信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】武居由樹、ボクシング初戴冠なるか。vsOPBF東洋太平洋王者、ペテ・アポリナル!!

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8/26(金)フェニックスバトル。

毎回、素晴らしいカードを提供してくれるフェニックスバトルは、今回の興行も大変に興味深い。

未だベールを脱いでいない未知のホープである武居由樹が、早くもOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチに臨みます。

冒険マッチ、とまでは呼ばないまでも、まだボクサーとしてのキャリアの少ない武居にとっては、危険が伴うマッチアップであることは言うまでもありません。当然、ここまで圧倒的な強さで勝ち上がってきた武居への期待は非常に高いし、ここで躓くとは思ってはいませんが、何が起こるかわからないのもまた、ボクシング。

そしてセミファイナルには、40オーバーのふたりが真のサバイバルマッチに臨みます。

岡田誠一、高畑里望、ふたりの「おじさん」ボクサーたちは、どのような魂の叫びを見せてくれるのか。

アンダーカードに登場する大橋ホープたちも含めて、非常に楽しみなフェニックスバトル、私はABEMA.TVで追っかけ再生!

ということで今回のブログでは、フェニックスバトルの観戦記!!

↓プレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com

 

 

8/26(金)フェニックスバトル

さて、フェニックスバトルの実況アナウンサーの方は苦手なので、細川バレンタイン氏には大変申し訳ありませんが、音を(消してしまうとゴングも聞こえないので)極小にして視聴。

第1試合、嘉生心(駿河男児)vs中山啓(川崎新田)。遠い距離での静かな状態でのボクシング、しかし嘉生が中山のジャブをかわし、右オーバーハンドをヒット、これで試合が終了。

第2試合、玉城野里斗(沖縄ワールドリング)vs磯金龍(大橋)のサウスポー対決。初回から磯金が素晴らしいアウトボックス、いやこれは4回戦と思えないくらい巧い。しかし2R後半、玉城が右をヒットしたところから更にグイグイと詰め、3Rにはダウンをゲット。その後も被弾覚悟で攻め続ける玉城、4Rにはガードを固めて一発のパンチを強振するという肉を切らせて骨を断つ、ど根性ボクシング。手数は明らかに磯金、壮絶な戦いは判定へ。

判定は、38-37磯金、38-37×2で玉城。良い試合でした。

 

スーパーフライ級6回戦

富岡浩介(REBOOT.IBA)5勝(4KO)2敗

vs

 KCプラチャンダ(角海老宝石)6勝(3KO)3敗1分

初回、サウスポー富岡がややプレス。KCは長いジャブを突いて下がります。まずは距離の探り合いと前手の勝負。KCが攻め込んだところで富岡が左カウンター。

2R、富岡はしっかりとガードを挙げ、しっかりとしたポジショニングからワンツー。ジャブから左ボディも駆使し、このボディがまた良い。そしてKCが踏み込めば富岡がカウンター、KCはちょっと戦いづらそうですね。終盤に富岡のコンビネーションがヒット。

3R、富岡の集中力が素晴らしい。以前見た時はもっとムラのあるボクサーに感じました。やっぱり2連敗から、確実になにかを学んでいます。

4R、引き続き、富岡がKCをコントロールしているイメージで、富岡の集中力は落ちません。5Rになるともう完璧に試合を支配した富岡は、ジリジリと距離を詰め、左ストレートをクリーンヒット。これに怯んだKCは下がり、そこに富岡が左を追撃するとダウン!

KCは立ち上がるも、陣営が棄権の意志を表示、試合をストップ。

富岡浩介、随分成熟したような感じがします。今後の成長も楽しみです。

 

51.0kg契約6回戦

アッカポン・ヌガムカエオ(タイ)1勝(1KO)無敗

vs

豊嶋海優(大橋)1勝無敗

大橋ホープ、豊嶋のプロ2戦目。

初回、静かな立ち上がりから、1分ほどのところでツー・ワンツーでダウンを奪取した豊嶋。ここで強引にはいかない豊嶋ですが、ヌガムカエオとは明らかにスペックが違います。

終盤、コーナーに詰めた豊嶋は左右を単発ずつヒットしたところでレフェリーがストップ。

大変微妙なタイミングでのストップでしたが、これは実力差が明らか、致し方ありません。

ライト級6回戦

ジョン・ローレンス・オルドニオ(フィリピン)7勝(4KO)3敗1分

vs

今永虎雅(大橋)1勝(1KO)無敗

今永の相手は、豊嶋の相手よりは戦績があり、アップセットが起こりうるフィリピン人ボクサー。

初回、ジリジリとプレスをかけるのはサウスポー今永。オルドニオは下がりながらのボクシングですが、時折出てくるその突進力は凄まじい。

しかし今永のジャブは非常に鋭く、これもまた実力差を感じる一戦です。

2R、オルドニオはバランスも崩しながら打ってきます。こういうボクサーは本来怖いものですが、今永の安定感は抜群、左のブロッキングも完璧です。

3R、前半にプレスをかけてオルドニオを下がらせた今永は、狙いすました左ストレートをヒット。その後も今永が優勢のまま試合が進んでいきます。

 

4R、荒々しいオルドニオに十分な警戒をしながら、後半にはロープに詰めて連打を見舞う今永。左ボディをヒット、腰を折ったオルドニオ!これに今永は、オルドニオがダウンしたと思ったのでしょう、背を向けてしまいます。が、すぐに気づき、ダメ押しのボディ。

悶絶したオルドニオは、10カウントを数え上げられて試合はストップ。いやこれはすぐに止めてやれよ。。。

今永虎雅、4RKO勝利。

まあ、レベルが違いましたね。豊嶋にしても今永にしても、真価を問われるのはこのあと。A級に上がってからこそが、本当の戦いの始まりです。

スーパーフェザー級8回戦

岡田誠一(大橋)22勝(13KO)7敗2分

vs

高畑里望(ドリーム)17勝(7KO)10敗1分

40歳と43歳、ともに40代という試合はボクシング競技において非常に珍しい部類。二人のベテランが意地と意地を張り合う、至高のサバイバルマッチがスタート。

初回、プレスをかけるのは岡田、高畑は長いジャブを突き、右ボディストレートを伸ばし、非常に独特なリズムでサークリング。

高畑のジャブのタイミングがよく、岡田が動いたところで出すジャブは非常に効果的です。

高畑のストッピングジャブ、時折打つアッパーカットはタイミングよく、岡田は岡田で力強いパンチで徐々に削っていきます。

2R、早々に高畑はアッパーを交えたコンビネーション。ただ、ガードで固まってしまうと岡田の強弱をつけた連打が飛んできます。

 

距離を作っておきたい高畑、距離を詰めたい岡田、両者のやりたいことは全くの真逆。

ただ、ここまでは高畑がうまく距離をつくり、近づいたところでもコンパクトなアッパーを上手く当てているイメージ。

そして後半に入ったところで、高畑が右の打ち下ろしをヒット、これで岡田はダウン!!

ラウンド8までしっかり休んだ岡田、再開後は高畑がラッシュ!この大ピンチにしっかりと打ち返す岡田、良い左ボディを入れる等して押し返します。

3R、それでもこれしかない、と前に出る岡田。しかし高畑は逆にやりやすそうで、下がりながらのコンビネーションをヒット。

後半に入ると高畑も頭をつけ、打撃戦の様相を呈してきます。高畑はもしかするとちょっとボディを嫌がっているのかもしれません。接近戦で頭を前にぐっと出すことで、自分のボディを遠くしているような気がします。

4R、高畑のジャブがバンバンと当たるスタート。しかし中盤には岡田が体で押していき、近い距離での力強さは明らかに岡田。幾度となく上手く左ボディをヒット、これは高畑も削られていくかもしれません。

ちょっとこの消耗戦のような展開は、高畑にとって都合が悪いかもしれません。

5R、岡田が打つとすぐにガードポジションになってしまう高畑は、やっぱりボディをかなり嫌がっているように見えます。そうなると岡田も顔面にパンチが当てやすくなりますね。

本当に意地と意地がぶつかる大激闘は、ともにクリーンヒットを奪い合いながら進んでいきます。両者の体が心配になるほどです。

 

6R、下から上へ返すコンビネーションで攻め込んだ高畑。前ラウンドよりは少し距離を取る意識で、少しの距離が開けば高畑が上手くストレートやアッパーをコネクトできます。

少し大きめの右アッパー、右ボディアッパーを打つ高畑、岡田は少し単発気味、もう少しコンビネーションで攻めたいところです。

後半、岡田は左ボディで攻め入り、相打ちのタイミングでの左ボディはきれいに入ったように見えました。このボディは序盤から叩いていますが、ここに光明を見いだせるか。

7R、高畑はやっぱりジャブが非常に良い。右をジャブのように伸ばすのもまた良く、長い腕を巧みに下から差し込むアッパーも良い。対して岡田は近づくのに精一杯、序盤はなかなか手が出ません。後半に入ろうという所から岡田の力強いアッパーが高畑の顎を跳ね上げ、ボディも非常に効果的。

ラストラウンド、開始から30秒ほど、岡田が変則的なワンツー!!これがクリーンヒット、高畑は大の字!!レフェリーがストップ!!!

岡田誠一、8RTKO勝利!!

なんという劇的なノックアウト。。。岡田のボディはどのくらいの段階で高畑を蝕んいたのでしょうか。最後の右ストレートは、高畑がボディによりダメージを受けていたからこそ、当たったパンチであり、最終ラウンドで見事なノックアウト。

素晴らしい意地と素晴らしい意地がぶつかりあった一戦は、快勝とはいかないまでも岡田誠一が見事なサバイブ。まだ続ける、というのはなかなか心配でもありますが、納得のいくところまで頑張ってもらいたい。

 

OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ

ペテ・アポリナル(フィリピン)16勝(10KO)2敗

vs

武居由樹(大橋)4勝(4KO)無敗

そしていよいよメインイベント、プロわずか5戦目でOPBF王者に挑む、武居由樹。当然、アジアの王者に君臨するアポリナルは、武居がこれまで戦ってきたボクサーの中では最大の強敵。

それでも尚、期待せずにおれないポテンシャルを持っているボクサー・武居由樹の戴冠に期待。

初回、まずは非常に静かな立ち上がり。ともに距離をとったところで前手で牽制、互いにまだパンチの当たる距離にいません。

先にワンツーを放ったのは武居、その後もコンビネーションをいくつか出しますが、アポリナルは冷静に対処。アポリナルはまだリードのみ、武居の距離を測っているのかもしれません。

後半、武居が飛び込んでの右フック!これはかすった程度ですが、やはりこの武居の攻めれる距離は超長い。

2Rに入るとアポリナルが少しプレスをかけてきたイメージ。ただ、武居はリーチもあって非常に距離が長く、アポリナルとしてもかなり攻めづらそうに見えます。

非常に反応の良いふたり、なかなかヒリヒリする展開が続く中で、後半、武居が打ち込んだところでややヒートアップ。アポリナルもしかりと打ち込んできたところですが、アポリナルがダウン!スリップ裁定でも良さそうでしたが。。。

立ち上がったアポリナルに対して攻め込んだ武居、ここでアポリナルは早くも2度目のダウン!

 

3R、武居は明らかにアグレッシブ。左のボディは長く、強烈で、これに気をつけてしまうと上に飛んできます。それでもアポリナルも非常に勇敢、退きません。

武居はその後も飛び込んでの右フック、明らかに強い左ストレートで優勢。しかしアポリナルは非常にタフなフィジカルを持ち、ハートもタフで、終盤、武居の左に右クロスをあわせます。

4R、武居はサークリング、引いてのワンツー。そしてまた飛び込んでの右フック、これでアポリナルはこの試合3度目のダウン!これもなぎ倒すようなダウンなので、クリーンヒットではないかもしれません。

後半、ワイルドなパンチの応酬から、武居が右フックをヒット!その後も左ストレートをヒットする等打ち勝ちますが、このアポリナルのタフさには呆れます。

途中採点は、3者ともに40-33で武居。ここまではまあ、アポリナルに与えようがありません。

5R、武居は体全体を使ってパンチを打ちます。アポリナルとしては空振りさせたいところですが、このアポリナルはそういうディフェンスのボクサーではありません。

非常にダイナミックな武居のボクシング、これに初見で対応するのは非常に困難かもしれません。後半、武居は右フックをヒット。アポリナルはここから打ち返してきますが、ここは武居も退かず左をヒット、よろめいたアポリナルを見てレフェリーがストップ!

武居由樹、5RTKO勝利!!!

 

正直、もう少し見ていたかったですね。後半に入って、この強振ぶりがいかほどになるのかを見てみたかった。これはちょっとアポリナルも納得がいかなかったかもしれません。

武居はハンドスピード、というよりは体全体の動きが速い。そして信じられないほど長距離から踏み込んで打つ大砲を持っています。

非常にワイルドで、ダイナミックなパンチを放つ武居は、やはり素晴らしいパンチ力を持っています。しかし、今戦でいうと、やはり距離が詰まった時、この時にこの武居のパンチに怯まず、打ち返してくるアポリナルのようなボクサーからのカウンターが怖いかもしれません。

この武居に対してカウンターを決められるボクサーこそ、武居を倒せる可能性のあるボクサーなのかましれませんね。

ただ、武居がこれを克服するために「詰め方」や「接近戦でのコンパクトなパンチ」をやっていってしまうと、良い所が消えてしまう可能性が大きい。武居は、このままいくのでしょう。

まだ完璧ではない、しかし、非常にロマンあふれるボクサー、武居由樹。是非ともこのまま進んでもらいたい。あ、ダメージがないようなので12/13のアンダーカードで登場もあり得るのでしょうか。

 

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