信太のボクシングカフェ

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ボクシングが大好きです。大好きなボクシングをたくさんの人に見てもらいたくて、その楽しさを伝えていきたいと思います。

【観戦記】井上vsバトラー、アンダーカード!武居由樹は難敵相手にパーフェクトレコードを継続。

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今年最後の現地観戦。

大晦日は行けないので、いつもだいたいこの時期くらいの興行が一年の最終戦になるわたくしですが、今回は井上尚弥vsポール・バトラーをメインにすえたPXB。

4団体統一戦を前に、徐々に盛り上がっていく雰囲気、SNS。。。を想像していたものの、その多くはdTV、ひかりTVへの不平不満(笑)。

実際は井上vsバトラー戦の結果よりも、dTVがちゃんとやってくれるのかどうなのか、に不安を抱くという謎の4団体統一戦でしたね。dTVでみた皆さんの感想をSNSで探って見ようと思います。

ということで、今回のブログは12/13(火)、有明アリーナで開催された4団体統一戦、井上尚弥vsポール・バトラーのアンダーカードの観戦記です。

↓メインの観戦記はこちら

boxingcafe.hatenablog.com

 

↓アンダーカードのプレビュー記事

boxingcafe.hatenablog.com


55.79kg契約8回戦

ピーター・マクレール(イギリス)5勝(4KO)無敗

vs

三宅寛典(ビッグアーム)9勝(1KO)12敗2分

リバプール、といえばビートルズ。そのビートルズは、今年でレコードデビュー60周年。

そんなリバプール出身のマクレール、日本のリングに初見参。

初回からマクレールの素早さ、バランスが目に留まります。早々に左ストレートをヒットしてプレス、三宅が出れば速いバックステップ。

2Rに入っても左ストレートを当てまくるマクレール。当てマクレール!おそらくこの左に三宅が対応できていないから、というセコンドからの指示でしょう。

30秒ころに、三宅が入ろうとしたところにワンツーをヒットしてダウンを奪取。

細かいステップ、左ストレート、カウンター、サイドステップ。どれも素晴らしいレベルにありますね。

このラウンド、左を浴びて一瞬動きがとまった三宅をレフェリーが救い出し、ピーター・マクレールの2RTKO勝利が決まりました。

打ち終わりに攻め込むタイミング、同時打ちのカウンターも、やっぱり非常に技術があるボクサー。一度ならず二度も来日してくれた、生で見せてくれた、これは大きなことです。今後もしっかり追いかけていきたいと思います。

 

58.0kg契約8回戦

清水聡(大橋)10勝(9KO)1敗

vs

ランディ・クリス・レオン(フィリピン)14勝(6KO)22敗5分

ランディ・クリス・レオンという聞いたこともない、負け越しのボクサーが600gのウェイトオーバー。さて。。。清水があまりにも長いブランクを空けることを良しとせず、組まれた試合化とは思いますが、これは複雑な感情が入り乱れますね。

初回、勢いよく飛び出してきたレオンに清水は長いジャブ。これに早くも怯んだレオンは、右オーバーハンドしか打たなくなります。

2R、打ち合いからスタート、清水がコンビネーションでレオンをストレートの距離に釘付けにすると、レオンは完全にガードポジションから出てこなくなってしまいます。

ガードの上からもらっても清水の堅いパンチは効きそう。

後半にも清水はラッシュ。レオンはガードポジションを崩さず、何とかサバイブしますが、おそらくダメージは甚大。

このラウンド終了後、ランディ・クリス・レオン陣営は棄権の意思表示、これは2R終盤にレフェリーが止めるべき案件だったと思います。

清水聡、2RTKO勝利。

森武蔵戦から、トントン拍子に進めばよかったのですが。。。ちょっと旬を逃してしまったのではないか、と思ってしまいます。やっぱりこの階級だと、海外の強豪を乗り越えていかなければいけないですね。

 

 

55.5kg契約10回戦

井上拓真(大橋)16勝(3KO)1敗

vs

ジェイク・ボルネア(フィリピン)14勝(7KO)3敗1分

プロスペクト、ジェイド・ボルネアの双子の兄弟であるジェイク・ボルネア。きっと同じようなトレーニングをしており、井上尚弥に対する井上拓真みたいなものだろう、とは推察します。もちろん、戦っているステージは段違い。

初回から井上がプレス、ジャブからボディへと繋げます。ボルネアはほぼ手を出さず、ガードを固めるだけ。後半に入り、ボルネアはようやく得意の右オーバーハンドを使いますが、当たりません。井上は気持ちよくコンビネーションを出しています。

2R、井上は左ボディ→左アッパーというコンビネーションが素晴らしい。ボルネアも反撃してくるようになり、中盤も攻勢に出てきます。ここで井上は固いガードでしっかりとブロッキング、反撃すればぐらつくのはボルネア。フィジカルにも差がありそうです。

3R、井上はプレスをかけて試合をつくっていきます。前に来るボクサーには足を使い、来ないボクサーにはプレスをかける、この何でもできるのが井上拓真。

 

4Rもゲームメイクをしていくのは井上、ワンツーをヒットしてうまくパンチを当てていきますが、頭を下げて追撃を阻止するボルネア。

5Rにはさらにプレスを強めた井上、ボルネアはリターンを返しますがもうパワーを感じません。井上のパンチは非常に多彩であり、後半には近い距離での右カウンターをヒットしてボルネアの顔を跳ね上げます。このラウンド、ヒッティングによる左目付近をカットしたボルネア。

6R、井上は幾度もボディ、右ストレートをヒット。ボルネアがタフなのか、井上がパワーレスなのか。井上は全然パワーレスには見えないんですよね。あのしっかりとウェイトが乗った、ゴツンゴツンとくるパンチで、「パンチがない」というのは非常に不思議。

ともあれ、それはKO率には表れていて、ボルネアとは力の差があるものの、ちょっと相手が出てこなければ倒すのは難しいか?

7R、中盤に右カウンターでまたも顔を跳ね上げた井上は、後半、コンビネーションからラッシュ。全然手が出ないボルネア。これで良いのか?

8R、ボルネアが入ってくるところに井上は左フックカウンター、その後コンビネーション。全然攻めないボルネアに、カットした左目のチェックが入ります。

再開後、井上は左フックのカウンターをヒットして攻めると、2度目のドクターチェック。ここで試合が終了し、井上拓真の8RTKO勝利。

完勝は素晴らしいことなのですが、ちょっと物足りない。ここ最近はスーパーバンタム級での試合が多く、いくら本人が「適正がバンタム」と言っても、そのウェイトでリングに上がらなければ正直、わかりません。

WBAはバンタム級ですが、そのほかの団体はスーパーバンタム級で世界ランクにランクイン。井上尚弥返上後、WBAはドネアとの決定戦となりそうだ、とのことですが、これはさすがにちょっと分が悪くないだろうか。。。

 

OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ

武居由樹(大橋)5勝(5KO)無敗

vs

ブルーノ・タリモ(オーストラリア)26勝(5KO)3敗2分

さて、非常に楽しみな一戦。武居はまだ底を見せていないボクサーですが、スーパーバンタム級のブルーノ・タリモもまだまだ謎多きボクサー。スーパーフェザー級で戦っていたタリモを、武居が倒せたらすごいことだと思いますが、これは期待してしまいます。

初回、両者とも勢いが良い。タリモは早速タリモらしく、ぐいぐいきます。ここで武居はワンツーをヒット、タリモはもしかしたら効いたのでは?と思うような動きの止まり方。

その後勢いよく攻め入る武居、頭の低いタリモとは必然的にバッティングが起き中断、それでも勢いを緩めない武居は、クリンチに逃げようとするタリモにパンチを放ち、タリモはダウン!!

立ち上がったタリモに対して追撃!しかしここでもバッティングで中断。ここで武居は左瞼をカット!これはちょっと深そうですが、大丈夫でしょうか。

その後、タリモは回復したように見えます。

ぐいぐいとプレスをかけてラフファイトに持ち込もうとし、武居もバランスを崩す場面も。

2R、プレスをかけるタリモ!武居はバッティングを警戒してか、初回のようなイケイケボクシングではありません。タリモにクリンチして押し倒し、大きく下がりながら立ち止まってはパンチを出す武居。

中盤にはもみ合いからプッシュされてコーナーに詰まる武居。後半には下がりながらのカウンターが打てるようになってきましたが、やっぱりこの武居は長い距離から大きく踏み込んで、勢いよく攻撃をかます、というところにロマンがあるボクサーだと再認識。

3R、タリモはガードをがっちりと固めて前進!武居は下がりながら右アッパーから左フックをヒット!これはうまい!タリモはぐらついたように見えましたが、間もなく何事もなかったようにプレス。

後半はタリモの右が武居を捉える場面もあります。

ブルーノ・タリモ、ちょっと回復力が異常なのかもしれません。

4R、大きくリングを使って動きまわる武居。良いタイミングでワンツーを放ち、そしてアッパーを放ちます。武居は終盤にも右フックを効かせたように見えましたが、やっぱりタリモはすぐに回復、動きを戻しています。

ここで途中採点、3者ともに40-35。これは当然でしょうが、後半にかけて武居の動きが落ちるようなら、もしかすると捕まってしまうかもしれません。

 

5R、動きながらでも良いボクシングをする武居由樹。タリモは全く落ちず、しつこく追ってきます。今のところはタリモは武居に届きませんが、長いラウンドを戦ってきていない武居のスタミナが少し心配。

6R、武居はガードを下げます。下がっているのかもしれませんが、とにかく足をつかってタリモのプレスを外します。幾度かはロープ際で捕まりそうになりますが、しっかりとディフェンスしてカウンター、抜け出します。

7R、武居のパンチは良いタイミングで結構入っていますが、タリモは非常に頑丈であり、また回復力もすごい。一向に衰えないタリモ、距離が詰まってもみ合いの場面も出てきます。このラウンド、タリモは右目上をカット。これはヒッティングです。

8R、展開は変わらず、タリモは近い距離で武居に左右のフックをヒットしますが、やや迫力不足。武居は印象的なパンチをヒットしますが、タフなタリモにダメージを与えられません。このラウンド、タリモの傷をドクターがチェック。

途中採点は79-72×2、80-71で武居。

9R、ちょっと武居も疲れたのか、やや雑になっているようにも見えます。同様にタリモもややプレスが弱まります。それでも両者ともに動き自体は落ちてはいません。

10R、単発ぎみの武居。ワンツーはよく当たっていますが、そのあとが繋がらず。どこかでパンチをまとめてストップする、もしくはカットによるストップ、というのが、このタリモ相手には妥当かと思います。効かせて、カウントアウトするのはちょっと厳し応。

11R、ガードを固めてプレスをかけて、諦めないタリモ。動いて動いて一発、という武居。ともに決めてには欠きますが、正直、タリモのリターンはそんなに早くないため、武居は助かっているのではないかと思います。

このラウンド、レフェリーがタリモの傷のドクターチェックを要求し、ここで試合がストップ。

武居由樹、11RTKO勝利!

 

パーフェクトレコードを更新して、初めての長いラウンドを戦い、対戦相手の戦い方に悩まされた。こんなにも、実りの多い試合はなかなかありません。

武居は、ワンパンチフィニッシャーであるからこそ、非常に派手な倒し方をしてきたわけですが、そのボクシングではタリモを倒すことは叶いませんでしたし、あと何ラウンドあっても難しかったかもしれません。(この倒す、というのはカットによるものではなく、物理的にノックダウンをさせて倒し切る、の意味です。)

そしてスタミナの使い方もそうですし、長いラウンドのボクシングとしての戦い方もどうか、ということで、動き回るボクシングという点においてはサニー・エドワーズもそうですが、サニーは素晴らしいコンビネーションを持っています。

この動き回るボクシングは単発とあまり相性が良くないように感じます。このワンパンチを確実に当てることが必要になってきて、あとは攻められている印象になってしまうかもしれないからです。

今回は長い時間、武居由樹が見れて嬉しかったですね!今後も楽しみなボクサーです。

 

WBOアジアパシフィック・スーパーライト級タイトルマッチ

平岡アンディ(大橋)21勝(16KO)無敗

vs

ジュン・ミンホ(韓国)13勝(3KO)3敗2分

世界を目指すならば、ここでつまずいてはいられない平岡アンディ。我々のようなオールドファンにとっては韓国は強豪で、頑丈な体とハートを持ったファイトスタイルでしたが、ここ最近見る韓国人ボクサーたちはそういう戦い方をしません。

さて、どのようなボクサーが出てくるのか、そしてアンディはどのような勝ち方をしてくれるのか、に注目です。

初回、まずは距離の探り合いです。筋肉でがちがち、というタイプではないジュン・ミンホは、どちらかというとボクサータイプよりの戦い方をするのでしょう。

このミンホ、結構鋭い。ジャブも鋭いですし、踏み込みは結構思い切って踏み込んできます。後半はアンディがプレスをかけて初回が終了。

2R、引き続き、距離の探り合いが続きます。パンチの数は両者ともに少ないですね。ジュンの思い切った踏み込みに、アンディは大きなバックステップで対応しますが、リングを横断するような大きな踏み込みを見せるジュンのストレートが浅くもヒット。

アンディは強いジャブを打っては離れる、を繰り返します。

ジュンはさほど威力はないものの、3つ目までのコンビネーションが出ているところが良いところです。

3R、アンディが攻めた後にしっかりとリターンを返すジュン、これも勢いがあって良い。当たるところまではいきませんが、アンディは打ち終わりに気を付けなければいけません。

アンディはほぼジャブ、手を出してもワンツーくらいのものですね。

 

4R、アンディは手数、そのバリエーションは少ないですが、距離感はさすが。プレスをかけて、相手が出てきたところにカウンターを狙う、という作戦なのだと思います。

だとするとジュンが出てきたときに下がりすぎのような気もしますが、これはジュンの勢いが良すぎるからか。

5R、平岡アンディ、ここから本領発揮か。大きくは下がらず、これまでよりも比較的ジュンの攻撃をその場で受け止めます。そして、ジュンが出てきたところに強い左をリターン!

その後も強いプレス、相手を下がらせ、出てきたところに左カウンター。これはリスクもありますが、良いノックアウトが見れそうな展開です。

6R、このラウンドはジュンの攻撃も良い。右ストレート、左フックは序盤よりも力強さが増しているようなイメージです。こちらは、やはり判定では難しいと感じ、一か八か倒しに来た、ということでしょうか。

ただ、印象的なのはやはり平岡アンディの左ストレート。

 

7R、ジュンのほうが回転力がある、というか、非常に愚直で、左一発できれいに決めようとしている平岡アンディに対して、ジュンは距離さえ詰まればなりふり構わず手を出していきます。とにかく数を出して当てに来るジュン、ワンパンチを狙うアンディ、両者が交錯すると数を出している分、ジュンの見栄えが良いか。

しかし後半、左ボディアッパーを起点としてダメージを与えたのは平岡アンディ。

8R、展開は変わらない中、中盤にアンディはボディでダウンを奪取。立ち上がったジュンを攻めたてます。

ジュンもハートを見せて反撃!したがために、アンディの左フックがカウンターとなってヒット、この試合2度目のダウン!

ここでレフェリーは試合をストップ、平岡アンディ8RTKO勝利!

めちゃくちゃ良いパフォーマンス、とは言えませんでしたが、素晴らしい倒し方をした平岡アンディ。さて、アジアはもうこれで最後にしてもらいたいですね。

本人の希望するアメリカのリング、でも良いと思いますし、近場でいうと(近場なのに呼ぶのは難しい)オーストラリアも候補で良いと思います。

とにかく2023年は世界的強豪との試合が見たい!

 

 

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