信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】This is BOXING!木村吉光vs中川兼玄の大激闘!!大器・鈴木稔弘衝撃のデビュー戦!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。

8/30(火)は志成ジムの注目興行!

ABEMA.TVがボクシングをたくさん配信してくれて嬉しいですね。そして、始まる時間的には全試合見たければ、ABEMAプレミアムに加入しておけばアーカイブで見れる事も魅力的です。

さて、志成ジムのLIFE TIME BOXINGには、注目試合である木村吉光vs中川兼玄というOPBF東洋太平洋王座決定戦をはじめ、ホープ大湾硫斗がベテラン・ヘラルドとの一戦。アンダーカードにも魅力的なボクサーがたくさん登場します。

という事で、今回のブログはABEMA.TVで配信されたLIFE TIME BOXINGの観戦記です。

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 


8/30(火)LIFE TIME BOXING

スーパーフェザー級6回戦

鈴木稔弘(志成)デビュー

vs

ポーンセップ・ワンガム(タイ)4勝(3KO)2敗

まずは鈴木稔弘のプロデビュー戦から。

初回、鋭い左フックを振るってスタートした鈴木、そのまま右、左と出して4発目の右がカウンターとなってヒット、ワンガムは早々にダウン!

立ち上がったワンガムに攻め込んだ鈴木は、いくつものパンチを当てて最後は左フックで試合を終わらせました。

秒殺KO劇。。。

この6回戦で相手になる選手はそうそういないでしょうね。

強い!!というのはもう分かっていた事ですが、今回見せたのは「コンビネーションの素晴らしさ」と「パンチの強さ」、そのふたつのうちのほんの少しだけ。

鈴木はA級昇格後が勝負、年内にもう一戦くらいして、来年からはA級で戦ってほしいですね。

 

スーパーフェザー級6回戦

渡邊海(ライオンズ)7勝(3KO)無敗1分

vs

アティップボディ・スリカオ(タイ)4勝(4KO)2敗

さて、大人気ボクサー、渡邉海。試合前はとても長い時間を使っての激励賞の紹介。

なお、タイ人ボクサーは「本名表記」となったはずですが、この試合はアティップボディ・スリカオの表記。(本名はデッチャディン・ソーンシリスファンティン。読み方は違うかも。)スリカオはウェイトをオーバーしているようですね。

初回、大きくまわる渡邉、サウスポー・スリカオはプレスをかけますが、渡邉は素早くサイドに動きます。

中盤、スリカオは大きな踏み込みを見せますが、渡邉の動きは速く、しかも大きく動くことができます。渡邉は避けながらの左フック、もしくはスリカオの入り際に右ストレートを狙っているように見えますね。

2R、スリカオが踏み込んだところに渡邉は右をコネクト。スリカオがバランスを崩したところでのカウンターは見事です。

少しスリカオは弱気になったか、渡邉がプレス。リング中央を陣取ります。

しかし中盤にはまたスリカオが強引に踏み込み、渡邉は自分からあまり攻めずに見る展開。ちょっと警戒しすぎのようにも見えますが、渡邉のボクシングは慎重すぎるぐらいが良いのかもしれません。

 

3R、ここもスリカオが攻め、バランスを崩したところで渡邉がカウンター。この打ちどころの判断というのは素晴らしい。そのまま右ボディを叩き、ダウンを奪取。

立ち上がったスリカオにまたボディ、やや動きが止まったようにみえたスリカオ。

未だ渡邉は警戒心を崩さず、遠い距離でのボクシング。ただ、ここはもっと詰めてもらいたい所ですね。

4R、ようやく攻めのジャブを出し始めた渡邉。ここでスリカオが攻め込んだ所に回りながらの左フックカウンター、その後攻め込んで、最後は右ストレートでスリカオがダウン、試合が終了。

渡邉海、4RTKO勝利。

6Rを目一杯使うつもりではいたのか、序盤、非常に手数の少なかった渡邉。もう少し早く倒せたはずですが、これが経験となればそれで良し。

 

スーパーフェザー級8回戦

ジェス・レイ・ワミナル(フィリピン)14勝(8KO)5敗1分

vs

中井龍(角海老宝石)4勝(2KO)1敗1分

まるで「世紀末救世主伝説」に出てきそうなマスクをつけている中井。この出で立ちと、強敵ばかりを相手にするキャリア、そしてそのファイトスタイルは本当に魅力的なボクサーです。

初回、オーソドックスのワミナルに対して左へ左へ素早くまわる中井。

距離はまだ、合いません。遠い距離からともにジャブを突きつつ様子を見ていますが、中井のジャブの方がよくでている印象。中井は時折鋭いジャブで踏み込みますが、ワミナルはそこにワンツーを合わせようとしています。

2R、とにかくよく動く中井、ワミナルはプレスをかけて、堪らず中井が出てくるのを待っている感じ。

ただ、中井のジャブが非常に良い。後半には右をヒット、ワミナルは中井についていけていない印象もします。ワミナルは強引に出てくる部分もありますが、強引に出てくれば出てくるほど、やはり体勢を崩すので、これは中井の思い通り。

3R、ワミナルは更に強いプレス。中井はどんどん自分から動いていきますが、これは先に消耗してしまう可能性もあります。

中井はとにかくものすごい運動量、ワミナルは中井を捉えきれず。

 

4Rに入っても展開は変わらず、ワミナルは前に出ながら強引にパンチを振るっていきます。ガードこそ低くはなりますが、大きくバランスを崩す事はなく、このワミナルも非常にフィジカルが強い。

5R、まだ運動量が落ちない中井、食らいついていくワミナル。ただ、疲れているのは常にリング中央をとっているワミナルの方かもしれません。

ここまで動かれると、打つパンチをセレクトできませんね。。。

6R、ワミナルとしてはもっとガンガン攻めたい所ですが、なかなかお見合いの時間が長くなってしまっています。これは攻めてもステップで躱される、と思ってしまうからでしょう。

7R、ワミナルがチャージ、とばかりにプレスを強めます。8Rの試合なので、これは良い判断。これにより距離が詰まる場面が増え、クリンチが多くなっていきます。

ただ後半、ワミナルが中井を見るために止まると、中井はすぐさまジャブを打って反撃、この後半にはまたこれまで通りの距離。

 

ラストラウンドもワミナルは強いプレス。追い立てられる中井ですが、速く、大きな動きは序盤から変わりません。

ワミナルはこの試合を通じて空振りが多く、これで消耗しているのかもしれません。

中盤、ワミナルがワンツーで攻め込んだところに中井は左をヒット。その後もシャープなジャブを当て、ワミナルが出てくればステップ、クリンチでこの攻撃を分断。

そのまま試合は終了し、判定は3者ともに80-72のフルマークで中井。

しっかりとしたアウトボクシング。かつて、フィジカルファイターと呼ばれた中井は、そのスタミナを活かし、宇津木戦以降、アウトボクサーとしてもその才能を発揮しています。

今日の戦いはなるべくリスクを排除した、非常にクレバーな戦い方。ただ、非常に手数が少なかった分、全体的にはどうしても押されている印象を受けました。ワミナルの前進は評価されなかった、というか、悲しいかな、これがアウェーで戦うということなのでしょう。

流石にフルマークの判定はワミナルにとって申し訳ないような気がしますが、これは同様に、日本人ボクサーが海外で戦う時、このように採点されても文句は言えない、ということになってしまいそうですね。

 

スーパーバンタム級8回戦

大湾硫斗(志成)8勝(6KO)1敗

vs

マーク・アンソニー・ヘラルド(フィリピン)38勝(19KO)10敗3分

大器、大湾硫斗が、大ベテラン、マーク・アンソニー・ヘラルド。どうでもいいかもしれませんが、ABEMAの字幕がスーパーバン「ダ」ム級になっています。ボクシングファンが一番嫌がるやつ。。。

さて、初回、今日はオーソドックスvsサウスポーばっかりですね。積極的に攻め入るのはヘラルド。ダブルジャブから左ボディ、非常に力強い。

大湾としてはまだ様子見か、先手を取られているようなイメージですが、非常に落ち着いています。後半は徐々に大湾が手数を増やします。

2R、開始早々、ダブルジャブから左ボディで攻め込むヘラルド。大湾もワンツーフックを放って応戦します。

後半、大湾の左フックがヒット、ダメージはなさそうですが大きくのけぞったヘラルドにワンツー。ちょっとパワー差が出てきた?それでもヘラルドは上体が柔らかく、非常に良いディフェンスを持っていますね。

 

3R、中間距離でのジャブの探り合いから、中盤に大湾がジャブから右ボディアッパー。後半にかけてプレスを強めた大湾、ヘラルドはややお割れ気味でロープ際で戦う時間が出てきます。

上体を柔らかく使ったディフェンスをするヘラルドに対して、このボディは非常に効果的ですね。

4R、相変わらずヘラルドのボディムーブは良い。大湾もボディから攻めた方が良さそうですが、このラウンドはワンツーを打つ場面が多く、これは結構な確率で躱されます。

後半には左右のボディを叩き始めた大湾、このボディを忘れてはいけません。

5R、最初に攻めるのはヘラルドですが、その後は大湾がプレス。ヘラルドが出てくるとスッとさがってカウンター、盤石な戦い方に見えます。

近い距離では思い切り振ってくるヘラルドのパンチは危険。後半は大湾もヘラルドの攻撃をがっちりガード、その後リターンを狙う展開ですが、これはリスクを伴う戦い方です。

6R、低い姿勢から入ってくるヘラルド。ヘラルドも勝負をかけてきたかもしれません。しかし中盤、大湾はワンツーで攻め込んでヘラルドをコーナー側へ押し込みます。

しかしここでバッティング、これで頭を抑えて痛がった大湾に対して、ヘラルドがラッシュ!レフェリーが一旦割って入るも、そこでヘラルドが左フックをヒット!!大湾はこれで倒れてしまい、ヘラルドから減点。エキサイトしていたとはいえ、これはいけませんね。。。大湾はかなりのダメージを喰ってしまいましたが、大丈夫でしょうか。。。

再開、少しダメージのありそうな大湾。ヘラルドの左に対する反応が悪くなっている気がします。

 

7R、攻めるヘラルド、大湾はその対応、というイメージ。互いに前手のフックと後ろ手のボディを当てあっている、というイメージです。危険なパンチが交錯するタイミングがいくつかあり、映像ではどちらも当たっているように見えます。

ラストラウンド、プレスをかけるのは変わらずヘラルド。大湾は隙を見てワンツーをヒット。互いに警戒しつつ、という展開ですが、終盤、ヘラルドの左オーバーハンドが大湾にヒット!大湾は足が揃い、ダメージを被っています。しかしここをサバイブした大湾は最終ラウンド終了のゴングを聞きました。

最後は非常に危なかったですが、全体的には大湾が勝ったような印象。

判定は、3者ともに79-72、3-0の判定で大湾。正直、ポイント差以上に苦戦したと言って良いと思います。

あのバッティングからのダウンはかなりやばかったと思いますし(続けさせて良いのかレベル)、試合後のインタビューでもかなり意識が怪しいような気がします。こういう時は、勝利者インタビューは切り上げて一刻も早くリングから降ろしてあげた方が良い。

試合前、体調を崩していたという大湾、しっかりと回復をしてもらいたいですね。

 

WBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座決定戦

木村吉光(志成)13勝(8KO)2敗1分

vs

中川兼玄(角海老宝石)11勝(5KO)6敗

リトルパッキャオ、福永亮次の引退式のあと、メインイベント。角海老宝石ジムの興行ではないにもかかわらず、井岡一翔戦を最後に引退するボクサーの引退式をやってあげる、というのは非常に粋ですね。志成ジム。

さて、「イケメン対決」、ゴング。

初回、まずプレスをかけていくのは中川。対して木村は明らかに強そうなジャブ、そこからストレート、左ボディへとつなげます。

ただ、序盤はプレスをかける中川がしっかり距離を詰められている、という印象。

木村のジャブ、右ストレートも勿論効果的で、特に右が中川の体に当たると中川の体は泳ぎます。

2R、ともに力の入ったジャブを打ち合い、相手のそれをガッチリと受け止めてリターン。これはタフファイトになりそうな展開です。

中川のアッパーで会場が湧きますが、木村の方がパンチの回転力に優れ、全体的にヒット数は木村が上回るイメージ。

かなり危険なタイミングでパンチが交錯しますが、木村は強振しすぎるきらいがあり、打ち終わりが若干危ない。

 

3R、中川はまっすぐの右だけでなく、外からオーバーハンド気味の右をヒット。アングルに非常に気をつけています。しかしその後、木村もすぐに反撃、多彩なアングルのコンビネーションでリターン。

中間距離での打撃戦!ともに力強いパンチを交換しあいますが、ここでもやはりヒット数は木村に見えます。

4R、序盤、中川のジャブの打ち終わりに右を合わせた木村。ここまでも、このパンチは良く当たっています。

中川のジャブに対してはガッチリとガードしますが、ちょっと中川の頭が気になっているようですね。中川は入ってくる時に頭を下げてくるので、これは木村にとっては嫌。こういうので集中力を切らさないでもらいたい。

残り1分ほどのところで、中川の右をかわして左ボディ!これは良いタイミングで入りました。ダメージを被ったようにみえた中川ですが、ここで負けじと右フックをヒットして譲りません。中川の右はアングルが多彩で素晴らしい。木村のガードの間をするりと抜けてヒットします。

5R、プレスをかける中川ですが、木村の強いワンツーでその前進がストップ。ここはパワー差か、このワンツーをガードの上から受けて体が泳ぎます。

バランスを崩した中川に対して、木村はラッシュ。左アッパーを空振りした勢いそのままに、右の打ち下ろし!!これで中川はダウン!!!

立ち上がった中川を、さながら猛獣のように攻め立てる木村!ここをなんとか下がってしのいだ中川は、打ち返してこの木村のラッシュを終わらせます!

木村は少し疲れてしまったか、とも思いましたが、後半に入っても右カウンター、その後も左フックを強振、右アッパーもヒット。

スローでダウンシーンが流れますが、このダウンからよく立ったな。。。というダウンですね。

 

6R、決して気持ちの折れない中川は、未だ前進。木村は多彩な左で中川を迎撃。

それでも突進力の衰えない中川は、中盤に右フックをヒット、木村のジャブを浴びながらも強い右で攻め込んでいきます。やっぱりこの右が非常に厄介。

7R、開始早々バチバチの打ち合い、木村の手数がよく出ます。非常にリズムも出てきた木村は、ステップワークの他にボディムーブも駆使して中川の空振りを誘い、強いパンチで反撃。

ただ、ディフェンスにまわると手数が少なくなってしまう上、手数を出すことで中川のリズムも出てきてしまうように感じます。

8R、木村は左をダブル・トリプルと使っていきますが、これは中川にことごとくヒット。やはりこの戦いは手を出した方が優勢に進めそう。

であれば、回転力に勝る木村が優位で、中盤にはアッパーが好印象。

ラウンド終了のゴングまでとてつもない打撃戦が続き、両者の素晴らしい意地と意地のぶつかりあいです。

9R、攻めながらグイグイ押していく中川。エンドレス、全くもって手を止めません。ここは手数が大事だという事をよくわかっているのでしょう。

木村は下がりながら対応、やや中川の圧に押されているようにも思いますが、パンチのキレは木村の方が上。パンチのインパクトにしても同様で、相打ちの左フック、相打ちの右ストレートが入れば木村の方がジャッジへのアピールは上のはずで、よりダメージが大きいのも中川のはずです。

それでもなお、前進を止めない中川でしたが、後半、木村のワンツーを浴びてついにダウン!!

すぐに立ち上がった中川、なんというタフさ。。。

 

10R、プレスをかける中川に対して、木村はやや軽めのパンチでコンビネーション。ただ、この中川の気迫溢れる前進は、強い右でなければ止まりません。いや、強い右でも止まりません。

試合を随分と優位に進めながらも、かなり苦しい木村。そしておそらくもっと苦しい中川。

それでも二人は戦う事を止めません。両者のハートの強さが存分に出ている好試合です。

11R、ここに来てしっかりとジャブをつく木村は流石。この強いジャブで中川の前進を阻み、近づかれればコンビネーション。左アッパーのトリプル、逆ワンツー、様々な種類のコンビネーションで中川を突き放します。

中川のダメージ、疲労も相当なものなのでしょう、ここに来て木村のコンビネーションでぐらつき、ガードもやや下がりはじめます。それでも強い右を振るって前進、木村をコーナーへと押し込んでいきます。

ラストラウンド、ここに来てワンツー主体のコンビネーション、とにかくよく手がでる木村!これが野木トレの効果、常に筋肉痛の効果なのでしょう。

疲労、ダメージの色濃い中川ですが、なりふり構わずフックを強振、そこに木村は細かな、それでも力強いコンビネーションをリターン!!

そして残り30秒、中川の左フックをかわした木村は、強いワンツー!!!!!

ゆっくりと。。。スローモーションのように倒れた中川を見て、レフェリーはストップ。

木村吉光、最終ラウンドTKO勝利!!

 

これは。。。!とんでもない、素晴らしい名試合でした。

おそらく、ポイントの多くは木村が獲っていると思いますが、それでも、この中川の頑張りは本当に称賛に値するものです。正直、前戦の挑戦者決定戦ではやや集中力を欠いていた印象で、ここまで粘り強いボクサーだと思いませんでした。もう最初のダウンで終わってもおかしくなかったと思いますが、そこからも気持ちを切らさず、立て直してきたのは本当にすごいこと。

木村もかなり苦しかったと思いますが、あの突進に対して気持ちを切らさず、ほぼフルラウンドを戦い抜きました。あれは、気持ちがおられていてもおかしくないほどの、気持ちの入った前進でした。

本当に素晴らしい試合を見せてもらいました。

これが、我らが讃岐男の底力です。木村吉光、非常に勢いのある強豪、中川兼玄を見事に撃破。あのタフさ、あのハートの強さを持つボクサーをストップしたことは本当に大きな経験だと思います。

この超大激闘を制した木村、今後にも期待です!!

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