流石にそろそろ発表だろう、と思っていますが、待てども待てども吉報が届かない今日このごろ。阿部麗也vsキコ・マルティネスが4/8の日本開催という話題は上がっていましたが、正式発表が待ち遠しいですね。
ともあれ、そのニュースとは別の角度からまたすんごいニュース。
先日、大橋ジムは優勝賞金1,000万円+破格のファイトマネーを手にする事ができる、バンタム級モンスター・トーナメントの開催を発表しましたが、なんと今度は続けざまに4つの日本タイトル戦を一日で消化するというクアドラプル・ヘッダー(ボクシングで覚えた英語)を開催するとのこと。
現在空位の王座が多いのでそのうち3つが王座決定戦となってしまったものの、結果的には1つの興行に4人のチャンピオンが出揃う、これこそがまさに「チャンピオン・カーニバル」です。
ということで今回のブログは、またも大橋ジムが仕掛ける4大日本タイトルマッチについて。
↓モンスター・トーナメントについてはこちら
4/26(水)後楽園ホール
日本ライト級タイトルマッチ
宇津木秀(ワタナベ)vs仲里周麿(グリーンツダ)
2022年、評価の高い元日本スーパーライト級王者、鈴木雅弘(角海老宝石)を9RTKOに退け王座に就いた宇津木は、その後富岡樹(角海老宝石)、ジロリアン陸(フラッシュ赤羽)をストップして2度の防衛。
3度目の防衛戦は、同世代のホープとも言える仲里周麿戦。
仲里の敗戦は、宇津木の同門である元地域王者の三代大訓、そして初のタイトル戦となった吉野修一郎(三迫)のみ。
前戦では日本ライト級挑戦者決定戦で、難敵鯉渕健(横浜光)に勝ちきり、最強挑戦者となって宇津木のタイトルを狙います。
ここまですでに圧倒的な力をみせている宇津木は、非常に完成度が高い、冷静なボクシングをこなします。この宇津木に挑戦したい、という気概のあるボクサーはさほど多くないような気がしますが、この仲里は誰が相手でも行くのでしょう。
予想は宇津木優位となるでしょうが、仲里はどのように意地を見せるのか。
日本スーパーバンタム級王座決定戦
石井渡士也(REBOOT.IBA)vs下町俊貴(グリーンツダ)
古橋岳也(当時川崎新田)が田村亮一(JBスポーツ)との死闘を制し、日本王者に返り咲いたのは2022年の末。しかしその後、35歳という年齢を理由に古橋は引退。
このときの試合で石井がリングに上がり、堂々と古橋からタイトルを獲る事を宣言したわけですが、その試合は結局叶う事はありませんでした。
古橋がタイトル返上後、指名挑戦者である石井の前に立ちはだかるのは、日本スーパーバンタム級3位の下町俊貴。2位の中嶋一輝(大橋)は2/16(木)にWBOアジア・パシフィック王座決定戦が決まっているから致し方ありません。
さて、石井vs下町というのはとんでもないホープ対決。
井上尚弥のスパーリングパートナーとしてならした石井は、前戦では無敗の池側純(角海老宝石)と戦いドロー。しかし下町はというと、世界ランカーでエマニュエル・ナバレッテ(メキシコ)への挑戦経験もあるジョー・サンティシマを完封、という内容です。
反応もバランスもよく、見るからにフィジカルも強い石井ですが、この下町相手には石田匠戦の二の舞になることも考えられなくない。これは石井にとって非常に難しい試合になるとは思いますが、この試合を乗り越える事は、二人のボクサーにとって大きな糧になるはずです。
日本スーパーライト級王座決定戦
アオキ・クリスチャーノ(角海老宝石)vs藤田炎村(三迫)
こちらは平岡アンディが返上した王座を巡っての王座決定戦。アオキ・クリスチャーノはその平岡戦から1年のブランク、再起戦が即タイトルマッチというのは幸運なのか、そうでないのか。
アオキは平岡相手に素晴らしいボクシングを展開していましたが、見事なカウンターに屈してしまいましたね。
そして決定戦の相手が、藤田炎村というのはこれまたアツい。
この試合は、血気盛んな両者の、文字通り火の出るような打撃戦が期待できるものです。
もしかすると、本当に火が出てしまうかもしれない、という程。
藤田は前戦で湯場海樹(ワタナベ)を4RTKO、その前は富岡樹(角海老宝石)に判定勝利と戦う度に評価を高めているボクサー。
こんな試合は、面白い試合にしかなりません。
日本ウェルター級王座決定戦
重田裕紀(ワタナベ)vs坂井祥紀(横浜光)
ウェルター級の王者、小原圭太(三迫)が返上した王座を巡っての王座決定戦。
こちらは接戦確定、ともいえる試合であり、「ポイントのとり方」とか、「見栄え」というもの次第でどちらに転ぶかわからないような試合となる見込みです。
というのも、ふたりは2022年10月に戦い、ドロー。この一戦は挑戦者決定戦だったために、公式記録はドローでも優勢点で挑戦権を得たのは坂井でした。
それなのに坂井が2位で、重田が1位というのは何だか微妙な感じもしますが、事実、そのようなランキングになっています。
2020年8月の初戦は、坂井の勝利で間違いはなかったものの、重田はとても良く粘った、という印象。しかし2022年10月の再戦では、どちらが勝ったかわからない内容でのドロー。
要はふたりの差は縮まっており、これは重田の方が伸びしろがあったことと、坂井のボクシングに対応できた、という事が事実なのだと思っています。
とすると、第3戦は。。。
前2戦よりも変えなければいけないのは坂井の方だと思いますが、あのスタイルをどのようにかアップグレードさせることは可能なのでしょうか。
坂井にとっては一度勝っている相手で、タイトル獲得の大チャンスとも言えますが、風向き的には重田に追い風が吹いているはずです。
ともあれ、大橋ジム。
さて、このクアドラプル・ヘッダーの中に、大橋ジムのボクサーたちは登場しません。しかし、この興行はフェニックスバトル、大橋ジムの興行です。
アンダーカードでこそ大橋ボクサーたちは登場する予定ですが、メイン4試合の中にはいません。
普通、自主興行では自分のジムのボクサーをメインに持っていくのが通常で、特に注目度の高い興行ではそうすることがほとんどのはず。しかし、大橋会長はこれまでもフェニックスバトルの中で他ジムのボクサーにメインを張らせたり、先日発表したモンスター・トーナメントにも大橋ジムのボクサーを出さないと名言したり、と非常に利他にあふれています。
世の中には「Giver」と「Taker」、そして「matcher」がいるといいますが、大橋会長は完全に「Giver」なのでしょう。与えて、与えて、求めない。人として、こうありたいと思います。
↓これ面白いので読んでない人は是非。
ともあれ、ボクシングのプロモーターなんて「Taker」(自分の利益を優先させる人)だらけのはずですが、大橋会長は違いますね。
井上尚弥というモンスターを預かり、それをしっかりとボクシング界に還元しようと本当によく動いてくれています。
かつて150年に一人の天才と称されたボクサーは、ボクサーとしてだけでなく、日本ボクシング界のバックヤード側にとってもそうなのかもしれません。
ここ最近、日本のジム制度はただの「縦割り」から変わってきており、そこを横断してのプロジェクトがいくつも生まれています。
大橋ジムのフェニックスバトルしかし、3150FIGHTしかり、TPボクシングしかり。
日本からジム制度がなくなれば、きっと4回戦ボクサーとかは試合枯れの嵐となってしまうので、良いところは残しつつ、是非ともこういう縦横無尽に動けるプロモーターの活躍を願いたいものです。
しかし4/26、行きたいなぁ。。。
そう言えばこの興行、フェニックスバトルの99回興行のようです。100回目もなにか仕掛けるのでしょうか。またまた、楽しみですね。
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是非覗いてみて下さい。