いよいよやってきました、11月最終週のウィークエンド。
デビッド・ベナビデスvsデメトリアス・アンドラーデをメインに据えた、PBC興行です。
もう残り少なくなってきたShowtime興行、とってもお世話になってきたので寂しい気持ちでいっぱいです。
ともあれ、今回はPPVファイトということでメインだけではなくアンダーカードも超注目。中でもやはりセミセミに当たるマティアスvsエルガシエフは震えるほど楽しみなマッチアップです。
ということで今回のブログは、ガルシアvsローチ、マティアスvsエルガシエフの観戦記。
↓プレビュー記事
11/25(日本時間11/26)アメリカ・ラスベガス
WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
エクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)16勝(10KO)1敗
vs
レイモント・ローチ(アメリカ)23勝(9KO)1敗1分
「Showtime Debut」と紹介されるレイモント・ローチ。これで最初で最後。
対してShowtimeの愛を一身に受けていたクリス・コルバート(アメリカ)にとって変わった王者、エクトル・ルイス・ガルシア。
注目ファイトのゴング。
初回、まずはリング中央で互いに様子見。チャレンジャーらしくローチがやや積極的に仕掛けているように見えますが、まだまだアクションは控えめです。
ガルシアはやや後ろ荷重気味、バックステップの準備をしていますね。
2R、ローチがいきなりダッシュ。ガルシアは思ったより出てこず、迎え撃つスタイル。ガルシアはガンガン行くことができるボクサーなので、危うくなるまでこのスタイルでいくのかもしれません。
ローチは非常にアグレッシブにプレス。元々このボクサーはKO率は高くないですがこういうスタイル、自分のボクシングを貫いているともいえますし、それに対してガルシアに準備をされている、ともいえます。
3R、ローチのステップインにガルシアの左カウンター。これは危険なタイミングです。ちょっとローチは行き切れませんが、ガルシアも効果的なパンチをヒットしているとはいえません。
4R、お互いに突破口を見つけられない、という感じのラウンドが続きます。ローチは頑張って攻めていますが、それに対してガルシアは必ずカウンターを用意しています。とはいえ、反応の良い&警戒しているローチにこれは当たらず。
5R、互いにパンチの当たらないところでの駆け引き、ここからなかなか前に進めない両者。後半、ガルシアの左ボディがヒット、その後ガルシアがプレス。ちょっとこれはガルシアがこのこう着状態を脱しそうなイメージです。
6R、プレスをかけつつも先に手を出すことができないローチ。プレスをかけるローチに対してガルシアがパンチを放ち、いったんリセット。時折出すローチの攻撃も、ガルシアの一発のカウンターにより中断、なかなか動きませんね。
7R、よくジャブを出すローチ。ガルシアも右リードで牽制、力強い左カウンターです。
ガルシアはローチの攻撃の距離を見切っているように見え、ローチはちょっと打つ手なしの雰囲気。
8R、何かしらの打開策を見つけたいローチ、長いジャブ。どんどん体が前のめりになっているような気がしますが、それでも攻め切ることはできません。
後半、ローチはガルシアをロープ間際に追い詰めますが、するりと逃げられてしまいます。
9R、このまま山場なく終わりそうになってきました。ガルシアは無理をしない雰囲気、ローチは覚悟が足りないのか、このままで良いと思っているのか、なかなか試合を動かすことができません。
10R、中盤にようやくアクションが増えます。互いにようやく手数を出して攻め始め、距離も詰まり始めます。まずはローチがチャージ、その後ガルシアも反撃。ここはローチも望んだところ、かと思いきや、ローチの攻撃はここで終了、とりあえずポイントをピックアップできたっぽいから良いのか??
11R、このラウンドも大きな動きななさそうだ、というスタートから、ローチが右をヒット!ジャブをかわしたガルシアに追尾させたような右で、これでガルシアはバランスを崩します。
千載一遇のチャンスを得たローチはここで猛ラッシュ!なりふり構わず左右を振り回し、ショートの右ストレートをサイドヒットさせたローチですが、ここは打ち疲れか。
ガルシアがスタンスを立て直したところでラウンドが終了。
ラストラウンド、ここでガルシアがプレス。ここは行きたいローチですが、ガルシアを待ってのカウンター戦法にスイッチか。
ガルシアが出てきたところで、ローチの左フックがヒット、はしていないのですがガルシアの後頭部を巻き込み、これで思いっきりバランスを崩したガルシアはロープにつんのめり、これがダウン判定!
ガルシアにとってはなんとも不運なダウンですが、ちょっと焦りもあるかガルシア、前のめりになってバランスが良くないかもしれません。
ガルシアはその後プレスをかけ続け、ローチは下がりながら反撃してラウンドが終了。
判定は114-113ローチ、114-113ガルシア、116-112ローチ。
11R、12Rが非常に大きかったですね。「どちらかというと」ガルシアに振るべきラウンドは多かったように思いますが、どっちもどっちのラウンドが多かったのもまた事実。その微妙なラウンドは、アメリカ人であるローチに流れた、とも見える試合でしたね。あのガルシアにとっては不運のダウン判定も含めて。
なんとも消化不良の試合内容であり、両者のパフォーマンスはともに微妙でした。ローチが行けなかったのはガルシアを警戒してのことなのでしょうが、逆にガルシアはもっと行って良かったような。
IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ
サブリエル・マティアス(プエルトリコ)19勝(19KO)1敗
vs
ショージャホン・エルガシエフ(ウズベキスタン)23勝(23KO)無敗
PPVのオープニングファイトは、内容、結果ともに非常に微妙なものとなってしまいました。なのでこのPPV2戦目はバチバチのファイトを見たい。そして、ジャッジに仕事をさせない試合であってほしいですね。
まあ、そんな心配はいらないか。この試合は、この興行で最も楽しみな試合です。
ということでゴング。
初回、まずは軽快なステップからプレスをかけるエルガシエフ。開始早々にエルガシエフの左ストレートでマティアスが吹っ飛ばされます!これはガードの上からでもかなり危険です。
リング中央を陣取るエルガシエフ、右リードを突いては左を突き刺し、マティアスはなかなかタイミングを掴めずパンチを出すことすらできません。
近づきたいマティアスはガードを固めて前進、しかしエルガシエフのステップワークと左右のストレートにより、射程圏内に釘付けにされている状況です。
2R、マティアスが出ようとするところにコンビネーションのエルガシエフ。マティアスはサウスポーに対して苦手、というかこのエルガシエフの動きについていけていないイメージです。
強く打つ、というよりもしっかりと打つ、だからこそ連打が出る、という感じのエルガシエフ、そのしっかり打つ連打の一つ一つが強いからこそ非常に効果的です。マティアスはこのパンチを外したいところですが、なんせファイトスタイルが近づいてからが勝負という感じなので、ガッチリとブロッキングで受け止めようとしています。
マティアスが近づいてたとしても、この距離でも上手いエルガシエフ、肩、頭をうまく使ってtき離したりクリンチしたり、左右のアングルを変えたりと素晴らしいテクニック。
ただ、マティアスにとっては前ラウンドに比べ、距離を縮めることはできているようです。
3R、近づけたくないエルガシエフはストレートを多用、そしてステップワークでポジションを変更。マティアスはグイグイとプレスをかけ、ブロッキングで受け止めており、エルガシエフの強打、コンビネーションに「慣れ」を感じさせます。
かなりプレスがかかっていそうなエルガシエフですが、左を軽く打ったりサイドに動いたりとやはり巧い。しかしマティアスも左手をエルガシエフに取られた状態で右アッパーをダブルトリプルと打ち込み、これはヒットしていますから、ダメージを与えている可能性があります。
マティアスのボクシングは「耐えて近づいて殴る」なので、全く迷いがないのが怖いところ。エルガシエフはさまざまを駆使してこのプレスを躱さなければなりませんが、あと9Rは長い。
4R、追うマティアス、回りながらもコンビネーションを重ねるエルガシエフ。マティアスも手数が増えてきており、この手打ちと強打を織り交ぜた回転力に飲み込まれそうなエルガシエフ。マティアスのプレスもあってロープに詰まる場面が増えてきたエルガシエフ、後半になってちょっと動きに精彩を欠いてきたかもしれません。
5R、グイグイとプレスをかけるマティアス、1分ほどのところでエルガシエフをコーナーに詰めてラッシュ。
その後もとにかくやることが明確なマティアスは歩きながら打つくらいの勢いで左右を振り続け、その攻撃はともかく収まるところを知りません。
序盤とは一転、今度はエルガシエフがほぼ攻撃のチャンスを掴めないままラウンドが終了。エルガシエフはここからの逆転が厳しくなっているイメージ。
そして6Rの開始早々、エルガシエフが棄権、マティアスの勝利が確定。
またも、ノーマス。これでなんと5連続、相手の棄権による勝利!!!
「いつも通り」といえばそうですが、エルガシエフ相手にもいつも通りの勝ち方をしてしまいましたね。これはやはり強い、サブリエル・マティアス!!
こんなにも早々にタイトルチャレンジャーの心をポッキリと折る、サブリエル・マティアスのボクシング。序盤を見る限り、やはりエルガシエフは素晴らしいボクサーですが、それでも諦めざるを得なかったほどのダメージを負い、追撃の糸口を見つけられなかったのでしょう。
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