信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】清水聡の偉大な挑戦〜ダイヤモンドは砕けない?〜vsロベイシー・ラミレス!!

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7月も半分が終わりました。

ボクシング界はここから7月末に向かって圧倒的な盛り上がりを見せていくはず。

というか、既に盛り上がりを見せているのでしょう。あんまり情報を取りに行っていないのでわかりませんが。

何と言っても、日本のボクシングファンの話題はライト層を巻き込んでのスティーブン・フルトンvs井上尚弥で、そしてエロール・スペンスJr.vsテレンス・クロフォードで、さらにノニト・ドネアvsアレハンドロ・サンティアゴまで加わり、私なんかはFuji Rock Festivalもあるからもうてんやわんや。ちなみに、わたしごとで言うとフジロックの翌週は合宿ということもあり、休む暇はありません。

いわゆる「カラダもってくれよ!3倍界王拳だっ!」です。

 

まあ、そんなことは置いておいて、あと10日を切ったフルトンvs井上。

この戦いは、当初GWのさなかの土曜日、5/7にセットされていたわけで、この最高の日程のほかにも横浜アリーナというアクセスよしの会場でした。

そこから井上の拳の怪我により「いつも通り」火曜日開催、「いつも通り」有明アリーナ。

これは残念。。。と思っていた矢先に飛び込んできたニュースとして、清水聡の世界挑戦というトピックがあります。

このニュースは、平日開催、ファッ◯ン有明アリーナ開催というマイナス面を補って余りあるパワートピックで、高額チケットにも関わらず弱めのアンダーカードだったこの興行を一気に高みへ押し上げてくれました。

そんなわけで今回のブログは、奇妙なブログタイトルをつけてはしまいましたが、ロベイシー・ラミレスvs清水聡、7/25のセミファイナルにセットされたこの戦いをプレビューです。

↓いよいよ目前、フルトンvs井上のプレビュー

boxingcafe.hatenablog.com

 

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ロベイシー・ラミレス(キューバ)13勝(7KO)1敗

vs

清水聡(大橋)11勝(10KO)1敗

「五輪のメダリスト同士の激突」こう書いても、現在はさほど珍しい事柄ではないかもしれません。金メダリスト対決というのはそれなりにあることですし、過去には「五輪2連覇同士の対決」が行われた経緯すらあります。

オリンピックの経験としては、両者ともに連続出場。

2008年北京オリンピックに清水聡がフライ級で出場、2012年ロンドンオリンピックでは清水がバンタム級で出場して銅メダルを獲得、ロベイシー・ラミレスはフライ級で出場して金メダルを獲得しています。ラミレスは2016年のリオオリンピックにも出場、バンタム級で金メダルを獲得してオリンピックを連覇。

150勝20敗という戦績(自己申告)を誇る清水に対し、ラミレスのアマ戦績は不明ではありますが、大国キューバの出身ということもあって星の数ほど試合をこなしているのでしょう。まあ、100戦以上を経験し、アマでしっかりと実績を残しているボクサーが完璧な戦績を把握するのは困難でしょう。

 

国体や全日本といった国内主要大会を総なめ、国内無敵を誇っていた清水はアジア大会でも銅メダルの獲得経験があります。ラミレスもパンアメリカ大会やユース選手権等では金メダルの経歴を持つものの、意外にもアマ最高峰の世界選手権でのメダル実績はないようです。

とはいえ、五輪の実績としてはロンドンでは須佐勝明を初戦で破り、マイケル・コンランを降し、ツグスソグ・ニャンバヤルに勝利。そういえばニャンバヤルどこ行ったんでしょう。

更にリオではムロジョン・アフマダリエフ、シャクール・スティーブンソンを破って金メダルを獲得しています。恐ろしいアマキャリアです。

ちなみに清水もロンドンではアイザック・ドグボエを破っていますね。

プロキャリア

アマ大国キューバでキャリアを積んだボクサーは、亡命等々でプロ入りは遅れがちになりますが、亡命当時のロベイシー・ラミレスは(2018年当時)24歳とまだ若い。

 

亡命してキューバをでなければプロボクサーになれない、という大きなハードルをクリアするのは非常に難儀なことで、素晴らしい行動力ですね。そこからトップランクと契約、2019年8月にプロデビューしています。

しかしこのプロデビュー戦でまさかの敗北。ダウンを奪われ、当時4勝2敗2分のアダン・ゴンサレス(アメリカ)にスプリット判定で敗れています。

はっきり言って大きく期待はずれのプロ初戦で、プロデビュー2戦目で世界タイトルに挑んだロマチェンコ、そしてそのロマチェンコと階級を飛び越えてまで戦うまで無敗だったリゴンドーとは比べるべくもありません。

しかしここでマインドセットをしたのか、この一つの敗戦からラミレスの快進撃が始まります。

その後は12連勝、期待のプエルトリカン、エイブラハム・ノバ(アメリカ)やイサック・クルスやミシェル・リベラともフルラウンド戦ったファン・マティアス・ロメロ(アルゼンチン)ら強豪にストップ勝利、その強さを世界中に知らしめています。

この2つの試合は今のところラミレスのベストバウトともいえるパフォーマンスで、プロのボクサーとして必要なパワフルさを示し、またフィジカルの強さも示しています。

 

そしてその結果を引っ提げて臨んだのが、アイザック・ドグボエ(イギリス)とのWBO世界フェザー級王座決定戦。

この試合でラミレスはリングIQと組み立ての巧さ、コンビネーションとアングルの素晴らしさ、カウンタースキルの高さを見せています。

これまでの各試合でラミレスがアピールしたことは非常に多く、その完成度の高さは本当に素晴らしいもの。

ラミレスには目にも止まらぬスピードがあるわけでもなく、一発必倒のパワーがあるわけではありませんが、全てのスキルが高次元でまとまったボクサー、と言えると思います。

対して清水聡は「ダイヤモンドレフト」と呼ばれる左強打、ひらたくいうと鬼のように固いパンチという一点突破で日本フェザー級最強を証明してきたボクサーです。

プロデビューは2016年、すでに30歳を迎えていました。

この頃、盟友村田諒太はすでに世界タイトル挑戦圏内(翌年、世界初挑戦)。年齢を考えると、清水には一気にランキングを駆け上がってもらわねば困る状況。しかし、日本人にとってフェザー級という階級はミドル級ほどの難攻不落さこそありませんが、世界的にボクサーも非常に多く、難しい階級の一つです。

 

そんな状況だったからでしょう、清水はプロデビューからたった1年、4戦目でOPBF東洋太平洋フェザー級タイトルヘアタック。韓国人王者を5Rでストップし、4勝4KO無敗とパーフェクトレコードを更新すると、翌2018年は3度の防衛をいずれもストップ勝利、早くもアジア無敵状態となります。

この頃から世界挑戦の道を模索していた事を考えると、清水聡の世界挑戦は随分と難航したということになります。

なかなか世界初挑戦が決まらない清水は、2019年に1階級上のWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級タイトルヘアタック。これも難なくクリアしてしまうだろうと思われた一戦は、当時の王者ジョー・ノイナイ(フィリピン)にまさかの6RTKO負けで初黒星を喫してしまいます。

フェザー、スーパーフェザー両睨みで世界戦を模索しようとした清水の目論見は外れ、引き続きOPBF王座の防衛に専念することになります。

 

しかし、このノイナイ戦のあとに世界はコロナのパンデミックに覆われ、清水は一気に試合枯れ。ノイナイ戦の1年後に無観客での防衛戦をクリア、次戦はその10ヶ月後まで待たなければなりませんでした。

その試合はWBOアジアパシフィック・フェザー級王者、森武蔵とのアジア王座統一戦、この試合で清水はノックアウト勝利こそ逃しはしたものの、12Rに渡る戦いでスタミナを証明、そして一発に頼らずコツコツ当てるというボクシングを敢行し、プロとして今まで見せていなかった引き出しをファンに見せてくれています。

当然のことながら「一発当たれば倒せる」というだけのパンチャーではなく、その距離の作り方、様々な距離で戦えること、ポジショニング、独特なボクシングでありつつも「巧さ」を表現した清水聡。

この「非常にやりづらそう」なリズムを持つ強打者は、きっとその見た目の通りにやりづらく、「スピードもパワーもさほど感じはしない」ながらもノーモーションで放たれるパンチは相手から速くも見えるし、そしてその威力は、対戦相手やスパーリングパートナーがみな口を揃えて言うようにとにかくダイアモンドのように固い。

この清水の強さは、映像、実際の見た目では全く持って伝わりづらく、きっとじかに戦ってみなければわからないものなのでしょう。

 

正統派と異端

正統派で何でもできる王者、ロベイシー・ラミレス。こちらはおそらく素人目に見てもその技術の高さ、スピード、パワーが非常に高い次元でまとまっているのがよくわかります。加えて、いくつかの試合を見ると対戦相手によってストラテジーを変更できる器用さを持ち、ボクシング大国キューバのDNAをしっかりと受け継いだボクサーに見えます。

そして決して器用には見えず、見る人によっては「なぜ清水が強いのかわからない」というのが清水のボクシング。当然特徴としては「ダイヤモンド」と呼ばれる拳があげられますが、当然それだけではありません。一か八かのハードパンチャーではない、というところが清水の強みであり、一見して強さの見えない、とらえどころのないボクシングだからこその強さ、みたいなものの中に、繊細な組み立てがあるのでしょう。(私はよくわかりません。)

そう、だからこそラミレス相手にもチャンスがあるのが清水聡のボクシング。

はっきり言って清水の強さが私には理解不能なので、きっとラミレスを相手にしても通用すると信じることができます。

そしてもし、序盤に清水のパンチが当たらなかったとしても、それは当然と考え、ラミレスの体のどこかに当て続けることができれば、プレッシャーを与え、削ることができます。なので清水としてはとにかく攻め続け、ラミレスの心身を消耗させることが必要で、それができれば後半にかけて勝負どころが出てきそうに思います。

ここは、清水にはダイヤモンドのように固い意志を持って、劣勢上等で諦めずに戦ってもらいたいところです。

オッズは大差が開いており、ラミレス-2500、清水は+1200。ラミレス勝利に賭けて100ドル儲けようとすれば、2500ドル賭けなければいけません。対して、清水に100ドル賭けて、清水が勝てば1200ドルもの大金を手にすることができる、というほどのもの。

 

このオッズというものは基本的に「海外の評価」と言っても良いものなので、この評価は妥当であるとも言えます。こと、清水を映像だけで判断しているならば。

もしスポーツベッティングをやっているならば、清水に夢を託すべきでしょう。

100ドルが約14,000円とすると、1200ドルというのは168,000円です。これは夢がありますね。

きっとやってくれます。

ひじょ〜に、楽しみです。

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