2023年、ボクシング界のビッグニュースは多々あれど、ボクシングファンほぼ全員に関連するもの、というとやはりShowtimeのボクシング放送撤退、というニュースではなかったか。
Showtimeは37年に渡りアメリカで数々のビッグマッチを放映してくれましたし、日本でもWOWOWでの中継や最近ではU-NEXTを介しての中継でファンを楽しませてくれました。
これは大変残念な話ではありますが、高騰するスポーツ放映権料と収入の比率が合わなくなった、ということだと思うし、話を聞く限りはボクシングに限らずの話であるので、ある種致し方ないところはあるかもしれません。
Showtimeはスポーツ中継から撤退、パラマウントと組んで別のところでの覇権を目指すようですね。
Showtime撤退後話題となっていたのは、PBC(プレミアム・ボクシング・チャンピオンズ)という番組の行き先、ということでしたが、Amazon Primeが引き継ぐことになったというニュース。Amazon Prime自体は世界各地にありますが、日本のAmazon Primeでも流してくれるのかどうなのか、というところはまだまだ未知数でもありますね。
さてさて、ということで今回のブログはボクシングを流してくれるプラットフォームをおさらいしていきましょう。
このロゴはカッコよかったですけどね。。。
世界中どこでも見られるプラットフォーム「DAZN」
「世界中どこでも」は言い過ぎかもしれませんが、DAZNは大多数の国々で分け隔てなく見られる非常に秀逸なプラットフォームです。
例えば日本版のDAZNに入っていれば、アメリカに渡航してDAZNを視聴する、ということもできるはず。
※こちらは以前、北米DAZNのみで放映というコンテンツを、VPNを使って視聴したことがあります。その後のアップデートのことはわかりませんが。
中規模くらいの興行から大規模興行までをカバーしており、イギリス、アメリカをはじめとしたボクシング大国の他、ヨーロッパ圏のボクシングを見るには事欠きません。
2023年9月、DAZNに興行を提供しているマッチルーム社が楽天チケット、NSNという会社との提携を発表、日本での興行を執り行うとしています。
マッチルームとしては「アジア進出」というのは以前から唱えていたことであり、その足がかりとなる興行となるとは思うのですが、果たしてその後、音沙汰は聞こえてきておりません。流石に水面下では随分話は進んでいる(と信じたい)と思うので、今月中くらいに発表を期待したいところですね。
Showtime撤退でアメリカはどう変わるのか
Showtimeがボクシング中継から撤退しても、スポーツ放映というのは稼げるコンテンツであることに変わりはありません。
ただ、ここ最近はプレーヤーの報酬が天井しらずで上がり続けており、それが放映料にのしかかっているような状況であり、おそらくこの流れはさほど長くは続かないのではないでしょうか。
例えば野球選手でも、10年1,000億円という契約が話題になりましたが、10年にわたってインフレを続ける気なのでしょうか。果たしてプレーヤーの報酬高騰というのが、そのスポーツの発展のために良いことなのか、というのは分かりかねます。スポーツ選手に報酬を支払うために、チケットの価格が高騰して中間層が観にいけなくなる、もしくはほかの興行を見にいけなくなる、なんていうことになるのは短期的局地的に見れば前進でも、長期的全体的に見れば後退とも取れます。難しいものですね。
ESPN
さて、Showtimeやその前にボクシング中継から撤退したHBOとともに、長くアメリカのボクシング中継を担ってくれているESPN。
ESPNにボクシングショーを提供しているのはトップランク(ボブ・アラム)であり、トップランク所属の期待度の高いボクサーたちはキャリアの初期からテレビ放映をしてくれる、という特典がつくイメージ。ほかに、イギリスのクイーンズベリー・プロモーション(フランク・ウォーレン)とも提携しているようです。
現在は日本の帝拳プロモーションと組んで日本のアマプラ興行をアメリカで中継してくれたり、TR所属の日本人選手(今は井上尚弥ぐらいか?)の興行もアメリカで中継してくれています。
イギリスではスカイスポーツと組み、英国ボクシングもESPNで放映してくれています。
Amazon Prime
Showtime亡き後を引き継ぐように、彗星のごとく現れた救世主であるAmazon Prime。巨人・Amazonが各地域でスポーツイベントを中継している、ということを知ったのは、日本のAmazonプライムビデオがボクシング中継を始めた頃でした。
この「Amazon PrimeがShowtimeの放送を引き継ぐ」という事象は、おそらく北米のAmazon Primeのことなのでしょう。日本のAmazonプライムが放映しているボクシングを、北米のAmazon Primeは放映していないというのが現状です。
なのでこれらのPBCイベントが日本のAmazonプライムで見られるというのはまだ分かりませんが、ここは是非日本にも引っ張ってきて欲しいところですね。
さて、このPBC興行の開始は3月、とのことなので、おそらく今月末か来月の頭くらいには情報が出てくるはず。期待して待ちましょう。
FOX
で、このことにあまり誰も言及していなかった気がしますが、FOXの話。
アメリカの4大ケーブルネットワーク、と呼ばれるFOXは、2022年10月をもってボクシング中継から撤退しています。
FOXで放映されていたのはPBC興行でしたが、なかなかにカードとしては微妙なものが多かったというのも事実、採算が合わなくなってしまったのもちょっと頷けますね。
このFOX撤退により「4大ケーブルネットワークからボクシング中継がなくなった」ということになったわけですが、結局アメリカでも「大配信時代」に突入しているのだという認識の出来事ですね。
ProboxTV
あとは地味に続けているProboxTV。アプリで視聴できるオンデマンドタイプの配信形態であり、これはVPNとか使わなくても世界中から見れたと思います。確か月額も安かった。
基本的には北米〜南米のボクシングを流しており、小規模〜中規模興行がターゲットですかね。ごく稀に気になるところも出てくる感じ。
Peacock
こちらもアメリカ発、ですが、プロボクシングはイギリスのBOXXER興行と連携しているようです。もっとコアなところだと、USAのアマチュアボクシング、主にオリンピック予選なんかを放映しているようですね。
月額とかは調べていませんが、相当コアなファンには刺さるのかも。
ついでに他国のプラットフォームを見てみます
ボクシング大国といえば、アメリカとイギリス。メキシコなんかもそうですが、メキシコの放送状況としてはテレビアステカ、テレビサという2大巨頭のほか、ESPNに紐づいたESPNknockoutとかですね。基本はメキシコ国内興行のほか、アメリカのリングに立つメキシカン、そして世界のボクシングを見れる、というのがメキシコのボクシング放送事情のようです。
そしてイギリスでは、スカイスポーツ、TNTスポーツ、BTスポーツあたりがよく聞くところ。チャンネル5とか、昔はよくありましたが昨年は聞かなかったような。
特にスカイスポーツは非常に熱心に番組を放映しており、現在はESPNと提携関係。相互に放映興行を出し合っていると思われ、イギリスの興行をアメリカで、アメリカの興行をイギリスで視聴するのに一役買っており、もちろんESPNで放送される井上尚弥の試合もイギリスではこのスカイスポーツで放映されているようですね。
BTスポーツやTNTスポーツという名前はたまに出てくるようなイメージなので、ボクシング中継そのものに本腰を入れているわけではなさそう。
さて、我らが日本のボクシング放送事情
基本的に「地上波」と言われる無料で見られるテレビ番組として、ボクシング放送は一切なし。なので私もテレビはもう捨ててしまいました。
基本的にはタブレットがあれば見れるし、大画面が欲しければ地デジアンテナのついていないモニターで十分。
日本の良いところは、米英のように「プロモーター」間でマッチアップがごちゃごちゃしない、というところでもありますが、逆にいうと英米で言うところのプロモーター(=ジムと考えると)が多すぎて、プラットフォームが多岐に渡ってしまっているのも現状。少しは、減ってきましたが。
WOWOW
もはや多くの説明を必要としない、WOWOWというかエキサイトマッチ。ボクシングファンには遺伝子レベルで組み込まれてしまったプラットフォームだけに、例えライブ配信がない月でも解約できずにいます。
気づくとあんまり見ていなかったりもしますが、お布施と思って生涯にわたり(エキサイトマッチが続く限りは)お金を払ってゆくのでしょう。
WOWOWオンデマンドでのライブ配信は月に1回程度。これが月2回くらいになれば非常に嬉しいですね。
U-NEXT
国内戦でもダイナミックグローブから全日本新人王決定戦、海外戦でもFIGHT SPORTSと連携して主にShowtime興行を放映してくれたU-NEXT。伊藤雅雪率いるTBプロモーション興行を配信してくれたことも非常に良かった。フィリピン興行もやってくれるんですかね?
2024年からはダイナミックグローブも増える、ということでこれは大変嬉しいことですね。
月額としてはWOWOWに次ぐ高値ながらも、ボクシング以外にも見れる番組が非常に多いのは良いことですね。私はボクシング以外何も見ませんけど。。。
ともあれ、あとは海外戦をどこまで放映してくれるのかが気になるところ。これはFIGHT SPORTS次第なんでしょうけど。
Amazonプライムビデオ
ビッグマッチしかやらないAmazonプライムビデオ。これまでの日本のアマプラ興行、LIVE BOXINGはそのマッチアップも素晴らしいですが、内容としても本当に素晴らしい試合の連続であり、妙なハーフタイムショーとかも入れない昔からのボクシングファンが喜ぶような内容です。
月額600円という破格の安さと、ライフラインとしてのAmazonということを考えるともう感覚的には無料のレベル。ボクシングファンとしては、入っていないわけにいきませんね。
ABEMA
ABEMAも今や必須のプラットフォームですね。2023年は重岡兄弟の世界戦や井岡一翔の世界戦を配信してくれたABEMA.TV。
3150FIGHTは視聴数稼ぎのために長時間になりすぎる、また、ボクシングファンは絶対に喜ばないであろうハーフタイムショーを入れたりとあまりありがたくない興行ですが、ABEMAプレミアムに加入しておけばそういった雑多なものは全てぶっ飛ばせるのでこういうのは本当にありがたい。今年もABEMAにはお世話になりそうです。
FOD
月に1度の配信で、隔月でフェニックスバトルとダイヤモンドグローブを順繰りに配信してくれます。
全試合生配信、というのは非常に嬉しいことですが、ややカードとして弱い月もあり、そこがまた微妙なところ。平日興行ということもあり、無理しないと見れないので、カードが弱いとなかなか見る気になれません。
大橋ジムとしてはどちらかというとFOD放映のカードよりも、Lemino放映のカードを充実させているようですし。。。大人の事情ですね。
Lemino
で、Lemino。フェニックスバトル、井上尚弥の試合を無料配信してくれています。とはいえ、やっぱり知名度が低すぎるので、おそらく普段ボクシングを見ない人たちは井上尚弥の試合といえどもここに辿り着けないのも現状でしょう。
頑張ってもらいたいところですね。
BoxingRaise
様々な配信媒体が押し寄せる中で、BoxingRaiseのライブ配信というのはいつしかなくなってしまいましたね。
とはいえ、過去試合は膨大な量を抱えており、まだまだお世話になることは多い。
ライブ配信は大変だ、とのことなので、そこまでは求めませんが、やっぱり国内の小規模興行を拾ってくれるのはここしかないので、これからも継続して配信をしてほしいですね。
DAZN
結局のところ、DAZNというのは貴重な情報源です。
現在は主に海外戦、それもアメリカやイギリス、ヨーロッパが中心ではあるものの、ここからマッチルームがアジア進出をしてくれればそれこそほぼ全世界をカバーできるかもしれません。
採算が取れているのかどうなのか、というのは怪しい限りですが、月額980円で世界中のボクシングが見れるのだからこちらも必須のツール。
そのほかにも、日本ではYoutubeでの配信されてきましたが、それらもちょっと淘汰されてきた感じがしますね。配信の労力というのは計り知れず、それに見合った対価を受け取れないというのが現状なのかと。
いずれにしろ、日本のボクシング配信事情は、もっともっと絞ってもらって良いですね。
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