4/3(土)、IBF世界スーパーバンタム級暫定王者、岩佐亮佑(セレス)が敵地・ウズベキスタンでWBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に挑戦した一戦は、残念ながら5RTKO負け。
日本時間23:00に始まったこの興行を、リアルタイムでDAZNで見た方も多かったと思います。
結果は残念でしたが、格上であるアフマダリエフに勝利する可能性のあったボクサーであったことは間違いありません。
まずはゆっくり休み、できることであればまたリングに帰ってきてほしい、と思います。
さて、日本時間4/4(日)となった同日、ドバイでも注目興行が。
↓プレビュー記事
そうです、ジャメル・ヘリング(アメリカ)vsカール・フランプトン(イギリス)という、WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチです。
本日のブログは、コロナ等々により10ヶ月の時を経てようやく開催されたこの注目の一戦の観戦記です。
4/3(日本時間4/4)
WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
ジャメル・ヘリング(アメリカ)24戦22勝(10KO)2敗
vs
カール・フランプトン(イギリス)30戦28勝(16KO)2敗
ヘリングが伊藤雅雪(横浜光)を攻略して手に入れた王座の3度目の防衛戦は、スーパーバンタム、フェザー級を制した2階級制覇王者、カール・フランプトン。
技巧に優れたカウンターパンチャーであるフランプトンに対し、海兵隊出身の人気者、ヘリングは長身サウスポー。
大きなサイズの差があったことから、実績に勝るフランプトンよりもオッズで優位に立ったヘリングですが、個人的には前戦のオケンド戦の出来では厳しい闘いになると予想しています。
ヘリングが遠い距離で闘う事ができるか、フランプトンは体格に勝るフランプトンが攻めてきたところに得意のカウンターをあわせられるか。
注目の一戦のゴングです。
の前に、非常に寂しい会場です。カメラの画角的には観客が見当たらず、非常に静か。おそらくスタッフやそれぞれの陣営くらいしかいないのでしょう。
ヘリングvsフランプトン、注目の興行だと思いますが、もったいないですね。
ドバイでやる意味は。。。??
気を取り直して、初回のゴング。
ベテラン同士の一戦らしく、まずは様子見のラウンド。どちらかというとヘリングがプレスをかけ、フランプトンがサークリングしつつ、時折鋭い踏み込みを見せます。
ラウンド後半にはもみ合いの距離になりますが、ここでヘリングはフランプトンの左腕をホールド、クリンチワークの巧さを見せます。
その他、初回はヘリングのジャブ、稀に見せる左ボディが良い感じです。
2R、ヘリングは前の手でフランプトンを幻惑、タイミングを掴ませません。幾度となく引っ掛けるような右フックを使い、フランプトンはスリップで膝をつきます。
今日のフランプトンはあまりバランスが良くありません。
ようやく上体の動きが出てきたフランプトンですが、ヘリングに近づくことはなかなか困難。
ヘリングは近い距離でもよくジャブが出て、このラウンドは左ストレートもヒット。
今度はフランプトンがプレスをかけていますが、ヘリングはどっちつかずの距離にいるフランプトンにジャブ、ストレートをコネクト、フランプトンが勇気を持って入ってきたところでアッパー。
3R、フランプトンが上体を振ってリズムを作ろうとしますが、ヘリングのジャブが届きます。フランプトンはやや距離が中途半端、自分のパンチは届かず、ヘリングのパンチは届いてしまう距離です。
中間距離でのフェイント合戦の中、ヘリングが踏み込めばフランプトンにもカウンターのチャンスが来ますが、ヒットしてもやや浅い。やはりふたりのボクサーの間には、明らかな距離の違いがあります。
4R、フランプトンの踏み込みに合わせて、ヘリングの左ストレートが当たり始めます。
しかし、意を決して接近戦を挑んだフランプトン、左フックをヒット、その後チャージ。ヘリングも負けじとアッパー、フックで応戦、下がりながらではあるもののそのパンチは的確にフランプトンを捉えます。
やや大振りとなってきたフランプトン、やはり今日は甘ありバランスが良くありません。
ハーフタイム頃、ヘリングの左を浴びて後退、その後もヘリングの方が手数があり、精神的に優位にたったヘリングは後半、プレスをかけてフランプトンを追いかけます。
このラウンド、ヘリングは右眉付近をカット。
ここまでヘリングにいいようにやられていたフランプトンでしたが、このラウンド、はじめて接近戦にやや光明を見出したようなイメージです。ただ、攻勢は時間的には少なく、ここまでポイントもヘリングに流れているような感じがします。
5R、サイズに劣るフランプトンは、ヘリングの左ストレートをガードの上から喰ってふっ飛ばされてしまいます。
それでもフランプトンは上体を振って前に出て、ヘリングに近接戦闘を仕掛けます。
ウィービング、ダッキングを駆使して近づき、ボディから顔面へのショットを繰り返すフランプトン、ここでようやく押し始めます。
しかしフランプトンは入り際、ヘリングの左ストレートをまともにくらい、押し倒されるようなダウン。
再開後もダメージは少なそうですが、先程までのようなチャージは見られずサークリング。
そのうち距離が詰まりますが、ヘリングが若干のスペースを空けてストレートをヒットしてサイドに回り込み、追いきれないフランプトン。
6R、かなり低い姿勢をとって変則的に懐に入ろうとするフランプトン。しかしヘリングのポジショニングは素晴らしい。相変わらずジャブは良く出ます。
そして前進するフランプトンに、ヘリングの左アッパーがヒット!フランプトンは危険な感じのダウン。
なんとか立ち上がったフランプトンにヘリングは襲いかかり、フランプトンは打ち返すものの徐々に力が失われていきます。
フランプトンがスピーディかつパワフルな連打を放っていったところで、フランプトン陣営が棄権の意思表示。
ジャメル・ヘリング、6RTKO勝利。
なんとも思っても見ないフィニッシュでした。ヘリングはややパワーレスにお思われ、更にオケンド戦で見た限りでは接近戦が得意なボクサーには見えず、今回は苦戦は免れないと思っていました。
サイズの有利を存分に活かし、丁寧なジャブ、距離を測るジャブ、速い右フック等のリードブローを使い分け、結果的にフランプトンの持ち味を殺して、素晴らしいパンチを当てました。
ジャメル・ヘリング、狙い目の王者かと思っていましたが、とんでもありません。
認識を改めざるを得ない程の強さで、フランプトンに引導を渡したジャメル・ヘリング。
フランプトンはこの試合後、引退を発表。仕方がありません、今日のフランプトンにかつての勢いはなく、精神的、肉体的な限界を感じさせるような内容でもありました。
これまでたくさんの名試合を見せてくれたフランプトンに感謝しつつ、偉大な王者に拍手を贈りたい。
そしてヘリング、引退間近かという話もあったと思いますが、ここに来て強さを見せつけました。次戦は、ライト級も視野に入れて交渉していく、ということで、シャクール・スティーブンソンの挑戦はスルーしそうな雰囲気。
ウェイトの事情もあるのかもしれませんが、あまり歓迎されなそうな発言です。シャクールを退ける事ができれば、その評価はさらに高まるというのに。
ともあれ、人として素晴らしいものを持っているヘリングの次戦も気になりますね。シャクールの挑戦を受けずとも、できれば統一戦等々に進んでもらいたいですが。
さて、この試合が終わった後の放映を見ていると、時間が余ったのか前座試合の放映が。
キーショーン・デービス(アメリカ)vsリッチマン・アシュレイ(ガーナ)
キーショーンの第二戦目が今回の興行のアンダーカードであったんですね、知らなかった。
戦績は現在1勝(1KO)無敗となっています。対してリッチマン・アシュレイは10勝(9KO)1敗、かなりのKO率です。
ちなみにこのキーショーン・デービスというのは、元トップアマであり、東京五輪の金メダル候補でありました。東京五輪の1年延期を一度は受け入れたものの、結局断念。
2/27のカネロvsイルディリムのDAZN興行の前座でプロデビューしていたようです。これもちょっと見逃していました。
さて、このキーショーンの相手、アシュレイというボクサーですが、ガッチリとガードを固めて待つかなりディフェンシブなファイトスタイル。そして自らの射程圏内に入ったら、強くパンチを振り回して一発逆転を狙います。
かなり闘いづらそうなキーショーンですが、突き刺すようなジャブからストレートをボディへ、相手が出てくればスッと引く。基本に忠実なボクシングをしています。
まだキャリアを積む時期であり、あまり無理をしない闘い方ですね。
10勝中9KOと、パワーのありそうなこのガーナ人ボクサーをしっかり警戒した上で、間違いの起こらないような闘い方に見えます。それにしてもこのアシュレイというボクサー、亀のように固まって、パンチを振るう時は思いっきりブン回す、ある種恐ろしいボクサーですね。日本にはまずいないようなボクサー。もしこの闘い方でここまで勝ち上がってきているのであれば、脅威のひところです。この大振りのパンチを当てているということですから。
3Rに入るとようやくアシュレイが自ら攻め始める場面が出てきます。その責はかなりラフであり、この名のあるボクサーを喰ってやろうという気概に満ちています。
しかし、キーショーンは自分が打った後にその場にいないので、アシュレイのパンチはそのほとんどが空を切ります。
4R、ジャブをかわしてのカウンターの左アッパー、自らのコンビネーションの後に少ない身体の動きで相手の攻撃をかわし、その後またコンビネーションを打つ。常に相手の出方を警戒し、素晴らしいポジショニングから自分のパンチだけを当てるキーショーン。
このラウンド終盤、コーナーに釘付けにして多くのパンチを確実にコネクトしていったキーショーンに敵わじとみて、このラウンド終了後に棄権を申し出たアシュレイ。
キーショーン・デービス、4R終了TKO勝利。
格の違う相手ではありましたが、その技術の高さを見せてくれました。今後も楽しみなボクサーですね。
さて、今回、私がこのヘリングvsフランプトンを観戦したのは、英国のmy5.tvというインターネット放映でした。
日本からのアクセスはできませんでしたが、VPNを使って地域を英国に設定すれば無料で見ることができました。
これは良いサービスを見つけたな、と密かに思っております。
私はかねてからVPNに契約しており、目的はFITE.TVの海外版、DAZNの海外版でしか見れないボクシングマッチを見るためでしたが、FITE.TVはボクシングを見るには海外も含めイマイチですし、DAZNは今や日本DAZNだけ仲間はずれにされることもほとんどなくなりました。
なので解約しようかと思っていたのですが、今回このmy5.tvというのを知り、試してみるとしっかりと見れました。
↓アーカイブも残っています。但し、見るにはVPNが必要です。
今後、どのような放送があるかまた調べて見たいと思います。
ちなみに、VPNとは何ぞや、という方はグーグル先生に聞いてみてください笑
↓ちなみに、私が使っているVPNはこちらです。
無料のものでもおそらくいけます。ただ、私の過去の体験から、無料のものは途中で弾かれてしまうので、10分15分見る分にはいいのですが、1試合はどうやっても持ちません。
かなりのストレスになるので、有料のものを使った方が良いかと思います。