤にも攻め入る場面をつくりました。

2R、左右田は時吉のジャブの打ち終わりに強い踏み込み。これで距離を詰めますが、これは良い戦法ですね。

その後ジリジリとプレスをかける左右田、近い距離でボディから上へのフック。初回には発揮できなかった回転力で良い攻めを見せられています。ただ、近づいたところでは時吉のアッパーも効果的、左右田はこれには気をつけなければいけません。

終盤は左右田がショートフックを乱打、これは時吉はダメージを被ったように見えます。

3R、中間距離で時吉のジャブ、近づくタイミングを図る左右田はそれをしのぎ、時折一気に詰めより連打。

左右田はもっと強引に行った方が良いし、時吉は中間距離でこそもっと手数を出すべきではないでしょうか。近い距離で打ち合うと、時吉も負けてはいませんがかなり危険な打ち合いとなります。

 

対して左右田は、中間距離ではなかなかパンチが出せません。これはちょっともったいない。

ラストラウンド、ここは序盤、時吉が中間距離からのコンビネーションでスタート。それをブロッキングして強引に詰め寄る左右田。両者ともに良い戦い方になっています。

左右田の入り際に時吉は技ありの右アッパー、近寄れば今度は左右田はボディから右アッパーでお返し。

中盤以降は近い距離での打撃戦、ここで左右田は頭の位置をずらしながらコンビネーション、左右田は身体の強さと回転力を活かして上下の連打を出しますが、如何せん左右田は頭の位置があまり動かないところがいけないところ。

それでも両者死力を尽くしたファイトは、東日本新人王決勝のラストを飾るに相応しい好試合でした。

判定は、1-0のドロー、新人王トーナメントの規定により、時吉が優勢点により優勝、東日本新人王となりました。

ミドル級、という階級は、なかなかボクサーが揃わない中で開催されるトーナメント。しかし、この時吉というボクサーは本格派であり、今後にも大いに期待を抱かせるボクサーですね。

 

もうちょっと中間距離で上手く戦えば、しっかり勝ちきれたようにも思いますが、それだけ左右田のプレッシャーも強かったのでしょう。

ということで東日本新人王決勝の観戦記、vol.2でした。西軍代表決定戦でどんなボクサーが出てきて、全日本新人王決定戦ではどのような戦いになるのか、非常に楽しみですね。

今年の新人王戦も期待しましょう。

↓vol.1はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

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