U-NEXTに一縷の望みを抱いていましたが、残念ながら配信は無し。
基本的に海外戦に関してはもっと早めに出してくれれば諦めもつくのですが、数日前に配信が突如出てくる、みたいなことがあるので毎日気が抜けません。
ということで日本で見る術がなかった10/15(日)のアメリカでのトップランク興行、そしてオーストラリアのノーリミット・ボクシング興行。
とりあえずShowtimeの方はアーカイブが見れるようになるまで1日ほどかかるので、そちらをライブ視聴、そしてすぐにアーカイブが見れるようになるESPNの方はディレイで視聴です。
ということで今回のブログは、オーストラリア、クイーンズランドで行われたティム・チューvsブライアン・メンドサ、そしてアメリカ、テキサスで行われたジャニベック・アリムハヌリvsヴィンセンツォ・グアルティエリの観戦記。
10/15(日)オーストラリア・クイーンズランド
セミファイナルはサム・グッドマン(イギリス)vsミゲル・フローレス(アメリカ)。これはラストラウンドだけ見れました。
試合後、ハイライトが流れますがグッドマンがボディを根気強くボディを叩く場面が映り、ボディでダウンも奪っているようですが倒し切ることはできなかったようですね。ただ、ほぼほぼフルマークの戦いだったようで、グッドマンの完勝、圧勝という内容だったのではないかと思います。多分。
WBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
ティム・チュー(オーストラリア)23勝(17KO)無敗
vs
ブライアン・メンドサ(アメリカ)22勝(16KO)2敗
大人気のティム・チュー、地元のリングでWBC世界スーパーウェルター級暫定王者のメンドサを迎えます。
初回、大きく飛び込みの左フックを振るっていくのはメンドサ。その後もジャブで攻め込んでいく等早速アクションが多いのはメンドサですが、1分過ぎにチューが右をメンドサのガードの上からヒット、ちょっとメンドサの足が揃います。
しかしメンドサも中盤、チューの右に右を合わせようとする等強さの片鱗を見せています。
2Rも早々にアグレッシブに攻め入るメンドサ。この辺りはさすがヒスパニック系、マチズモを持つアステカの戦士です。
非常に運動量の多いメンドサ、チューは比較的どっしりと構えたマイペースなので、ちょっと捕まえられません。
後半、メンドサの危険な右オーバーハンドがチューを襲いますがこれはミス、その後すぐにチューも右をリターン。これは浅くながらもヒット。
チューはちょっと手数が少ないように感じますね。狙いすぎか。
3Rも勢いよく出てくるのはメンドサ。メンドサの旺盛な手数に押されてか、チューはちょっと後手に回ってしまっています。プレスをかけるも手が出ないチューですが、少ない手数の中でも体のどこからに着弾すれば迫力は十分、地元の歓声もあり見栄えは良いです。
4R、よく動くメンドサ、手数だけでなくサイドへの動きも良い。この動きを止めようとしてかチューは左ボディ。
徐々に体がほぐれてきたのか、チューはアッパーを踏まえて攻め込みます。メンドサも集中力を崩さず、柔らかな上体と手数でチューに対抗。
5R、チューのブロッキングは非常に丁寧で、メンドサにクリーンヒットを許さず。しかしどうしても後手に回っている印象は拭えないため、ポイントはメンドサに流れているのではないかと思いますが、どうなのでしょう。
そろそろポイントを取りに行かないといけないチューはこのラウンド中盤、フックと見せかけた左アッパーをヒット、非常にテクニカル。
これを機に強い攻撃でメンドサを「下がらせる」ようになったチュー、必然的にメンドサはロープを背負っての戦いの時間が多くなります。
6R、メンドサが力強いコンビネーションもチューのガードの上。チューは強いプレスをかけて中盤にはまたもメンドサはロープを背負う展開です。
チューは今日左フックに自信があるのか、このパンチを多用しますね。
7R、ここまでのShowtimeの採点では57-57のドロー、しかし中盤、チューがジャブから右アッパー!これでぐらついたメンドサに対し、チャンスを掴んだチューは幾つかのパンチをヒット。盛り上がる会場、ここでメンドサは引かずに打ち返しこのピンチを脱します。
とにかく硬質なパンチを強く打つチュー、メンドサは回転力のあるコンビネーション。一発の破壊力にこそ差はありますが、メンドサもこの打ち合いに負けてはいません。
ただ、耐久力の差もあり、よりダメージを被ったのはブライアン・メンドサか。
8R、ジリジリと距離を詰めるチュー、メンドサはちょっとディフェンシブ。一気に手数が減ったように思うメンドサはもしかしたら前半勝負、前半を抑えたティム・チューは後半勝負だったのかもしれません。
そうすると、ここから優位に立つのはティム・チューとなりますが、如何に。
9R、気付けばよく右を使い始めているチュー、このラウンドは右のオーバーハンド、右ストレートをメンドサにヒット。プレスをかけて距離を詰めるチュー、ロープを背負う戦いを強いられるメンドサ。
メンドサの足は衰えてはおらず、運動量こそありますが前半のような手数、コンビネーションは出ず、エスケープに使う力が多くなっているか。
10R、ここもプレスをかけていくチュー、追い詰められるメンドサは強い右のオーバーハンドで反撃。メンドサのパンチもまだまだ生きていますが、やはり動かされている感じはしますね。
チューは後半、軽めのストレートをヒットしてサイドに周り、メンドサに徐々にダメージを与えていった終盤に強い右をフルスイング!!辛くも生き残っためんどさですが、左瞼付近をカット、おそらくこれはパンチによるものなのでしょう。
11R、ここはKOチャンスのチュー、なんとかサバイブしたいメンドサ。
チューは強いプレスから弱打で距離を詰め、強打を返してくるメンドサの攻撃をブロッキング。さRない距離を詰めると点をつくような右アッパーカットをスイング、メンドサをロープに詰めて左右の力強いフック!メンドサも大したものでボディワークでこれを凌ぎ、また強打をリターンしてサバイブするという展開です!
しつこくしつこく追いかけるチュー、なりふり構わず足と体を動かしつつ、フルスイングでチャンスを作ろうとするメンドサ!
ラストラウンド、開始前にメンドサの左目上の傷のドクターチェック。ここは続行。
チューはじっくりと相手を見ますが、ジャブで攻め込んだところにメンドサの右カウンター。メンドサは本当によく頑張ります。
メンドサはここにきてコンビネーションが復活してきており、チューは一発強打を狙うがあまり手数が少なくなります。ここにきてまさかの序盤の試合展開、となりますが、ここでクリーンヒットが多いのはチューの左フックか。
チューとしてはちょっと流した感もあったラストラウンドが終わり、パンチスタッツはチューが120/406、メンドサが93/433。手数はやはりメンドサの方が多かったですね。
判定は、116-112、116-111、117-111でティム・チュー。
見た目のダメージはやっぱりメンドサの方が圧倒的に上。チューもそれなりにもらっていましたが、皮膚も非常に強いのか、あまりダメージを感じません。
勝利者インタビューの一発目で「チャーロー」と伝えたティム・チュー。
やっぱりこの階級でジャーメル・チャーロvsティム・チューは見たい一戦ですね。
オーストラリア人初の4団体統一王者まで、もう早くもあと一歩。この戦いが、2024年に起こることを願いましょう。
10/14(日本時間10/15)アメリカ・テキサス
IBF・WBO世界ミドル級王座統一戦
ジャニベック・アリムハヌリ(カザフスタン)14勝(9KO)無敗
vs
ヴィンセンツォ・グアルティエリ(ドイツ)21勝(7KO)無敗1分
いまいち盛り上がりに欠けるミドル級。このミドル級で最強の証明に向かう「カザフ・スタイル」、ジャニベック・アリムハヌリ。
このアリムハヌリと違い、未だミドル級王者としての実績は乏しいヴィンセンツォ・グアルティエリというボクサーが今回の相手です。グアルティエリというボクサーは、前戦でエスキバ・ファルカン(ブラジル)との王座決定戦に勝利してタイトルを獲得したボクサーですが、はっきり言ってその実力は不明。テクニシャンであることは確かですが、果たしてアリムハヌリの強いプレスを捌くことができるのか。もちろん、下馬表では圧倒的にアリムハヌリ。
初回、まずは互いにステップを踏み、フェイントをかけてスタート。徐々にプレスを強めるアリムハヌリ、グアルティエリは時折ガードを外して余裕を見せるものの、手数は少なく、まずは相手を見ることに注力していそうです。
アリムハヌリは内外から打つ右のリードブローでグアルティエリを煽るような感じで、そこから左に繋げています。この多彩なアングルの左がグアルティエリを捉える場面も。
2R、アリムハヌリの右ジャブとグアルティエリの左ジャブの差し合い。アリムハヌリのリターンは速く、グアルティエリはその対応で手一杯か、単発のジャブくらいしか打てていません。
逆にグアルティエリが単発だからアリムハヌリは速いリターンを打ちやすく、戦いやすい状態に見えます。
3R、アリムハヌリの速いジャブに反応が遅れ、左ボディストレートにはほぼ無反応なグアルティエリ。アリムハヌリは右のロングフックも有効に使い、内外、上下、やりたい放題です。
ここまでで明らかな力の差が見て取れてしまいます。グアルティエリには他の引き出しがあるのか。何か思い切って近づいてみるとか、もっと運動量を多くしてみるとか、何かしらの策が必要のように思います。
4R、思い切って攻め込んでみたグアルティエリにアリムハヌリの左カウンター。一瞬足が泳いだように見えたグアルティエリに対し、その後もアリムハヌリは冷静に距離を保って左を打ち込みます。
後半、アリムハヌリはグアルティエリを誘い込むような時間を作りますが、これはグアルティエリが思いの外ボディワークがよく、しっかりと当てきれないからカウンターを狙った戦法に見えます。なので形的にはグアルティエリが前に出ていますが、結局はアリムハヌリの掌の上。
5R、ここで4Rを通してのパンチスタッツが出ますが、アリムハヌリ49/165に対してグアルティエリが15/64と驚くほどの差。ミスマッチと言われても仕方のないものかもしれません。でも、これは王座統一戦ですから。
このラウンドも鋭い右ジャブから左ボディを飛ばすアリムハヌリ、グアルティエリは一瞬サウスポーにスイッチしてみますが何もできず。
2分が過ぎようかというところでアリムハヌリはジャブから左のアッパーカット、これがグアルティエリにヒットするとグアルティエリはぐらついて後退!ここから一気にいくアリムハヌリ、でしたがグアルティエリはブロッキングとステップワークでこれをなんとかサバイブ。本当に逃げるだけで、グアルティエリはジャブくらいしか打てません。
アリムハヌリにとってもこれを倒すのは容易ではないか?
6R、プレスをかけるアリムハヌリ、グアルティエリは追い詰められてからコンビネーション。ここでもまたアリムハヌリのジャブからアッパーがヒットしてぐらつくグアルティエリ、完全に縮こまってしまっているグアルティエリにアリムハヌリは今度はジャブから右のオーバーハンド気味の右ストレート。ハンマーのように打ち下ろすこのパンチで、おそらく戦意喪失したのであろうグアルティエリをレフェリーが救い出し、試合はストップ。
ジャニベック・アリムハヌリ、6RTKOでミドル級王座を統一!!
ようやくミドル級統一王者となったアリムハヌリ。非常に理詰めに相手を仕留める硬質なパンチャーは、おそらくこの階級で最強なのでしょう。
他のミドル級王者は、WBAにエリスランディ・ララ(キューバ)、WBCにジャモール・チャーロ(アメリカ)、WBC暫定にカルロス・アダメス(アメリカ)。
プロモーター問題もあり、今後の統一路線は非常に骨が折れそうですが、必要なのは報酬であり、それにはもっともっと人気が必要です。その人気を出すには、より獰猛にノックアウトを狙っていく姿勢も必要そうですが、どうなんでしょうか。
今後のミドル級、その動向を注目していきましょう。
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