さて、いよいよ始動したLemino(のボクシング)。
解説陣は畑山氏、亀海氏と大変に豪華ですが、やっぱりこの実況の人は苦手なので音声はオフ。
追っかけ再生機能もなさそうで、これも残念の極みです。
ということでじっと見ているわけにはいきませんので、途中目を離しつつ、万難を排しての観戦記。
↓プレビュー
4/26(水)フェニックスバトル
日本ミニマム級王座決定戦
高田勇仁(ライオンズ)10勝(5KO)8敗3分
vs
長谷部守里(三迫)9勝(3KO)6敗
期待している高田、日本初戴冠なるか。対戦相手は、前の試合で決定していた小浦翼よりは与し易い、といえる長谷部。
初回、リング中央ながらやや長谷部がプレスか。高田がサークリングしながらのスタートですが、遠い距離から踏み込んでの高田のコンビネーションが良い。3つ目までしっかりと踏み込めているのが良いですね。
2R、高田は強弱を交えたパンチが非常に良いですね。高田が攻めると確実に長谷部もリターンを返しますが、高田は当たるところで強いパンチを打ち、良い左フックをヒットする場面も。
3Rは長谷部がリズムよく動き、攻めては動く、が機能しているように見えます。序盤から中盤には長谷部が上手く戦ったというイメージですが、後半には高田が強い踏み込みで反撃。
4Rは高田が長谷部のジャブにあわせる右オーバーハンドがヒット、この長谷部のジャブを高田は狙っているか。飛び込みの左フックも織り交ぜて、遠い距離から一気に踏み込むボクシング。
5R、お互いにパンチは当たっているのですが、やや印象的なのは高田の飛び込みの左フック、このラウンドでは右カウンター。長谷部はちょっともらい方が悪いような気がします。
途中採点は、3者ともに高田。
6Rに入ると映像が止まり、再開すると1分ほど経っていました。
このラウンドも高田は左のダブルをヒットする等、ヒット数で上回っているように見えます。攻めざるを得なくなった長谷部はパンチを当ててもリターンをもらってしまう、という良くないループ。
と、逆転を狙う長谷部が先手を取り続けるもポイントを取れない、というような展開が続いた終盤、高田の左フックカウンターがヒット!これでぐらついた長谷部、ここで高田は猛ラッシュ!!!
後退した長谷部を追いかけ、ロープに詰めてパンチを見舞うと、長いラッシュのあとにレフェリーがストップ!!!
高田勇仁、6RTKO勝利で日本王者に!!!
素晴らしい勝利でした、高田。
ミニマム級らしいキビキビとした戦い、自らも攻められ、リターンも狙え、ステップワークも良い。非常にバランスのとれたボクサーファイター、この戦績はやっぱり信じられませんね。
こういうボクサーが、いつか世界に飛び立ってほしい。
ミニマム級の世界王座は、日本ミニマム級王座からはそう遠くないはずです。
2礼、2拍手、1礼してリングに上がり、リングを降りても2礼、2拍手、1礼。
ボクシングの素晴らしさを伝えてくれた一戦でした。
日本ウェルター級王座決定戦
重田裕紀(ワタナベ)8勝(5KO)2敗2分
vs
坂井祥紀(横浜光)26勝(14KO)13敗2分
ともに初戴冠を目指す、同い年。前戦はドロー、それでもおそらく伸びしろは重田の方が多いはず。タフファイト間違いなし、激闘必至の一戦。
初回、少し遠目の距離からジャブ、ストレートを使って上手く攻める重田。そこから後ろ手をアッパーに変化させてヒット、坂井はちょっと近づけない我慢の時間帯。
このアッパーは危険ですね。後半、坂井は距離を潰せていますが、重田はフック、アッパーを近い距離でも上手くヒット。この坂井のガードの間隙を縫ってヒットするパンチ、かなり危険。
2R、坂井がプレスを強めます。重田は軽いコンビネーションで応戦、というところで坂井の右ボラードが綺麗にヒット!ダメージを負った重田、ちょっと重田に力感が感じられなくなります。同じオーバーハンドを空振り、これは非常に迫力があります。
まるでメキシカン!!!外からの迫力あるパンチをガンガンと打ち込み、重田の顔が揺れたところでレフェリーが割って入り、レフェリーストップ!!!!
坂井祥紀、2RTKO勝利!!!
これは。。。!誰でしょうか、坂井に伸びしろがないなんて言ったのは。。。
この試合にかける気持ち、なのでしょうか、いつもの坂井はもっともっとコツコツと打つタイプのボクサーに思え、ここまで思い切り打つボクサーではなかったような気がします。
これはニュースタイルなのか、それともこの試合だからこそ、なのか。
こレがニュースタイルだとするならば、本当にエキサイティングなスタイルであり、もしかすると僅差判定に泣いた小原戦もクリアできていたかもしれません。
まさかここから、また大きく躍進するのでしょうか。
実はこの試合がKO決着だということは思っても見ませんでしたが、このワイルドさを保つスタイルを見たい。これまでの坂井の(日本の)試合の中では、間違いなくベストバウトでしょう。
日本スーパーライト級王座決定戦
アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)16勝(11KO)9敗2分
vs
藤田炎村(三迫)9勝(7KO)1敗
さて、ここまでの日本タイトル戦の2つがKO決着。しかも、どちらも双方の良いところがでた上でのKO決着です。
そして3つ目の日本タイトル戦は、この興行の中で最もKO決着が期待できる試合の1つ。
もしかするとメインイベントにあげる人もいるかもしれない、セミファイナルです。
初回、ド派手なトランクスの二人、まずはリング中央。力を込めたジャブの差し合い、とにかく強いパンチをコネクトすることに集中しています。
やはりキャリアにまさるアオキの方が軽めのジャブを出してボクシングを組み立てようとしており、リターン狙いの藤田はやや後手か。
なんだか楽しそうな戦士ふたりを見て、こちらもワクワクしてきます。
2R、前ラウンド後半からよくジャブを出すようになっているアオキ。藤田は力強い1発狙い、これはちょっとボクシング的には良くはないが、この強振は藤田の魅力。
しかしアオキのジャブが邪魔か、藤田はなかなかパンチを出せない時間。後半に入るとアオキが積極的に攻め、藤田は下がります。ガードの時間を強いられる藤田、それでも時折出すリターンが鋭い。というところで、終盤、藤田の右フックがカウンターとなってクリーンヒット!!!そしてアオキはダウン!!
立ち上がるも、かなりのダメージを負ったアオキを見て、レフェリーはストップ!!!
藤田炎村、2RTKO勝利!!!
いやー、これはものすごい試合。2R序盤、中盤のアオキの攻撃で、藤田はダメージを被ったように見えましたが、1発で試合をひっくり返して見せました。
ここもまた、両者が良さを見せた試合。いやはや、本当にとんでもない勝ち方です。
今日の後楽園ホールはいったいぜんたい何なんでしょうか。
ふたりのボクサーが相対し、互いの武器をさらし、強さを見せて早々に決着がつく。
これはボクシング興行の理想形、Leminoは初っ端から超がつくほどのアタリ興行を引いています。
感動的なインタビュー。ちなみにリクルートという会社は副業OK。
自分のケツを自分で拭ければ大丈夫ですが、激務であることも有名です。
藤田には、ずっとリクルート営業マンとしてがんばってもらいたいですね。
日本ライト級タイトルマッチ
宇津木秀(ワタナベ)12勝(10KO)無敗
vs
仲里周磨(オキナワ)12勝(7KO)2敗3分
そしていよいよメインイベント。ここまでサクサク進んだ感じですね。余計な演出がなくて良い。ちなみに、当然のことながら米倉会長の追悼セレモニーは余計な演出とは言いません。
日本ボクシングの草創期、元オリンピアン、初のA級プロデビュー。日本ボクシング史上2人目の世界タイトル挑戦を成し遂げた名ボクサーは、現役引退後も5人もの世界王者を輩出。
素晴らしい功績の数々、米倉会長に合唱。
初回、リング中央、互いにジャブから入る正統派、まずはジャブの差し合い。ですが非常に早いペースで次の攻撃に移り、ジャブから右ストレート、左フック、右アッパーと様々なパンチを両者が出し合うという展開。
から、後半、仲里の右がヒット!!宇津木はここでぐらり!!
ピンチの宇津木はクリンチ、かなりのダメージを被っているところでしたが反撃を試みてしまい、ここで仲里は右を追撃!更なるダメージを負った宇津木でしたが、なんとか乗り切ります。
2R、宇津木の足取りはしっかりしているように見えますが、ダメージはどうか。仲里は無理せずじっくりと観察、しかし先程ヒットした右クロスは狙っていそう。
宇津木も丁寧にパンチを返しますが、近い距離でも仲里のパワフルなパンチが宇津木を襲います。これはかなりヒヤヒヤする展開。
しかし宇津木の回復力たるや恐ろしいものです。
3R、序盤に宇津木の左フックを外して仲里が伝家の宝刀、左フックをリターン。その後宇津木も右をヒットしてダメージを与えると、今度は仲里がクリンチ。
その後は仲里も左をヒットするなど一進一退!のところの中盤、仲里の右がカウンターとなってヒット!!!宇津木がダウン!!!!
宇津木はしっかりと時間を作って立ち上がるも、レフェリーがストップ!!!
仲里周磨、3RTKO勝利!!
またまた、なんという試合なんでしょう。。。
宇津木を応援していましたので、これは切ない。
ですが、仲里は親父の世代から応援していたボクサー。ここは最大の賛辞を贈りたい。
そしてこの4月26日という日付は、あの伝説の一戦、オスカル・ラリオスvs仲里繁が行われた日程なのです。
たった3ラウンズ、それでも超濃密な3ラウンズ。
ファンの気持ちは、どっちを応援しているボクサーにとってもジェットコースター。
本当にボクシングって素晴らしい。
そして敗れた宇津木秀、ここで終わるボクサーではないと思っています。もう少し、中間距離で戦えていれば結果は変わっていたかもしれません。というタラレバを残し、宇津木の再起にも期待をしたいと思います。
今日の試合はベストを決められないほどの素晴らしいファイトの数々。これは本当に多くの人に見てもらいたい興行ですね。
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