1/23(火)、「いつも通り」Amazon放映のLIVE BOXINGは大激闘の好試合だらけでした。
なんでこのアマプラ興行は神興行ばかりなのか、その秘訣を誰か分析した方が良いですね。
私はというと田舎からドアtoドアで5時間近くかかるエディオンアリーナ大阪へ、当日(7:00-12:00で勤務したのち)昼から移動。ちょうど17:00直前に到着しました。
チケットは現地受け取りにしておいたので、モタモタしつつ受け取って、会場の入場は17:30くらいだったでしょうか。すでにアンダーカードは始まっており、色々整えて着席。
終わったあとは速攻で最終の新幹線に飛び乗り、途中で一泊。朝6:00に起床して始発で帰宅、みたいな弾丸ツアー。いつものように車で行ければ良かったんですが、とにかく大阪あたりで道が凍るととんでもない事故渋滞が起こったりもするので、安全と思われる電車移動にしました。
そして仕事を終えて現在。。。フレックスタイムというものは良いものです。結果、1日も休んでいません。(仕事は溜まっているけれども)
ということで今回のブログは、一夜明け会見ならぬ一夜明け感想をお届け。
↓観戦記
辰吉寿以輝vs与那覇勇気
やはりというか当然というか、非常に噛み合った両者。
結果、ポイントは非常に競ってはいましたが、会場で見る限り辰吉の勝利は揺るぎがないように思えました。ただし、それは私が辰吉応援団の場所にいたからなのかもしれません。私の座席の斜め後ろには、「浪速のショー」こと中澤奨氏もいましたから。
ともあれ、今回の辰吉はジャブが本当に素晴らしかった。
初回から惜しげもなく使った細かいジャブ、3発目、4発目を力強く当てようというスピード重視の軽打のコンビネーション。
対して与那覇はかなりエネルギッシュな大振りであり、幾度となく空を切ったパンチは明らかなパワーを伴っており、非常に怖さもありましたね。
辰吉の左フックカウンターも素晴らしかったですが、聞いた話だともう初回から左拳を痛めてしまった、とのこと。2R以降も左フックを振るっていましたが、中盤か後半くらいには確かに出なくなってはいたので、試合が進むにつれて悪化していった感じでしょうか。
試合後、拳四朗の試合が始まる前に少しご挨拶もさせていただきましたが、確かに左拳は晴れており、氷嚢で冷やしている状態。大事にしてもらいたいものです。
アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟
BoxingSceneでは「アップセット」と報じられています。長期政権を築いていたダラキアン、当然この勝利はアップセットと言って良いでしょうし、あそこまでの大差判定でユーリ阿久井が勝利するなどとは誰が予想したのでしょうか。
判定でダラキアン、KOで阿久井、が一般論とも思いますが、個人的にはここ数戦の阿久井をみて、判定勝利は十分にあり得ると踏んでいたものの、ここまでポイント差がつくとは思ってもみませんでした。
ただし、海外のオッズメーカーによるとこの試合のオッズは超がつくほど拮抗しており、どっちにかけてもほとんど儲けられないオッズ。これは単に二人のボクサーを知らなさすぎて、賭けの対象にならなかっただけなのかもしれませんね。
いずれにしろ、超安定王者のダラキアン撃破、というのは本当にすごいこと。
昨今、ここまで評価が高い(はず)の王者を破って戴冠した、という事例があったでしょうか。
ここ数年のうちに戴冠したボクサーたちの経緯を見てみると、井上尚弥を置いておいたとしても重岡兄弟、谷口正隆、尾川堅一や中谷潤人と勝つべくして勝ったとみるボクサーが多く、アップセットというのは「番狂せ」というぐらいだからやっぱり少ない。
予想振りの中、アップセットでの戴冠は矢吹正道、木村翔くらいのもので、その中でも木村が倒したゾウ・シミンは実績こそあれ安定王者ではありませんでした。
ともかくこのユーリ阿久井の勝利は快挙の中の快挙であり、王者を攻略しての王座獲得は、この階級のトップ戦線に食い込んでいく行為。
ここでおそらく、リングマガジンのランキングではダラキアンに代わって4位にランクインされることが予想され、このランキングで上にいるのはジェシー・ロドリゲス、サニー・エドワーズ、そしてフリオ・セサール・マルティネスだけです。
ロドリゲス相手には厳しい戦いとなりそうですが、エドワーズのことは捕まえられそうですし、マルティネスに押されることはないはず。フライ級最強まであと一歩、次戦は5月の井上vsネリのアンダーカードに組み込まれる可能性もある、とのこと。これは超楽しみですね。
あとサニーが「日本に行くよー」と言ってくれているので、年末の日本で見られるならこれはまた本望。
那須川天心vsルイス・ロブレス
那須川天心の上達の速さがエグい。上達の速さがエグい、というか、やはりボクシングにフィットし始めた、ということなのでしょう。
元々の格闘センス、リングの上で戦ってきたことにより鍛えられたリングIQ、それがキックボクシングという競技からボクシングという競技に移り始めている、そんなイメージです。
わずか3戦で、ナチョ・ベリスタインの門下の(下位であり、ランカーと呼ぶにはやや心許ないが)世界ランカーをあのように圧倒するというのはとてつもない力を持っています。
果たして、ルイス・ロブレスはそのタフネス、進化を発揮する前に棄権してしまったので、いったいどれほどのボクサーだったのかはベールに包まれたまま。
それでも、あの那須川劇場を見ると流石に「パンチが軽い」とか、「ボクシングでは通用しない」といった言葉は非常に空虚に聞こえます。
那須川の左ボディは本当に素晴らしかったし、あのボディでロブレスの心を折ったことがあのノー・マスに繋がったと見ます。
そもそもロブレスは仮病かとも思ってしまうくらいでしたが、もしかしたら試合前から足に不安を抱えていたかもしれない、というのは京口のYoutubeで見ました。映像で見れば違和感がわかるのかもしれません。会場では、流石にそこまでは見えませんでした。
とにかく、戦国バンタムに現れた那須川天心。6月のアマプラ興業にも登場、とのことですが、本人は「ダメージはないのでまたすぐに試合をしたい」との言。今はキャリアを積むところだ、というのはよくわかっているようで、ここは2-3ヶ月ペースで試合を組み、その度に進化を見せて欲しいところですね。対戦相手は、もはや日本人では務まらないでしょう。(務まるとするならば、もはやそれはビッグマッチになる)
寺地拳四朗vsカルロス・カニサレス
カニサレスは本当に素晴らしかった、というのが感想。とにかく今まで見たカニサレスで一番強かった、と言っても過言ではなく、年齢的に見てもプライムタイムを迎えているのでしょう。
観戦記でも書きましたが、なぜ、ベルムデスに負けてしまったのか。
とかく打って強く、打たれても強いカニサレス、ラウンド終盤の攻勢は迫力十分だったし、拳四朗のもらい方としても非常に怖かった。
カニサレスはこの結果を受けてすぐにWBAに直訴、再戦を希望しているとのことです。
これは気持ちはわかりますね。
カニサレスが勝利でも全くおかしくない試合でした。
非常にポイント計算がしづらい試合であり、公開採点がなければいったいどうなっていたのかは非常に難しい。
拳四朗が初回からあの戦い方を選択したのが、例えばあまり仕上がりが良くなく、早期決着がいけるかと思っての選択だったのか、それとも倒そうという気負いだったのか、もしくはねじ伏せてやろうと思ったのか。足を使わなかったのか、使えなかったのか。
様々な仮設立てができる分、次戦の拳四朗の戦いは不安であり、また楽しみでもあります。
次戦はまたも那須川天心との共演予定で、6月のアマプラ興行。
もはやアマプラ興行の顔として広く認知されている拳四朗、今回は那須川の試合の後、席を立つ人は少なかったように思います。
この試合の前、ライトフライ級の4団体統一が見たい、と思っていましたが、次戦が6月ということであればそれも難しいかもしれません。
いずれにしろ、2月か3月にならないとライトフライ級王者が誰なのかもわからず、現状では交渉のしようがありません。
現在フライ級の候補はWBC王者のフリオ・セサール・マルティネスとのこと。
マルティネス相手であれば、しっかりとアウトボックスすれば難なく勝てそうな気もしますが、下手に打ち合うと危険。ドーピング陽性疑惑(メキシカンビーフ事件により結果シロ)、ウェイトオーバーとやらかし放題のマルティネスは、ネリ同様そういう危険性も孕んでいる相手なので、現在のところどっちが良いかとかは言えませんね。
↓ライトフライとフライについてまとめた記事
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