信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】フルトンvs井上のアンダーカード!フェザー級最強候補に挑んだ37歳の挑戦。

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まだまだ余韻が冷めない、7/25(火)の有明アリーナ興行。

メインイベントはさることながら、そのアンダーカードも素晴らしい戦いの数々でした。

とはいえ、全部メインが持っていった感もありますが。

期待に違わぬ好試合となった坂間vs堀川をはじめ、カタストロフを感じる清水の奮戦、なんか会場は盛り上がっていましたがこれで良いのか武居由樹。

ということで今回のブログは、フルトンvs井上のアンダーカードの観戦記。

↓フルトンvs井上はこちら

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Leminoでは放送されなかった3試合も、どれも意地と意地がぶつかり合う好試合でした。放映のない3試合も全てKO決着、やはりハコがでかいとモチベーションが違うのでしょうか。

ちなみにLeminoでは全6試合の放送でしたが、ESPNでは全4試合の放送でした。さすがに日本のローカルファイトは、あまり長々と流すわけにはいかないのでしょうし、実況・解説陣も深夜から朝にかけての生放送は大変でしょう。

ヘビ・マラブ(インドネシア)18勝(13KO)1敗1分

vs

今永虎雅(大橋)3勝(3KO)無敗

マラブは見た目からして非常に手が長いですね。不気味ではあります。

初回のゴングから全開、マラブはかなり振ってくるボクサーのようです。今永は結構インサイド入られていましたが、、後半には長い左ストレートが入り始め、マラブはなかなか近づけなくなっています。

2Rに入ると近づきたいマラブ、突き放したい今永の構図が明確に。今永も一気に決められないという判断なのでしょうが、マラブの方がフィジカルが強いのか、やや押されている印象を受けます。

3R、ヒット数としては今永のような気がしますが、マラブはパワフル。フィジカル強い。今永はもしかすると動かされていると捉えられるかも。

4R、危険なタイミングでの相打ちを経て、今永が下がりながらの左ストレートをヒット!これでマラブがダウン!

ダメージがあるも立ち上がるマラブ、決めにいく今永!

 

しかしマラブの抵抗は非常にパワフルで今永も攻めきれず、マラブはハートの強さでこのラウンドをサバイブ。こんなに頑張れるインドネシア人はそういません。

5R、左ジャブ連打から右を叩き込むマラブ。疲労とダメージからか、ワンパターンになってきているかもしれません。そのは所々で今永はカウンター、ですがマラブは非常にタフであり、そしてまだまだ怖さがある。

6R、今永はマラブの攻撃を見切ってはいるものの、あまり手がでませんね。対してマラブは愚直に、思い切りよく攻めます。

7Rも展開は変わらず、今永は思い切っていけません。マラブは徐々に回復してきたように見えますし、まだ勝ちを諦めていません。

ラストラウンド、今永が力強く攻め込んでスタート!しかしマラブは強振して今永に対応、なんともタフで、ハートの強いボクサーです。

76-75マラブ、80-72、77-74今永、勝利はスプリットの判定で今永!!

 

さすがにフルマークで今永というのは、明らかな地元判定と言われてもおかしくないほどのものですね。

かなり際どい試合だったことは明白ですが、マラブの攻めはやや荒く、勢いこそあれどクリーンヒットはそこまででもなかったように思います。

まあ、遠くからなのでわかりませんが。

ともあれ、今永がこの試合で学べた事は大きいはず。

岩下千紘(駿河男児)6勝(3KO)無敗1分

vs

高原裕之(千里馬神戸)9勝(6KO)5敗

初回、中間距離での攻防、ともに前手を使って奥手のストレートを狙う展開。やや岩下がプレスをかけて高原を下がらせ始めたか、というところで右フックを引っ掛けると、高原はバランスを崩して膝をつきます。

そしてここで岩下が右フックから左ストレートをフォロー、この時、レフェリーはダウン宣告をしていましたが、ちょっと遅かったしちょっと遠かった。

 

これはかなり危険なタイミングのダウン後の加撃であり、再開後もスリップダウンを喫した高原を相手にまたもう一度岩下はさらなる加撃を加えてしまいます。

この時、時間も少なかったことから試合を止めるようなことをしませんでしたが、2R開始直後に岩下から減点。なんですが、これはもう少し休ませる、とかの措置が必要だったのではないでしょうか。

この辺りの判断はレフェリーに一任されているとはいえ、高原陣営としては納得のいくものではない気がします。ノーコンテストになっても文句は言えないくらいのダメージを高原は負ってしまった可能性もあります。

2R、高原はダメージもまだ残ると思いますが、うまく戦います。中盤の右ストレートは素晴らしいタイミング。

岩下は右フックを大きく回したりとやや変則的な動きで高原を惑わし、高原が体勢を崩したところで岩下がアッパー気味の左をヒット!これで高原はダウン、ちょっと下半身が踏ん張れないのかもしれません。

終盤にも岩下の右フックでぐらりとくる高原。

3R、ポイント的に厳しくなってしまった高原ですが、この中間距離での攻防ならダメージを抜きやすいのも事実。

中盤、右のオーバーハンドをヒットした高原、岩下は右フックを狙っているイメージ。この右フックが高原の入り際に入っていますね。

4R、高原の右ストレートに対して前手となる右フックを合わせる岩下。高原としてはここを逆手に取って、右をフェイントで使って岩下の右フックを出させ、そこから仕掛けたいところ。

 

ですが中盤、高原の入り側に岩下の右フックがジャストミート、高原はダウン!

この絶望的なダウンから立ち上がった高原でしたが、その後詰めにいった岩下がまた右フックをヒットしたところでレフェリーはストップ。

岩下千紘、4RTKO勝利!!

ロニー・バルドナド(フィリピン)16勝(9KO)4敗1分

vs

武居由樹(大橋)6勝(6KO)無敗

映像で見ていた方はお気付きになられましたか?武居がリングインする時、通常はトレーナーかロープをあげて入りやすくするのですが、八重樫トレーナー、間に合わず。

何が起こったかわかりませんが、小走りになってる八重樫トレーナーはちょっとかわいかったです。

置いといて、ゴング。
初回、武居がプレス。武居の強いプレスで早々にバルドナルドはロープ背負います。そしてでてきたところへのカウンターを狙う、という雰囲気の武居ですが、これは狙いすぎか。

バルドナドにもそれは気づかれており、あまり手をだしてきません。

2R、ジリ貧になってしまいそうだったバルドナドは攻撃的にきます。ワンツー、リターンが良い。

武居はプレスをかけて詰めるも強振で当たらず、こんなにジャブ打てなかったっけ?みたいな強引なボクシング。

3R、武居はコンビネーション全然打ちません。ボディでダウン奪取、そのままカウントアウト。結果、ワンパンチKOですし、やはりそのパワーは破格ではありますが、これで良いのでしょうか?

 

世界というならば様々な駆け引きが必須、スピードとパワーだけで勝負するのならば選ぶ王者をしっかりと選定しなければいけません。

武居にはもっとスケールの大きな王者になってもらいたいものです。

日本ユース・ライトフライ級王座決定戦

坂間叶夢(ワールドスポーツ)7勝(6KO)無敗

vs

堀川龍(三迫)3勝(1KO)1敗1分

ここは大注目の一戦。まず両者が向かい合うと、遠目からでも体格差を感じます。

大きく見える坂間がプレス、非常に力強い。堀川はよく動き、ジャブをダブル、トリプルとはなっていきます。

2R、堀川は動きを少なくしてリング中央で勝負。互いに当たるかどうかのギリギリの距離での攻防です。

後半は坂間がパンチをまとめる場面をつくり、堀川は顔を弾かれる場面もあってやや印象が悪い。
3R、坂間の右が良い。アングル、タイミング、そしてパワー、この坂間の右をもらってしまうと比較的細く見える堀川は危険にみえます。

ちょっと坂間が押してきたような感じ。

 

4R、坂間の左ボディの破裂音が響きます。やはりフィジカルに大きな差がありそうで、坂間そのフィジカルに加えてパワーがあり、堀川はキツイ。坂間はジャブのように右をつかい、それをフェイントで入れてからのジャブ→右ボディ。

堀川は坂間の打ち終わりに良い左フックをリターンするも、ヒットせず。

5R、堀川が上手くサイドに動き、フック系のパンチを浴びせます。これは坂間のガードの上、更に坂間のガードはかなり固い。坂間はのフック、アッパーとアングルを変えて打ち、コツコツと堀川の顔面を捉えます。かなりポジショニングが良い。

6R、堀川が意を決したか、プレス。堀川はどっしりと構えて良い攻撃をみせるも、坂間を下がらせるには至らず。

逆に坂間は非常に反応よく堀川の攻撃に対応、若いのに素晴らしい冷静さ、強いフィジカルを持っています。

7R、中間距離での攻防から堰を切ったような打ち合い!パワーは明らかに坂間、堀川は針の穴を通すようなコントロール、流れるようなコンビネーション。

意地を見せた堀川でしたが、後半はボディがきつくなってきたか、若干腰が曲がってきたようにも見えます。

ラストラウンド、堀川も前ラウンドに引き続き良い。坂間も負けじと手数を出し、意地と意地のぶつかりあいです。その中で打ち勝ったのはやはりパワーのある坂間、後半には右クロスをヒットして堀川にダメージを与えると、足元が怪しくなった堀川をレフェリーがストップ!!

坂間叶夢、8RTKO勝利!!

 

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

ロベイシー・ラミレス(キューバ)12勝(7KO)1敗

vs

清水聡(大橋)11勝(10KO)1敗

日本のローカルファイトを世界中でどれくらいのボクシングファンが見てくれているのでしょうか。ちなみにESPNでは、ロニー・バルドナドvs武居由樹から放送されています。

とはいえ、刺激的なメインイベントを終え、なかなかローカルファイトが注目を集めるのは難しいでしょう。

ただ、このセミファイナルは紛れもなく世界タイトルマッチであり、この試合が組み込まれたことは、延期による、ファンにとってのひとつの大きなメリットでした。

さて、キューバ国旗掲揚NGということで、両者の国家吹奏はなし。

初回のゴングからは静かな立ち上がり、から清水のワンツーがガード越しに届きます。しかしラミレスは早くて上手く、コンビネーションをヒット。

やっぱり海の向こうのボクサーはフィジカルが強く、清水の「固い」パンチもラミレスはしっかりとガードしているように見えます。

 

後半には接近戦、近い距離でも躱しては打つラミレス、清水のパンチは空振りかガードの上ではありますが、まあ悪くはありません。前半は、どうやっても我慢のラウンドです。

2R、前半ラミレスのコンビネーションにより手が出ない清水。ここでクリーンヒットをいくつももらってしまいます。清水はちょっと固まる癖がついているというか、「前半我慢」と思っているからなのかガードの状態で固まってしまいます。

そのガードでもラミレスのパンチを無効化できるかというと微妙で、清水のガードはラミレスの左右のパワーパンチによって振られ続けます。

後半はディフェンスに徹するラミレス、ここで清水は攻勢をとるもなかなか当たらず。

3R、清水はこのラウンド積極的にワンツー。しかし、やはりディフェンスの意識が高いこともあり、続けざまにプレッシャーをかけることはできていません。

打てばスウェー気味に身体をのけぞらせ、ガードポジションに戻るため、ラミレスにとってはどんなにパンチがあろうともあまり怖さがないのではないでしょうか。

総合力の高いラミレスはやはりなんでもでき、後半に接近戦の形も、ここでもラミレスが正確で回転力があり、打ち勝つ結果。清水の左があたっても、そのあと連打をもらい帳消しにしています。

3Rを終えてのパンチスタッツは、ラミレス57/144、清水17/138。清水は後半勝負とはいっておられず、早々に勝負をかけるべきかもしれません。

 

4R、清水が前進しながらジャブ、ワンツー。良いプレスですが、ラミレスがでてくるとすぐにガードポジションで固まってしまうのがよくないところ。思い切って距離を詰めるか、とにかく手を休めないことが必要です。ラミレスもどちらかというと攻防分離、だからお互いに手を出しあうみたいな展開ではありますが、ラミレスの方が力強く、かつ的確です。

後半に入るころ、清水が攻勢にでれば、ラミレスは強く応戦。この打ち合いでも明らかに打ち勝ったラミレス。清水はこの連打を受けてストップ寸前まで陥りましたが、ラミレスも少々の打ち疲れがあるのか、清水が反撃したところでサバイブ。

5R、清水に残された時間は少なそう。ここはもう勝負をかけるほかない清水はぐいぐいとプレス。しかしラミレスはパワフルで的確な連打、左アッパーをダブルできめたところでダウンを奪取。立ち上がった清水にパンチをまとめると、固まってしまった清水にストップがかかりました。

ロベイシー・ラミレス、5RTKO勝利!

やはり上手くて速くて強い、ロベイシー・ラミレス。2大会連続金メダルは伊達ではありません。

「明らかに◯◯が秀でている」というボクサーではないからこそ、その強さが飛び抜けているものなのかどうかは正直わからないが現状ですが、きっとこのボクサーが現在のフェザー級最強なのでしょう。そうでなければ、やりきれません。

37歳、清水聡の挑戦は5RTKO負け、いうなれば完敗であり、全く歯が立たなかったと言っても良いかもしれません。

せめて清水がもう2-3歳若ければ、とも思いますし、挑んだ王者がラミレスでなければ(誰なら良いの?は置いといて)、というタラレバばかりが浮かんできます。

 

ある人が言っていましたが、清水が帝拳ジムでスパーリングしたとき、スーパーフライ級で4戦のプロスペクトに圧倒されたと。減量のピークだったから、とも言っていましたが、それでもスピードについていけないのは加齢もあるのでしょう。

ともあれ、清水の挑戦は終わり、これはすなわち彼のプロボクシング人生も終焉と言っても良い流れだと思われます。日本人久々の世界フェザー級王者誕生を楽しみにしていましたが、この夢は次回に持ち越し。阿部は次期挑戦者として、バトンを渡された気持ちで頑張ってもらいたいものです。

 

 

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