10/20(木)、日本バンタム級タイトルマッチをメインに据えたDANGAN興行から、1日を空けてまたBoxingRaiseが生配信をしてくれました。
↓観戦記
BoxingRaiseは本当にありがたいプラットフォームで、アーカイブもずっと残してくれているし、新人王戦等も録画してくれている分、国内の過去試合を探すには本当にもってこい。
さて、10/22(土)、例によって17:50からのライブ配信が開始。私はこの時間には間に合いませんが、メインを含めた3試合には間に合いました。
ということで今回のブログは、和氣慎吾vs中川麦茶という注目のノンタイトル戦をメインに据えた、DANGAN興行の観戦記です。
↓プレビュー記事
10/22(土)A-SIGN&DANGAN
日本ウェルター級挑戦者決定戦
重田裕紀(ワタナベ)8勝(5KO)2敗1分
vs
坂井祥紀(横浜光)26勝(14KO)13敗2分
ちょうど初回が始まったあたりから見始めました。重田の動きが良い。
坂井はガードを固めて前進しますが、重田上下へとコンビネーションを多用、ヒット&アウェイ。中盤以降は坂井のプレスが勝るイメージで、このラウンドは前半重田、後半坂井という感じでしょうか。
2R、坂井は右オーバーハンドから入るパターンが良い。対して重田は素晴らしいコンビネーションで迎え撃ち、このコンビネーションは非常にパワフル。ガードこそしているものの、この階級でのあのパワフルなコンビネーションはダメージが蓄積するものかもしれません。
坂井の得意とする近い距離ではコンビネーション、やや遠くなると素晴らしいジャブとストレートをヒットします。
3R、坂井のガードは固いですが、重田のジャブ、ストレートは当たっている印象。坂井のブロッキングの隙間をしっかりと研究している感じがします。そして1分頃、重田の右で坂井がダウン!!!
その後も打ち合う坂井、左フックの相打ちでも坂井がダウン!!!
立ち上がった坂井、まだパワフルなパンチを打てますが、ここはしのいだほうが良さそうです。
重田は少し雑になっているかもしれません。ガードはほぼなく、後半は坂井の方がクリーンヒットを積み重ねます。
坂井がダウン、というのはびっくりですね。。。
4R、ちょっと重田は打ち疲れなのか、パンチにスピードが乗らなくなってきたような感じがします。坂井は相変わらずパワフルで、ダウンのダメージはあるはずですがそこまで感じません。
グイグイと攻め入る坂井、いくつものアッパー、フックと右オーバーハンドをヒット。かなり苦しそうな重田は幾度も顔を跳ね上げられますが、強いボディで反撃。
終盤もクリーンヒットを奪い合う両者!これはもう、とんでもない試合です!
5R、プレスをかける坂井!重田はかなりキツそうです。頭をつける場面が増えますが、重田のショートパンチは序盤のような力強さを感じません。
それでもしっかりと手数だけは出す重田、手を出していればこれがカウンターとなって入り、押し返せるかもしれません。
しかし坂井は非常に冷静で、隙も少なく、まとめるところではまとめるというスタイルで、おそらくこのラウンドもポイントはピックアップしたでしょう。
6R、序盤に重田のカウンター!このストレートの距離なら重田にもチャンスがあります。しかしその後はやはり接近戦、重田はなかなか足が動きません。
坂井はアッパーからのコンビネーションで重田を下がらせ、中盤にも強い左フックをヒット。
それでも倒れない重田は、この試合への気持ちが伝わってきます。
7Rもガードを上げてプレス。もう本当に初回から全然変わらないボクシング。これがトレーニング、努力の成果なのでしょう。序盤、右ストレートで重田の顔を跳ね上げ、重田も強いパンチを返すも坂井は乱れません。このもらい方の差が大きな差になっていそうです。
最終盤も坂井の攻撃に対してかなり苦しい重田、なんとかゴングに救われます。これは、陣営としては棄権も考慮して良いのではないでしょうか。
8R、またもグイグイ攻め入る坂井。これは相対すると本当に嫌なボクサー。重田はあと3分、頑張れるか。
1分頃、坂井のショートの右フックがクリーンヒット!倒れてもおかしくないパンチだと思いますが、重田は非常にタフです。
重田はもうノーガード状態から何とかパンチを繰り出す状態、坂井は最後まで攻め続け、試合が終了。
会場からは大きな拍手!素晴らしい打撃戦でした!
判定は、ドロー。76-74坂井、75-75(重田の優勢)、75-75(坂井の優勢)ということで、ドローながらも挑戦権を獲得したのは坂井。
重田は素晴らしかったですね。前戦から大きな成長を遂げられていたと思います。序盤、飛ばしすぎたのか、それともやはり、坂井のプレスが強かったか。
坂井はいつもどおりのボクシング、と言って良い内容でしたが、その安定性たるや異常。
誰も対戦したくない、というタイプのボクサーで、日本王者、小原も嫌でしょうね。ただ、重田がダウンを奪った、ということは小原にとっても非常に大きい様な気がします。坂井も倒れるのだ、ということもわかりましたし、タイミングも何と無くわかったかもしれません。
小原vs坂井の再戦、坂井には上積みが必要とされますが、どうなるのでしょうか。非常に楽しみです。
スーパーライト級8回戦
鈴木雅弘(角海老宝石)7勝(4KO)1敗
vs
近藤哲哉(横田スポーツ)6勝(4KO)6敗
初回、まずは少々の様子見から、ジャブの差し合い。さすが鈴木のジャブは鋭く、そこから早々に左フックをヒット。
中盤にも左フックをヒットした鈴木は、近藤の攻撃に対してはしっかりとしたブロッキング。集中力も抜群で、やはりこの序盤の鈴木には穴がありません。
2R、左の打ち合い。そこから中盤に鈴木は巻き込むような右ストレート。これは浅くヒット。近藤も力強いパンチを放ちますが、鈴木はびくともしません。
この全くもって隙のない状態から、後半にかけてかなり雑になってしまうところが鈴木のよくないところだと認識していますが、今日はどうか。
3R、鈴木は様々なアングル、上下の打ち分けでヒットを重ねます。近藤の攻撃をブロッキング、距離で外す鈴木は、集中力も十分です。
4R、そこまで大きな動きのない鈴木ですが、そのディフェンスは秀逸。鈴木はほとんどもらうことなく中盤に右ストレートをヒット!これが効いた近藤に追撃の左フック!見事なタイミングで決まった左フックで近藤はダウン!!
立ち上がった近藤に対して鈴木はラッシュ!揉み合いになったところでレフェリーに剥がされますが、再開後、左をヒットすると近藤はロープに飛ばされ、ここでレフェリーがストップ!
鈴木雅弘、4RTKO勝利!!
強さを見せつけた鈴木雅弘。やはりこのボクサーは非凡で、また非常に魅力的なボクサーです。今回は特に、冷静さが際立った感じで、ダウンを奪ってからの詰めは本当に無慈悲で、素晴らしかったです。
またどこかで、王座返り咲きを果たすボクサーだとは思いますが、地域タイトルくらいでは終わってほしくないですね。今後も楽しみです。
メインイベントの前に伊藤雅雪氏の引退式。映像を見て思い出しましたが、以前の記者会見で、伊藤が「本物のボクシング」と発言した際、どこかの記者が「偽物のボクシングもあるということか」みたいな質問をしたと思いますが、そんなことは聞くまでもありません。
ボクシングファンなら誰しも知っている、偽物のボクシングというのは、引退したメイウェザーとなんとかというYoutuberとのエキシや、キックボクサーの皇治選手とどこぞの4回戦ボクサーとのちちくりあい、そういうものが偽物のボクシング。伊藤氏は明確には言わないですが、この質問は失礼だと思いますね。
その後カシメロ戦を控える赤穂亮(横浜光)の決意表明、そして新プロモーションを設立した伊藤氏の決意表明を経て、メインイベント。
フェザー級8回戦
和氣慎吾(FLARE山上)28勝(20KO)7敗2分
vs
中川麦茶(一力)24勝(14KO)9敗2分
さて、メインイベント。難敵・中川を迎える和氣ですが、ここは快勝してリーゼントボクサーここに在りを見せつけてもらいたい。中川はノーランカーですが、勝ち方次第では評価を上げられる相手だと思います。
初回、速いステップから速いジャブ、早々にワンツーを打ち込んでいくのは和氣。前戦に比べ、調子は良さそうです。
中川はジリジリと前進、前進しながらもちょっと狙っている感じはしますが、和氣のスピードにまだ慣れないか。和氣の左ストレートに対して右のリターンを返しますが、ちょっと間に合いません。ただ終盤、中川も右を当てて反撃。
2R、変わらず速いステップの和氣、このラウンド序盤はいくつもの左ボディストレートをヒットします。
中間距離でのヒリヒリとした駆け引きから、一瞬で速い踏み込みを見せて先手を取るのは和氣!
ただ、元々の打たれ脆さもあって中川のリターンには気をつけたい。
3R、和氣は非常に反応が良いですし、左もよく伸びています。中間距離では中川のパンチも届いてはいますが、ちょっと浅い。
中川は和氣が踏み込んでくればショートでリターンを徹底しており、これは怖い。
中盤、和氣の左で少しバランスを崩したようにみえた中川。ただ、中川も和氣が踏み込んでからしつこく打ち返すということを続けており、これは打たれ強いとはいえない和氣にとって、怖さがありますね。
と、このラウンド終盤、相打ち気味に中川の右ショートが当たり、和氣がダウン!ちょっと足がもつれた感じもした、不運にも見えたダウン。立ち上がったところでゴング、和氣のダメージはどうか。
4R、和氣はあまりダメージはなさそうです。しっかりと足が動いています。と、しかし中川の右?がヒットすると、和氣はまたもダウン!立ち上がった和氣の、様子がおかしい。
右の鎖骨付近が大きく飛び出しています。右肩の脱臼のようで、そのままレフェリーがストップ。。。!!
中川麦茶、4RTKO勝利!!
なんということでしょうか。
まさか、ここで和氣が負けるとは思ってもいませんでした。苦戦こそすれ、勝利は固いと。
そして、中川に怖さこそあったものの、和氣の方が明らかにボクシングで上回っていたように見えました。
3Rのダウンもどちらかというと思い切りダメージのあったダウン、ではなかったような気がしますが、残念ながら結果は結果。これもまた、リアルなボクシング。
和氣は残念でしたし、中川は素晴らしかったですね。覚悟が見て取れました。
再起後の初勝利が、世界挑戦経験者の元王者、和氣慎吾というのは本当にすごいこと。
和氣を応援していたので、個人的にはちょっと残念ですが。。
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