信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【プレビュー】スティーブン・フルトンvs井上尚弥!対戦相手は過去最強、無敗同士の頂上決戦!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。ご了承ください。


あっという間にあと10日です。

スティーブン・フルトン(アメリカ)vs井上尚弥(大橋)という日本ボクシング界最大級のビッグマッチが目前に迫り、このプレビュー記事というものを書けるということだけでも喜びです。

✓チケットが届いた

✓有給を取った

✓宿を予約した

ということで、多分準備は万端。あ、交通機関を忘れていましたが、ついでに出社もするのでこれはまだ良いでしょう。

まあ、そんなわけでとても楽しみです。

7/25(火)、フルトンvs井上はLeminoが独占生配信。(不安しかない)

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ということで今回のブログは、いよいよきたる、スティーブン・フルトンvs井上尚弥のプレビュー記事。

7/25(火)有明アリーナ

WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一タイトルマッチ

スティーブン・フルトン(アメリカ)21勝(8KO)無敗

vs

井上尚弥(大橋)24勝(21KO)無敗

もう既にこの試合については語り尽くされているのでしょう。

結局のところ、事前に何を書いても全ては結果というものが示してくれます。

フルトンにとっての井上は過去最強の相手であり、井上にとってもフルトンは過去最強の相手である、という一戦は、もしかするとどちらか、もしくは両方の「底」を示してくれる一戦となるやもしれません。

私はいつもプレビュー記事を書く時には、それぞれがどんなボクサーなのか、を伝えたいと思っています。それには、ファイトスタイルという観点からそれを紐解くこともあるし、歩んできた道のりでそれを伝えようとすることもあります。

一つの観点として、実はこのフルトンにしても井上にしても、「強者との戦い」を求めてきたボクサーだということについて一致している、というのは両者のキャリアを見て、わかることなのです。

 

「強い選手と戦う。弱い選手とは戦わない。」

「強い相手と戦いたい」といって大橋ジムからプロデビューした井上尚弥。わざわざこんなことを契約書の条項にまで記載して、プロキャリアをスタートさせたボクサーはそうそういないでしょう。しかも、これはオリンピックで2大会連続金メダルを獲得し、最短距離で世界王座に挑戦しようとしたボクサウーではなく、この当時高校を卒業したばかりのボクサーです。

当時の日本最短記録となる、わずか6戦目でアドリアン・エルナンデス(メキシコ)を降してWBC世界ライトフライ級王者となった井上尚弥は、初防衛戦をクリアするといきなり飛び級でWBO世界スーパーフライ級王座に挑戦。

今思ってもよくもまあこんな無茶をしたものだと思いますが、結果的にこのチャレンジは井上尚弥というボクサーの名前を大きく広める結果となったと思います。少なくとも、ボクシングファンの間では。

当時の王者はオマール・ナルバエス。当時43勝1敗2分、アマでも100戦以上を経験していた老雄は、なんとたった2Rで素晴らしい才能の前に沈んでしまいます。

当時のナルバエスはもちろん全盛期とは言えませんでしたが、それでもこの結果は破格。

なにせプロアマ通じて150戦以上のキャリアで一度たりともダウンを喫したことのないナルバエスを開始30秒でいきなり倒し、たった6分間の間に4度もダウンを奪い、ノックアウトするという圧勝劇。この時会場にいた私は、声を出すのも忘れて唖然としていました。

 

通算27度もの世界タイトル防衛経験があるナルバエス。これは、大きく歴史が動いた瞬間だったと思います。ちなみにこのエルナンデス戦からナルバエス戦までに要した時間は、たったの9ヶ月です。

正直、この衝撃を超えるものにはまだ出会っていません。

その後、スーパーフライ級で無双状態も、なかなかビッグマッチが決まらない井上尚弥。このスーパーフライ級は今思えば我慢の時期でありましたが、ファンからすると安心してみていられるボクサーでもあり、徐々に認知度を高めていった次期でもあるのでしょう。

2018年5月25日、バンタム級への転級初戦で当時のWBAレギュラー王者、ジェイミー・マクドネル(イギリス)へ挑戦。予想は挑戦者、井上優位ではありましたが、サイズがーという理由もあり「もしかすると」が起きる可能性も捨てきれませんでした。

しかし蓋を開けてみれば、マクドネルは減量失敗、明らかな緩慢な状態でリングに上がり、それを見て取った井上は強引に攻めて初回TKO勝利で3階級制覇。

 

これは何の参考にもならない試合なのかもしれませんが、今となっては減量に失敗しながらも王者としてリングに上がったマクドネルは称賛されるべきなのかもしれません。

さて、いまだに「黄金のバンタム」と呼ばれるほど、日本では人気階級であるこの階級で、井上尚弥のキャリアは大きく羽ばたきます。

「マクドネルに勝てば」という条件付きで参戦が内定していたWBSSに出場、初戦を曲者、ファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を筆舌に尽くしがたいワンツーで70秒TKO。準決勝では「事実上の決勝戦」と謳われたIBF世界バンタム級王者、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を凶悪な左フックカウンターと無慈悲な左ボディで悶絶させ、心も身体もボロボロにさせてのTKO勝利。

決勝では、極上のフルラウンドを味わわせてくれたノニト・ドネア(フィリピン)戦。

その後、世の中はコロナのパンデミックに襲われる中でしたが、井上は無観客ながらのラスベガス・デビューで、当時はまださほど評価の定まっていなかった現在のWBO世界バンタム級王者、ジェイソン・マロニー(オーストラリア)を撃破。

 

スーパーフライ時代同様に「対戦相手がいない」問題はありつつも、我慢のときを重ねつつ機会を得て、WBC王者に返り咲いたノニト・ドネアを返り討ち、「4団体統一」以外に価値の見出しづらい相手だったポール・バトラーにも当然のように圧勝し、いよいよこの時を迎えます。

WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者、スティーブン・フルトン(アメリカ)は、井上にとって過去最強の相手と言ってよく、そして井上が待ち望んだ好敵手と言って良いでしょう。

 

「クールボーイ・ステフ」

↓フルトンの生い立ちインタビューを参考にした記事

boxingcafe.hatenablog.com

スティーブン・フルトンは「クールボーイ」というニックネームを持っていますが、これは彼のファイトスタイルに由来するものでしょう。

海外ボクサーのニックネームは幼い頃のあだ名に由来するものもあり、その全てがボクサーとしての源泉を持っているかというとそうではありませんが、おそらくフルトンのニックネームはボクシング由来のものでしょう。

彼と仲の良い人たちは、フルトンのことを「スクーター」と呼んでいるようです。

スティーブン・フルトンは「クールボーイ」そのもので、基本的には遠い距離からスピードのあるジャブ、ストレート、カウンターを打つボクサーであはりますが、近い距離でも非常に冷静に戦うことができるボクサーです。

 

明らかにフィジカルは強く、それでいてしなやかなため、押されている用に見えてもその実ポイントを奪われづらいボクシングをしています。

近い距離での試合でいうとアンジェロ・レオ(アメリカ)戦ではインサイドで素晴らしいボクシングを見せました。近接戦闘を得意とするレオにその距離で打ち勝ち、圧倒して世界タイトルを獲得。

その後も同じく接近戦を得意とするブランドン・フィゲロア(アメリカ)でもそのパンチをいなし、カウンターを取り、下がりながら、詰められながらも上手く戦っていました。

このあたりは非常に意外ではありましたが、この距離でも勝てる自信があったのでしょう。フィゲロア戦では後半、得意な距離でのボクシングも見せています。

そしてこれらのボクシングの集大成とも言えるのが、前戦となったダニエル・ローマン(アメリカ)戦。

完璧なアウトボックスでローマンのエネルギッシュな攻撃をさばき、プルカウンターをヒットさせ、勝利に徹したボクシング。このボクシングこそが、やはりスティーブン・フルトンというボクサーの「本気」であり、今回の井上戦もこのボクシングを貫いてくることが予想されます。

 

鋭いジャブを持ち、素晴らしいバックステップ、そしてカウンターを持つフルトン。強いフィジカル、スタミナは勿論、特筆すべきはそのリングIQの高さと集中力の高さです。

序盤からステップワークを使い、鋭いジャブをヒットし、カウンターをちらつかせて相手を躊躇させる。タイミングをみて自ら高速コンビネーションで攻め入り、相手が出てきたらバックステップ。ステップワークだけでなく、ボディワークにも非常に優れ、更にはクリンチも上手い。中途半端に攻め込んでしまえばカウンターも持っていますね。

この一見ジャバーですがジャブだけではなく、右手も惜しげもなくつかってくるカウンターパンチャーというのは見ていてなかなか面白いものです。

今戦、オッズ不利と出ているスティーブン・フルトンにとっては、「勝ちに徹するべき」で「盛り上げる必要もない」試合、それもアウェーとはいえ日本というボクシングの採点に対して比較的公平な方の国での戦いは、対井上尚弥としても願ったりかなったりではないでしょうか。

 

フィゲロア戦のフルトンとローマン戦のフルトンを比べると、ローマン戦のフルトンの方が1.5倍くらい強い気がしますが、今回は間違いなくそれを上回ってくるはず。(とか言いつつフルトンがウェイトオーバーとかやっちゃった日にはこのブログは消し去りますw)

ということで、オッズ不利ながらも間違いなく過去最強に仕上げてくる王者スティーブン・フルトン、オッズ優位ながらもスーパーバンタム級という未知の階級に挑む井上尚弥、それも無敗同士、これは本当にそそる一戦です。

フルトンの勝ち筋とは

さて、もし、この試合の勝敗は?と問われても、私には井上尚弥の負けが想像つきません。

あえてフルトンの勝ち筋を考えるとするならば、序盤はとにかくスピードスピードで動き回り、とにかくジャブを浅くでもヒットしてポイントをピックアップしていく。そして後半まででその流れができたのならば、井上も強引に攻め込んでくるタイミングが出てくると思うので、そこに右カウンターをあわせる。この頃にはきっと井上にも疲労があるはずですから、何とかなるかもしれません。

 

しかし、フルトンがステップワークを駆使し、井上が追いかけることで、井上のスタミナが切れるとかを想像しているとすると随分甘い。さらに、ジャブでポイントをとっていけるか、というと、なかなか難しいかもしれません。

とにかく、個人的には井上尚弥の方が純粋にボクシング対決をすると勝利してしまうと思っています。

さて、もう1段階本気でフルトン側にたって考えるとすると、まず、前半はとにかくブーイングが起きるくらいつまらない試合をする。フルトンとしてはほぼパンチを出さず、とにかく動く。もちろん、地元ファンの期待に応えようと、井上が前に出てきた時はカウンターを狙う。

こういう場合の井上尚弥は、イライラしているのか期待を感じているのかやや雑になる傾向が見受けられます。その頃になると対戦相手のことを既に見きっている、ということもあるのでしょうが、例えばディパエン戦やバトラー戦、後半にもつれ込んだ試合については、後半二パフォーマンスが上がるみたいなことはない、と考えても良いかもしれません。

 

なのでフルトンとしては、なるべくポイントを失わず、井上をイライラさせるのが得策と考えます。

そうすると、フルトンのもう一つの武器であるクリンチも活きてきます。

あのサイズ差というのは如何ともしがたいところがあって、身長では5cmほどの差ですが、フルトンは肩幅が広く腕が長く、サイズ差は実際リングに並び立てば大きな差があるはずです。

そのサイズ差を活かすのがクリンチワークであり、とにかく打たれそうになったらくっついて押し込んでいき、体力と集中力を奪っていく。体力を奪えるかどうかはわかりませんが、集中力というのは後半にいくにしたがってカギとなる要素であり、特に対フルトンのように不用意に突っ込んでは痛い目を見る相手にとっては、格好の的です。

なのでフルトンとしては、ステップワークとジャブ、カウンターだけでなく、とにかく執拗なクリンチをも使っていくことが寛容と思われるわけです。

 

クリンチだらけだと試合がつまらない?そんなことはフルトンにとって問題ではありません。ベルトをアメリカに持ち帰ることこそが彼の至上命題であり、その一番最初のマイルストーンというのはまずは井上に倒されないことです。

判定というのはある種のときの運、KOやTKOというのは白黒ついてしまう決着、そう考えると何が何でも判定までは持ち込まなければいけません。

どっちも頑張れ

とにかく、好試合を見せてもらいたいものです。

この試合のあと、井上はマーロン・タパレス(フィリピン)との王座統一戦を画策していくわけでしょうし、この試合はタパレスが超乗り気、鼻息フンフンして日本に来るわけですから、認定団体があれこれ言わなければすんなり決まるはず。もしや年末かーくらいの勢いでしょう。

 

そうなると、やはりこのフルトン戦は天王山。

フルトンにも頑張ってもらい、なるべく接戦まで持っていってもらいたいものです。

ドネア1のような、ヒリヒリした試合を期待しています。

だからどっちも頑張ってほしい。

井上尚弥の圧倒的KOはいくらでも見てきたので、傷つき、倒れそうになる姿も見てみたい。それができるボクサーは誰なのか、を考えるのも楽しみの一つなわけですが、いよいよ、井上尚弥が苦戦させられるボクサーたちが出てきそうなステージに来ました。

フルトンでダメなら、他にはたまたま当たるかもしれない一発を狙うしかないカシメロや、ちゃんと節制して、真面目に練習して、かつての台風のような連打を取り戻し、めちゃくちゃスタミナをつけて、パワーもスーパーバンタムで通用するようになった(夢のまた夢)ルイス・ネリくらいしかいません。

 

スティーブン・フルトン、頑張ってもらいたいものです。

そして勿論、最も頑張って欲しいのはLemino。

なんかこないだも止まったとか言われていましたが、一瞬のタイミングが明暗を分けるボクシングというスポーツにおいて、少しでもカクカクしようものならタイミングによっては大変な騒ぎになりかねません。

ということで、がんばれ、Lemino。

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