井上尚弥がBWAA(全米ボクシング記者協会)の選出するファイター・オブ・ザ・イヤーに選ばれたとか。
リングマガジンのFOTYもそうですが、日本人にとっては夢のまた夢のまた夢、とも言える賞を次々と受賞していく井上尚弥、おそらく10年後に振り返ってみたときにはこの頃は流石にプライムタイムと言えるのではないでしょうか。
名実ともに「世界一」となった軽量級は、この先もまだまだ私たちに夢を見続けさせてくれるはずです。願わくばこのボクシング史上最高のボクサーに、とてつもないライバルが現れてくれることを心待ちにするわけです。
さて、そんな話題もありつつ、今回のブログはなかなか進まなかたAmazon Primeボクシング興行のプレビュー記事の続きです。
↓メインは拳四朗vsカニサレス!
↓セミだと思い込んでいたダラキアンvsユーリ阿久井!
1/23(火)LIVE BOXING
那須川天心(帝拳)2勝無敗
vs
ルイス・ロブレス(メキシコ)15勝(5KO)2敗
W世界戦、という大規模興行でありながらも、セミファイナルに抜擢は那須川天心。
デビュー戦の頃から試合順は〜とか色々と言われてきた那須川ですが、この興行のセミファイナル抜擢についてはあまり文句も聞こえてこないような気もします。
那須川天心の「集客力」というのは興行主側も恩恵を受けてきたでしょうし、これをもしダラキアンvsユーリ阿久井の前に持ってきたならば、その試合の前に席を立ってしまう人たちも多いという可能性を考えると、批判覚悟でのこの試合順というのは英断のようにも思えます。
那須川天心を目当てに来たお客さんに、度肝を抜くようなショーをユーリ阿久井には期待したいものです。
そう考えるとメインに置かれた拳四朗のパフォーマンスは、ここ最近のスリリングさ、圧倒的強者感でファンを捕まえているように思います。一つ一つの試合をしっかりと盛り上げる形で勝利する、というのは、「ただの世界王者」ではないボクサーにとっては非常に大切なことなのかもしれませんね。
さて、那須川天心。
プロボクシング3戦目で世界ランカー挑戦、帝拳らしからぬハイスピードエスカレーター式のマッチメークです。
これはおそらく那須川本人の希望も入っているでしょうし、ブランディングとしても悪くないとも思います。ただ、そろそろやはり倒して勝ちたいところ。
スピード、才能は申し分のない那須川の足りない部分は、ノックアウトパンチャーとしての資質。パンチが軽いだのなんだのと言われていますが、こればかりは受けてみないとわかりません。
そもそもパンチが軽かろうが、あれだけ素晴らしいカウンターを打てるのだから、はっきり言って倒して勝てるようになるというのはすでに時間の問題です。もう少し慎重にキャリアを積み、ハイペースで試合をこなせていたならば、もうすぐプロボクシングキャリア1年となるこの若武者は素晴らしい戦績を持っていたようにも思います。
プロデビュー戦で戦った与那覇勇気(真正)からすると、プロデビュー戦のボクサーに倒されるわけにはいかないという意地があったでしょうし、2戦目のルイス・グスマン(メキシコ)にとってもそのマチズモから意地を見せた、と言って良いでしょう。
こういった心身ともにタフなボクサーを倒す、というのは、実力差がある云々の前に非常に難しいこと。さらに、まだ那須川天心がプロボクシング競技に馴染みが薄かった、ということもあるでしょう。
今回の相手、ルイス・ロブレスはどうか。
当然、世界ランカーということもあり、おいそれと倒されてくれるようなボクサーではないことは明白です。
試合を見たこともないですし、おおよその想像こそつくもののどのようなボクサーなのかもわかりません。
ただ一つ明確なのは、わざわざナチョ・ベリスタイン自らがセコンドにつくボクサーなので、期待されていないということなどはないのでしょう。
おそらくマチズモを前面に押し出しグイグイと迫ってくるようなメキシカンは、カウンターパンチャーである那須川天心の格好の相手であるとともに、スピードでなんとかできない相手となる可能性もゼロではありません。
こんなところでつまづくわけにはいかない那須川天心、まず間違いなく勝てる相手を選んだであろう帝拳陣営。これらの思惑がナチョによって破られないことだけを願います。
ただ一点、正直那須川もそろそろKO勝利を収めなければいけない、という焦りがあるのでは、と勘繰ってしまうことがあります。この「0KO」はともすれば集客力に大きく影響を及ぼしかねません。
大切なのは勝利することですが、ここらで那須川のパンチャーとしての覚醒を見たいものです。
与那覇勇気(真正)13勝(8KO)5敗1分
vs
辰吉寿以輝(大阪帝拳)14勝(10KO)無敗1分
これは両者にとって、特に辰吉にとってはかなり危険なマッチメイク、と言わざるを得ません。
昨年、那須川天心の対戦相手を務めて知名度を上げた与那覇は、やや変則的な動きを織り交ぜつつのアッパー、通称ヨナッパーが代名詞。
対して辰吉寿以輝、この「辰吉」という文字を書くのも恐れ多い(そもそも本当のタツヨシはPCで出せないし)と感じるのは私と同等の年齢のボクシングファンは多いはずですが、何せあの我らがジョーの次男坊です。
与那覇も単純に好きなボクサーですが、流石にこのレジェンドの息子を応援せざるを得ません。さらに、この辰吉寿以輝は私のショップのお客さんでもあります。(と、こっそり宣伝)
ともあれ、変則的な与那覇、父と違って正統派の辰吉、このファイトスタイルの違いこそあれど試合展開としては打撃戦、いやどつき合いが予想されることは事実。
那須川天心のファンに、「タツヨシ」の名前がどれくらい効力があるのかはよくわかりませんが、はっきり言って辰吉丈一郎というボクサーは当時で言うと那須川天心の何倍も知名度があったようにも思います。おそらく、井上尚弥よりも。
そんな重圧を自ら背負い込み、リングに立つ辰吉寿以輝。
与那覇勇気は純粋に過去最強とも言える強敵であり、ここに勝てばランキング返り咲きも確実視されるハイリスク・ハイリターンな相手。
ここで与那覇に勝利することが、那須川天心戦に繋がるか、というとジム側の云々もあってそうではないはずですが、間違いなく那須川天心と比べられる、と言うことはあるはずです。
個人的な思いとして、「辰吉>>>>>那須川」であることは明白なので、与那覇には申し訳ないことですが、ここは辰吉のKO勝利を期待したいところ。
良い試合になってほしい、ということよりも、辰吉に倒して勝ってほしい(もちろん好試合になればより好ましい)というのが先立ってしまうのは、ボクシングファンという以前に辰吉ファンだからなのかもしれません。しかも完全に親父の方。
ともあれ、ここで使うべきところがきましたね。
「がんばれ辰吉」でいきましょう。
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辰吉寿以輝選手が使っているのはCasanovaですよー