信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】ホールも熱かった12/14、坂vs木村、内藤vs麻生、杉田vs大湾は衝撃✗衝撃✗衝撃!

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12/14、両国国技館が燃えていました。

PPVに不満も多かったと思いますが、終わってみれば素晴らしい、濃密な興行でしたね。

↓観戦記

boxingcafe.hatenablog.com

現地に行かせてもらいましたが、翌日にはWOWOWが放送を発表。まあ、これは録画もできるし大変にありがたいのですが、映像も見たかったので、現地観戦しつつ、PPVも買ってしまったものの立場は。。。?

これは、詐欺と言われても仕方がない気がします。急遽決まったものなのかもしれませんし、事情はわかりませんが、ちょっと悲しいです。

これが「先に言ってしまうとPPVを買わなくなるから」という策略だったとするならば、ひどいものです。もう信用はできなくなりますね。

しかもWOWOWは井上慎吾トレーナーのゲスト解説なんて、最高じゃないですか。PPVで4,000円払って、耳障りな実況とYoutuberと昔格闘技が好きだったおじさんという無意味なゲスト解説にいられるよりも、月額の中で見られるなんて最高です。

 

ここらへんでもう止めときますが、ABEMAっていうのは非常に微妙だな、と感じます。他に良いプラットフォームを見つけてもらいたい。

アメリカや世界各地で放送されなかったのも、「技術的な問題」とのことなので、井上尚弥の試合を世界に向けて発信できないのは日本ボクシング界の損失、ということだけは間違いありません。何とかしてほしいものです。今度こそこれで終わります笑

そんなこんなで、愚痴ってしまいましたが、12/14、燃えていたのは国技館だけではありません。非常に興味深いマッチアップが後楽園ホールにも。

その後楽園ホール興行、ガッツファイティング&DANGANの興行は、「ガッツファイティング」とあるのでTBSあたりが放映権を持っているのか、と思ったら、翌日(厳密に言うと当日の夜)にBoxingRaiseにアップされていました。

私はたまたまそれを見つけ、結果を知らないまま視聴することができましたが、これは昨日までBoxingRaiseのラインナップに載っていなかったのです。できれば情報遮断し、結果を知らずに見たいので、Raiseさんも情報をしっかりとアップしてもらいたいですね。

少ないとはいえ、お金払っていることですし、今回はPPVを購入したことでちょっと損した気分になっていることですし。

文句ばっかりですみません、ここのところ忙しく、ちょっと疲れています。

ということで気を取り直し、今回はガッツファイティング&DANGAN興行、観戦記です!

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

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12/14(火)ガッツファイティング&DANGAN

56.0kg契約8回戦

杉田ダイスケ(ワタナベ)6勝(3KO)2敗

vs

大湾硫斗(志成)7勝(5KO)1敗

アマ110勝をあげたポリスボクサー、杉田と、上り調子のホープ、大湾の一戦。33歳の杉田、23歳の大湾。年の差は10歳。

初回、様子見のジャブの差し合いからスタート。中盤に入ると杉田がやや身体を振り始め、中に入る隙を窺います。木村のジャブにあわせて右から入るタイミングを掴んだ、と思った矢先、木村のコンビネーションがヒット!大湾は後退!

ラッシュをしかけた大湾!杉田は下がりつつも打ち返し、立て直しを図ります。

しかしその後も木村の右ストレートが次々とヒット、特にジャブの打ち終わりが危ない。

終盤、右の2連打で杉田がダウン!立ち上がったところで初回終了のゴング。

2R、開始早々にレフェリーがドクターを呼びます。杉田の左目をチェック。ちょっとふさがっているようです。

ここは再開、しかし杉田には時間がないかもしれません。

ジャブで攻め入る杉田、しかし大湾のワンツー、というか右ストレートは、今の杉田にとって非常に見づらく、ここは強引にでも行ったほうが良い。

 

大湾は非常に冷静で、右ストレートではなく右アッパーをヒット!おそらく杉田も右ストレートを警戒していたと思われますが、これがきれいにヒット。

中盤以降、フックで攻め入る杉田ですが、大湾はパワーも半端ない。ガードに当てるワンツーで杉田の前進をストップ。

そしてこの回、レフェリーが試合を中断してドクターチェック。杉田の左目の負傷を理由に、ドクターが試合をストップ。

大湾硫斗、2RTKO勝利!

大湾、非常に強かった。初回の右ストレートで杉田の左目を腫らし、2Rでストップとは恐れ入ります。正直、年齢を重ねると腫れやすくなったり、痣ができやすくなったり、というのがありますが、右数発で続行不可能にしてしまったのは大湾のパワーによるところも大きいでしょう。

杉田は牽制のジャブを伸ばしたままにしてしまったことが、大湾のやや弧を描いて外側からまわす右ストレートの格好の餌食となってしまった印象。しかしそれを修正することはできませんでした。あとは、赤穂戦のようにもっとラフに行っていれば、もう少し違った試合展開になっていたかもしれません。杉田は(前戦に比べると)ちょっと正直すぎました。

そして、サイズに勝る大湾に対して、おそらく距離が遠く感じたこともあると思います。

 

ともあれ、大湾硫斗、本当に素晴らしいボクシングでした。正統派のオキナワンファイター、今後も非常に楽しみですね。

OPBF東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ

内藤律樹(E&Jカシアス)23勝(8KO)2敗

vs

麻生興一(三迫)24勝(15KO)9敗1分

プロキャリア数戦同士のセミセミの次は、ベテラン同士の一戦。ここ最近、内藤は辛勝という内容が多かったですが、前戦の今野裕介戦では、久々のストップ勝ち。

接戦をものにする力のあるボクサーは、ここからかつての勢いを取り戻す事ができるか。

麻生もここ最近はあまりぱっとしない内容、細川バレンタインに王座を奪われてからは2勝1敗、前戦も接戦でした。

接戦でも勝ち残ってきた、というのは両者共通の強み。接戦をものにする力のあるベテランが、互いの意地をかけてぶつかりあうこの一戦は、なかなかに甲乙つけがたい展開になるのではないか、と思っています。

初回、グイグイとプレスをかける麻生。内藤はジャブを軸にアウトボックスの構え。これは予想通りの展開なんですが、とにかく麻生がまったくもって内藤のジャブを意に介しません。

 

内藤は麻生が出てくるとクリンチ、上をしっかりと固める麻生に対して左ボディ、右ボディ。この内藤のボディは声出し禁止の後楽園ホールに響き渡っています。

2R、麻生はプレスを強め、手数も増やします。しかしここは内藤もさすが、やや上体がたちぎみな麻生に左アッパー、ボディフックをヒット。

麻生は内藤のパンチをもらうことを恐れず、どんどん手を出します。

しかし打っては回り、を繰り返す内藤のボディがよくヒットしており、印象も良い。ここまでは内藤が上手く戦っているように見えます。

3Rも麻生はプレス。素早く動く内藤を追いかけていきます。内藤は足を使ってかわし、接近されても身体の使い方が上手い。これまで厳しい戦いを勝ち抜いてきたのは、この遠い距離でも近い距離でもいなせるテクニックによるものでしょう。

後半、麻生は内藤をロープに押し込んでいきますが、内藤は上手く身体を動かして麻生の攻撃をいなすと、アッパーを打ち返します。

4R、この回も内藤はロープを背にする場面が目立ち、顔を跳ね上げられる等見栄えはあまりよくありません。麻生は回転力はさほどではないものの、とにかく手が止まらない。このタイトルチャレンジへの気迫を感じますね。

4Rを終わっての途中採点は、39-37、37-39、38-38と3者3様のドロー。

 

ジャッジの好みが別れた採点ですね。こうなったらどっちが優勢も劣勢もなさそうです。(個人的には4R以外は内藤かと思いましたが)

5Rもグイグイ詰める麻生、バッティングによる出血を見たようですが、このラウンドは麻生がクリーンヒットを奪うという場面が目に付きます。内藤はロープから脱することができません。

6R、今度はバッティングで内藤が負傷。こちらは深いのか、ドクターのチェックが入ります。

再開ののち、麻生のプレスで内藤はかなり嫌がっているように見えます。ともにクリーンヒットを奪いあいますが、見栄えの点で言うと、終盤、ボディ?を効かせた麻生が、応援のちからもあって上のような気がします。

7R、近い距離での打撃戦となっていますが、内藤は離れた方が得策ではないでしょうか。麻生がしつこく追ってくるので離れられないのか、それとも何かのトラブルか。

内藤をロープに詰めて連打に連打を重ねる麻生、手が出なくなる内藤!レフェリーが割って入ってストップ!!!

と思ったら、カウントを取っていた。。。あれ?スタンディングダウンってルール、まだあるんでしたっけ?ロープダウン(ロープがなければ倒れていた場合に取るダウン)だったらわかるんですが。

レフェリーが割って入ったから、麻生もストップ勝ちと思って大喜びしていましたが、カウントを数え終わったので再開。これはキツイ。

 

再開後、攻め続ける麻生。内藤もパンチを返し、バッティングでの流血もあって壮絶な打ち合いです。終盤は内藤の左がヒットして、腰を落としたように見えた麻生ですが、その後はしっかりと打ち返してこのラウンドが終了。

8R、麻生は明らかにストップを狙って攻め入ります。なんとか凌ぎたい内藤ですが、またもロープ際。互角の打ち合いは徐々に均衡が崩れ、麻生が手数で押し切った!と思えば、内藤が強いパンチを返し、麻生がやや後退。

それでも麻生はまたすぐに前に出て、内藤をロープに釘付けにする、という一進一退の攻防。

8R終了後の採点は、77-74×2、78-73で麻生!ダウンも奪い、明白に試合を支配しているのは麻生です。こうなると内藤は苦しい。

9Rも麻生は変わらず前進、手数。一発一発は決して強いパンチとは言えないまでも、手数では大きく内藤を上回り、とにかく止まりません。

内藤はロープに詰まって、時折強いパンチを返すものの麻生は退きません。内藤は足でアングルをかえて打ちたいところですが、ロープ際から離れられません。

麻生はガードを固める内藤に対して、ガードの真ん中を割るようなアッパーを多用。

効いたのはアッパーなのかわかりませんが、後退した内藤に襲いかかる麻生!この試合何度目なのか、またもロープに詰まった内藤を攻め立て、今度こそレフェリーがストップ!!

 

麻生興一、9RTKO勝利!!

なんという死闘。ベテラン同士が死力を尽くしてたたかった素晴らしい一戦でした。

麻生はこの試合にかける意気込みが素晴らしく、初回から最後までほとんどバックステップを踏むことすらありませんでした。

内藤もよくがんばりましたが、ここは追うものと追われるもの、その差、覚悟とか意地とか、そういったメンタルの部分が勝敗をわけたように見えました。

私の見たところでいうと、序盤は内藤が上手く戦っていたように思いましたが、途中採点のジャッジが割れたのは内藤陣営にとっても想定外だったかもしれません。

そこから麻生はよりプレスを強めることが出来たような気がしますね。

ともあれ、勝利した麻生、素晴らしいファイティングスピリッツを見せてくれました!

 

OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦

坂晃典(仲里)21勝(18KO)5敗

vs

木村吉光(志成)12勝(7KO)2敗1分

驚きばかりのこの日の興行。大湾があんなにも早く杉田をストップするとは思っていませんでしたし、内藤vs麻生がKO決着になるとも思っていませんでした。

そんな激動の後楽園ホール、メインイベントは坂vs木村!

現在の日本スーパーフェザー級王者、坂晃典は、王座を保持したまま、その王座はかけられず、木村吉光とのOPBF東洋太平洋王座決定戦に臨みます。世界を窺っていた末吉大をKOして日本タイトル奪取、初防衛戦でもこれまでKO負けのない渡邉卓也をKOして勢いに乗っています。

対して、ボクシング不毛の地ともいえる香川県出身の木村は、全日本新人王、ユースタイトルとステップアップしていますが、ユース以外の地域タイトルは2度、獲得に失敗しており、今回が3度目のチャレンジ。

大注目のメインイベント、ゴングです。

初回、ともにキビキビとした動きでまずは探り合い。木村が大きくステップを踏んで坂の回りをサークリング。坂はプレス、非常に落ち着いています。

坂が右ボディストレート等を使いアグレッシブに攻め込み、木村は坂のジャブに合わせて右カウンター。

ともに手数は多いとは言えませんが、非常にヒリヒリとした時間が続きます。

木村がジャブで攻め込むと、坂は左フックを返しますが、やや遅れています。坂はやはり自分から攻めた方がカタチを作れそうですね。

 

終盤、坂が右フックをヒット。木村はコーナーに詰まってしまうのがもったいない。

2R、坂がジャブを打てば木村は右のカウンター!その右の打ち終わりに坂も右をヒット!

その後も静けさの中で、当たりはしないまでも恐ろしいパンチの交換があります。

ともに相手の攻撃にあわせて右を狙っているような雰囲気。

そしてここで、木村の左フックで坂がダウン!!!ちょっと速すぎて何が起こったのかわかりません!BoxingRaiseさんには是非スロー再生ができるよう、再生速度を変える設定の実装をお願いしたい。スロー再生がほしい。

数秒の巻き戻し機能もないので、ちょっと不便ですが、手動で少々巻き戻し見てみると、先に仕掛けたのは木村、それに坂が右カウンターを合わせようとしました。この右はオーバーハンドで、通常のストレートよりも弧を描く分、時間がかかります。その内側を木村の左フックがコンパクトに回り、坂にヒット!坂は一回転するダウン!

派手なダウンでしたが、あまりダメージを感じさせない坂。しかし木村は、最後にも大きな右ストレートをヒット、坂はこれまで反応出来ていたパンチをもらってしまい、傍目には見えませんが、ダメージはありそうです。

3R、開始早々、坂がグイグイと前進しながらパンチを放っていきます。これに下がりながら対応した木村、ここで右ストレートをヒット!この右で腰が落ちた坂に対して、木村は猛然とラッシュ!!!

ここでレフェリーが割って入り、ストップ!!

 

木村吉光、3RTKO勝利!OPBF東洋太平洋タイトル、初戴冠!

なんとも衝撃的なストップ。木村、やりましたね。うどん県民の地域タイトル戴冠は、石本康隆以来でしょうか。(誰か答えをください)

坂晃典というボクサーは、このスーパーフェザー級において間違いなく日本トップレベルのファイターの一人。その坂を相手に、この勝ち方は本当に素晴らしい。

強豪を恐れないマッチメイクで地力を養い、勝ちもあれば負けも引き分けも経験し、非常にタフなキャリアを歩んできた新鋭、木村吉光。ここで大きく花開きましたね。

まだ25歳、今後が非常に楽しみなボクサーです。

まだ気が早い事はわかっていますが、香川県出身者初の世界王者、期待していいのかもしれません。

今後もジム頭である井岡一翔のボクシングも吸収し、野木トレーナーに鍛えてもらって、是非高みに登ってもらいたいものです。

さて、敗れた坂も応援しているボクサーの1人。このまま日本タイトルを保持したままであれば、来年春には指名挑戦者、中川兼玄(三迫)の挑戦を受ける事になります。

 

敗北を喫してから、最強挑戦者を迎えるという一戦は、(こういう例自体があまりないですが)王座交代劇が起こる可能性がぐっと上がる気がしています。中川も非常に調子を上げているボクサーなので、この敗戦はしっかりと切り替えて、防衛戦に臨んでもらいたいものです。

ということで今回は、12/14(火)、フェニックスバトルの裏で行われていた後楽園ホール興行の観戦記でした。

やっぱりこっちもアツかった。ある程度日程が被ってしまうのは仕方ないにしても、世界戦とのモロ被りは避けてほしいですよね。この興行には、会場で観戦する価値は勿論、行けない人に対して生配信する価値もあった興行でした。

 

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