毎月第2火曜日は、フジボクシング。
かつて関東ローカルでしか見れなかったフジボクシングは、毎月FODプレミアムで生配信してくれます。
奇数月はフェニックスバトル、偶数月はダイヤモンドグローブです。
10月はダイヤモンドグローブ、今回は日本ウェルター級の絶対王者、小原佳太に小畑武尊が挑みます。
ということで今回のブログは、ダイヤモンドグローブの観戦記です。
↓プレビュー記事
10/11(火)ダイヤモンドグローブ
山口仁也(三迫)が登場、プロ2戦目に臨みます。
初回1分頃、右フックの相打ちで山口がダウンするという波乱の幕開け。フィリピン人ボクサーのサムソンは相打ちのタイミングが恐ろしいボクサーです。
2Rにはボディを起点に攻め入る山口、これは非常に効果的に見えますがサムソンのアッパーを浴びて膝が折れる場面も。3Rも山口はボディ、左カウンターをヒットして攻勢、しっかりと攻められる嗅覚はさすが。
4R、山口は左カウンターからダウンを奪取、かなりのダメージを感じさせるサムソンはスリップでも膝をつきます。そこから立ち上がったサムソンを攻め立てたところで、試合が終了。
山口仁也、4RTKO勝利。
続いて渡来美響(三迫)が登場、こちらもプロ2戦目。
初回から圧倒的な力の差を感じます。渡来は自由自在に動き回り、早々にフィリピン人ボクサー、ピニリを圧倒。
2Rも自由にリングを駆ける渡来、今戦も全然パンチをもらいません。3R、ピニリはガードを固めて前進、渡来も打つ所がないのかやや攻めあぐねている印象です。ただ、ピニリもガードを意識しすぎてなかなか手が出ません。
4R、変わらずプレスをかけるピニリでしたが、後半、渡来の左ボディで後退。5Rに入ると今度は渡来がプレス、軽いパンチで誘ってカウンター。ラストラウンド、渡来はプレスでピニリをコーナーに詰め、ワンツーをヒット。その後も終始パンチをヒットしていきますが、ピニリも倒れず規定の6Rが終了。
採点は3者ともに60-54で渡来。渡来美響、判定勝利。
中嶋憂輝(角海老宝石)vs永田丈晶(協栄)
初回は距離の測りあいからスタート。中嶋はストレートの距離で、サウスポー永田はそこから半歩近い距離で戦いたい、という雰囲気。中嶋のジャブは良いですが、永田はそのジャブを躱しながら踏み込み、左ボディストレート。終盤、永田の左ストレートがヒット!これはそこまでの左ボディストレートがフェイントとして効いていたかもしれませんね。
2R、永田の左は素晴らしいタイミング。中嶋はジャブ以外がなかなかでません。永田は左ボディストレートを打つ時の頭の位置が絶妙、ガードの高さも素晴らしいし、バランスも良いですね。
3R、中嶋もアッパーを使い始め、これは低く入ってくる相手に対して効果的でしょう。しかし永田はボディを打つ時に前足を中嶋の外側に出せているので、このアッパーのクリーンヒットをもらいません。中嶋はジャブがよく出ますが、ややテンポが単調か。
4R、永田は良いプレスの掛け方をしつつ、左ボディストレート。しかし後半、中嶋の素晴らしい左フックが印象的です。
5R、中嶋はジャブにフェイントを交え始め、前半は良い距離で戦います。しかし後半にはやや距離が詰まり、これは永田の距離。6Rもやや近い。永田のストレートが届く距離では戦いたくない中嶋ですが、永田は踏み込むタイミングが素晴らしく、また上下への打ち分けも素晴らしい。
7R、永田のパンチは非常に無駄がなく、ガードポジションからノーモーションで出ます。中嶋はハンドスピードも速く、迫力のあるパンチ。
対照的な両者ではありますが、ここまでは永田のコンパクトなパンチが勝る印象で、後半には左ストレートで中嶋の顔を跳ね上げます。
ラストラウンド、永田は初回から全くもって動きが変わりません。ほとんど右リードを打たず、ステップワークと左のみで試合を組み立てています。勿論、その土台には乱れないガードポジションと、バランスの良さがありますね。
中嶋も左フックをヒットする等、意地を見せるものの、永田のステップワークは追撃を許しません。
規定の8Rを終了し、勝負は判定へ。
79-73、80-72×2、永田丈晶のユナニマス判定勝利。
これはなかなか小気味良いボクシングを見せてくれた永田。「いぶし銀」という言葉がよく似合う、良いボクシングでした。こういう、何というか派手ではないボクシングは応援したくなります。
日本ライト級挑戦者決定戦
仲里周麿(オキナワ)11勝(7KO)2敗3分
vs
鯉渕健(横浜光)8勝(7KO)5敗1分
初回、様子見もそこそこに交互に攻め入る両者。互いに踏み込めば距離が噛み合わないこともあり、揉み合いもしばしば。
2R、鯉渕の動きはちょっと読みにくい。嫌なタイミングで踏み込んできます。仲里はやりづらそうですが、いくつかの左ボディをヒット。ダブル、トリプルのジャブもよく出ています。しかし、後半には鯉渕の右を被弾。この巻き込むような右ショートは厄介です。
3R、鯉渕は頭と頭がぶつかり合うくらいの距離でも上手くパンチを当てます。これに全体重を載せているので、仲里はこの距離にいたくないでしょう。
こういう変則な相手にこそジャブが有効だと思いますが、仲里は徐々にジャブの出が少なくなっているように感じます。右から入るパターンが多いか。
4R、近めの距離での打撃戦。前ラウンド、仲里は鼻の上から出血がありますが、これはバッティングのようです。仲里の方がパワフルで印象的ですが、ヒットの数は鯉渕か。
5R、揉み合いの展開自体は少なくなっているかもしれません。ほんの若干、距離が開き、こうなると仲里の距離になるのではないでしょうか。仲里のプレスに対して鯉渕は退きますが、ここは前に出て距離を潰した方が良さそうで、序盤のように揉み合いから出すパンチに光明を見出したいところ。
6R、仲里はコンビネーションが出てきました。そして相変わらず左フックは力強い。しかし鯉渕も強い左右を返して応戦します。
互いにパンチの当たる距離での打撃戦が続きます。
7R、仲里は幾分か戦いやすくなっていると思います。序盤、鯉渕のパンチが当たりますが、仲里は効いた素振りを見せず、中盤には反撃。仲里のパンチではバランスを崩す鯉渕、ポイントは仲里に流れそうな展開です。
ラストラウンドも中間距離での打撃戦。仲里がワンツーを決めると鯉渕がすぐさま右をリターン。中盤から後半にかけて仲里はコンビネーションで攻め始め、細かなパンチをヒットして優勢。終盤まで互いに攻め続け、力を出し合った8ラウンズが終了しました。
採点は、76-76ドロー、77-75、78-74、2-0で仲里の勝利!
前半、上手く戦った鯉渕でしたが、後半は仲里が明確にとったラウンドが多かった、という印象です。
両者気持ちを見せた、素晴らしいファイトでしたね!
仲里周麿、次は日本タイトル戦。その相手は宇津木秀か、それともジロリアン陸か。
↓盛り上がる国内ライト級!
日本ウェルター級王座統一戦
小原佳太(三迫)25勝(22KO)4敗1分
vs
小畑武尊(ダッシュ東保)12勝(5KO)5敗1分
小原の怪我により設けられた暫定王座についたのは、元日本王者永野祐樹をアップセットで退けた小畑武尊。これは非常に楽しみな一戦ですね。
初回、まずは互いにジャブを飛ばして様子見。非常に静かな立ち上がりです。互いに奥手のストレートを伸ばす等、揺さぶりをかけますが、まだ大きな動きはありません。
2R、スッと伸ばす右が美しい小原、小畑が仕掛けようとしたところにコンビネーション。
その後も小畑が攻めた所に右をヒット、ふとした時に右ボディストレートをヒット。この辺りのタイミングはさすがとしか言いようがなく、まずは明確なキャリアの差が出ている感じがします。
3R、小原が少しギアを上げたか、運動量が多くなります。小畑は少し対応できていないか。
しかし相打ちのタイミングで放った小畑のパンチもヒット、決して打たれ強いとはいえない小原は、ここを気をつけなければいけませんし、小畑としてはこの相打ちのタイミングでパンチを放っていきたいところ。
と思った後半、小原はほんっとうに美しいワンツーをヒット、これで小畑はダウン!!
立ち上がるも、レフェリーがストップ!!!
小原佳太、3RTKO勝利!!!
いやぁ、、、、
何という芸術的なワンツー。
小原のジャブに反応した小畑、左方向にダッキング。それを追尾するように外側から回った右ストレートは、見事に小畑の顔面にヒット。
序盤からキャリアの差は明確ではありましたが、小畑は格上相手に非常にがんばりましたし、いくつかのパンチをヒットさせ、タイミング的には可能性を感じさせるものでした。
ともあれ、やはり小原は国内で抜けています。
やはり、あとはOPBF東洋太平洋及びWBOアジアパシフィック王者、豊嶋亮太(帝拳)との統一戦を待つのみ、ではないかと思います。
今回も良い興行でしたね。
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